2022年04月27日

オジサン二人が「あ〜」って言っている動画


天草陶石からなる色見は、温度があがるほど白い。

わたし自身にとってもみずからの操作で1300℃を超えたのは初めてでもあり、良い経験になりました。
色見、温度計、ゼーゲルコーン。

それらを正しく用いてこそ、ですし、大沢ガス炉商会の窯だから、というのもあると思います。

窯出しが楽しみですね。
posted by inoueseiji at 06:51 | イノウエセイジの頭の中

2022年04月22日

最近だとメルカリでメモリ購入したぐらいか?


とりあえず「窯」を「釜」と書いている人を信用してはいけません(笑)。

また、これはアリかな、というものでも価格が高すぎるきらいがあります。
まぁ大体そういうものは入札もされているし、メルカリだったらプロっぽいひとのコメントや交渉が入っていました。

いずれにせよ、アナタがたのしいやきものライフを送るのであれば、わたし個人はオークションはオススメできない。

わたしは昔結構出品したり購入したりしましたが、窯関連のものを購入したことはありません。
また販売もコチラの素性がわかっていた方が購入したようなところもあると思います。




posted by inoueseiji at 07:44 | イノウエセイジの頭の中

2022年04月14日

サイズは難しいですね

わたしの作品上の師匠であるKさんは、いきなり1㎥を設置してスタートされました。
いまもその窯は元気に稼働しておりますし、そのサイズだったから出来た作品もたくさんあったようです。

とはいえ、単純に計算すれば炉内の有効寸法が1×1×1メートルのガス窯、実際には幅が約2メートル、奥行きも2.5メートル、高さも2メートルほどあり、台車式のシャトルキルンです。その設置場所のイメージとしてはまぁまぁのサイズのトラックを駐車できる程度の広さが必要になります。

焼成時間もそれなりに長くなり、燃料費や窯詰めまでの仕事量やリスクも大きくなっていきます。この窯で一窯パァとかあったそうですから(笑)。




40年以上前であれば、そこまでアマチュア向けのガス窯はなかったというか、工業炉をメインにしている製造メーカーだっとすれば、感覚として1㎥は小さいというのもあった時代です。

サイズによるマウンティングもあったし、わたしもそういうことを言われたことがあります。
まぁ窯造れないヤツがいくらほざいてもなんとも思いませんが、いい気持ちはしませんよね。

これからという方に申し上げたいのは、窯のサイズで無理をしない、できるところからスタート、で良いということです。

以前、梶田絵具点の梶田さんも100Vの電気炉で二年頑張ればそいつは大きく進化する、みたいなことを言われていましたが、まったくその通りだとわたしも思います。

サイズで無理をせず、いつでも焼成できるというスタンスをもっておくことが、結果として早道だと思います。

無理をしてでっかい窯にして年に二回しか焼成しないよりは、毎週実験的な焼成を小型炉でしている人のほうがレベルは上がり、プロにもなれる可能性が上がります。


大切なのは焼成することですね。
なんて、一番焼成していないワタシが言ってるんですが。


posted by inoueseiji at 05:03 | イノウエセイジの頭の中

2022年04月11日

プロになる気ある?


無知な言いたがりのおかげで100V電気炉のヒーター線はすぐに切れると思われているようです。
まぁ、アマチュアはびっくりするわな。

そもそもプロはアソコの買わないんで。
ロクロとタタラマシーンはおすすめするけどね。

誰がどうやっても100回も持たない素材を使っているんだからしょうがないよ。
窯選べない層にブランド名で販売しようってことなんだろうし。

製造メーカーでは動画について会議したなんてウワサもあるけど、そっちも窯に手を出すならもうちょっとやることあるんじゃないですかね。むかしからロクロ回せる営業マンは1パーセントぐらいいるみたいだけど、窯焚ける人いないじゃん。だから海外で造ったり輸入したりするんだろうし、100Vに関しては設計もあんな感じなんだろうね。

プロになる気があるとして、そのスタートラインでマシンがそれならゴールは見えているって。ましてや中古探してます?
ホンダとかヤマハの隣に聞いたこともないメーカーの年式不明の中古マシンで並んでませんか〜。今のマシンはコンピュータで制御してるけど、その中古はまだキャブレターなんだね。

F1とかでもサポートメーカーとかタイヤメーカーが変わった途端に表彰台のメンツが変わったりするという場面を昔はよく観たけれども、ドライバーが早いだけじゃないんだってびっくりしたよね。機材の差が大きいということでしょう。陶芸作家もある程度がんばってきたのならば、そこまでおおきなテクニックの差はないと思うんですよ。つまり誰ががやれたことはアナタもやれる可能性が非常に高いんです。

だから大切なのは、その仕事のキモになる機材や道具があり、これだけは絶対に押さえておくべき基本があるってことを理解しておくことです。急がなくていい。

それをしないで成功するわけがない。

でもね。

飲食店をオープンするのに居抜きで中古の設備でもいいじゃないですか。
コストも抑えられるしね。

でも包丁まで中古はイカンやろ。

ましてや目玉焼きぐらいは作れるようになってオープンでしょうし、包丁の研ぎ方はマスターしましょう(笑)。

マスターするのに時間がかかるようなら長生きすればいいと思いますぜ。





焼いたものが勝ち、やったものが勝ち。



(LEVI'S衝動買い)
posted by inoueseiji at 08:10 | イノウエセイジの頭の中

2022年04月08日

江頭と長渕の後輩ですが何か?



動画は気がつけば300本を超えていましたが、まだまだ陶芸の世界の方に認知されていないというのがわかりました。
基本に立ち返って、窯のことをお話していきます。

わたしも築炉業界では最底辺におりますが、使い方ぐらいはお伝えできます。
テクニックを教えるべき場所でセンスとか才能とか言うことが美術や工芸の教育では多いようです。とくに美大ね。

その前があるってことでしょうが。

道具や絵具、溶剤、さまざまな機材の存在を知らないと、21世紀のご時世に「米の研ぎ汁で煮て目止め」とか言う20代が出現してしまいます。

わたしは毎朝5時前後におきておりますが、家族と朝食などをして朝ドラ観て、なんて中でいつも30分ほど空き時間があります。ネットをチェックしたり本をペラペラめくったりしておりましたが、その時間に撮影していこうと考えております。

今後ともヨロシク!




posted by inoueseiji at 07:21 | イノウエセイジの頭の中

2022年03月26日

一年講座を終え、短期講座で次のステージへ?


15年間の生涯学習センターの一年講座を終えました。
最後は備品や棚、窯場を大掃除。

思い起こせば、初年度の第一回の講座前、清掃部のオバサン3人がクンロク入れに来たところから始まりました(笑)。動画でお話しております。

イノウエを映画化するならココから?



posted by inoueseiji at 07:19 | イノウエセイジの頭の中

2022年03月23日

陶芸教室と教育の限界

毎週木曜日の生涯学習センターの講座、本年度も最後の講座発表会を終えました。

昨年は中止でしたので、今年もあまり人が来なかったように感じました。
また、せっかく発表の場を得ているのに、受講生自身も会場に来ない方が多く、すこし残念に思います。
わたしは普段口だけで偉そうにしているので毎年この発表会では会場になるべくいるようにしています。

多くの鑑賞者がいるわけではありませんが、それでもその反応や会話からヒントを得ることがあります。


IMG20220319100130.jpg


以前の受講生だった方が見に来てくれることもあります。老人会なんかでまだ続けている人が多いようですが、気になるのは、釉薬や粘土の製品名を知りたいと質問されることです。

そこではないのです。まだそのレベルにいるのかとガックリすることもあります。
自分で釉薬を作ったらと勧めても、それは尻込みする。まずは粉を2、3種類混ぜるだけなのに。


IMG20220319100214.jpg


わたしは陶芸窯を取り扱っていますが、いきなり窯を買えとはいいません。陶芸教室や生涯学習センターなどであっても焼成を意識して作陶はできるはずです。そのための考え方やカリキュラムを考えることが重要だと考えています。

そのうえで窯を持つことを決心されれば、サポートは責任を持って行います。


よく指導で口にすることですが、釉薬は絵の具ではありません。相手の粘土との相性、施釉された厚み、焼成条件で製品となったときの雰囲気はかなり変わります。

人の作品ではそれを見るべきであって、この釉薬どこで買ったの?はあまりにも幼い質問です。

またコチラは当然知っているだろうと、製品名や赤土◯号とか言いながら質問の電話をいただいたりしますが、知るわけありません。粘土屋さんや釉薬屋さんが勝手に製品名をつけているだけですし、どこで購入したかというとネットショップだったり、製造元が不明だったりする。

これもちょっと違うというか。

特定の素材が大きな影響を与えることもありますが、それはどちらかというと例外的です。
そもそも自分で調合していない人にそれを説明しても意味はないですから。


何かを買えば道が開けると考えるのは非常に危険です(笑)。


電動ロクロでも何度やってもうまくいかないが、この土が電動ロクロ向きではないのではないでしょうか?などと言われたこともありますが、自分で掘った土じゃないなら、それは粘土ではなくアナタのほうが電動ロクロに向いていないということです。

というわけで。




これまで生涯学習センターで15年ほど週イチの一年講座を行ってきましたが、辞めます。
来年度は月二回の半年講座を年に二回に変更し、短く要素を絞って陶芸教室の限界を突破しようと考えます。

これは生涯学習センター側と話し合ってきたことで、コロナがなければ二年前に変革していたはずのことです。これにより、新たな利用者の増加を期待します。ダラダラと同じ人が生涯学習センターで陶芸を続けるのは、コチラは楽ですが本来の目的からは外れていることです。

そして長くつづけると必ずモンスター化する人が出てきます。
そういう人や気持ちが育つ要因を排除する、というのもわたしの目的でもあります。焼成を通じて理解していない人ほどモンスター化する傾向があるように感じています。

少なく短いカリキュラムで要素をあぶり出し、嫌でも陶磁器製造の要素を把握してもらいたいと切に願っております。
ダラダラと続けるものではありません。基礎と入り口を教えてもらえば、自分やグループで続けていくことをサポートするのが生涯学習センターというもの、生涯学習というものです。あくまで理想ですが、目指さないのなら意味はありませんから、わたしはいつもそれを目指しています。




16年目を迎えるというのに、忸怩たる思いです。
陶芸教育というものを自分の場所でさえあまり変えることが出来なかったようです。
またPDCAで頑張ります。






続きを読む
posted by inoueseiji at 05:58 | イノウエセイジの頭の中

2022年02月21日

そもそもロクロの前に

まぁまぁハードな週の後半でしたので週末のロクロ動画アップはお休みにしましが(毎週アップだったのか?)、次はちょっとまたホワイトボードでのお話動画にしようかと考えています。

いろいろと指導してきた方々を思い出していた中で、そもそもロクロの前に手びねりというか、ロクロだけではなく、粘土という柔らかい素材に対して、指や手のセンサーがどの程度その人(もしくは自分)にあるのかを確認する必要がある、あった、のではないかと最近考えています。

特に男性の場合、手びねりでそっと摘んだ粘土が伸びるのを感じ取れていない方が結構多かったように思います。「作業としての手の動き」ではなく、「粘土の状態を感じ取りながら手を動かす」は大違いです。

この感覚、はじめから出来ている人には「?」という話です。
でも指導の現場でそういう方に多く接した経験のある方は思い当たる節があるのではないでしょうか。

もちろん、そんな方々をどうこう言っているわけではありません。
このワタシも訓練校に入ったときには前者、出来ないし、感じ取れない側でした(片思いにも気付いてあげれなかった)

焼成の経験もなく、作業としての手の動きさえうまく出来ない。
そしてそれのどこがダメなのかわからない。

こう書くとどうしようもない人間のようにも聞こえますが(笑)、実際にはそういうアマチュア作陶家の方、多いと思いますよ。

いまこれをお読みになって「いるよね〜。まぁ俺は大丈夫だよ!」と思っている方は危ないです(笑)

ワタシがそうだったから間違いない(笑)





作業を覚えるということが様々な仕事であります。
でもその目的や原因、理論や原理を教えてもらえることは案外と少ない。

そんな中で職業人としてのキャリアを積み上げていくと、出来るけれども見えていない人になる恐れがあります。職場ではそれで問題ありません。そこには事故や過ちをおこさないようなルールや規定があるからです。

例えて言えば、クルマの免許をもっているけれどもハイブリッドの仕組みどころか、2ストローク・4ストロークの意味も、ディーゼルエンジンの原理も知らないということです。それでも運転免許と道交法、道路インフラが発達しているから問題ありません。

これを陶芸の世界に置き換えて考えれば、電動ロクロを回してものを作るのは、自分で(乗用車本体とは言わないまでも)サスペンションを一から開発して製造するようなことなんです。

陶磁器はこれまでの人生で散々使ってきたし買ってきた。なにを今さらという部分もあるでしょうが、それを乗用車に置き換えるとこういう感じだと思うんです。

乗用車の話をつづければ、そもそもサスペンションとはなんぞやとなれば、まずはバネということらしいのですが、なんとなくダンパーと絡めて、いきなりサスペンションを作り出してしまうことが多いとか。本来クルマごとのバネレートが決まらなければ減衰力もはじき出せないわけで、これは順番の話ですね(男子ついてこい!)

さて、体落としのようにロクロの話につなげれば、粘土が変形するという工程とその原理を確認しておかないと、永遠にゼロなロクロ技術になる恐れがあります。そしてそれを商売なんかにしてしまうともう取り返しがつかないかもしれません。

初めての長期アルバイトでもそうですが「仕事わかってきた、今の俺イケてる!」と思っている時が実は一番仕事が中途半端なものです。

先日動画のコメントにも書いていただきましたが、言語化できるということは大切です。
言語化できるということは書けるし話せるということでもありますから、今一度粘土のことを勉強するのも大切だと思います。

そして、自分の経験からも言えることですが、粘土やロクロに触れなくても、上達のために出来ることはたくさんあります。

筆を持つ、落書きする、指のストレッチ、スポーツをする、楽器を弾く、ペン習字などなど。
たとえばアナタはフリーハンドで30センチ程度のきれいなまん丸の円を紙に描けますか?

器用かどうかは脳ミソの問題です。
脳ミソは身体を使ってしか変化しないものだと思います。

ロクロはロクロと考えず、全てがリンクしていると考えるようにしてみましょう。
そう思うだけで家事も仕事も趣味もつながっていくし、全てに面白さを感じ取れるようになります。それは無理というのであれば、せめて電動ロクロと手びねりぐらいは繋げてほしいといつも願っております。






posted by inoueseiji at 06:06 | イノウエセイジの頭の中

2022年02月12日

ロクロは上手くないとダメなのか?

昨日の記事でイノウエをブラックリストのトップに入れてくださった方もいることでしょう。

本日はまったく逆のネタで揺さぶりをかけていきます。

先日ようやく福岡市美術館で会期終了直前のゴッホ展を鑑賞してまいりました。
子供のころから名前も絵も知っている画家ゴッホ。

IMG20220209112432.jpg

今回は「黄色い家」のモノホンも見れて大変感激いたしました。

ゴッホといえば日本人はほとんどの方が教科書などで名前は知っている画家でしょう。
オランダのゴッホとスペインのピカソとドイツのポルシェ(車だろ!)はそこらのおばさんでも知っているヨーロッパの文化の代表格ではないでしょうか。

このゴッホさん、絵描きとしてはマジで下手くそです。
わたしの大学でも絶対に先生に褒められることはありません。

特に遠近感とかデッサンがダメです。これはテクニック的なことですが。
ですから現代の食えない画家に「ゴッホってどう?」とか聞くと微妙な感じになりますので気をつけましょう。

特に種まく人は片足地面についていないし、お前の骨盤どうなっているんだよ〜とツッコミたくなります。
だいたい大人が画面中央に太陽をドカーーンと描いちゃダメです。普通は。

だから言ったろ、ビンセントよ〜。

でもゴッホいいんです。

ご存知のように。



では何故こんなにも人気があって、人の心を揺り動かすのでしょうか。
どうして彼の”ひまわり”に何十億円もの価値があるのでしょうか。

だんだんと解明されてきた彼の人生や死亡状況を知らなくても、どうしてそのキャンバスの上の絵そのもので勝負できているんでしょうか。

乱暴な比較だとは思いますが、このブログであえて言えば、作品の価値とそこで駆使されたテクニックのレベルはまったくイコールではない、ということです。



ということで、ロクロの話。



わたしはこれまでいろいろな場所で、最後のロクロ職人とか、名人とか、有名無名の凄いロクロテクニックをこの目で見てきました。

そして確実にわかったことが一つだけあります。

それは、テクニックがある人が必ずしも素晴らしい作品を作るわけではないということです。

芸大、美大を出た方々、思い出してください。
同期であいつスゲェと言われていた人は生き残っていますか?
専業で食べていますか?(講師や先生業は含めず)
そもそもまだ描いたり作ったりしていますか?

なによりも作り続けること、描き続けることが重要だと思います。

わたしはゴッホ展を見てこれだけの数の作品を自分はくじけずに作り続けることが出来なかったという敗北感もほんのりと感じました。

誰に何を言われようとも好きなことを続けることが大切です。


怒られそうな言い方をすれば、日々コツコツと量産し続けた100枚の一枚に起きた奇跡。
その奇跡のリーチがかかったゴッホの代表作は必然として大傑作になっているだ、と実物を目の前にして思いました。それらの代表作には、学校で習うような遠近感もデッサンも人体の骨格も無視で結構なんです。


ロクロの基礎がデッサンだとすればイメージできるでしょうか。
ロクロがうまいだけでは素晴らしい作品にはなりません。加飾と焼成を経て初めて作品となります。

全行程のわずか10〜20%の工程がロクロであって、それだけで作品が決まるわけではないということだと思います。

もちろんだからといって最初から基礎とテクニックを無視してはいけないですし、自分がゴッホと同類と思うのも大変みっともない発想でしょう。

知識の浅い記事になったようですが、みんさんはどうお考えになるでしょうか。





(とても素晴らしいチャンネル!これ見て行くとさらにグッときます)



日本大好きだったゴッホ。
次は2月23日から名古屋市美術館で見ることができます。




posted by inoueseiji at 08:02 | イノウエセイジの頭の中

2022年02月11日

ロクロが上手い人とは?



ロクロの動画に質問をいただきましたので、動画でお答えしております。

わたしは基本的なことしかできませんが、プロの友人・知人にも「まぁいいんじゃない?」と評価いただきましたので、ガンガン発信していきましょう。

質問やリクエストお待ちしております。




はい、では動画では怒られそうなことを書いてみますよ。



ロクロが上手い人の条件


・独学ではないこと

・仕事としてロクロ成形をした経歴

・ユーチューバー以外


はいはい。
怒らないで〜。



まず独学ではないことは重要です。

どの世界でも独学には危険性があります。覚える側にも教える側にもその危険性があるのです。
これについてはこれまでも記事にした記憶があります。

ロクロであれば、独学の方には無意味な工程や、やってはいけない省略、説明できない理論などが入る人が多いようです。

プロになる多くの方は製陶所、窯元、訓練校、大学や専門校などがスタートとなることが多いと思います。
そこではやりたくもない作業、罵声と怒号、嫌味に意地悪、同期や先輩後輩との張り合い、怪我や睡眠不足がお待ちしております。人生一度はそんな中で揉まれてみるのも悪くはありません。

安心してください。
令和の今はそこまではないでしょう。

ただ、独学でそんなプレッシャーを味わうことは絶対にありません。
いきなり作家デビューというのも同じです。わたしのような失敗をして撃沈ですヨ。



でも、それが悪いということではありません。


独学で良い仕事をしている方もいることはいるでしょう。ただ独学のみやいきなりデビューだと、この世には自分の想像を遥かに超えた次元で仕事している人、そこで修行して独立した人間がいるということを知らないまま大人になってしまうというだけです。自分で自分をプロとか職人とか言って失笑をかわないようにしましょう(笑)。

また独学だと産地を知らないまま活動を始めることがあるかと思います。これもあまり良いこととは思えません。せめてシェフが築地に行く程度には知っておくべきだろうとも思えます。ネットで完結させることも可能なのかもしれませんが、それは窯選びや道具・機材・絵具や溶剤の認知不足につながるようにも個人的には感じています。


教育の場のように思われるけれど、習う人にいくらやる気がいくらあっても伸びようがないのは陶芸教室です。そもそも上記の条件を満たしている講師はほぼ皆無な世界です。またプロを育てるという目的を持つ場所でもありません。生徒がプロになると損するシステムしかありませんでしょ?

もしプロの作家になりたいと思っている方がいらっしゃったら陶芸教室にいくのはデメリットしかありません。わたしのお客様にも教室の方がいますが、これは事実ですから書いておきます。


また仕事としてロクロを回したことがあるかないかは非常に重要です。仕事というのは賃金を稼いだということです。ロクロを見るのも嫌になるまで、です。

例えば、うちの嫁がいくら料理上手でもプロの料理人にかなわないのは明々白々です。それは生活と仕事とのレベルの差です。

その仕事で賃金をもらう、きつくてもヤらなければならない、うんざりするほどの量産、その人がこれらを通り抜けているのかどうかはそのロクロ作業を見ればわかります。

ワタシにもほんの短期間ですが雨でも路面凍結でもカブで製陶所に通勤して指の感覚がおかしくなるまで何万回も印花を押したり、動力ロクロに延々と粘土を打ち込んでいた経験はあります。もう二度とイヤで〜す。もっとも窯作りの方はもっとエグい経験がいっぱいありますけど(笑)。

でもそれらがささやかな経験として自分を支えているのも事実です。
そして自分が経験していないと人の作品や仕事を評価できなくなってしまいます。

ふと周りを見回しても、正しく成功している同期、知人は、ガッツリと量産の現場や窯元で働いた経歴をもっています。それはやっぱり必要なことだと思います。スティーブ・ジョブズだって雇われの時代があったそうです。まぁ、あなたがホリエモンになりたいのなら止めませんが東大には行った方がいいでしょうね。


ユーチューバーではない、というのは特定の誰かという意味ではありません(ワタシも含め)。本当にロクロが上手い人は、不特定多数へ発信するモチベーションにならない、だから発信なんてしていない、ということです。

わたしも仕事でレベルの高い場所にいくほど「ロクロの動画なんてあるんですか?」と聞かれますし「イノウエさんもされているんですか?」とびっくりされています。これだけ動画を出していても観られてもいないんです。

正しく上達した方々は「ロクロのコツ」なんてキーワードでネットを検索する必要もないですし、オススメのサムネイルをクリックすることもありません。そして前述のように発信する理由も持っていないのです。

逆側の極論をいえば、自分の仕事、自分の作品以外には興味を持っていない方々とも言えます。ゆるぎのない技術や目標がある上達しきった人は他人や外界を見る必要はないのです。

これはいつも言っていることですが、仕事と人生が適正に進んでいる方は"YouTuber"にはなりません。ワタシだってそうですから。

もちろん営業活動の一環での発信はあるでしょうし、わたしの動画も焼成と窯へ興味を持たせ、窯の発注へつなげたいというのが目的です。

その目的が不明瞭なままの人も多いでしょうし、そんなものがなくても動画を編集して発信するのは面白い作業です。それで「いいね」とか広告収入があればそれは立派なモチベーションになりますからね。




さて。


電動ロクロにおける成形の技術、もしアナタが本当に上達したいなら、やりたくもないこと、ツマラナイ基礎をありえない量と時間で行うだけです(いま想像された数字の10倍ぐらいやってください)




ロクロ成形技術の上達は、ピアノが上手くなることやクルマの運転免許を取ることと同じです。
それでもピアニストやプロドライバーになれるということではありません。





コツ?




近道?






残念ながらありません。

そう思えるものがあったらそれは罠です





だからまずは一緒に基礎を固めていきましょう!


今後の動画にご期待ください。






posted by inoueseiji at 08:51 | イノウエセイジの頭の中

2022年01月31日

指と手首のストレッチよろ!








いよいよ一月最終日ですね。
「いく・にげる・さる」で年明けはあっという間とよく死んだばあちゃんが言っておりました。
普通ならもう二月だヤバい〜とか言っていたのかもしれませんが、2022年は電子部品の供給不安定がとうとう電気炉製造現場にも影響を及ぼし、値上げ直後に納期大幅延長という事態になって、わたしもその対応にバタバタした一月でした。

そんな中で。

数ヶ月前に出した見積よりも値上がりしていて、納期も延びているのに、楽しみに待っていますと発注してくださった数名のお客様、本当にありがとうございました。責任持って製造・サポートしてまいりますので、いましばらくお待ち下さい。

やるべき対応が落ち着いてきたので、とりあえずロクロ動画シリーズです。

これまで窯と焼成を優先的に発信してきましたが、やれば絶対に伸びるのがわかっているロクロ動画ですから、そろそろ商売っ気を出してもいいかなと思った次第。

土殺しの回数少ないのスゲエだろとか、基礎編と言いながら5キロぐらいの粘土をターンテーブルに載せてたり、完全独学の人や窯元さんなんかのなかなか独特なロクロなんかも参考に勉強をしてきましたので、ロクロ動画も窯の動画同様に100本ぐらいいってみましょうか。

そして意外とふわふわしている陶芸教室系の発信や指導を知るにつけ、まず安全衛生の観点からも基礎をコツコツと発信してみます。手首や腰に注意してお楽しみください。

まぁ下手クソですが一応陶磁器科職業訓練指導員国家資格を嫁ともどもゲッツしておりますけん。


20101127153513217.jpg
(そうそう、とってもイイよ〜)

撮影はメチャ楽なんですが、パソコンがもう限界です。
大幅に改造する予定です。
posted by inoueseiji at 07:21 | イノウエセイジの頭の中

2022年01月25日

2022年版の電動ロクロ講座スタートしましょうか



もうあと2本分ぐらいのデータがあります。
ネタのアイディアは5本分ぐらいありますぜ。


ロクロ動画を作るのが一番ラクです。

マジで。


とはいえ、ロクロよりも溶接の方が上手なわたしは、電動ロクロの基本的な部分しか発信できませんが、視聴者の方々が上達して「ロクロもかなりイケてきたし、ひとつ窯でも購入しようか」なんてなることを目指して頑張ります。



ロクロの基本技術の習得。

それについては訓練校の方式はほんとうによく考えられていると思います。
そもそもどの産地に行っても(理想としては)ある程度は仕事ができるように訓練するわけですから、ロクロの指導も磁器の産地や窯元も想定されているわけなんです。

厳密にはわたしの発信は陶器、土ものの作り方でしかないと思います。ガチの磁器では通用しないかもしれませんが、成形する基本の技術と考え方は共通です。

当時毎日まいにち同じことの繰り返し、何か違う方法論があるのでは、と当時も先生に聞いたことがありますが、いつも答えは「上手くなりたきゃ切立を挽け」でした。

あの訓練校でのロクロの実習は本当にわたしの人生の財産であったと思います。
いまあんな時間を持つことはできないでしょう。
(その意味でも学校などオンライン以外の学びには大きな意味がありますね)

この円筒形が基本というのは他の学校などでもそうであったと確認しております。
まぁ同じ道具ですから当然か。

これからも拙い電動ロクロ講座を出していきます。
みなさま今後ともご指導ご鞭撻お願いいたします。




ロックンロール!


(意外とお気に入り)
posted by inoueseiji at 06:50 | イノウエセイジの頭の中

2022年01月22日

ロクロ動画への準備




一番人気のロクロ動画はコレです。
今からもう4年半も前なんですね。

思えば当時のほうがまだロクロは回せたようにも思えますが、今のほうが伝える言葉とチャンネルが増えたように感じています。わたしの場合はレベルが低い話ですが、50代から60代にピークを迎える作家さんやクリエイターが多いのも自分が50代になって実感しますね。

SnapShot(42).jpg
(死ぬかと思った)

いまはマスクが鬱陶しいのでチャリでの長距離ツーリングやランニングはすっかりご無沙汰になっておりますが、その分スイミングの頻度があがりました。今では毎回ノンストップで750〜1000メートル泳ぎ、トータルで1500メートル以上泳いでいます。15〜20分間ノンストップでクロールできるようになったのですが、そうなるために通り抜けてきた道程において、誰かに物事を伝えるために必要なスキルやエッセンスをたくさん得ることができました。

たしか6年ほど前、20メートル泳げなかったワタシですが、独学で水泳をやってみようと思いました。自分も動画やブログで情報発信をしていこうとしていたので、動画でどこまで技術が身につけられるのか、自分の肉体で確認したかったからです。

そしてYouTubeでとある泳法のメソッドに出会い、週に何度か市民プールへ通うようになると、またたく間に半年で500メートル以上泳げるようになりました。なにがしかの技術を動画を通じて独学出来ると証明できたのです。さらに調子にのってアクアスロンにも2回出場しましたが、逆に独学の脆弱性や不安定さも身にしみて感じるようになりました。

ワタシが覚えたのは2ビートクロールだけで、いわゆる4泳法と言われるもの全てが泳げるわけではありません。特に背泳ぎは未だに出来ませんし、バタフライなんてユメのまた夢です。平泳ぎはなんとなく出来ているようですが、自分ではよく判断できません。4泳法もクロール同様にやればできるのでしょうが、自分の中にそのモチベーションがないことに気がついています。

”プールでしか通用しない泳法はイランよ”

”海でクイックターンが必要だとでも?”

”そんな泳ぎ方で2キロ泳げるのか?”

”かわいい監視員さんが見ている〜”

”こっちはアクアスロン完走してんだよ(ほぼビリだが)


そんな自意識過剰な厨ニオジサン全開なのです。


これって独学オジサンの陶芸にも潜んでいる危険性と同じように感じています。そこをどうするのかは今後の発信で見ていただくとして、もう一つ想像しやすい例えを示して考察のヒントとしていただきましょう。

たとえば書道、書による表現があります。
でっかい筆でアクションペインティングのような躍動感のある書のパフォーマンス。
アレって自分にも出来そうと思う人種も一定人数いるのではないでしょうか。

しかし。

書家というものはすべての文字(と言ってもいいと思う)の楷書・行書・草書・隷書・篆書を書き順も含めすべて長い年月をかけて何百回と書いてきているのです。中には複数の書き順がある文字もあります。それを何年も何年も書き続けて生まれる線があるのです。

パッと出の芸能人や陶芸オジサンがやっても出ない線があるのだとわたしは思います。

そして恐ろしいのは「受け取り側にもその素養がないと見分けられない」ということです。
なぜなら数値で表現される世界ではないからです。

素養を身につけるといっても、別に高いものを所有したり使用したりということではありません。ちょっとした経験とそれを支えている文化や社会、それによって行われる教育があればいいのではないでしょうか。美術や書道、音楽が選択制なのに反対する理由はそこにあります。

とはいえ、同時にそこには正直さと謙虚さがなければならないでしょう。わたし自身がそのケがあるタイプなのでわかりますが、数値で表されることのない陶芸にはそれが欠落しがちな条件が揃っているように感じています。これは講師業を15年やってみた実感です。

トラブルが起きるたびに、誰かがモンスター化するたびに、いろいろな試行錯誤をしてきました。陶芸教室なのに筆記試験をしたり、粘土の量を数値管理して手びねりやロクロ挽きのサイズを意識させたりしてみたのです。

数値化はとても有効だと現在は考えています。


電動ロクロの習得も陶芸家になるのも、実際は運動選手になったりピアニストになることと変わりません。そこを履き違えている方が(個人的な見解ですが)ある一定数いるような気がします。安心してください、ワタシもそうでしたから(笑)。

だれにでもどこにでも器が作れるように、陶芸作品が焼成できるようになったのは素晴らしいことです。そして誰でも発信することができるようになったのも同様に素晴らしいことでしょう。


ではアナタはどれぐらいの修練を積めばピアノ・ユーチューバーになれると考えるでしょうか。

またピアノを弾く知識と技術があるということと同様に、”ピアノ本体”を作る知識と技術もあるのです。ピアノを作るにはピアノの調律も知っておく必要もあるはずですし、そもそもピアノを少しは弾けなければならないでしょう。

とはいえ所詮はピアノ本体の製作者、その演奏はピアニストとして修行してきた人には到底かなわないものなのです。








あれ?


そうでもないかしら?








posted by inoueseiji at 07:58 | イノウエセイジの頭の中

2022年01月20日

今年はカンタンに


電子部品の世界的な供給不安定のために、自動車だけでなく電気炉の製造も滞っております。
ふくおか陶芸窯においても次の納期は下手すると3月初旬にまでズレ込む恐れがあります。

収入源は複数確保しておりますので、とりあえず他のことをしましょう。

mamezara.jpg
(めんどくさいから肩書は「陶芸家」でと係長に言われた)


これまでお客様をはじめ視聴者の方には焼成と窯に意識を向けてほしいと考えて発信を続けてきました。
もうそろそろ自分のためだけに発信してもいいかもね、と思っております。

カンタンに制作できるロクロ動画を軸に、その作品を小型電気炉でこんなふうに焼成できますよ、と見せれば、また電気炉や窯へのお問い合わせや発注が増えるでしょう。これまでそれをしなかったのはあまりにもビジネスライクな動画になりそうだと考えていたからです。気づいていなかったわけではありませんヨ。

コロナにも困ったものですが、逆にそれによって独立のきっかけを得た人も、電気炉購入に踏み切った人もたくさんでてきたのも事実です。また器への興味もステイホーム下に深まったのもあるでしょうし、それをネットで購入することへのハードルも下がったのも間違いありません。

だったらさらに六歩か七歩進んで自分のため、家族のため、誰かのための器を自宅で焼成するというライフスタイルを提唱してみようと思います。実際にそのように作陶されているお客様もいてインスタグラムなどで確認させていただいています。

たとえばこんなお客様です。


コロナで陶芸教室が閉鎖したのを機に、都心のマンションで100Vの電気炉を設置して日々焼成を楽しんでいる。先日はじめて職場の友人からぐい呑みを受注したばかり。いくつものデザインを考え、釉薬には先日郊外でトレッキングを楽しんだ際に採取した一つまみの赤土を調合する。試行錯誤の末、なかなか渋いぐい呑みが完成した。職場の昼休みにコッソリと納入すると友人にも大好評。オンライン飲み会で使用するそうだ。

仕事と陶芸それぞれの満足感を胸に帰路につきながら、まさかスーツ姿のわたしが家に窯を持っているとは誰も思うまい、と一人ほくそ笑む。
(90年代ブルータス風)




そんな人を増やしていきたいと思いますね(笑)。



これについてはホームページにも過去のブログ記事をリンクしております。



2020年10月14日

「一家に一台、陶芸窯」というキャチコピー












posted by inoueseiji at 08:41 | イノウエセイジの頭の中

2022年01月19日

都合の良いオトコ

IMG20210121152152.jpg



むかし福岡へ引っ越すまでの一ヶ月ほどのことですが、瀬戸の外構屋さんでバイトをしていたことがあります。その時に入っていたマンションの新築現場で、自分よりも若いぐらいの、段取りが下手な、どうしようもない若い現場監督がおりました。

いつも社長や職人さんたちも彼をバカ呼ばわりしておりましたが、とうとうある決定的な失敗がおきてしまいました。当時今よりも血気盛んなイノウエは「ちょっとこれはガツンと言ってやりましょう!」と周囲に訴えました(オマエは短期のバイトだろ)。しかし社長の一声でみんなでその失敗を残業してでもカバーすることになり、結果として工事は無事に納期通りにおさまりました。

そして、わたしよりもちょっと歳上の社長がポツリと語った言葉が今も忘れられません。


「こういう仕事をしていると、またどこかの現場で必ず一緒になる。
仕事で喧嘩するときは本気でするが、失敗した相手は追い込むなよ。
ちゃんと助けてやるんだ。いつか助けてもらうときがくるから。」

一字一句同じではないですが、このようなニュアンスの言葉でした。

大切なのは仕事の喧嘩は本気でする、ということです。失敗を見逃すということではない。
喧嘩になるとしても怒られるとしても悲しませるとしても、ちゃんとディスカッションして現場と納期は死守するということでしょう。



とはいえ。
相変わらずイノウエは安く見られるようで困ったものです。
優しすぎてフラレてしまう都合の良いオトコです。


ビジネスとして陶芸に関わっているみなさんならば費用や経費に厳しくなるのは当然です。
そうした厳しい判断のもと、わたしから買ってくれるのかなぁ〜と思っていたら見積も出せずに他所の窯を購入されていた、なんてのはよくあります(修理だけたのまれても知らんヨ)

まぁそれに乗用車だったら、いつもホンダ車を買っていたのに、まさかジムニーが再び販売されるなんて、ということもあるでしょう。

黙って乗り換えてもいいでしょう。
不義理をしても車屋さんなんていくらでもありますからね。


陶芸窯の世界もそうだったらいいですね。


個人的に独立の応援などでその人のために無償で動くことはよくありますが、それで決まらなくても仕方ありません。

というか決まらない方が多い。

無駄足であっても、その出会いでいろいろな学びがわたしにもありますし経験値にもなります。200Vの電気炉に24Vの部品突っ込むような奇特な方や、安いプライドに一万円も払えないボンビーな准教授にも出会えます。

ときにフェイスブックやブログに感謝の言葉とともに載せていただく人がいたりすると、恥ずかしいやら嬉しいやらです。





数年前でしょうか、何度が補修の仕事をもらっていた陶芸教室の講師が自分個人のガス窯を購入したいとのことで対応したことがあります。当時心当たりもあり、その窯を案内しに行ったりしましたね。その後それっきり。

後で知りましたが結局その人は別のところから中古のガス窯を購入されていたようでした。安かったからなのかタイミングだったのかはわかりません。

だったらメール一通送ってくれればそれでいいのですが、ご丁寧にわたしのコメントと写真だけ削除して、新しい業者さんの工事の様子をアップしてあり、それ以降お仕事をいただくこともなくなりました。

そんなことをされれば普通カナシイよね。

プロになりたいのならば、営業活動とはいえ無償で半日潰した相手に、すいません、予算の関係でコチラの窯に決めることになりました、とか、その節はお世話になりましたがあの窯は大きすぎたので申し訳ない、とか、断りの連絡はしたほうがいいと思います。またいつかそちらに話をもっていくことも有り得るわけですから。

それでホントに数年するとその設置業者が廃業。
本人の窯も教室の窯も、対応する業者が突然いなくなったわけです。

先日、仕方なくなんでしょうが、かつてわたしへの不義理はなかったかのように連絡をしてきました。ネットというのは恐ろしいものですべての証拠が残っています。先ほどの窯や業者の件も、この連絡の後に調べてみて初めて知りました。そしてもちろん心情的にこの方の対応することはできないとお伝えしました。

そもそも設置業者が廃業したとしても、「世界に誇る」京都の製造メーカーは存在していますので代理店と修理業者を紹介してもらえばいいだけでしょう。高くつくでしょうが。





そもそも設置業者である福◯釉薬の福岡営業所が一年ほど前に突然のように閉鎖されたあと、多くの困った顧客の方々から連絡をいただいていました(広島本社は残っている)

中には「ふくおか陶芸窯さんが修理してくれると思いますよ」と言われたから、という方もいましたがに◯島釉薬からワタシに何か連絡がきたことはありませんでしたし、それを聞いた時にはちょっと虫のいい話のようにも思えました。

廃業はお客様には関係のないことですから修理対応は誠意をもって行いましたが、せめて福岡の営業所は閉じることになったので申し訳ないがお客様のことでお願いすることもあるかもしれない、といくつか存在する地元業者に連絡を入れておけば、対応するコチラの気持ちももっと違ったでしょう。それがお客様のメリットになることなのではないでしょうか。

もっともそういうことが出来ない、やらないという業種だったのかもしれませんが、これって大事です。状が回る業界はいくつかありますが、築炉業界もそうなったらいいですね。お客様視点で考えれば取り扱い業者が廃業しようが拡張しようが関係ないのですから。


で、この記事は何が言いたいのかというと、相見積もりをするならば断りもきちんと入れることが大切だよ、ということです。

プロの作家として独立したり陶芸教室を運営したりするならば、義理と人情と筋目は一応通しておくといいですよ、というお話なんです。仕事をやりとりするという意味ではありません。

わたしの同期の仲の良い人でも一切窯の仕事のつながりがない人もいますし、他メーカーさんの窯でもずっとワタシが対応している方もいます。正しい人間関係を構築しておくということがいつか必ずお互いのプラスになるのです。みんなビジネスだけどそれだけではない。

窯でつながっていないけれど仕事で協力することもあるし、廃業した他メーカーの修理を対応して新規の話につながることもありますし、知人を紹介されることもあります。

極端なたとえをいえば、明日ワタシが人間失格もとい廃業するかもしれませんし、10年後には西日本ではイノウエ以外の業者がすべて廃業しているかもしれません。


その可能性をアナタもワタシも想定しておかなければならないのです。




プロならばね(笑)。





posted by inoueseiji at 09:44 | イノウエセイジの頭の中