2014年08月19日

金ラスター釉


今回は、わたしが実験してとても良かった調合を紹介したいと思います。

釜戸長石 85 出発原料

亜鉛華  5
無鉛白玉 5
蛍石    5  以上 媒溶材、融材

二酸化マンガン 20 主着色材

酸化銅  3
酸化クロム 0.5  以上 鉱化材

1230℃ 酸化焼成


この釉薬は金属ラスター釉薬の種類になります。

また長石が多いので長石釉の種類に分類されるでしょう。

施釉のコツはちょっと厚めにぬることです。

亜鉛華は、亜鉛華という名前で売っています。
無鉛白玉は無鉛フリッとのこと
蛍石はフッ化カルシウムで、これも名前のまま売っていす。

酸化銅はふつうの黒色酸化銅です。
酸化クロムもそのままの名前で売っています。

この釉薬のように、基礎釉に特定の金属を大量に投入することで、案外と簡単に金属ラスター釉をつくることができます。是非いろいろと挑戦してみてくださいね。

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原料購入はこちらから↓
posted by inoueseiji at 12:42 | Comment(0) | TrackBack(0) | 釉薬に関すること

2014年08月16日

釉薬のソロバン、という考え方

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先日メルマガに書いたことですが、改めてこちらに書いてみます。

やきものを勉強する上で、どうしてもさけて通れないのが釉薬の勉強です。普段は買った釉薬を使っていても、陶芸を志すものとして、釉薬の調合ぐらいは出来なければなりません。

でも世の中には、たくさんの優れた釉薬が売られています。それなのに、どうして自分の手でで釉薬を調合する必要があるのでしょうか。

その答えはいくつかあると思いますが、わたしが勉強中に先輩に言われて非常に納得したのが、「釉薬のソロバン」を頭の中に持つ、という考え方です。

残念ながら珠算の経験がないわたしですが、珠算の上級者になると頭の中に強いイメージとしてソロバンを持っているそうです。そして計算が必要なときは、頭の中でそのイメージのソロバンをはじいて、高度な暗算をすることができるのです。

このソロバンのイメージを陶芸の釉薬調合におきかえてみましょう。

何度も何度も、いろいろな釉薬を調合をしていると、人の作品などでも、これはきっとこういう調合であろう、と推理できるようになります。例えばその釉薬の鉄分の量を推理することができたり、ゼーゲル式でこのあたり、と推察することが出来たりするようになるのです。


また、自分で掘ってきたり、作ったりした原料や灰を、どのように作品づくりに活かすか、その具体的なところへ考えがおよぶようにもなります。

わたしの例で恐縮ですが、テレビで陶芸家が仕事をするのを観ていて、その釉薬の大雑把な調合が、理解できたことが一度ならずあります。また、博物館などの収蔵品の釉薬のマチエールを見て、自分の作品のヒントを掴んだこともあります。

すごい人になれば、歴史的な作品や他人の作品でも、「この作品の調合はこれこれこうであろう」と看破されるそうですし、写しとして再現することも可能になるのです。

これらが「釉薬のソロバン」ということなのです。

自分があるものを焼き上げたとします。それに対して、こんなものが出来た、はい、おしまいと思うのか、次はこういう方向へ持って行こう、と釉薬の調合を考えることが出来るのか、その差の大きさはいうまでもないでしょう。

陶芸を勉強する道を選んだあなたは、釉薬を勉強することから逃れることはできません。釉薬を調合するのは、あなたの仕事全般のレベルを上げるためなのです。わからないこともあるでしょう。理解できないこともあるでしょう。でも大丈夫です。

30を過ぎて化学式に取り組んだ男がここにいます。こんなわたしでも数年かけてイメージだけは掴みました。若いあなたならもっと早いですよ。

がんばってください(若くない人もね)。

釉薬の勉強は、読書からでも始められます。芳村俊一さんや大西政太郎先生、津坂和秀先生の本がおすすめです。けっこう絶版になってきているので、買うならネットなどで探してお早めに!


posted by inoueseiji at 17:05 | Comment(0) | TrackBack(0) | イノウエセイジの頭の中