手びねり、それも手ロクロも使用しない玉作りなどを真面目に取り組む方は案外と少ないように思います。
誰でも最初はそこから始めるわけですが、いつの間にか電動ロクロもできるようになって、陶芸歴も長くなってくるとそういう感覚の人が多くなるように感じます。
どうしても電動ロクロが上、みたいな。
しかし手びねりが下手で電動ロクロは上手いなんて人は存在しません。
ありえないのです。素手で弱い人が棒を持ったから強くなるわけではないでしょう?
★ 簡単にチェックする方法をお伝えしましょう。
玉作りです。
重さは100グラム。
使用していいのは自分の両手のみ。
絶対に手ロクロを使用してはいけません。
均一に丸く伸ばして焼き上がり三寸の小皿にします。
つまり粘土100グラムを直径100ミリ以上にすること。
このとき一切の道具は使用しません。
切って丸くはできません。
きちんと丸いお団子を作り、指でつまむという行為だけで、なるべく真円に近いものにしてください。その加減ができない人は電動ロクロは早すぎます(笑)。わたしの講座では電動ロクロを始めることはできませんよ。
簡単だったという人は、150グラムで四寸皿の150ミリ前後、さらには三角、四角にチャレンジしてください。
同期の旦那さんが三角のおにぎり皿を作られますが、安直に真似する作家をフェアで散見します。ひと目見たらわかります。
なぜなら知人は手びねりして三角にしています。真似する人は”三角に切って”おにぎり形にしているからです。
自分がしっかりと手びねりしていないと、そういうものを見分けることも出来なくなってしまいます。それがわからないと電動ロクロの上手い下手もわからなくなってしまう。
たしかに形は同じようなもの、機能性についてはかわらない、価格はコピーの方が安いかもしれない。
そういうことの先にはカタログスペックのみで判断して安直に海外メーカー製の電気炉を輸入し、自社ブランドで売りさばいて後々トラブル頻発、なんていうことになるのかもしれませんね。
人面墨書土器を毎年小学校で野焼きしています。
子供の手びねりは面白いですよ。
昔作ったものです。いまはもう少し薄く作れるかな?