春になります。
元気出していきましょう!
さてさて、自分が何かを失敗した時、何かをうまく操作出来なかった時、その原因を想像でいろいろと考えることはとても大切なことです。
自分で考えて実行し、仮説をたて、それを検証して答えや解決策を導き出す。
こんな知的な楽しみはありませんよね。
まさに陶芸は、様々な技術やセンスを必要とする美に関わる作業、科学的な考察や、食文化や歴史と伝統文化にまで、あなたのその優れた才能を大いに発揮できる、実に素晴らしい分野です。
だからこそ失敗も多く、何年たっても理解できないことも多々あります。
アマチュアだけではなく、実はどんなにキャリアの長いプロでもそうなんです。
でもプロとアマチュアを分けているのは、その分からない部分をどう扱うかということになるでしょうか。
無視してもいいですし、とことん調べてもいい。
(いつかのワタシのように中途半端にウィキってるのは一番いただけないが、想像だけよりマシです)
いただけないのは、自分だけでなんとなく想像し、そのエビデンスのない自分の仮説を自分の中で「事実」にしてしまうこと。
もっといけないのは、それを事実のように発信することだと思います。
自分である程度経験したのならば、もうプロに相談するのがいいですね。
他メーカーの窯についてですが…。
ある人の窯についてのネットでの発信があり、それに不安に覚えた方々から、私にも多くの質問や、お問い合わせのお電話をいただきました。中には明るくハッピーに注文してくださった後に、血相変えてお電話をくださった方もいました。
この一、二ヶ月はっきりいって迷惑でした。
わたしでこうなのだから、その発信のネタになっている製造メーカーはもっと見えない迷惑を被ったと思います。
わたしは、器や作品の作り方や考え方はなんでもアリだと思っている方で、ホントになんでも自由でオッケーだと思っています。適当でもいいし、間違っていてもいいです。
時には海外の動画などにツッコミを入れたくなることもありますが、ものが一応出来上がっているのなら、それでいいんじゃないでしょうか。
正しい方法や、本来の効率の良い方法を知らなくても、その人の作品が焼き上がっているのなら結果オーライですよね。
しかし。
窯のことでいい加減な理解や運用は事故につながります。
ましてやそういう人が発信するのはどうでしょうか。
「窯と焼成」を忘れてきたから、日本の陶芸教育はこの体たらくです。
わたしだってこれでも恐る恐る発信しているんです。
窯についての発信をするなら、それなりの「お勉強」をするべきでしょう。
さて、幸い状況は改善しましたし、今後も窯に関して明らかな誤りについては窯屋のプロの末端にいる人間としてとことん指摘していきます。
実は窯にも「軽トラ」から「アストンマーチン」まであります。

(映画が延期だよ、超残念!)10年落ちの軽トラしか知らない人が「イケてる車とは?」などと発信しないようにしたいものです。
(むかしタダでもらった昭和の軽トラ550サンバー)
あらゆる車に乗って「やっぱり軽トラ最強だな」と思っている人と、昭和の軽トラしか知らない人の車についての発信は…言うまでもないことです。
窯だけは適当な発信をしないでほしい。
トヨタの車を買って2年で事故ったら「トヨタはダメだよ!」って言うのかってことですよ。
もちろん。
はるか過去には、いい加減な施工や設計があったことは業界にいた人間として知っています。
だから発信を続けていきます。
posted by inoueseiji at 06:59
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