2020年05月31日

窯小屋の雨漏り


これまで仕事でさまざまな場所で窯のエントツを立ててきました。
新規の設置であれば、本体を設置して屋根に穴を設けてエントツを立てますし、エントツだけやり直したりする仕事もありました。

穴を開けてエントツを出せば当然雨漏りがしないようにしなければなりません。これを雨仕舞いと呼んでいました。ブリキなどを加工して、その屋根に合わせてエントツの穴をふさぐ作業ですね。

大きな製陶所の仕事では窯も3㎥など大きくなり、エントツ自体も太く長くなりますから、自分たちで雨仕舞いを行わずに板金屋さんにお願いすることもよくありました。

特に心配なのは遠方に搬入設置工事に赴いての雨仕舞いです。雨漏りがしたと連絡がこないように、より慎重になったものです。

これまでのたくさんのエントツ仕事の中で、派手に雨漏りさせたのは2回しかありません。細かい事例はいくつかありましたが、98パーセント程度の成功率は保ってきたはずです。

では、その2件はというと、作品上の師匠であったKさんの仕事場のエントツ補修工事と、恥ずかしながら今の自分の窯小屋でした(笑)。

福岡県の実家に戻って15年になりますが、この窯小屋は単管パイプで自分で組み上げたものです。当時のわたしはまだ30代なかばで陶芸の事以外はあまりよく知らないのに、なんだかある程度なんでも知っていると思っているお年頃でした。

また資金も乏しく十分な資材で作ったわけでもありませんでした。この窯小屋はその後少しづつ棚を作ったり補強したりして成長してきたのです。

とはいえ、長年の窯屋修行で行ってきたエントツ工事を自分の窯小屋でやってみれば、何年経ってもポタポタと雨が滲み出るありさま。何度も補修したりさまざまなことをやりましたが、もう最後は諦めていました。

そして屋根自体の傷みもある程度進んだため、今回は大規模張替え工事を息子とすることにしました。

ガルバルーフという素材にアップグレードして、垂木やフレームも改修しました。屋根材を何にするかなどを調べていくうちに、なぜウチの雨漏りが起きたのかがわかりました。

そもそも屋根には適正な勾配が必要で、さらにいえば使われる屋根材によってもその角度は変わってきます。また、そもそもお金が全然ない時の素人工事であって、屋根のレベルがしっかりと出ておらず、緩やかにエントツにすべての水が集まるような状態になってもいました。まったくお恥ずかしい話です。

あれから15年、友人のプロとともに子ども部屋や、リビング、廊下などのフローリングの張替えなどで腕を磨き、電気工事士の免許を取ってからは電気配線工事やLANケーブル工事などを施して、実家の母屋もイノウエも、中身が大幅に改善されてきました。

50歳になった今の自分の眼で見て原因を追求し、屋根のレベルを補正して、小屋自体のフレームもこれまでより強固に補強し、使うべきところにしっかりと予算をかけることとしました。仕事の合間に息子と数日間かけて無事に終了です。

すでに九州南部は梅雨入り宣言が出ましたが、今年の梅雨は安心して窯小屋で作業が出来ることでしょう。

わたしはDIYが好きですが、それには自己責任というものが伴います。そしてDIYを行うにも、電気工事士免許まで取って行うのか、そこはグレーゾーンと考えて勝手に行うのか、その違いは恐ろしいほどにあると今回も思い知りました。








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2020年05月30日

ネット講座閉講


実は今月末でナレッジサーブさんにて開講していました「目指せ陶芸家! ネットやきもの講座」を閉講します。

ネットで陶芸を教えることは不可能だと考えていたわたしに声を掛けていただき、動画データを用いてという方法で11年前にスタートした、おそらくは本邦初のネット陶芸講座でした。お月謝いただいていましたから。

しかし、ここ数年はYouTubeでの発信が主となり、データの更新も行っておりませんでした。
ときどきは受講される方もいて、ゼロということはなかったですが、やはりYouTubeとのバランスはとれていませんでしたし、逆にYouTubeからこの講座を見つけてご覧になった方も多かったようです。

わたしとしてはもうネット講座でやることはやった、という気持ちでした。

今は誰でもいくらでも発信できます。
しかも視聴するのは無料。

それは素晴らしいことです。
こんな世の中になって良かったなと思っています。


ただし、無料の情報は正しいものばかりではありません。
それを忘れてイタイ思いをされませんように。

お金を払うこともとても大切だと思います。
教える立場の人でも、プロの作家でも、誰かに有料でアドバイスを受ける意義はあると、自分の経験から強く思います。


そんなことをいろいろと考えさせられたネット講座でした。


感謝もされましたが、制作例をもっと出せ、ともよく言われました。
今でもわたしのYouTube動画の人気はロクロ絡みですが、窯がないのに、作り方ばかりを覚えてもなぁという思いが、今のYouTubeでの窯に関する発信に繋がっているように思います。


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カメラを買わなきゃ写真は撮れません。
そんなことを言っていたら、スマホでいい写真が撮れるようになりました。

同じようなことが窯でもおこっているんじゃないでしょうか。

わたしが若い時に、こんな100Vの電気炉は無かった。
年に数回のチャンスを待つしかなかったし、思い通りに焚けなかったりもした。

いまではこの電気炉でマンションの13階とかで窯焚きをしている人がいる。
アパートで作陶しプロとして活動している人がいる。

これってホントにスゴイことです。




この先10年はどうなるかな?



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2020年05月27日

七輪でもレンガ組の簡易窯でも同じこと

七輪陶芸を何度も行うようになってわたしが思ったのは、素焼きがいかに大変か、ということでした。
かいつまんでいえば、土がやきものになるところ、です。

素焼きなんて800℃で焼くだけだ、とかんたんに思いがちです。
というかわたしもそう思っていた時期がそうとうあります。

土器や野焼きの難しさを体験することは、かならず陶芸の仕事全般によい影響をあたえると思います。

それから火を扱うこと。

土の選定や割れないための工夫。

これらは紀元前の人も行っていました。
われわれはどうでしょうか。

鍋土が野焼き向きとか誤解していないでしょうか(笑)。
耐熱土とか鍋土は「焼けたら耐熱」であって生の状態で急熱急冷に耐えるわけではありません。


縄文人に勝てそうにないイノウエです。

緊急事態も解除ですから、九州国立博物館などで甕棺墓などを見てどうやって焼いたかに頭を悩ませるのもいいと思います。


この子達よりも上手にできるかな?

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2020年05月26日

今さらなんて言わないで


陶芸家度(なんじゃソレ!)を測る簡単な方法は七輪陶芸で素焼きができるかどうかですかねぇ。

はじめから出来た人なんていませんから。
失敗したら則BBQでいいじゃないですか。



これは個展に来てくれたはるか後輩の子のために作ったものです。
全編ノーカット。

今観ると死ぬほどハズカシイ!



素焼きも七輪で出来なきゃねぇ?


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2020年05月19日

数値で管理できるかな?


どうも〜”とある方”です。

知人が釉薬の濃度調整をかなり誤解しているというか、まったく理解していないようなので紹介しておきます。




薄くて失敗は濃くて流れるよりもダサい!
とはある織部作家さんの発言。

とはいえ棚板にくっつけるのは避けたいからうすうすで行くのかな?
それから釉薬のバケツなどは手を入れて底を確認することをするのが面倒くさいけど重要です。

オッサンは頭が薄くなってきて不安を感じている毎日です(笑)。


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2020年05月15日

プロの仕事



この方、木山拓さんは大学の後輩にあたりますが、別にわたしがどうこうした人ではありません。
でもなんだか後輩がスゴイって嬉しいですよね(笑)。

緊急事態宣言が解除とはいえ、まだまだ厳しい状況が続く中、発信することを選択した木山拓さんに感謝です。
彼のことを特段よく知っているわけではないですが(今度呑みに誘うけど)、やきもの屋らしさがある良い作家さんです。
なんだか三ツ星のお店などにも卸しているらしいですよ。


そしてなにより、イノウエを前々から応援してくれているのは吉田崇昭さんです。
彼の動画も作らせていただきました。

これも良い。
(自分のヤツより人のためにやったヤツの方がイイってどういうわけだ?)




ちょっと遅めの春が来るのか、福岡県。

って感じでしょうか?
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2020年05月13日

壺を挽く

今日は動画発信はお休みです。
献血に行ったりしておりました。

ということで、大学の後輩にあたる木山拓さんのチャンネルを勝手に紹介です。

この動画は壺を3キロの粘土で挽く全行程をノーカット解説入りでアップしています。
これ、なかなか難しいヤツです(笑)。
木山さんの器は一つだけ持っていますが、とても丁寧な仕事です。
それがロクロにも表れている。

壺が作りたいという方、この動画の工程を粘土2キロぐらいからスタートすると絶対に技術の向上があると思います。


posted by inoueseiji at 19:47 | Comment(0) | TrackBack(0) | イノウエセイジの頭の中

2020年05月12日

初級クイズ


陶磁器製造における素焼きの焼成温度(陶器・磁器)とその根拠を答えよ。【配点 20点】

posted by inoueseiji at 18:20 | Comment(0) | TrackBack(0) | イノウエセイジの頭の中

2020年05月11日

今週もコツコツと



電動ロクロは最初に誰に習うかでかなり変わると思います。
これは自動車学校によって卒業生の事故率などが違うのにちょっと似ているような気がします(笑)。


だからちゃんと教えましょう。

ロクロが出来るということと、良いものがロクロで出来る、は別です。

むかしのことですが、男性にはロクロをちゃんと教えない(独立されるから)みたいな人がホントにいて驚いたものです。いやいや、そんな技術持ってないでしょ!

まぁ裏で生徒が窯屋のロクロ動画観ているというのも微笑ましいですが。


下手な人ほど教えたがるっていうのもありますけど(←俺か!)

そもそも、まともな人間はYouTubeなんかしない、というのがわたしの持論です。
だからわたしもまともではありません(笑)。

もちろん現場の様子を取引先に見せるためとか、子供の運動会の記録用としてYouTubeにアップロードすることは誰にでもあるでしょう。

ただ、リアルの世界で仕事を評価され、充実した人生を歩いている人は、絶対にYouTuberにはならないと思います。それは昨今の芸能人YouTuberを見ていれば納得でしょう。

視聴者はそれを意識しておいてください(笑)。
子供のなりたい職業一位がYouTuberとかヤバいでしょ。







最初の頃、ある程度の数の動画を撮りだめして一気に公開にしていました。
実はそれなりにビビッていて、コツコツと出していくとなにがしかの圧力があるのではないかと危惧していたのです。


でも、全然そんなこともなく。


…逆にヤバいと思いました。



昭和の大物がいた時代なら、わたしは消されるか、村八分か、取り込まれるか、その何れかだったでしょうが、もうそんなパワーがやきもの業界にはないし、この人っていう大将もいないみたいです。


バブルな時期に外車を乗り回していた大先生も(無名な人でもベンツとか乗ってたよね)、いまは国産車の車検代に事欠くような状況なのでしょう。


ある意味、この動画とあと数本の「自分の中ではヤバいネタ」が意外とスルーされ、しかも高評価だったので、もっと率先して発信しなければならないと考えるようになりました。

当初は言いたいことだけ言ったら、やきものの世界から消えてもいいやと思っていたんですけど。


基本作家さんは自分のことしか考えませんが、やきものの教育に関わる人間もそういう人が多いから困ったものです。

准教授で作家でございやすとか一番最悪ですわ(←敵作ってるゾ)

自分よりも優れた人間を育てたかどうかが、その指導者の能力を評価する方法だとわたしは思います。愛と青春の旅立ちのラストシーンでいえば、自分が敬礼するに値する士官を、自分の手で育てるのが鬼軍曹の役割です。

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(おかげで少尉になったばい!)


窯とロクロはしっかりと教えましょう。

あとは勝手に独学する環境が整いつつありますからね。



posted by inoueseiji at 09:37 | Comment(0) | TrackBack(0) | イノウエセイジの頭の中

2020年05月08日

釉薬を自在に扱えるようになるには



このブログの全ての記事のアクセスベスト10には、10年前に書いたダンパーとドラフトがいつも入っています。
同様にいつもランキング上位にあるのが、釉薬に関しての記事です。

釉薬の掛け方、濃度調整、調合方法など。

とくに濃度調整を行うことについて、始めたばかりの方への指導と発信は重要だと考えています。
濃度調整を知らず、焼成によって濃い釉薬がながれるのを恐れて、何にでも撥水剤を塗る方もわたしが過去に指導した人が複数いました。
濃度調整を指導し、湯呑の高台などはスポンジで拭くだけでいいですよ、と言っても、塗らないことへの不安を拭い去れないようなこともありました。中には塗っておけば流れないという誤解をしている人も昔いました。

やきものには不確定要素がたくさんありますよね。
そのうち数値で管理できるものは、なるべく数値管理するようにすればトラブルも起きにくく、失敗しても原因の追究が出来ます。

そして数値管理する目的は、感覚を養うことです。
見て触って判断できるようになるために、数値管理をしておこう、ということですね。

初めての料理ではレシピ通りに調味料をはかりますが、だんだんと慣れてくれば感覚的に味付けして、味見して判断できるようになります。

釉薬の濃度、とくに薄くする場合ははからないと難しいと思います。
40と38の違いを感覚でとらえる自信は、わたしにはありません。
比重と重量で確認して、思い通りの作陶ができるようになりましょう!
posted by inoueseiji at 08:38 | Comment(0) | TrackBack(0) | イノウエセイジの頭の中

2020年05月06日

読書の自粛モードもいいのかなと



読書って最近あまりしなくなりました。
むかしは必ず寝る前に寝転んで本を読んでから就寝していたものですが。

読書だけで長いキャリアを持つ人と同じ感覚をもつことは可能です。
これはわたしのたくさんの経験談でもあります。

発信する方法は、昔は書籍程度しかなかった。
いまはだれでもSNSやYouTubeで発信できます。

複数の眼と手が関わる書籍よりは手軽ですが、情報の正確さは書籍に分があるのは間違いないでしょう。

よければみなさんのオススメも教えてくださいね。
posted by inoueseiji at 19:19 | Comment(0) | TrackBack(0) | イノウエセイジの頭の中

2020年05月05日

コストと製造方法からみた100Vの電気炉



窯の選び方をどう伝えるか、これまでの10年試行錯誤を繰り返してきました。

今回は100Vの電気炉を中心にお話しています。
丸いものと四角いものの加工のコスト、国内受注生産と海外大量製造、プログラムコントローラ―のコストなどなど。
そしてもっとも重要なヒーター線と断熱材の選定。

現在では競合している各社はほぼ同じような価格帯で展開しています。
それぞれの違いを理解している方は取り扱い業者でも少ないものです。

全責任を自分で負ってネットで価格で購入するのか。
それとも適正価格でサポートや相談ができる環境で運用していくのか。

わたしは押し付けることはありません。
情報を発信し、みなさんの判断材料になれば幸いです。


posted by inoueseiji at 20:12 | Comment(0) | TrackBack(0) | イノウエセイジの頭の中

2020年05月04日

自粛無用らしいよ!



いろいろな意味でこの動画は勉強になりました。

次回からお客様への説明を考えなおすための参考になりました。

ありがとうございました。

よくよく考えればこの方が最初の窯を購入したころ、わたしをはじめ窯についてのネットでの発信はほぼ皆無でした。

窯を選ぶ方法も、100Vの電気の限界についても、炉のスタイルや設計の意味も、わたしもまだ電気炉についての経験も少なく、知識もあやふやな時期でした。


こうして陶芸を仕事にできているこの方は幸せです。
わけのわからない中古の窯を購入してトラブって辞めたり、変な業者につかまされたりした人もたくさんいます。

わたしが日々窯について発信をする意味はここにあります。

思えばわたし自身もどれだけの遠回りをしてきたことでしょうか。
気が付けばこの歳か〜。

姑息でいい加減な対応とプロらしい神対応を、この連休に同時に見れてホントに考えさせられました(笑)。


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消すなら書かなきゃいいのにね。

posted by inoueseiji at 22:04 | Comment(0) | TrackBack(0) | イノウエセイジの頭の中

StayHomeな陶芸の件!


延長モードですが、だったらこっちの発信も延長でいきますよ〜。

解除されたときのスタートダッシュ力を今は付ける時期と思いましょう。
辛い時はオッサンの与太話でも見てブチ切れてください。

良かったらあなたの作品の販売サイトやウェブ陶器市の紹介などいたします。
動画の内容と説明欄をご確認の上、お気軽にご連絡ください。

mail@inoueseiji.com
posted by inoueseiji at 21:11 | Comment(0) | TrackBack(0) | イノウエセイジの頭の中

2020年05月02日

ホームページが見れるようになりました【アドレス注意!】

みなさん、お疲れ様です。


いろいろとありまして無事にホームページは見れるようになりました。
が、しばらくの間はアドレスが変わります。末尾の.comから.jpにてデータを提供します。

下のリンクをご確認ください。

およそ一週間ほどで、今までの.comだけでなく、.jpのどちらでも「ふくおか陶芸窯」のホームページをご確認いただけます。

よろしくお願いいたします。


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posted by inoueseiji at 19:25 | Comment(0) | TrackBack(0) | イノウエセイジの頭の中

一時的にホームページ見れません

みなさまお疲れ様です。
ただいま管理業者と作業をしておりまして、ホームページが一時的に見えなくなっております。
ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いいたします。
posted by inoueseiji at 10:57 | Comment(0) | TrackBack(0) | イノウエセイジの頭の中