2020年06月28日

撥水剤を塗るだけでもこれだけの知識と技術が必要なのね




木山くんは水で筆を洗っているということで、オジサンはちょっとびっくりしております。

でも許す(笑)。


さて、撥水剤をきれいに塗るには手ロクロで芯が出せないといけませんね。




この二人のやり方は根本的に違いますが、その違いがわかりますか?
(回転方向とかじゃないよ)
まぁロクロは回転運動をしているので芯が出れば問題ないですよ。


そこまで出来たらいよいよ撥水剤です。






今年になって初めて水性の撥水剤を使用しました。

新昭和コートさんの水性撥水剤。
CP-A2

これとてもいいですよ。
ニオイもほとんどないですし、水性ですから後始末も楽です。

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青いCP-Eはアセトンやトルエンが主成分なので、ご存知のようにニオイがきついですが、これならば一般住宅で作陶されている方や子供の教室でも大丈夫でしょう。

お勧めします。

購入はコチラでどうぞ。



ネットのなんとかドットコムもいいけれど、こうしたプロの専門店とコツコツと取引を積み重ねていくことは必ず将来アナタを助けてくれると思います。




★梶田絵具店のYouTubeチャンネルもよろしく!

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2020年06月25日

100円ショップで使えるものはあるのか?


先ほどお客様に電話対応していて出てきた話題ですが。

みなさん100円ショップで購入したものをどれぐらい仕事や作陶で使用していますか?

わたしは昔の瀬戸時代に100円ショップの製品を焼いている土岐の製陶所で仕事をしたことがありますが、それも廃業前の最後のひと仕事というお話でした。

跡取りもいないし、単価がめちゃくちゃ安いけれど数がめちゃくちゃ多いから、工場の取り壊し費用を稼ぐに!と言われていたのをとても覚えています。

100円ショップの器、当時すでに中国で製造がすすんでいましたし、スリランカやベトナムとかの製品も入ってきたようです。

100円ショップのことは以前、動画ネタにしようかと思ったことがあり、ダイソーに赴いて調べたりもしました。ダイソーさんは写真とか撮り放題で、積極的にお客様からの発信を後押ししているようでしたので、わたしもその時に写真を数枚撮りました。

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その気になって器コーナーを見てみると、一昔前では考えられないぐらいクオリティが上がっています。

中には100円以上の単価ですが国産食器も結構ありました。

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器はもうこれでいいじゃん!



と思っている人を、どうやってお客様にすればいいのでしょうか。

そんな人にぐい吞みに1万円とか、マグカップで3000円の代金を払ってもらうには?

作家さんならば、だれでも一度はそんなことを考えたことがあるのはないでしょうか。わたしはあります。

結論から申し上げますと、これでいいじゃん!と思っている人がお客様になることはほぼないと思います。


気にしてはいけません。



同じように我々だってメシャムのパイプに5万円とか、グレッチに30万とか、ハンドバッグに20万とか、望遠レンズに140万とか、カーボンロードバイクに90万とか出しませんよね。



それと同じことですよ。

もっとも、これはわたしの感覚ですけども。


自分にとってソレの価値をそこまで認めていないから、わたしたちは100円ショップで済ませるわけですよね?

もし価値があると思っている仕事に100円ショップの筆とか使っている(←昔のNさんだ)のならば、即刻専用品を手に入れてみましょう。

実は専用品の方が長持ちするし、当然質がいいわけですから、結局は安くつくのです。なによりも良い道具で仕事するのは気持ちいいものです。

まぁ、買ってきてそのまま使えるものであれば100円ショップもアリでしょうが、ダイソーの300円スピーカーを数千円分の道具と時間を浪費して改造するとか(笑)は辞めましょう。エントロピー増大です。






わたしの仕事場ではプラスティックのボールが100円ショップのものですが、これもまったく同じものをホームセンターで84円だったのを発見してしまい、立ち直れないぐらいのショックを受けてしまった辛い過去があります。

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(このゴムヘラも以外と使えます)

ある俳優さんは、なるべくコンスタントに時代劇映画を撮るように尽力していると知人に伺ったことがあります。それは時代劇映画が無くなればそれに関わる職人や職業も無くなってしまうから。

やきものの世界も、かなりそれに近いと思います。

わたしのお気に入りの拭き刷毛はもう無くなり手に入りません。
たった300円の筆でしたが買う人がすくなくなれば無くなります。

我々が知らないだけで、実は無くなっている絵具や道具がいくつもあるのです。



少なくともわたしは自分の愛車を100円ショップの工具で弄ろうとは思えません。





過去記事「100円ショップの器よりも」


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2020年06月20日

エントツは大事?


エントツ、エントツと動画でもたくさん言っていますが、要素としてのエントツも重要ならば、設備工事としてのエントツの取り付けもまた重要です。


とはいえ。

技術的なことや作業など、どこまでオープンにするかを最近は考えてしまうようになりました。


ニクロム線で電気炉(800℃程度)を自作する企画も考えていましたが、知識の無い方が事故をおこす恐れのほうが怖いと思うようになり、ボツにしました。

いろいろな事例を知ることがあり、窯と電気を甘く考えている方が多いことにも気がついたからです。

それについてはまたいつか発信することがあるでしょう。



エントツについては、各地で隙間の空いた雨仕舞工事を見るにつけ、これぐらいは出すべきだろうと思うようになった次第です。

屋根の張替えついでにエントツも動画撮影して、どこかの誰かの参考になれば幸いです。
ふくおか陶芸窯では、こちらでエントツの雨仕舞を行いますが、板金屋さんに頼まれたほうが確実だということは必ず伝えます。また雨漏りする可能性が5%ほどあることも伝えるようにしています。


ただ、道具を揃えたりしていけば、近くの方なら頼んでもらったほうが安いかもしれません。




たとえば、遠方に窯の設置に赴く場合、窯本体を設置した後に位置を決めて屋根に穴を開けてエントツを立てることになります。

全員が仕事の流れを把握してとりかかってなるべく短時間に終わらせるようにしなければならないのですが、雨漏りしてもいけません。

今回は経験値アップのために息子に教えながら3時間近くもかかってしまいました。



屋根の張替えとエントツの補修、その後の設置を終えて梅雨本番となりましたが、一滴も漏れることなく快適です。





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2020年06月16日

梶田絵具店YouTubeデビュー。


これまで数年YouTubeの発信を続けてよかったと思ったことはたくさんあります。

様々なプロの方々と知り合えたこと。
これは本当にありがたいことでした。

たくさんのお客様にも出会えたこと。
これにも心から感謝です。

また発信する人が増えたようにも感じています。
やきものの世界からドンドン発信があるのがいい。

いろんな考え方、レベルがあっていいじゃないですか。
(事故に繋がるような間違いはイカンけど)



そして。



とうとうこの人も動きました。




梶田絵具店、店長の梶田さんとトキちゃん(笑)。


梶田さんのお店で働けた半年間。

わたしの人生であんなに濃い期間は無かったように思います。
それが大袈裟であれば、窯屋の6年間と同じぐらいのインパクトがわたしの人生にはありました。


この世界にはこんな人がいるのか。
こんな仕事の在り方、店の在り方があるのか。
ディープな瀬戸やきものの世界を配達した毎日で。

そんなことを思い知らされたものです。


わたしが梶田さんに勝てることなんて顔の作りぐらいしかありません。


昨年は福岡にも来ていただきました。

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実は梶田さんは動画発信をしようとここ数年計画されていたようです。
それがようやく実を結び、チャンネルがスタートしたことは本当に素晴らしいことです。







梶田さんについてはまた話をすることがあると思います。
本当に凄い方です。



是非チャンネル登録してくださいね。




★梶田絵具店


〒489-0805
瀬戸市陶原町2-22
tel 0561-82-2765
fax 0561-82-1278



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2020年06月13日

腰痛部じゃなくてYouTube


先日とある方がロクロで背中が変な感じというお話をききましたので過去動画。



これまでさまざまなロクロ名人を見てきましたが、うまい人ほど背中が気をつけ気味に立っています。
ロクロを真上から見るような感じでしょうか。

仕事でロクロをする、それも作家ではなく、ロクロ師として回している方々は本当に凄かったです。

今ではそういう職人さんもほとんどいなくなりましたが、技術は連綿と続いていくのでしょう。

同じものを何千何万と作ることでしか見えない世界、気づけない世界、身につかない感覚があるとわたしは思います。

まぁそれができないからワタシはこんな仕事をしているんだろうと思います(笑)。






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2020年06月11日

おっさんずラブ?


付き合いが長いのは吉田さんだけれども。





けっこうイノウエをほったらかして県外の作家さんに浮気することがあり。
そうした作家さんがいかに素敵なのかをイノウエに熱く語るものだから。




イノウエも若い後輩を篭絡しようと画策したり。

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文通相手のために動画作ったり。

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仕事にかこつけてイノウエが先に本人に会ってきたりして。

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互いの悋気と傍焼きで疲労困憊したけれど。

なんだかんだで今日も仲良し。


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※ このブログはフィクションです。登場する中年・オジサン・個人事業主の愛憎劇とは関係ありません。


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2020年06月07日

焼成指導


先日は県外にて焼成指導を行ってきました。

少し古めですが、キレイな台車付きのガス窯です。
0.7㎥とまぁまぁなサイズ。

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購入後ほとんど指導がない中、持ち主の方は苦労してこられたとのこと。

動画発信からふくおか陶芸窯を知っていただき、焼成指導の依頼をしてくださいました。

しかし例のアレのせいで県外への出張は伸び伸びに。

やっと今回実現したということです。

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焼成指導とは、点火から火を落とすまでの間の操作や考え方などを指導することです。

当然安くはない料金と経費をいただきますので、こちらも全力です。
https://www.fukuokatougeigama.jp/guide.php (HP参照のこと)

そもそも初めての窯を持ち主よりもピシャリと焚くというわけですから、イノウエのプレッシャーはまぁまぁ高めです。

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窯の操作一つ一つについて、なぜ今これを行う必要があるのかを説明しつつ、次回へのヒントをお互いに考察したり。関係ないお話や食事をご一緒したりして、半日以上過ごすわけです。

また、事前の準備や伺う前の電話等での窯について、作陶についての聞き取りなど、当日前の期間の方が気をもむことが多かったりします。


写真の通り、今回も無事に焼成は終了し、持ち主さんには感謝していただきました。
そしてわたしもまた経験値をアップさせて、現場をあとにしたのであります。


Sさん、本当にありがとうございました。


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2020年06月05日

七輪陶芸≒100V電気炉


浜勝ごちそうさまでしたイノウエです。

さてさて、なんだか七輪陶芸の発信が増えているようです。
とてもいいことだと思います。

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では、

なぜ故吉田明氏が七輪陶芸の本を出したのか

を、ご存知の方はどれぐらいいらっしゃるでしょうか?

残念ながらわたしはお会いすることができませんでしたが、氏の本や、実際にお会いしたことがある先輩などの話を総合し、さらに想像も交えて書いておきます。そのつもりでお読みください。


わたしは年齢的に雑誌の陶磁郎どストライク世代。

瀬戸に行くことが決まったので本屋さんでやきものの本でも買うかと立ち寄った時に丁度陶磁郎が創刊されたており、その第4号「瀬戸」を購入したのをはっきりと覚えています。来年オレは瀬戸にいるんだなぁと思ったように記憶しております。

その陶磁郎の編集長とのつながりにより、故吉田明氏は頻繁に「陶磁郎」や、その後の「つくる陶磁郎」に登場することになっていく。
もちろんコネだけではない。独自の実体験と実践をもとにした考察と実験がメディア向きだったということもある。

知らない人も多いだろうが、実はコッソリ「笑っていいとも!」にも出演したことがある。瀬〇瑛子のロクロ体験を実現してあげる的なコーナーで、実にきめ細かなサポートで笑顔で無言で瀬川〇子にロクロ体験をさせていたのは見事だった。生放送の数分のコーナーである。

さて、七輪陶芸の話だが、技法書や謎のビデオとか雑誌などでやまのように発信した吉田氏には、

「で、どうやって焼くのよ?」

「ウチには窯ないんだけど?」

みたいな声が届いていたようだ。

極論言えば、こうした声は今でもどの先公もとい先生や陶芸講師にも聞こえているはずである。

みんな焼成代金を取らないといけないので、ふんわりと沈黙しているのであろう。
それもよく理解できる。大人の情事もとい事情というやつであろう。

しかし、心ある人間には無視できない根本的な問題だ。
やきものは焼かないとやきものにはならない。だから、


やきものとは窯である。


焼いてこその「やきもの」なのだ。




きっと吉田氏は考えたに違いない。
何日も何日も様々なことを考えたのだろう。

自分の生い立ち、やきもの人生のスタート、火と戯れた日々、火を見くびったこと、火に怯えつつ感謝した日々を。

ある日、思わず膝を打って叫んだのかもしれない。

「七輪がある!」

日本の生活においては忘れられつつあるが、完全に忘れられたわけでもない。
あれならやきものは出来る。誰にでも出来る!


企画といっても口述で喋りまくっただけだったのかもしれないが、それは陶磁郎系列の本になる。
そしてその本はたくさんの人に衝撃を与え、瀬戸で妻子を抱えて悶々としていたイノウエに火を点けるのである。


窯が無いって?だったらさぁ

七輪で”やきもの”は出来るぜ。


それが吉田氏の言いたかったことだ。

やきものの最大のネックは窯だ。当時は特に、陶芸窯はアマチュア向けであっても大き過ぎて高価すぎるものだったのだ。

それを一番かんたんに解消するには、と考えに考えた末に出た答えが「七輪陶芸」だったのだろう。


それを実践して数年経ったときにイノウエはこう考えた。



七輪が使えない環境の人もいる。
でも100Vの電気炉なら置けるはずだ。




やきものの「焼き」を肌で感じるしかない。
教室何年の陶芸歴などなんの意味もない。

自分一人だけで、何回「焼いた」のかが「陶芸歴」だ。


電動ロクロは新品を買って窯は中古を探し回る人間には理解不能だろうが、「やきもの」から目を背けなかった人間の連鎖は、それ以外にもおびただしいほどある。



たとえば故芳村俊一氏。

情報がない中果敢に挑戦してきた国内外の作家たち。

吉田氏を鍛えてきた各産地と職人の蓄積。

専門書の著者として名を連ねる先生方。

産地を支えてきた様々な専門職や店舗の方々。


そして、それぞれの人には必ずきっかけと導きがあったはずだ。



アナタはなんでそんな仕事をしているのよ?




七輪陶芸を馬鹿にするのは勝手だ。
別に無理してやる必要もない。

ただ出来ないとか、やったことが無いなら語るなってことかな。
こっそり素焼きを別の窯とかも論外だと”あえて”ここではしておこう。



わたし個人は、七輪陶芸で素焼きが出来ない人には「そういう人」というレッテルを心の中で貼っている。かもしれない、じゃないかもしれない?という恐れあり、という話だったような、なかったような。


posted by inoueseiji at 18:20 | Comment(0) | TrackBack(0) | イノウエセイジの頭の中