2021年03月31日

三月にいつも思うこと


本日で三月も終わり、今年度も終わりですね。

この数日は黄砂が凄いことになっています。せっかく桜が咲いているのに、数百メートル先が霞んでいるような福岡です。

さてさて、何年目かの電子申告をしましたが、終わってみればう〜んという感じです(笑)。
ギリ水平飛行という感じでしょうか。


さて、わたしのようなものがモノを申すのもと思い控えましたが、今年は東日本大震災から10年目の年ですね。
あの時わたしは瀬戸にいて、ガス窯を積み込んでいました。

そのあと梶田絵具店でお父さんと話しているときに、ぶら下げてあるテストピースがやたらと揺れているなぁと思ったのをよく覚えています。そしてお店の時計を見て、もう3時前だ長居してるなぁと思ったことも。

次の日に高速に乗って福岡へ戻るまでの間、対向車線はほとんど自衛隊車両でした。
あの異常さは忘れられません。

そして相馬焼の里のことを思い出していました。
瀬戸の大沢ガス炉商会で勤務した約6年間、ほぼ毎年相馬焼に赴いていました。

先日NHKのBSの番組で窯元の10年を追跡した番組がありましたが、知っている方の顔や風景、自分が仕事をした場所、登窯などがたくさん映りました。帰還困難区域に指定されても別の場所で再スタートした窯元がたくさんあり、これからも新たな伝統として継承していかれる方々を知り、福岡からエールを送りたいと思います。


やきものとは地域に根ざした産業であるべきでしょう。
ではその地を追われ、原料の採取もかなわなくなった時、それでも残る伝統とはなんでしょうか。

勝手にやきものの世界に入り込んだわたしには、受け継ぐ伝統があるわけではないと思いかけたところで、いやいや、けっこう受け継いでいるのかぁとも思いました。

変な例えですが、われわれ一般の人間が受け継いでいるのは食文化のようなもの、窯元が受け継いでいるのは店舗そのもののようなものなのかもしれません。この例えに反感を持つかたもいるかもしれませんが、そう考えることでわたしはたくましい窯元の未来を想像できるのです。

原料も店の場所も変わったけれど、あの味を超えるメニューを提供します!っていうのはカッコいいと思いませんか。


(偉そうにラーメンば語っとったくせに、フランチャイズ展開やらしてから、カップ麺まで出しようごたぁ、有名ラーメン屋とは大違いばい)


土地が変わろうとも、窯が変わろうとも、燃料や原料が変わろうとも、われわれは土を窯で焼くという揺るぎない工程とそれを支える技術と知識があるのです。

自分にできること、できそうなことをコツコツとやっていくしかないですね。

どうか明日からの来年度もよろしくお願いします。


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2021年03月30日

窯の焚き方に秘密はない


(やっぱり全然伸びません〜)


おはようございますイノウエです。

わたしが何が許せないって窯で適当なことをする奴が一番許せません(もう怒ってる)

隙間があいている雨仕舞工事で工事費を請求するエ◯業者とか、窯ひとつ焚けないくせに陶芸教室の講師とマージンを分け合うようなク◯業者とか、自分も裏では結構使っているくせに小型炉をディスってる自称プ◯職人とか。頑張っている若人に窯のサイズでマウンティングする三流作家崩れとか、薪じゃないとダメだとかいう薪割りしない◯代目とか、一人ぼっちでは何もやったことがないご立派な准◯授とか。

このような方々には、おととい来やがれどころか、ぜひ余生はどこかの時空の歪みでひっそりと過ごしていただきたいと切にお願い申し上げます。

窯と焼成を伝えずにきたことがどれほど陶芸教育や窯業界の足を引っ張ってきたことでしょう。わたしの講座にいた方でも、窯と焼成にかんしては知りたくないような、あえて向き合わないようにしているような人もいました。ただ下手なロクロを回したいだけ。

でも、この世の中で窯が一人で焚けることぐらい凄いことはないのです。

自分ひとりで窯焚きができるようになれば、いざとなったら造れるぐらいになれば、もうこの世界で怖いものはありません。

この地球(ホシと読んでくれ)を自分で好きなように調理できる感覚を持った人は、変な都市伝説にもヒアルロン酸配合とかの怪しげな化粧品にも騙されることはなくなります(笑)。それどころか窯業を通じてこの世界を作った人類の健気さと文明の積み重ねに畏怖と尊敬と誇りも持てるようになります。

自分で焼成を噛み砕いて理解した人は、この世界がまったく違うものに見えるようになるものなのです。その人の使用する窯がどんなに小さかろうと構いません。そういう問題ではないこともわかるでしょう。

身をもって焼成を経験していくことで、知っていることを知っていると言える揺るぎない自信と、知らないことを知らないと言える正直さを身につけることができるのです。



わたしは窯に関する質問にはいくらでもお答えします。

その代わりにそれは次の方のために公開する形での返答となります。

以下、ご質問していただく際にお伝えしてほしいことです。

・窯のメーカーと容積、台車の有無など
・焼成時の設定温度と焼成時間
・還元焼成と酸化焼成のどちらか
・もとめる焼き上がりや釉薬の種類
・質問者のこれまでの焼成経験回数
・用語の統一もしくは補足説明
・これまでの窯焚きについての動画を確認しているか否か


理想的にはこれまでの動画を確認していただき、あの動画のアレはどういうことですか、とかコレを観てこうしたけれども上手くいかない、こうするためにダンパーとドラフトをこの考えで操作しているがどうか、などと具体的に言っていただければたすかります。


窯の焚き方なんて秘密でもなんでもありません。


すくなくとも普通の酸化・還元焼成はしっかりと伝える必要があります。
電動ロクロで死亡事故がおきたことはないと思いますが、窯と焼成では様々な事故が起きてきました。ですからわたしは自分が知っている程度のことであればなんでもオープンです。








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2021年03月28日

そうそう裏ワザはないのよね



本当に小忙しく過ごしていて、しかも家族のことなどで時間も取られてすっかり動画を作れておりませんでした。決算時期で梶田絵具店さんの動画も止まっていることだし、久しぶりにアップしました。

こうした発信ネタのほとんどは、100V電気炉のお客様とのやり取りから生まれたものですが、実は別に裏ワザでもなくきちんとした釉薬の本には記載があるごくごく普通の知識です。冷却時に釉調は決まります。だから瀬戸黒みたいに窯から引き出して水にぶち込んだり、染め付けの仕事をするひとが窯焚きの直後にいきなり扉を開けて急冷したりすることがあるのです。

モノが冷めていくスピードを意識する。
これは例えばガス窯などでの炉壁の厚みをどうするかという話にも繋がります。

耐火断熱レンガ180ミリの炉壁が標準のメーカーさんに、作家や運用側が「こういうのを狙うから150ミリにしてくれ」とか「230ミリで扉はこんな感じにしてくれ」「耐火レンガで組んでくれ」などと指示をすることもあるし、本来はそうあるべきなのです。

自分の作品や、その産地の仕事として、徐冷気味がいいのか急冷気味がいいのか、それぞれでどう釉調が変化するのかを理解しておくのはとても重要でしょう。

産地に赴いても、こういうのを作っているからこのメーカーの窯が多いのか、なんて思うこともあったりしたものです。同様に窯跡と陶片から稼働していた窯の姿を想像することもあるとも聞いたことがあります。

小型炉では重量などの関係から耐火断熱レンガを使用しません。その代わりに高品質の特殊な形状の専用に製造してもらっている断熱材を使用します。炉内は丸いので適当にボードを切った貼ったで作れないわけですね(他所は知らんヨ)


断熱材は実はあまり蓄熱しません。

耐火断熱レンガと耐火レンガでも大きな違いがありますが、より断熱効果を求めると全然蓄熱しないのです。つまり断熱と蓄熱は相反するものともいえるかもしれません。

むかし建材の試験炉を福岡の企業の依頼で製造したことがありますが、その時の防火壁の試験炉に使用した断熱材のみで造った試験炉は、バーナーで30分もかからずに900℃に達し、バーナーの火を止めると、あっというまに50℃程度まで下がってしまいました。つまりまったく蓄熱しない、ということですね(こういう建材の壁が商業施設に使用されていますので火事では慌てずに逃げましょう)。

話が長くなりましたが、今回の動画は100V電気炉のお客様への一つのヒントとして、また窯だけではなく釉薬、釉調への意識を持っていただきたいと思って発信しました。再焼成や冷却スピードについては複数の書籍に記載があります。

やきもの作りのレベルが上がれば、作り方や最高温度だけではなく、こうした部分にも目を向けられるといいですね。


アルミ鍋と鋳物鍋みたいな話でした(笑)。

なにかのヒントとして楽しんでいただければと思っております。



posted by inoueseiji at 07:22 | TrackBack(0) | イノウエセイジの頭の中

2021年03月20日

コロナですったもんだしたけれど講座発表会開催


おはようございます、イノウエです。

今年度はコロナにより7月スタートで、年末年始も非常事態宣言で欠席も多く、まったく思うような講座はできませんでした。

また毎年のように思い知らされる生涯学習センターの諸問題、講師の指導は無視・スルーする受講生をどうするのか、理念にこだわり厳密にルール化すれば各講座とも受講生の大半は消えてしまうという切実な問題などなど。

15年も関わっているからついつい見えてくるスタッフ側の苦労。
チョコレートでも差し入れしたくなるってもんです。

とはいえ、いつの間にか三月の年度末、昨年は中止された講座発表会を今年度は開催されます。
小さな講座、一地方都市の生涯学習センター数十の講座の共同発表という小規模なものですが、毎年うれしく思っています。

ある意味、ここでの15年間に起こったことしか陶芸教育の現場は知らないともいえるのですが、それをYou Tubeで発信して全国の人が反応したり笑ってくれたりしたのですから、どこも似たようなものだろうと思います。

最近は講師のやる気が停滞しているからか(笑)、受講生のレベルも頭打ち気味かも。

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「大野城まどかぴあ」でやってマス。



posted by inoueseiji at 08:12 | TrackBack(0) | イノウエセイジの頭の中

2021年03月19日

焼成中のガス炉本体の表面温度



【焼成中のガス炉本体の表面温度】

先日お問い合わせがあったので、過去データを引っ張り出して確認しました。
ガス炉をご使用の方の参考になれば幸いです。

測定は赤外線温度計によるものです。

◆本焼き還元焼成時 1160℃の時のデータ

大沢ガス炉商会製 0.2㎥ 壁厚180ミリ 台車なし

扉表面 53℃
本体横中央部 70℃
横バーナー式のバーナー付近 92℃
煙道後部 57℃

エントツ部(窯本体から約1m上で)93℃

※ エントツは自社製造 Φ170 厚み1.6ミリ+アルミニウムメッキ
※ 1mでこの温度ですからさらに先の温度は下がるはずです


エントツが赤くなっている、壁や屋根のエントツ取り出し口が変色している、焦げている、は明らかな焼成方法の誤りです。 特に酸化焼成においてエントツに熱を逃しすぎていると異常な高温になる恐れがあります。
また、それだけ熱が逃げていればガス代もロスしていることになります。

適正な焼成方法は各メーカーが指導しているはずです。

またわたしの拙いガス窯の発信でもご理解いただけると思います。

安全第一で焼成していきましょう。

posted by inoueseiji at 09:13 | TrackBack(0) | イノウエセイジの頭の中

2021年03月09日

道具を自作する必要性についての考察


いつかこの話を書いたほうがいいのかなぁと思っていましたが、とうとう知人同士のネタが交錯したのを見て書いておこうと思います。

(また呑むばい!)

今日の記事はあくまで一つの考察と捉えていただければと考えています。

イノウエは所詮この程度までしか考えていないのか、と読んで笑っていただき、アナタの深い考察と作陶の参考にしていただきたいと思います。そしてそれがワタシの発信の基本ポリシーです。


「道具は自作するものだ」などと言われたことがある方も多いと思いますし、自作した経験がある方も多いでしょう。訓練校ではヘラやコテ、トンボなど自作させられます。カンナも帯鉄から作らされます。


これはプロになること前提の訓練カリキュラムですから、器形に合わせて自作するためでしょう。また他の教育の現場においても先に道具作りがあることもよく見られます。


わたしの週イチの講師業も14年目?ぐらいになりますが、アマチュアの男性は本当に細々した道具が好きす。よく作っているし、買っています。

講座中はウロウロしてくっちゃべって全然作陶しないのに、デカイ道具箱に道具を満載して講座に来る方が多かったものです。いまでも受講生もそういうタイプが多いように感じますし、講師も道具好き男子ではあります。


まぁ道具を最小限にするべき敵地潜入においても空挺部隊は一人60キロぐらい持ってパラシュート降下するので、日の本のオノコの道具好きはイタシカタナシなのやもしれませぬ。


しかしこの動画のような発信に孕む問題はというと、受け取り手のレベルを選べないということになるのではないでしょうか。削りへの意識や自作の意味を取り違える可能性は非常に高いと思います。

また本人が本家本元の動画を観ていないのがよくわかります。
「よくわからないけど」と本人も言っていますから。


だから尚の事この発信の目的がボケまくっている気がこのオジサンにはするのです。

もちろん視聴者さんからのコメントに応えてのことですし、本人も新しいチャレンジが出来て楽しんでいるようですので全然アリです。彼が相変わらずのナイスガイなのはかわりません(ハイボール!)

ただ本来の道具がそれじゃないといけないのよ、という意義は完全に薄まってしまい、元が何味だったのかもわからなくなっている気がするのはワタシだけでしょうか。

キツい言い方を学籍番号90AAの先輩がするとすれば、安いクロスバイクに一点だけレースパーツを付けているような、丸善に檸檬じゃなくてブックオフにオレンジを置いてくるような、規定外のリングでダンクシュートしたと言っているような、なんとも言えない中途半端な愛好家を量産しそうな危うさ感じています。

先に道具ありきか、ゴールを設定しているのか。


強えぇからと44マグナムを購入しても護身用にならないし、枕の下に置いたら寝れたもんじゃないということダス。

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「うっかりSK6aだかSK7だか忘れちまってなぁ」


むかしゴローさん(雑誌じゃないヨ)が、陶磁郎のDVDかなにかで、ハマグリの貝殻をロクロのコテに用いているのを紹介されたことがありました。なるほどねとわたしは思っていましたが(このなるほどを説明するとこの記事の倍になる)、翌週のわたしの講座でもうハマグリを持ってきている人がいたのには、苦笑を通り越して発信の恐ろしさをマジマジと思い知らされました。


丁稚奉公からスタートして初めてロクロに触って、職人として周囲と張り合い、やがては頂点を極め、なんやかんや、すったもんだあってハマグリに行き着いたゴリゴリの作家と、DVDで観ただけの受講生ではハマグリの意味が違いすぎるということです(蛤御門の変1864年)


土練機など使わないあの土で、電動ではないあのロクロで、手作りの竹のカンナで、あの窯で焼成する、ということがシッカリとつながっていないと本来は意味がないと思うのです。


五十路のオヤジは相変わらずの嫌味な物言いですが、やるな、自作するな、という意味ではないですよ。やると面白いのは間違いないでしょうし。

別に格好から入っていいと思いますし、そうあるべきでもあります。


言っておきますが、わたしだって同じようなことをしてきました。


牛ヘラ買ってみたのもそうだし、未だに手付かずの絵具があったり原料が積読状態になっていたりします。それでも自分が行う発信の基準は基本的なこと、視聴者がなるべく上達するようにと願っていて、根本や根幹を伝えたいと考えています。


発信の受け取り手が自己満になってはいけないということです。

趣味だから自己マンでいいのだけれども、厳密にはちょっと違う。


太い粘土の紐を作務衣の肩に担いで紐作りする、なんて写真でも見たのでしょう、やっぱりその真似をする受講生もいましたね。穴窯の作家が1300℃の窯の中から鉄の棒で真っ赤な花器を引き出し、夜空のもとで逆さまに掲げて花器の中に溜まった真っ赤な熾を撒き散らす(やっぱり作務衣)。それをテレビで観ていきなり穴窯を造ったひともいました(中部地方)

それはそれでいい。

本人も周囲も幸せでした。


で、その先は?ということです。



われわれ男子は、芸術だと言われたり自分で言ったりするけれども、ちょっとフシダラな心でヌードを見てしまうものです。だからマネとルノワールとサンタフェは少し大人になってからのほうがいいのです(なんのこっちゃ)。ヌードの向こうにあるモノに気が付かないからです。


そして道具を自作する意味はどこまであるのか。


スタイルによるとは思いますが、電動ロクロで粘土は購入なんて方が多いわけですし、わたしは普通に手に入る道具を、チマチマと自作する意味はあまり無いようにも思います。トンボとコテ、ヘラはどうしても自作になることが多いでしょう。暇つぶしというのはわかるけど。


コテやヘラなどどうしようもないものを除いて、なるべくプロの作家はプロの道具を使ってほしいとわたし個人は考えています。一般の方もガンガン買い物して陶芸関連の経済を回していかないと、めぐりめぐっていつか自分たちが困る気がするのです。また「オレは道具を作れるぜ自慢」だとすればそれこそ意味はなく、仮にプロなら、イケてる男子なら、作れて当たり前です。


本来のやきもの屋というのは窯から全部自作することが出来なければなりません。
自作までいかなくても古い方は、窯の設計が出来たり築炉屋に細かい注文をつけることが出来たものです。わたしも過去メーカー時代にそういうお客様の窯を造ったことがあります。何故そのような仕様にするのか、直接お話を聞かせてもらったこともあります。

そういう方が講師や技術指導にあたったよき時代もあったでしょう。

今はどうでしょうか。
窯の設計図よこせというセンパイならいるみたいですけど(笑)。



小道具よりも本気で自作すべきは土練り台という気もしますね。



電動ロクロは新品買うけど窯は中古を探し回るのだけはいただけない(笑)。





さぁ買い物しよう。






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2021年03月07日

ロクロって楽しいな!


先日仕事で有田のお客様の所へ伺い、初めて磁器土の土練りとロクロを体験させていただきました。
Aさん本当にありがとうございました。

いやぁ〜全然違うし、出来ない(笑)。


でも出来ないってこんなに楽しいんですね。



土練り。

これ絶対おぼえるのに時間がかかるヤツ。

お客様の「磁器の土の正しい土練りを動画で観たことはほとんど無い」というオフレコ発言も刺さりました。実際菊練りでもそれに近い状態でしたしね昔は。

この練り方は菊練りとも全然ちがいますし、多分習得にこれこそ三年ぐらいかかるのかもしれませんね。全行程を説明して実際に発信しているのはホント、この動画と以前の吉田さんの程度ではないでしょうか。

まぁ土練りについてはその人が土を練っている台とか見ると如実にレベルが現れていますね。

あ、わたしは200回も土を練ったことはないとハッキリと申しておきます。
記憶にございません!(笑)


どちらかというとやりたくない仕事です。



そしてロクロ挽きと牛ヘラ。

牛ヘラは種類がいっぱいあるって言われても「形はぜんぜん変わんねぇじゃん!」(暴言)なんて思っておりましたが使えばわかる大違いでした。

逆に友人吉田さんが道具の数を絞るのもよく理解できましたし、こうした道具にこだわる轆轤師さんたちの気持ちもよくわかりました。

こうした仕事や蹴ロクロを体験してからの道具の自作とかはありかとも思いますが、見様見真似で自作するのは百害あって一利なしですし、われわれプロ筋の人間はガンガンいろいろなものを買い物して業界を回していくべきでしょう。

実際に自作すると購入価格以上のコストがかかっている(断言できる)し、クオリティは本モノに絶対に負けるものです。

ちなみにこのロクロを造りたいという方がいらっしゃったら、ご連絡ください。
その筋を紹介できると思います。

本当に今回は勉強にもなり、初心を思い出す良い経験でした。



posted by inoueseiji at 08:55 | TrackBack(0) | イノウエセイジの頭の中