2021年08月25日

ひとつひとつ確かめること


ここはどこ?ワタシは誰?
みたいな状態になっております、出張中のイノウエです。

仕事や仕入れのために本当に久しぶりに東海地方に来ております。
そしていつもの如く梶田絵具店さんのテストピースの増殖ぶりを確認。

トキちゃんの詳細でディープな商品説明の電話を横で聴きながら、梶田さんと業界話で盛り上がりました。

ほとんどホワイトボードの前でくっちゃべっているどこかのオジサンと違い(笑)、一つの動画や一言のアドバイスの前に、これだけのことをしている人がこの世にいるという頼もしさ!(そして恐ろしさ)

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(テストピース保管用の巨大な倉庫があるという都市伝説)

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(スイカもペイペイも使える)


次のネタだというテストピース群も見せていただき、その詳細と数値化に衝撃をうけましたが、それはまた発信を待ちたいと思います。


そして本業の方では共栄電気炉製作所や古巣の大沢ガス炉商会にて仕事をしてきました。

コツコツとひとつひとつを確かめるように、材料や工程を改良しながら、昨日よりもより良いものを作ろうとする人たち。

いちいちそれを自慢することもなく。
名前も名乗らなず、買い物もしない電話にも丁寧に対応する。
持ち込まれた問題に真摯に対処してお金も取らず。

そういう人の背中を見れる幸せを久しぶりに感じました。

いつかYouTubeで、窯や釉薬や絵の具や焼成ネタの再生回数が、下手な電動ロクロ動画の再生回数をぶっちぎる日を信じて、また発信を続けていきましょう。





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2021年08月20日

陶芸家の条件

『奏でる陶芸家カルテット展』
博多阪急1階メディアステージ
■8月18日(水)〜24日(火)

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園田空也

岩元鐘平

草場瑛人

齊藤博之

博多阪急ライフスタイルリヴィング

九州陶芸家が集い2019年にスタートしたイベント、それぞれ作家の共通点の音楽やライフスタイルを通して作品を展示する1週間。




数学でさえその研究を支えるのは情緒だそうですが、ものを作る仕事であればなおのことでしょう。

陶芸家さんはいろいろなことが出来る、好き、趣味、という方が多いような気がします。
それ以外にも自分で家作ったり、小屋建てたり、そもそも窯を自作する方も多いですね。

カメラが好き、楽器の演奏ができる、デザインや絵のほうがコッソリ得意、スポーツマンだったり、機械いじりが得意、野菜をつくったり、花を育てたり、お茶やお華をされている方も多い。陶芸家というのは決して土にばかり向かっているわけでもない。わたしの好きな志村さん(ハニワでブレイク?)なんて文学のほうで受賞歴がありますから。


もしかしたらそれが職人と作家の相違点であるのかもしれません。

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技術だけを磨いていくと「技術だけ」が上がります。
体育会系の部分ですね。

でもちゃんと自分の情緒や渇いた心に水をまいていかないと、人の気持ちを軽くする器はできないのかもしれません。
文系の部分ですね。

卑近な例で申し訳ないですが、わたしが作品上の師匠としている方と知り合った頃、フランクルやカルザスという名を知っていたことが相当プラスに働いたのは間違いないと思っています。そういう部分の繋がりがいまでも長電話できる間柄となっているのではないかと単純に事実として自己分析しています。

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作家と作家、作家とお客様、師匠と弟子、器ややきものの間ですが、音楽を軸につながる方々もあるでしょうし、お茶やお華でつながっている方も多いかもしれません。

そうしたつながりの中で育つ自分の情緒がその人の情動やエネルギーやきっかけになっていくのかもしれません。

ロクロ名人をたくさん見ましたが、実はロクロ名人(つまり職人の頂点)が美しく素晴らしいものを作れるのか、というのは別問題でした。

技術だけでは到達できないところ。

そんな場所を知っている作家さんの作品には魅力があります。

このグループ展のみなさんは九州在住の方ばかりです。

偶然にもこの4人の作家さんのうち3人の作品をわたしは過去何度も購入させていただいておりました。本当にオススメです。

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まぁイノウエもくさ、一応ピアニストでギタリストやけんねぇ。





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2021年08月07日

イノウエはやっぱり知ったかぶりの模様です

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先日久しぶりにガス窯を焚きました。
補償導線を新品にして、熱電対の端子周りなども掃除したりしたので、温度表示がかなり変わるだろうと覚悟。

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(マジかぁ?)


熱電対の起電力を測定して温度表示に変換しているのが温度計と熱電対で、その中を取り持つのが補償導線です(笑)。

ゼーゲルコーンの8番は軽く傾いた程度でしたが、この温度表示は不安になる(笑)。

まぁ酸化焼成だったからというのもあるとは思います。


で、本日の本題です。

以前いろいろお問い合わせがあった際に、焼成中のエントツは100℃ちょっとにしかなりませんよ、それ以上熱くなったら熱が逃げすぎです、なんてエラそうに言っておりました。

まぁその通りなんですが、実はその後いろいろと調べてみると、非接触式の温度測定器、赤外線温度計(最近オデコにピッとされるヤツ)は、物質ごとの放射率を正しく設定しないと正確な数値が出ないということを知りました。

というわけで改めて焼成中にネットの一覧表やちょいと日本語の怪しい取説などを読み込んで測定してみました。
すると窯の煙道直上のエントツの温度、炉内最高温度においてはやっぱり180℃近くを示しておりました。1.5メートル程上でも130〜140℃でした。

数人の方にちょっとウソついてました。

すいませんでした。

勉強不足でした。

また還元焼成のときには多少の差があるのかもしれませんので、また次の機会に確かめてみたいと思います。

わたしが愛用している某大陸製の非接触式温度測定器にもメモを添付して、今後のお仕事に活かしていきたいと思います。

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実際に数値があっていないとどうなるのかですが、

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木材に数値(近似値)を合わせると。

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という感じです。



以前明らかに体温よりも高いのに、測定したもの(ステンレスでした)が低く表示されているのに気がついて確かめた次第です。

やっぱりこのオッサンの動画は当てにならないかもしれませんぜ!




posted by inoueseiji at 16:53 | TrackBack(0) | イノウエセイジの頭の中