2021年09月28日

中古陶芸窯の選び方 ★ ガス窯 1


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ブチ切れていても解決しませんので、中古の陶芸窯を選ぶ際に必要な情報を上げておきます。
また何か思い出したら追加していきます。

ちゃんとした業者さんなら逆にここまで行っていることをアピールして信用を得ることができます。お客様に判断材料がないということは「ダメ業者が蔓延る」だけではなく「良心的な業者を評価する」こともできないということになります。それではやきもの業界は良くなりません。



以下確認してみてください。

特にいま現在ガス窯をお使いの方、ガス圧計を十何年も交換していないなら換えましょう。
動画もリンクしておきます。






★ガス窯を中古で購入する

 チェックポイント その1


  • メーカーと容積・重量
  • 製造年よりも焼成頻度を知る
  • 壁の厚み・炉内寸法・色見穴の数と場所
  • ダンパーとドラフトの素材と様式
  • 本体のリペイントは行うか
  • バーナーのメーカーとサイズ・本数
  • バーナーヘッドの割れ・ヒビ、素材
  • バーナーのオーバーホールは納入前に行うか
  • 炉内の状態・耐火断熱レンガの状態・色
  • 2次側のガス圧計は50kPaメーターか
  • 納入時にガス圧計は新品に交換するのか
  • 配管の取り回し・コックや点火棒の状態
  • エントツの素材と長さ
  • 付属のエントツは専用か流用か
  • 熱電対・棚板・その他付属品の有無
  • 扉のブランケットの状態
  • 炉内の耐火断熱レンガの状態
  • 補修された部分の有無とその方法
  • エントツ工事の費用が別請求か
  • 雨仕舞の施工方法と雨漏りした場合の補修内容
  • 焼成指導はできるのか
  • 販売業者の窯焚き能力の有無
  • 総額の見積書と工事内容の覚書
  • 見積と請求金額が変わる場合の条件
  • 現物を確認できる場合は寸法と写真
  • 出来ないならば補修工程の写真の提出が可能か


それぞれの細かい内容はまた発信します。動画にするかな?


posted by inoueseiji at 14:07 | TrackBack(0) | 窯と焼成に関すること

やっていればわかりますから(笑)

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先日とあるところで焼成指導をしてきました。

プロとして独立し自分の窯も手に入れてという若い作家さん。
中古ですが設置してすぐ、なんだか窯の操作に違和感を感じ、その業者にも違和感を感じて、意を決してふくおか陶芸窯にご連絡をしていただいたとのこと。

そのガス窯を設置した自称「窯の専門家」の業者さんはやはり常識としてありえないことをしているだけでなく、「30回ぐらい焚いたらわかりますから」との有り難いアドバイスを彼に残していったとのこと。

ワタシも自分が思い通りに焚けるようになるまで15回ぐらい失敗しましたが、それは窯の操作は出来ているが求める還元焼成の度合いや窯詰め方法などで失敗したということであって、窯が言うことを聞かないとか、温度が上がらないとかではありません。

初窯に失敗したわけではありませんでしたから。



30回ねぇ。

もしワタシがこの人生を30回ぐらい繰り返し生きたら最後はなんとかソフィー・マルソーとの結婚も叶いそうな気がしますが、家族背負って、人生かけて、どうなるかわからない焼成を30回もこなすことがアナタには出来ますか?


もちろんガス代はあっち持ちではなく、アナタ持ちです。
安いところと契約していても30万円弱はするかな(笑)。



自分で焚けない、自分で窯を造っていない、そういう方が陶芸窯の販売をしても極論わたしはいいと思います。

だったら「ホームページに窯の専門家って書いてますけど、だれも窯焚き出来ないんですわ」とちゃんとお客様に言いましょう。

焼成指導は別料金と明記して外注するか、小声で「無理デス!」って先につたえましょう。

焼成指導とは、その窯を自由自在にコントロールして購入してくださったお客様を知識と技術で応援する大切な「窯の専門家」の仕事です。築炉メーカーなら当たり前で、取扱業者のワタシでも当たり前のこととしてガス窯では行っています。

また窯の購入をお考えの方々はしっかりと情報を集めて、一人でも焚けそうな気がするゾ!というぐらいの根拠のない自信を持てるようになるまで大きな買い物をするのは控えた方がよいと思います。

しい言い方をすれば購入する側に知識がないから「窯の専門家」なんて自称を許しているということでしょう。わたしはそれをもってその産地のレベルが瀬戸にかなわないという悲しい根拠になると考えます。

お客様になる側にちゃんと知識や経験があって「エントツぐらい真っ直ぐ立てろアホ!」とか「圧力計つけたままで運んでくんなボケ!」ぐらいのことをその産地の誰もツッコめないからいけないのです。


窯の専門家の「これで大丈夫ですよ!」にツッコめないではカモになるだけです。
一人ひとりが「これのどこが大丈夫なんだよ!」って欠陥工事をインスタに晒せるような知識をもちましょう。




車の購入に例えるとすれば、築炉メーカーが正規ディーラーや製造工場、ワタシのような業者は元ヤン店長の中古車屋みたなもんです。

新車が買えないのならば「この車はこことここを新品にすればイケるな」ぐらいの眼を持つまでは手を出さないか、元ヤン店長がいまは更生して実は整備士免許持っていた、なんてことを確認するまでハンコを押すのはやめましょうよ。


そんなことできる自信がないというならば、何百回も言っているように

窯はつくって焚ける人から買う

につきます。



「プロですから分かってらっしゃるでしょ〜!」
   分からないことを分からないと言えるのがプロです。

「前の窯と同じように操作すれば大丈夫ですよ〜!」
   前の車と同じように運転してもいいの?

「30回ぐらい焼いたらわかりますよ」
   じゃあガス代そっち持ちだよな?

「まぁやっていればわかりますって!」
   生きていれば悟りますって?無理無理!







この再生リストを30回ぐらい観たら「窯の専門家」を論破できると思います(笑)。


posted by inoueseiji at 07:04 | TrackBack(0) | イノウエセイジの頭の中

2021年09月20日

電気炉への配線

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連絡がうまくいっていなかったのか、電気炉初めての電気屋さんだったのか、搬入後の配線工事でブレーカーまで設置されていたのに電気炉への接続がありませんでした。

まぁそういうこともあるかなと反省しつつ、われわれの経験値アップもかねて炉の操作説明をする日に配線工事も行ってきました。また今後は電気炉が初めての電工さんのために施工に関する資料も事前にわたすようにしていきたいと思います。


イノウエは芸術学部美術科、ムスコは都市園芸科出身なのですが、なぜか二人とも第二種電気工事士免許を持っております。一家に一人の電気工事士は大変便利ですが、現場でも重宝いたします。

最近では電気工事業として登録するために必要な測定器や工具もすべて揃ってしまいました。


また、こうした工事の前にいつも様々なアドバイスをいただく電気工事関連の友人や知人の方々、本当にありがとうございます。

この場を借りてあらためて御礼を申し上げます(こんどフリーカップあげます)



さて訓練校の後輩にもあたるこちらの作家さん、これからの活躍を応援していきたいと思います。


posted by inoueseiji at 10:52 | TrackBack(0) | イノウエセイジの頭の中

2021年09月16日

悪いのは窯とエントツの方じゃないの?


エントツが大事なんだと言い続けて結構な年数がたちますが、まだまだ認知されません。

そもそも本体のおまけみたいに捉えている人もいるようですし、本気で製造していないメーカーもあるようです。太さ、長さ、素材、施工方法、曲げる必要があるときの考え方、雨仕舞などなど。

本体がどれだけよくても、エントツがダメだと全く焼成できません。

スズキの空油冷エンジンがいくら良くてもマフラーぶった切ったら音がうるさくなるだけでパトカーからは逃げられないってことですな。

年齢のせいかイヤミが本当に過ぎるようになったというか(笑)。
一発撮りでも編集しないと放送禁止になってしまうようになりました。


それを優しく指摘してくれる人から見放されたらどうしよう。


というわけで、動画だとエグいことになりそうな話を次の方のバトンとして書いておきます。


ほとんどの人は読まない方が良い内容です(R-35指定)。



時々あるお問い合わせ。

「エントツがおかしいと思うので作り直してもらいたい」

「うちの窯のバランスがおかしいと思うので見てほしい」

そういうときに98パーセントおかしいのは残念ながらアナタのほうです。

自分が間違っているのかも知れないと思ってみることも時には必要です。


特にあなたが以下に当てはまるのならば、もう一度あらためて窯炉というものに向き合ってみましょう。

1 窯のサイズが変わったらうまく焚けなくなった

2 これまでの人生で焼成した窯は自分の窯だけ

3 長い伝統を継いでいる自分はいつも正しい

4 陶芸に理科や数学は必要ない

5 焼成の記録を取っていない・グラフ化していない

6 築炉屋や粘土屋が偉そうにアドバイスするんじゃないよと内心思っている



何人かがお茶吹き出したり、心筋梗塞をおこしているかもしれませんが、ざっくりと説明します。



★1 窯のサイズが変わった途端にうまくできなくなる人は、そもそもガス窯などにおける焼成のメカニズムを理解していないと認めましょう。大丈夫です。前の窯ではうまくできていたのですから、それを補正すればいいだけです。ダンパーやドラフトの操作を何℃で何センチなんていう把握をしている方がこのタイプに多いです。前の窯のやり方でエントツを真っ赤にしているような人もいましたが、窯が悪いんじゃなくてアナタが悪いですからね。炎のある窯では炉圧を意識してください。そして火力は押し、エントツは引き、という認識です。ある空間の温度を上昇させるのが窯炉というものです。ではどうすればその空間の温度はあがるのでしょうか。前のガス窯は3㎥だったんだよねと自慢する暇があったら検索してみましょう。


★2 電気炉の経験しかないのに偉そうに窯の講釈タレたり、勉強会なんかを得意になって主催している方もいるでしょう。別に電気炉が悪いわけでも、ガス窯が偉いわけでも、薪窯が最強なわけでもありません。ただし自分の窯しか経験がないというのは自分が経験したマツダの教習車一台をもって世界の乗用車の歴史と製造について語っているのに近いことです。自分はまだ序の口で一方向の視点しかないという認識を持つべきです。複眼的に焼成ややきものを見れていないということを事実として受け止めましょう。これはわたしもですし、ある意味この世界の全員がそうです。ただ体験した数が多いか少ないかということで言えば、はやり多い方が有利ということになるでしょう。またこれは焼成回数にも言えることかもしれません。フェラーリをガレージに8台並べている人よりも、好きな1台を乗りまくっている人のほうが多角的にフェラーリを語れるでしょうから。


★3 時代はどんどん進んでいます。窯だってそうです。少なくとも裏の倉庫にこっそり設置されたガス窯には薪窯の口伝は通用しないことがほとんどです。また自分は焼成の作業を「見ているだけ」だったら、焼成と窯焚きについて適当なことを若者に吹聴するのはやめてくださいね。この世界で威張っていいのは自分で実践している人だけです。全行程それができるのがやきもののいいところです。器の作り方の本は本当に掃いて捨てるほどありますが、いまだに焼成方法のまともな本がほとんどないってどうなのよ。これは「俺の作り方は最強だぜ〜真似しろや〜」という人間は掃いて捨てるほどいるけれども「俺の焼成方法を見てみろや〜」という人間が皆無ということです。むかしは秘伝とか窯の秘密とか言っていたようですけれども、それは薪や炉の寸法などが違いすぎて共通点が少なかっただけなのかもしれません(そもそもたいした秘密ではないし)。でも今の陶芸家が使っている窯は薪であってもガスであっても同じメカニズムで焼成されているでしょう。


★4 数学のテストで0点取ったことがあるイノウエでも、ゼーゲル式を必死に勉強しました。また理系の考え方をしないとロマンにハマってしまいます。べつにどんなに適当にやっても手順と組成が正しければ正しい結果が生まれるものです。神棚や神頼みにも意味はありませんし(するけどね)、雨や台風のときの窯焚きで良いものが取れるのは苦労してびしょぬれで焚いたからではなく、空気中や薪の湿度や露地の水分、ドラフトの働きを強い風が不規則におこしてくれたから、なのかもしれません。出来ない、やらない、はいいとしても理系の考えを否定してはいけないですし儲かりません。ロマンがどうしてもやめられない人は骨董とかオススメします。


★5 時間と温度計の数字の羅列を手書きで行っていては焼成は上達しません。グラフ化していくことが重要です。またそれぞれの窯のサイズによってもおおまかな焼成時間というものはあるものです。たとえばガス窯ならそうです。それなのに無駄に何日もかけるとかガス屋さんが喜ぶだけかもしれません。1㎥でも24時間以内で焼成する人がほとんどでしょう。そのために耐火断熱レンガで造っているんですから。長く焚くならどの温度域を何故に、とつきつめておかないとこれまたロマンの入り口です。


★6 そう思っている人の窯をつくって原料を提供しているのは誰でしょう。最近では随分と減りましたがこのノリの方は依然いますし、いまではダンディなアマチュアの方に散見されるような気がします。窯を造る人が焚けなかったという部分がこうしたノリを過去生み出したのかもしれません。しかし、実際に一番科学的な知識をもって考察し、自分でも窯を焚いているのは原料に近い人たちです。レンガの種類や鉱物の組成を諳んじていないのならプロを敵に回すのはやめましょう。中にはこれまで一回も窯も焼成も体験していないのにどうしてかしらと思うほどコチラがお叱りをいただくようなこともありますね。まぁロクロ頑張ってください!


また怒られるかもしれませんが、わたしは窯と焼成に関して安全第一で発信をつづけます。
それが「窯の専門家」ってもんでしょうから(自分でプロとか専門家って言う人は(笑))





posted by inoueseiji at 10:25 | TrackBack(0) | イノウエセイジの頭の中

2021年09月12日

ウェブせともの祭陶器市★瀬戸


オリバーとは無関係です、イノウエです。

書こうと思っていておそくなりました、開催は今夜まで!



諸事情で福岡の陶磁器フェアにはどうしても行けなかったのですが、リアルで開催したことは評価できると個人的には思います。

オリンピックは開催で11月の福岡マラソンの中止なんだから、行く人、参加する人の自己判断で何がいかんとや?という気がするからです。

とはいえ批判もかなりあったようですから、今後はウェブも当たり前になっていくんだと思います。

ウェブの陶器市、参加する資格がどうなっているのかなど、それぞれの産地でいろいろとあるでしょうけれども、丹波なんかでも組合のサイトの売上がスゴいことになったそうですし、大きな可能性があるわけです。

器をネットで買うなんて考えられなかった人たちがネットで購入するように変わってきたのは紛れもない事実。

これからは我々が今Amazonを当たり前と思う程度には当たり前になっていくと思いますね。




◆ウェブせともの祭陶器市


(多治見がアニメにしたのは正解だな)









posted by inoueseiji at 07:16 | TrackBack(0) | イノウエセイジの頭の中

2021年09月10日

プロにはプライドがあるものです


結構な数の中古の窯がこの数年で動いたと思うのですが、そのガス窯や灯油窯のエントツ工事はどうだったでしょうかねぇ。

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(安いレーザーは線が太いぜ)

先日知人の紹介で現場確認に伺ってみれば屋根の母屋材(垂木みたいなの)に干渉するからと無理やり斜めに取り付けられたエントツを見て絶句してしまいました。木材に当たる部分は無理やり断熱材をあててあり…。

大沢ガス炉商会で鍛えられたワタシにしてみれば切腹モノの仕事。
初代社長なら介錯もしてくれずに打ち首獄門を言い渡されそうな雑な仕事です。

窯の専門家が行った工事でないのは明らかです。
プロの感覚からすればありえないしプライドが許しません。

当然消防からも注意があったとのことですが。

そもそもちゃんとした専門家に頼んで正しいエントツ部材と正しい工事が行われていれば少しは高くなったとしても、あとでまた余計な出費をすることもなかったでしょう。ワタシとしては40歳の秋、いい加減な雨仕舞工事を前に山口県の屋根の上で涙ぐんだときと同様に、この件は儲け度外視で行っていきたいと思います。


別にヒ・ミ・ツではないので書いておきます。

まずエントツがある窯の設置においては、どこからどうエントツを出すのかを決めてから本体の設置場所を検討します(レーザーの出番)

う〜んここだとバーナーの点火がしにくいなぁとか、ここだと後ろが狭いなぁとか、あ〜垂木に当たるわぁとか考えるわけですね。

その現場確認のためだけに出張することもママあるのです。

それから完成した本体の搬入が行われ、屋根に穴をあけてエントツを設置しつつ、本体側でも位置を微調整します。

それからアンカーボルトを打つとか、雨仕舞をするとかになるわけですよ。

雨漏りもみっともないですが、消防に工事のダメ出しされるなんて本当にいただけません。

みなさんがもし良い中古を見つけたとしても、安易にご自分で設置工事を行わないようにしてください。兄貴が土建屋で資格あるからとか、人によっては自分たちで出来ると思えることもあるでしょうけれども、せめて一度でいいから専門家のアドバイスを受けるべきです。

ウチなら焼酎二本程度の有料相談案件ですが、お値段以上の情報は提供しますし、そもそもワタシはどこの誰にも事故を起こしてほしくありません。

だからこんな情報発信を十数年行っているんです。

また先日とある県外で、クレーン付きのトラック、いわゆるユニック車をお客様に借りていただくということがありました。お客様が電話すると「あんさんにクレーンの免許が無いと貸せまへんえ」と建機屋さんのおねえさんにピシャリと言われたとのこと。急遽ワタシが電話して手続きしたこともありました。

知っている業者がいるからと、小忙しいワタシを気遣っておっしゃって下さったお客様に甘えたのですが、そんなことは免許制度に関係はなく、逆に「今はそこまで厳しくなっているんだ」ということを知ることなりました。

むかしはクレーンの免許がなくてもトラックの運転免許証があればだれでもユニック車を借りれました(経験者談)
それは「俺はクレーンの免許もってないけど、現場に持っているヤツがいるんでねぇ」という理論でスルーされていたグレーなゾーンだったんですな。

そもそもクレーンは免許持っていても事故が多い機材です。
そして事故が起きて無資格無免許が発覚するとドンドン厳しくなっていくわけですね。

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(この現場に同級生がいましたヨ:元気か?)

搬入の動画からどんな道具が必要なのか教えてくれい!と連絡をいただいたことがありますが、動画を見てわからない人に免許がないのは確実ですからやんわりとお断りしたこともあります。

中古を購入するにしても、よく見極めましょう。

窯ではなく業者を。

それからいつも言っていますが、エントツさえ正しく製造と設置がされていれば、本体側の弱点はある程度はカバーできます。

窯と焼成の知識と技術でそれは可能なんです。
その知識と技術がない人が「エントツはこれつけときゃエエやらぁ」と適当なことをするんでしょう。

誰もGSXのエンジンに単管パイプ突っ込んでマフラーにしないでしょ?
この感覚をせめてプロには持ってもらいたいと願う実にアマアマなイノウエです。







posted by inoueseiji at 17:59 | TrackBack(0) | イノウエセイジの頭の中

2021年09月08日

「共栄電気炉製作所さんの動画を拝見しました」というお問い合わせ


先日共栄さんの工場紹介動画をアップロードしました。
直後より問い合わせを数件あちこちからいただき、やはり映像の力は大きいなぁと思った次第です。

そもそもコロナがなければ協力関係にあるメーカーの工場紹介動画を撮ろうと画策していましたし、それは必ずお客様の安心と製品に対しての信頼につながることになると確信していました。

様々な陶芸窯の製造メーカーや販売店があります。

国産ではない電気炉も多く国内に流通していますし、それを販売しているところの方が業界では名前が通っていますよね。

事実これまでも「あなたの紹介するメーカーは聞いたことが無い。やっぱり○○ポにします」と言われたこともあります。
そんなときにこうした動画があれば、と悔しい思いをしてきました。

100Vの電気炉においては競合する製品の価格帯もほぼ同じで、ターゲットとなる家庭で作陶される方々にその相違点は判断しにくいのも事実でしょうし、あちらもわざわざ「ウチのは国産ではありません」とは明示してありません。

こうした陶芸用電気炉の販売競争において、われわれのセールスポイントはなんでしょうか。

多治見という陶産地において70年以上前から電気炉を造り続けているということが一つ。

日本初の還元焼成対応電気炉やマイクロウェーブ炉、超高温炉を開発する技術力があることが一つ。

製造に関わる人たちは陶磁器製造や焼成、電気、計装、金属加工など築炉にかかわる技術をそれぞれの専門として持ち、分業しながら質の高い製品を世に出しているということが一つ。

電気炉においてすべての部材や製造を国内にて行っているということが一つ。
(下町ロケットみたいになってきたな)

企業と製造のトップに陶磁器製造と焼成の経験と知識を持った人が複数いるというのも強みの一つでしょう。
(わたしとしては当たり前と思うのですが今ではこれがセールスポイントかぁ)

ご存知ないかたも多いかもしれませんが、海外と日本では焼成温度や窯や機材に対しての感覚が全く違います。壊れれば直せばいいという国民性もあるでしょうし、高性能を犠牲にしてもユーザーによる補修を可能にするという考えもあるようですし(理解できんが)、そもそも窯に対する感覚がズレまくっているということもあるでしょう。

これについては過去動画でもお話しています。


どこで誰が造ったというのが見えているというのはとても大切なことではないでしょうか。
特に家と窯は製造者の顔が見える方がいいと個人的には思っております。

遠くのお客様で大きな電気炉であれば、なるべく製造中の進捗状況の写真を工場にはお願いするようにしていますし、今回の動画もその意味があります。

今回の工場紹介動画は、すでにふくおか陶芸窯で電気炉をご購入されたお客様方にとって、自分の電気炉に対する安心感や信頼性、ある意味プライドにもなったようです。





まだまだあるのですが、続きとします。


posted by inoueseiji at 07:02 | TrackBack(0) | イノウエセイジの頭の中

2021年09月03日

共栄電気炉製作所



共栄電気炉製作所さんの本社工場の様子をダイジェストの動画として紹介してみました。
まぁでも普通の方にはこれで十分かもしれませんね。

シャーリングのメーカーに興奮したり、ホルソーのデカさにビビったりするのは製造現場で働いた人間だけでしょうからね(笑)。

大沢ガス炉商会にしてもシンリュウさんにしても、共栄電気炉製作所さんにしてもスタートはやきもの、陶芸で、窯を焚ける人がトップにいるし、創業者だったりする。

コレってあまりにも当たり前ですよ。

そしてそれぞれに得意分野があるわけで、大沢ガス炉商会ならガス窯、そして共栄電気炉製作所さんは名前のとおり電気炉です。

その名前を聞いたことがない人から「ちゃんとしたメーカーなの?」なんて失礼なことをわたしは電話で言われたことがありますが、この動画をご覧いただければ一目瞭然です。ロクロメーカーしか知らない方が失礼じゃあ〜りませんか(笑)。

世の中の基準では中小企業になるのかもしれませんが、築炉メーカーとしてはかなり大きい共栄電気炉製作所さん。1942年設立です。
そして製造工場だけではなく、ギャラリーや体験工房などもグループに持っています。多治見市だけではなく、陶磁器業界への貢献も多くされています。また還元焼成可能な電気炉を初めて開発したのも創業者と試験場の職員だったという話しは以前動画にもしています。



いつも本当にお世話になっております。
社長はじめ社員の皆様ありがとうございます。




株式会社 共栄電気炉製作所

◆営業本部 大原工場

〒507-0074 岐阜県多治見市大原町11丁目5番地
電話 : (0572) 29-5172(代)
FAX : (0572) 29-5173


◆富士見工場

〒507-0047 岐阜県多治見市富士見町3丁目66番地
電話 : (0572) 21-3511(代) FAX : (0572) 23-9006


◆鳥取工場

〒689-2202 鳥取県東伯群北栄町東園稲場工業団地
電話 : (0858) 37-4778(代) FAX : (0858) 37-4789

・営業時間は、平日9:00〜17:30になっております。
・富士見/鳥取工場は製造工場のため、電話応対することができません。
 ご連絡は基本的に、営業本部 大原工場へお願い致します。




★ボイスオブセラミックス

〒507-0047
岐阜県多治見市富士見町3丁目68番地1
電話 : (0572) 25-7267 FAX : (0572) 23-9006


陶芸体験・陶芸機材販売 
ボイスオブセラミックスHP  http://www.voice-tougei.com/



★ギャラリーヴォイス

〒507-0033
岐阜県多治見市本町5丁目9番地1 陶都創造館3F
電話 : (0572) 23-9901 FAX : (0572) 23-9902

展示・シンポジウム開催 
ギャラリーヴォイスHP  https://gallery-voice.jp/



★ヴォイス工房

〒507-0801
岐阜県多治見市東町1丁目9番地17
電話&FAX : (0572)25-2233

陶芸を学ぼう 
ヴォイス工房HP  http://kds-kiln.co.jp/v-kobo/

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2021年09月01日

出張アルアル


あっという間に9月ですね。
出張から無事に戻り、疲れも取れて通常通りお仕事しております。

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(昔列車でも渡りました)

さて、いろいろと発信のためにまとめないとイケないこともあるのですが。
本日は軽いネタでお茶をにごしておこうということで出張アルアル。

  • 一気に走れる距離が年々短くなっていく(若い時は 福岡ー名古屋 9時間台だった)
  • お土産は「通りもん」が鉄板
  • どこへ行っても久しぶり!よく来た!と食わされる(結果太る)
  • 親類はいつまでもわんぱくで食いしん坊と思っている(もう51歳です)
  • 方言が混じって言葉がおかしくなる(ハイブリッド化)
  • 「太陽の塔」の横を通ると決意を新たにする(独立時に行った思い出)
  • 奇跡のように誰かが平日休み(有給休暇バンザイ)
  • 絶対に地震がおきる(言われて気がついた)
  • 味噌煮込みうどんをもっと買えばよかったと反省する(でも2ダース買った)
  • 仕事モードの昼は土地の名物は食べない(セブンとかで済ます)
  • 車内で与太話を撮影するもいつもボツ(とりとめなさすぎて)
  • 新ルートを通るとテンション上がる(新名神とか)
  • ひそかに送電鉄塔の変遷を確認
  • 変わっていく部分と変わらない部分のそれぞれが胸に染み入る

今回は一人の移動、それも乗用車を用いてでした。
またどうしても現場に赴く必要がある仕事を二つがあって関わるメーカーなどにも行く必要があったためです。
十分な感染対策を行い、少人数での打ち合わせ、屋外での立ち会いなどがメインでした。

それぞれの場所でご対応していただいた皆様、本当にありがとうございました。




はやく落ち着いてほしいものですね。
posted by inoueseiji at 08:41 | TrackBack(0) | イノウエセイジの頭の中