2022年08月09日

暑いときこそ鍋?



暑いですねぇ。
今日は35℃を超えた福岡です。

とはいえ、やきもの屋はそろそろ秋冬の製品をつくり始めているところかもしれません。

ということで、土鍋の話。


知人や受講生の方々がまだまだ誤解している鍋土の話。
もうむかしのように1180℃で焼成するなんて必要ありません。
普段の窯焚きで一緒に焼成出来ます。

もちろん酸化焼成のほうが良いですが、還元焼成でも大丈夫です。
とにかく確認していただきたいのは、いまの鍋土は1180℃なんかで焼成すると水漏れなどのトラブルが発生します。

ちゃんと温度を上げて焼成してください。もう一度いいますよ。

山内陶料さんの土を1180℃なんかで焼成するとトラブります。


そして、焼き上がったものは米の研ぎ汁なんかで煮る必要はありません。
漏れるのなら焼結が悪い、つまり焼成温度が低いということです。

なかなかこういう誤解を解くというか、あらたな素材への理解は進みませんが、何度でも発信していきましょう。

耐熱土 赤 20キロ https://www.nendoyasan.com/?pid=138066752

耐熱土 白 20キロ https://www.nendoyasan.com/?pid=138066751

※それぞれ10キロもあります。


意外と陶板での焼肉もグー!




posted by inoueseiji at 20:40 | イノウエセイジの頭の中

2022年08月08日

ヒーター線の交換に免許は必要か

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先月の出張前に受講した認定電気工事従事者の認定証が届きました。
あらたな国家資格の取得でまたイノウエの個人情報が国家に登録されてしまい、隠密活動がやりにくくなっております。

まぁ芸術学部でヌードデッサンばっかりしていた人間で第二種電気工事士とこの認定電気工事従事者認定証を持っている人はあまりないと思いますので、ちょっと自慢しときました。



で、今回は電気炉ヒーター線の交換に資格は必要なのか、ということです。


特にシン◯さんの100Vのヤツは自分で交換してね、というサービス形態のようですが、はたしてそれは大丈夫なのか?ということを考えてみました。

意地悪を書きたいのではなく、安全のためにいろいろと情報収集してみました、というネタ。


まず確認できたのは、ヒーター線の交換に免許は必要という動かざる事実です。
電気炉のヒーター線の交換は、電気工事士の免許が必要ない軽微な作業には含まれていない、ということです。



電気工事士法施行令 第1条第1項 (軽微な工事)

●電圧600V以下で使用する差込み接続器、ねじ込み接続器、ソケット、ローゼット、その他の接続器または電圧600V以下で使用するナイフスイッチ、カットアウトスイッチ、 スナップスイッチその他の開閉器にコードまたはキャブタイヤケーブルを接続する工事。

●電圧600V以下で使用する電気機器(配線器具を除く。以下同じ) または電圧600V以下で使用する蓄電池の端子に電線(コード、キャブタイヤケーブル及びケーブルを含む。以下同じ)をねじ止めする工事。

●電圧600V以下で使用する電力量計もしくは電流制限器またはヒューズを取り付け、または取り外す工事。

●電鈴、インターホン、火災感知器、豆電球その他これらに類する施設に使用する小型変圧器 (二次電圧が36V以下のものに限る)の二次側の配線工事。

●電線を支持する柱、腕木その他これらに類する工作物を設置し、または変更する工事。

●地中電線用の暗渠または管を設置し、または変更する工事。


なんのコッチャという方も多いかと思います。




そこでクルマに置き換えてお話しをしてみましょう。

もちろんいつものように、すべて例え話、厳密に正しくない部分もちょいちょいあるかと思いますが、なるべくウソは書きませんのでそのつもりでお読みください。


というわけで、乗用車。

アナタが購入されているアナタ名義のアナタのクルマ、そいつに何をしようがアナタの勝手です。
ただし、乗用車というものには車検という制度があり、違法な改造や異常な騒音を出していたりすればパトカーに止められたり、車検が通らなかったりします。

しかし、本来は整備士の資格が必要な重要な部分の整備を、自分のクルマで自分が行うのは違法ではありません。

ブレーキフルードの交換でもタペットクリアランスの調整でも、やりたい放題です。
医師免許がなくてもお医者さんごっこが出来るということでしょうか。

しかし、それによって事故が発生したりすれば違法工事となり、車検が通らなかったからディーラーに復旧作業をお願いしてもおそらくは断られるでしょう。ディーラーにしてみれば責任取り切れないということですね。

ただ、以前動画でもお話ししているように、どっちを正義ととるかは国と地域で変わると思います。





話を100Vの電気炉にもどして。

メーカーはアナタに必要なヒーター線をパーツとして販売するけれども、かならず資格をもった人に作業してもらってね、みたいな注意書きが説明書などにあるんじゃないでしょうか?

どう、その辺は。

そうだとしたら、ウチはちゃんとそういう注意書きしてますから、事故が起こったらお客様の責任ですから〜!…と言えなくもない、逃げれなくもない状態を担保しているという感じでしょうか。

例えばホームセンターにはいろいろな電材が販売されているわけですが、免許がないと出来ない工事の部材を購入する際に、その工事に必要な免許の確認なんかあるわけがないもんね(笑)。


ちょっとグレーです。



ふくおか陶芸窯が販売しているKCシリーズのヒーター線の交換は、工場で行っております。送料はかかりますけれど実はヒーター線の価格自体はシ◯ポさんの100Vとそこまで変わりません。もちろんこっちの方が高いですが、何割も高いわけではありません。

ほ〜らやっぱり高いじゃんって思います?

ただし我々のヒーター線の価格には工賃が入っています。
経験豊富な様々な工事の資格をもった複数の人間による、確認作業と交換工事費用です。ヒーター線以外にも異常はないだろうかと、素人の方が確認できない部分も含めて多くのチェックが入ります。

さらに補修の際には往復の送料がどうしてもかかります。
そこまで入れると支払う金額は倍ぐらいにはなるかもしれません。

そもそもの窯の性能差はとりあえず置いておいて、ヒーター線の交換としてもそれは決して高いわけではないと思います。

慣れない方がヒーター線の取り外しや取り付け、端子への接続をするのは正直あまりにも危険だとわたし個人は思います。
温度が上がらないとか言われる方も、もしかしたら何割かは不良工事をしているかもしれません。それで事故が起きては本当にシャレになりません。


そのあたりもご考慮されて窯選び、業者選びをされると良いかと思います。




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posted by inoueseiji at 10:54 | イノウエセイジの頭の中

2022年08月02日

多分動画ネタにならないヤツ



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年に一度はみんなで海水浴。
今年は数日前に過ぎ去った台風の影響が残り、風もうねりも強かった。

サーフィンするほどではないが、ロングボードなら楽しいぞ、みたいな海。
福岡はウィンドサーフィンするヒトが結構多い。この日もかなりいた。


さて、こんな海で競泳のクロールや平泳ぎは通用しない。


クロールでは身体を煽られて波に酔ってしまうし、思い通りに進まない。
水上に出た腕で敵に見つかってしまうかもしんないし。

平泳ぎでは息継ぎのタイミングを取りにくく、吸い込む瞬間に波をかぶってムセてしまう。

というわけで、昨年の海水浴以降、コツコツとプールで練習していたこれ。





これの基になったのは実は我が国のこれかと思われる。





はっきり言ってプールでやっていると変なオッサンと思われるかと思います。
まぁわたしはいつもクロール500ぐらいやったらやるけどね。

しかし声を大にして言いたい。


海で生き残るのはどっちなんや、と。




これに似たようなことが他にも沢山あるだろうと思う。

例えばロードバイクやバイク・クルマ。

メカニックを従えていれば、そのマシンでそのタイヤでもいいかもしれない。
それに憧れてなんでも買うがいい。

しかし、通勤や日本一周にそのマシンは耐えうるのか。

公道にゴールはないのは承知のオッサン世代である。





ぐる〜っと回って「やきもの」。

たとえばロクロ技能士の資格は、特定のロクロ技術と就業年数を保証するものであって、その世界で生き残ることや、他人に教える技術の質を保証するわけではない。

ある作家さんのロクロ動画でだったか、全く立場の異なる職人さんが技法や道具の違いの指摘をされることが昔あったように記憶している。たしかに細かな技術は大変重要であるけれども、それが窯で焼成された作品にまでつながっていないとイケないし、一人で世界と向き合っている人と雇われている人の視点も論点も違いすぎるので全く噛み合わないのである。



そんなことを考えた宮地浜海水浴場。



日焼け止めを忘れた脛がヒリヒリしてます。



posted by inoueseiji at 15:27 | イノウエセイジの頭の中