2023年05月29日

クセがすごいのは周知の事実


先日操作説明をお客様にさせていただきました。
どのお客様でもそうなんですが、一通り説明をさせていただいたあとに、窯と焼成以外のやきもの話や雑談をすることもよくあります。

先日のお客様からは動画についていろいろと温かい意見をいただきました。そして、

「三人のオジサンが喋っているやつ〜アレは癖になります!」

と、今でも涙なしにはタイピングできない有り難いお言葉をいただきました。

初見ではなんてクセのある人達なんだと思われたそうですが、まぁ三回見たら最後、ユーキャンストップ!とのことでした。

そのお客様の中毒をなおすことは残念ながら不可能ですが、今後ともよろしくお願いいたします。


(決めるところは決めるヨシダさんが良いとのこと)


そして、さらに雑談からフクダさんとの遠距離恋愛のきっかけとなった小学校で授業を行ったときの動画のお話しもして、恥ずかしながらリンクをご案内させていただきました。

自分でも久しぶりに見直してみてやっぱり子供向けには及第点の説明かなと思います。


(いまうちにはPS5があるじぇ)

posted by inoueseiji at 07:25 | イノウエセイジの頭の中

2023年05月27日

久しぶりに音声入力してみた

動画発信のコメントで自分で電気炉を修理したいというような問い合わせがあります。
自分で窯のメンテナンスをするにはどうすればいいかという質問ですね。


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(燃やさないようにしましょう)


例えば、ヒーターの補修とか窯の中の亀裂をどうするかとか、そこに何を詰めたらいいですかとか。プロに頼まずに、できれば自分でやりたいということなんでしょうけども、なかなかそれは難しいことかと思います。


そもそもネットで中古を買ってしまってるんだから、そこはある程度諦めというか覚悟が必要じゃないかなと考えるわけですね。


例えばネット購入の中古のものを、ウチとかメーカーに修理に出されたり問い合わせをいただいたとしても、全く状況がわからないわけですよ 。直せるかもしれないけれど責任は持てないという感覚とでもいったらいいのでしょうか。


以前も私が販売した窯が転売されたものの修理に関しての問い合わせがあって、なかなか対応が難しかったということがありました。


その人はネットで購入する時に、この窯の使用頻度は低い、あまり使っていない、ということが書いてあったので購入されたそうですが、購入後わずか数回の使用で機材にトラブルが発生したんだと。そしてネームプレートにあったふくおか陶芸窯に連絡してきたわけです。


ところが、そのトラブルはですね、これまで私の仕事の中では起きなかったことなんですよ。それでこちらに保証期間とかではないのか、みたいなことを言われたんですがそれは販売した相手に対してはあるかと思うんですけども、それを転売されて購入した人へ 保証する理由はないですね。


最初に購入した人が どんな使い方をしたのかもわからないですし、どのような発送方法を用いたのかもわかりません。こちらでは何も分からないわけですよ。つまり、
そのトラブルの原因は特定できないんです。一つだけはっきりと言えることは、その機材トラブルはメーカーと私のせいではないということですよ。 


ネットで中古を購入するリスクを選んだその人の責任です。


 確かに現行の機種であれば修理は可能です。メーカーも対応します。ただ一度中古市場に出たものは全く把握できていないわけですから、それなりの点検と補修費用がかかるということですよね。

そうやって修理してみたら合計金額が新品を超えてしまった、最初から新品を買えばよかった、なんて後悔してももう遅い。そのリスクを自分が選んだんです。そういう風に考えないと、知りませんでしたでは済まないことです。


こういう話はですね、今まで何回も ブログとか動画でしてるんです。調べれば中古購入はあぶないよという情報はあるんですよ。わたしは知らなかったとは言えないんです。それが個人売買というものです。


ましては 陶芸の窯なんて簡単に処分したり転売したりするのも難しいものだと思うんですね。100Vの家庭用の電気炉ならばまだ個人であったり、宅急便業者が運搬したりすることもできると思うんですが、これがまあ 数百キロから1 トン 2 トン というような重さの大きな窯になってくると、間違って選択をした人がその間違いを取り返すには相当苦労します。


ネットで中古を探すなら、そういうことを自分で理解して買うしかないんです。本当にそれはお得な買い物なのか、家電や パソコンや車やギターを中古で買うのとはあまりにも違いすぎる。情報がなさすぎる、それを理解しておかないといけないですね。はっきり言って個人売買や築炉経験の無い業者の中古窯は全くおすすめしないです。

例えば私だったらですね、ネットの中古の窯を見ても、これなら大丈夫かなとか、このメーカーならここを変えれば問題ないな、とかわかるわけですが、それでもかなりリスクがあると考えています。


 時々引き取りの仕事とか、委託販売とかですね、そういう話もありますけれども、相手の状況や、その人がプロだったのかアマチュアだったのか、現場の様子を見てあこんな使い方をしていたんだな、とかわかっていないと無理ですね。


ただ単にネットで写真だけでっていうのはかなり危ないなと思いますね。実際問題ロクロ とかそういうものを購入したことは 過去にありますが、陶芸窯で自分が目利きをして、これは大丈夫そうだなと思ったものがいくつかありましたが、手を出したことはないですね。


 例えばどんな 窯でも初めて使用する際には空焚きや、ガス窯であれば炙りですね、窯の中の水分を飛ばすためにそういった炙りをする必要があるわけですけれども、中古であればその窯がそれをちゃんと行っているのかどうか分かりませんよね。販売業者から想像できる場合もあるでしょうけれど。


 電気炉であればヒーター線の酸化被膜をつけるために、これも一番初めに空焚きを行う必要があります。しかしそれをやったかどうかは中古のヒーター 線を見てもわからないんですよ。やったかどうか やったかどうかわからないのに、本焼きは何回しかしていませんって書いてあってもですね。本当に残りの寿命が適正にカウントできるかどうか分かりませんよ。


 そしてそれでもいいと思えるような金額であればいいですが、そうじゃないことが多いんじゃないでしょうか。そもそもその窯の新品の価格や中古の相場、補修内容とその材料費や部品代などの目安が見た時にパッと浮かんでこないんだったらやめた方がいいです。ただのくじ引きになってしまいます。ほぼ外ればかりです。ヤフオクやメルカリはいらないものを出品する場所じゃないんですかね。処分費用がかかるから出しているとかね。


それからこれも何度も 記事にしたり、動画でも話してるんですが七宝焼きの電気炉は陶芸では使えません。改造もできません。数万円で購入した七宝焼きの電気炉にいくらかけたとしても、陶芸窯にはなりませんから。いやワタシは焼けましたという人がたまにいるんですけども、だったら好きにやっていただいてこちらに問い合わせや 質問してくれないようにして欲しいです。


それにしても音声入力の精度がやっぱり上がってますね。これからもたまにやっていきます。


posted by inoueseiji at 06:11 | イノウエセイジの頭の中

2023年05月19日

100Vの電気炉の選び方と使い方


この世界には、いろいろなところにラインがあるように思います。

サボテンブラザーズ(Three Amigos)での最後の方のシーン、マーティン・ショート演じるネッドが実弾を込めながら、

「ここにラインを引く。ホンモノの男かネズミ野郎(Men or mice?)をわけるラインだ。」

というシーンは今見るとけっこうグッとくる。

あのラインのどっちに自分はいるのかな?


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(砂漠での水筒のシーンが一番好き)

一線を越えるといえば。

初めて楽器店で自分のエレキギターを手にしたときとか、生まれて初めてバイトの面接に行ったときとか。子供の時に一人で初めてインスタントラーメンつくったときは、コンロの火が熱かったのを覚えています。

箱根の峠をこえて芳村さんにお会いしたとき、村上金物店とか梶田絵具店に初めて入店したときも、なんとなく覚えている気がします。


では我々のやきもの人生でもっとも重要なラインはなんでしょうか。

初めての電動ロクロも強烈な思い出ですが、やっぱり初めて自分の窯を持ったとき、一人で窯を焚いたときなど、窯にかかわることではないかと思うのですが、いかがでしょうか。


先日、ガス窯の搬入設置の仕事では友人に工事応援に来てもらいましたが、そういうときに私が必ず伝えることがあります。それは「安全第一で。ゆっくりやりましょう。」という言葉です。

お客様にとっては一生忘れないような日になるのです。その際に事故やケガがあってはいけません。たとえばガス窯などは重量物でもあり、高所作業もありますから油断大敵です。それでも何時までに終わらせようなんて段取りを考えがちですので、自分への戒めでもあります。

その感覚でわたしは小型炉の販売も考えています。たしかに自分が造っていませんし、搬入するわけでもありません。しかし感覚は同じなんです。現金を持ってきた人に無理に購入しないようにアドバイスをしたことも、発注される方にサイズダウンを勧めたことも一度二度ではありません。売ればいい、儲ければいい、それがビジネスとして正しいと考えれば、わたしのやっていることはアホ丸出しです。

ネットでアチコチに売りっぱなし、と思われている方もいるかもしれませんが、わたしなりにサポートを続けていますし、続けていく覚悟を持っています。もし自分になにかあったらこのお客様のサポートや補修などはどうするのかも、窯のサイズや設置場所によっては考えることもあります。




いろいろと便利になって、簡単に電気炉も購入できるようになりました。半導体関連の遅延も徐々に落ち着いてきています。
それでもやっぱり情報が少ないし、単純にブランドや炉内寸法、価格で選んでいる方が多いようです。

わたしの感覚からすれば、なんでそれを選んでしまったのとガッカリするようなこともあります。本当にあるんです。
この人にちゃんとした窯があったらなぁと思ったことは何度もあります。特にその人がプロだった場合なおさらです。なぜ一言相談してくれなかったのかとか、なぜもう少し情報を集めなかったのか、とか。

雰囲気楽しんで安く済めばいい、という方ならいいのですが、プロやそれを目指す人が限りある予算から選択した窯が本当にそれでいいの?ということがあるんですよ。

そんなときの答えは簡単で、じゃあお前が言えよってことです。

情報に出会うのも運かもしれませんが、運とかラッキーなんて言葉は、もうちょっとやれることをやってから口にするようにしようと思います。応援なんて言ってますが、この程度しか出来ませんし。


さらに動画はアップしていこうと思います。


posted by inoueseiji at 06:12 | イノウエセイジの頭の中

2023年05月18日

何かを突き詰めれば応用がきくじぇ



おはようございます。

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フクダさんから時限爆弾が送られてきて。
解除しようと躍起になっておりましたら。

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(タコ糸の正しい使用方法)

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ギブソン家の方が一人亡くなっているのを発見して通報。

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取り急ぎアマゾン警部らが2750円で現場に到着。

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覚醒開頭手術は無事に終了。




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覚醒。
オービルバイギブソン改め、オービルバイAmazon。

まぁとりあえず遊べるので。
ハムバッカーとかピックアップという単語に敏感になっているイノウエです。

HARD OFFとかに行っても窯選びのようにギターを見ております。
自分が窯を造ったり売ったりする感覚で見れば、若かりし頃とはまた違う見方でギターも見れるということでしょうか。ナンノコッチャ。
(アマゾン野郎が言うなというのはナシ)
posted by inoueseiji at 07:37 | イノウエセイジの頭の中

2023年05月15日

ショックが大きい話はブログだけにする?【100V電気炉】


日本のやきもの業界を良くしたい!
こんにちは!議員候補(ウソ)のイノウエです(他国のやきものは知らんけど)

多分木筒区じゃないや、傷付く方もいるかと思いますので、動画からではなくてブログからにしておきます。

ガス窯や電気炉について、特に100Vの電気炉についての誤った発信をされる方が現在・過去・未来にいらっしゃるので、相変わらずこの国には、しなくてもいい質問を発信者以外にする方がたくさんいて、関係ないメーカーや自営業のオジサンがうんざりしながら答える状況がまだまだ続いております。どげんかせんとイカンとです。

先日は「ホントは◯◯ポのアレがいいけどなぁ」とか「今100Vの電気炉がキテマスよ。イノウエさんとこは取り扱いされてますか?」とかも言われてしまい、いよいよなんとか袋の尾がほつれてきたので、いままで理性のある大人として黙っていたことを小出しに言っていこうかな、まずはブログで、というところです。



嗚呼また誰かに怒られるなぁ。


…まぁいいか、いきましょう。


ハイ注目〜、電気炉はスイッチ一つで焼成できるなんて誤解している方がたくさんいま〜す。

共栄電気炉製作所のKCシリーズのカタログでも「お部屋で待つだけで」というかなりギリギリの表現を思わず書いてしまっているぐらい、一般の電気炉のイメージはお手軽方向に振り切れているようです。

それでも日本が誇る共栄電気炉製作所さんは「どこにも行かないで。この部屋で待っててね」というニュアンスをキープしているところが素晴らしいとイノウエは思うのであります。このあたりのキャッチフレーズをどうするのかはかなり社内で検討されたのではないかと想像しますね。


他の窯にあって、電気炉に無いもの。

いろいろありますが、ナント言ってもエントツがありません。
言うたら排気機構ですやんか。いるんちゃいます?

アナタの大切な作品を焼成するときに、窯が100Vの電気炉だろうが100メートルの登り窯だろうが炉内の大切な作品に加熱中に起きている現象は基本的に同じです。

ところが、薪窯やガス窯にあるエントツが電気炉にはありません。

そのために現在の電気炉には大きめの排気栓が設けてあります。昔いまのような大きな排気栓の断熱材ができる前は、上蓋式の扉を少し開けて積極的に排気を促していたのです(いつまで開けるのかは習ったでしょ)

では前扉式で排気孔が無い電気炉なんてあるのかといえば、100Vの電気炉に関しては共栄電気炉製作所のKCシリーズ以外はまともな排気システムが無いものが多いようです(個人の感想ではない)。なかにはまったく無いというモデルもあります。


え?ファン?
炉内の排気用じゃないってば。
(窯の中に穴空いてないでしょ)

では炉内の排気をまったく考えていない電気炉において、素焼き・本焼き中に炉内で発生した水分やガスはどこへいくのでしょうか?


マジでどこに行くのかなぁ。


そして電気炉の肝であるヒーター線。
その水分やガスの影響は大丈夫なのかなぁって?

大丈夫のわけないじゃん。


ふくおか陶芸窯のお客様には、電気炉が届いたら、わたしがプログラムの操作説明を兼ねて30分程度そのあたりを説明させていただいております。
ようするにいきなり使い始めたら寿命に影響するということですね。

でも◯ン◯の100Vをネットで購入した人はそんな説明はだ〜れもしてくれないでしょうから、さらに寿命は縮みます。

そもそも丸と四角の炉内の差、ヒーター線の取り回しの差、設計思想の差、作っている国と人間の差、売っている人の差が、ド〜ンと静寂の向こうの山二つ分ぐらいあるわけですよ。



でもね。


これは良い窯・悪い窯という話ではありません。
それはそれで理解した上で活用していけばいいだけです。

様々な理由で横扉が絶対にいいという方もあるでしょう。わたしだって9Vの乾電池なんて100円ショップのでいいわと思ってますし、それで支障がありません(エフェクターとかさ)

問題は、こうした情報や感覚がやきものを趣味とする人たちのなかで、水漏れ防止に米の研ぎ汁を入れるらしいというウソやデマほどにも知られていないということです。

そこにつけこまれてそんな電気炉を設計されちゃっているということです。
(設計した企業もわかっていないという可能性も否定できない恐ろしさ)

排気栓なんて設けたら、締め忘れるヤツが絶対いるしだろう、火事になったら責任とれないしなぁ、途中で蓋開けるヤツが絶対にいるだろうから扉にはロック機構をつけておこう、ヤケドした上に火事を起こすヤツいるだろうしなぁ、って感じだったのかはわかりませんが。

でもヒーター線の交換工事の対応なんて超絶面倒くさいから、熱効率を無視して側面配置にしてしまえば、部品供給だけで持ち主に交換させられるよね!それイイっすねとなったかどうかもわかりませんけども。

炉内の断熱材を交換してまで使い続けるプロは注文してこないだろうし、そこまで使ったアマチュアがいたら、もう寿命ですよといつものパターンで買い替えさせましょう!ということではないとは思いますけれどねぇ。


たしかに特殊な事例を除いて、プロはアソコのアレをメインの一号機にすることはありません。

あくまでテストやサブ機、3つ目の窯ぐらいの位置づけで、ガンガン毎日使うことはないでしょう。そうであればまったく問題ありません。アマチュアでもそんなガンガン回すことはないでしょう。それなら本当に便利ですし、どこでもネットで購入できますからね。

補修だって業者に頼んだら8〜10万とか取られるみたいですけど、まぁ全然乗ってないクルマも保険代とか毎年かかるしね。


でもね。

こうした情報と感覚があろうとなかろうと、ハイアマチュアの方や経営が中途半端な陶芸教室なんかはあれをメインにしてガンガン使ってしまうようになるでしょう。そして、嗚呼やっぱり持たいないな、そろそろ大きめの窯にしなければな、とはならないで、ギュウギュウに詰めて20回ぐらいしか本焼きできない!ダメだ!って言ってしまうんです。

その割にはサヤ鉢に木炭詰めて還元焼成可能とか言ってしまうしやってしまう。

自分で寿命縮めてりゃ世話ないッス。

一回こっきりだったら何でも可能ですよ。





そういう世界を変えようとしているんです、アタクシは。
窯業機材だって適材適所がある。

アナタがあるレベルまで来たら機材のレベルも上げないと。

それだけ作品のクオリティと、つくる才能がアナタにはあるんですよ。


スズキの軽自動車とトヨタの高級車は価格は違うが、開発にかかるの時間や労力は変わらないという話を聞いたことがあります。窯だってそれと同じことで、別にディスっているわけではありません。マルキョウにしか行かない奥様にレクサスはいらないし、みんなで頑張って上場したのに社長車がアルトだったら社員は微妙な気分になるってことじゃないんですかね。


それぞれの窯に得意不得意があるし、ポジションがあるんですよ。
それを見てわからない人しか未だにいないってどうなってるの?この国のヤキモノは?


え?

コーンを挟んで曲がったら自動で電源オフする電気炉があるって?


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ヘルマン・ゼーゲルさんに土下座して謝れ。




posted by inoueseiji at 08:42 | イノウエセイジの頭の中

2023年05月08日

タダで教えてあげます


ネガティブなネタはいつも怒られますが、ブログは好きに書かせてもらう場所なんで笑。


タダで教えるから手伝えとか、場所を提供するから手伝えとか、見て盗めとか、相手の都合の良い言葉に騙されないようにしてください、という話。

自分も若いときにそれで失敗したし、また現在のふくおか陶芸窯の仕事においても、稀に似たような話の連絡があることがあり、一応ここで注意喚起しておきたい。

以前あった連絡は、身体が弱った主人の仕事場を誰かに使ってもらいたい、という隣の県の奥様からのもの。時期とどっち隣かは伏せておきます。

そこは山の中で、立派な作業場もあるし、薪窯もある、ログハウスだし、主人はすごい作家なのよ、という。それを使わせてくれるらしい。

しかし、世の中にそんなウマい話はないわけで。

じゃあタダで好きなようにさせてもらってもいいんですか?と聞くと、窯詰めや窯焚きを手伝ってくれる人なら、ちょっぴり好きなことをやらせてあげる、みたいなニュアンスに変化。でも窯の焚き方も教えることができるから、とも言われた。

へぇこのわたくしに教えてくださるんですかねぇ。

さらに突っ込んで聞いていけば、できればこの物件買ってくれる人いないかな、みたいなことにもなってきた。

住所からすればそんな山の中になんの不動産価値もないし、事実そこをツッコんで聞けば不動産屋からはロクな対応をされなかったということだった。

ほぼ価値がない山中だから若いときに買えたんだということを想像しましょうね。
窯付き別荘売りますも同じようなモノが多いと思うよ。



じゃあ仮に私が買ってもいいとして、

壁をピンクに塗ってもいいですか?

ハーレー軍団のアジトにしてもいいですか?

と聞くと(ホントに聞いた)奥様は絶句。



そういう想定は一切せずに、ただ自分の思うような使い方をしてくれる人に、奥様の言い値で購入してほしい、ということだったのだろう。こんな話をふくおか陶芸窯の大切なお客様や友人知人にできるはずもないので、やんわりと説教してお断りした。


こんな話はいくらでもある。


弟子にしてください、と自分が頭を下げたとしても多少の金額をいただけることもあるものだと思う(払うというシステムもある)
それを相手から教えてやるから手伝えというのは、急に電話してきてネットワークビジネスを勧誘するヤンキーパイセンぐらい虫が良すぎるというものだ。

薪窯の手伝いだって、経験値を上げたいから手伝わせてください、ということであり、それでも食事や交通費程度は出すのが普通だ。中には「昼飯どうするの?」なんて聞いてくる、弟子を警備員とうどん屋にしただけのボンビー准◯授とかもいるが、普通はアゴアシは持つ。

タダで教えてあげるとか、場所を使っていいとか、そういう話に騙された大昔の自分は甘えていたということだ。相手に甘えていた。相手の言葉に甘えていた。だから利用されたということだ。その条件で来る人間はすでに見透かされているということを知っておいてほしい。その相手に悪気が全く無くても(それがほとんど)、すでにその条件が危険すぎるということです。



どんなことでも、本当に良い話はむこうからは来ないと思う。
自分がこの世界のアチコチをつついた結果、棚からぼた餅が落ちてくることはある。
でもそれは決して楽なことではない。やっぱり多少の血と汗は流す必要があるし、落ちたぼた餅のホコリは払う必要がある。



窯や道具だって同じはずだが、某SNSの陶芸関連のところを見ると、ください・頂戴・あげます・コレないですか、ばっかりだ。こうすれば直せるとか、代用できるとかも怪しい情報が多い。

そもそも使い物にならないから使ってくれ、買ってくれとなっているものも一定数あることを想像しましょう。

特に窯に関しては、出している人も、問い合わせている人も、そのモノの状態がわかっていないで転売をしようとしていることが散見される。
中には業者でもわかっていない人がいる。


なぜなら理由は単純でそういう方々は窯を造ってないからだ。
窯造りで血と汗を流していないからだ。


妙な発信に不安にさせられて質問をいただくことが多いですが、

窯ひとつ造ったことない人を信じてるのかな?



陶器市で稼いだ方も多いかと思いますが、その大切なお金を変な中古にツッコまないようにしていただきたいと願うばかりだ。余計なお世話なのは重々承知ですが、ああこの人にちゃんとした窯があればという作家さんを複数知っているオジサンは、世話を焼きたいものなのです。

というわけで今日から通常営業です。


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posted by inoueseiji at 07:31 | イノウエセイジの頭の中

2023年05月02日

陶芸家におすすめの楽器は

イケてる陶芸家といえばギターというイメージがあるような気がするが…

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(イケてるグループの百貨店のっとりライブ)

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(指名手配中)


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(組長以下全員弾けます)

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(ナベさんもサイトで歌ってます https://ceramictools.shop/?category_id=600ec458aaf0431105fd9dda

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(兄貴も実はイケます)


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(オジサンも飾っているだけじゃない)




しか〜し!



オジサン的におすすめはやっぱり


ピアノだ!


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(殴り込みより緊張)

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(めっちゃオモロイですよ)


右手は薬指と小指は強めにメロディを弾きながら、人差し指と親指は弱めに伴奏を入れる。
それとは別に左手はこのベースラインを柔らかく弾きましょう。


…できねぇ!


楽譜はおぼえたし、一応通しで弾けるようになったけど、ただ音が出ているだけ。
これじゃあ乙女心をキュンキュンいわせるようなピアニストにはなれねぇ!


とはいえ。

右手・左手でそんなことが出来るようになれば。
各指の強弱が自由自在にコントロールできるようになれば。

絶対粘土捌きも上手くなるはず!

ロクロも超絶技巧になるはず!
(ゴーストコース受付中)

ギターの右手はピッキングするけど各指の強弱とか関係ないし。
まぁアルペジオがいいとこ。


左手はまぁいいかもしれないがピアノほどの強弱はつけない。
ハマリングとかもそこまでじゃない。




つまり。

陶芸家におすすめの楽器は
ピアノなのである。




もう5月。

来月発表会です。

ヤバい。




あ、あなたもピアノ弾きませんか?


posted by inoueseiji at 07:29 | イノウエセイジの頭の中

2023年05月01日

連休の陶器市はいかがですか?



今日から5月。

世の中のカタギの皆さんはゴールデンウィーク。
ヤのつく自由業(やきもの屋)の我々はあんまり関係なくお仕事もしているし、遊んでもいるという感じです。

陶器市が各地でようやく通常通りの形態で行われているようです。
お客様や知人の方々はどうしているのかとちょっと心配ですが今日からはお天気が良いようです。


やきものおじさんラジオの「器に宿るもの」はただいま絶賛配信中です。





posted by inoueseiji at 08:15 | イノウエセイジの頭の中

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