チェレンコフ光も怖いがアーク光も怖いよ〜のイノウエです。
窯の怖い話。
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無資格工事、自分で修理、ちゃちゃっと改造。
カッコいいですね。
まぁせめて自分の窯でやってください。
業界が迷惑するので死なないように。
電気工事士の免許もってんの?
な〜んて昨日のネタ元にも偉そうに言ってみたいもんですが、
実はそんな方が免許取っても何にも出来ません。
みなさんも普通自動車の免許など何某かの免許をお持ちかと思いますが、免許を取得しても運転や業務がすぐ上手に出来るわけではない、というのはわかりますよね。ユンボとかそうだけどさ。
普通自動車免許はわたしの世代なら、いきなり積載重量4トンのトラックまで乗れましたが、実際の4トンロングのトラックなんて恐ろしくてたまりませんでした(運転したけど)。乗用車だとしても初心者マークをつけてビクビクして運転した方も多いでしょう。
写真の電気炉の制御ですが、資格保有者が常識として持っている「非常に些細なこと」を知らないまま、三相200Vの制御とかを勝手に改造するなんて、わたしは絶対にやろうとは思えません。
昔はそんな資格や免許無しでみんなやっとったわ!
というオイサンもいるでしょうが、そんなアパッチ野球軍みたいな方々が山のように事故や死亡に至ったからこうなったんでしょうが。
いつも参考資料にして申し訳ございませんが、写真の窯は頂いたときにはすでにイロイロ改造されていたんらしいんです。制御盤の中なんて確認することは普通はないですよね(私はたまにするけど)。だから電気屋さんの配線工事が終わって通電したらアーク放電でとんでもないことになったのです。
それでふくおか陶芸窯にお話をいただいて、確認見積などを経て、共栄電気炉製作所さんの制御部門の方々に制御盤を作り直していただいて付け替えました。
わたしが電気工事士だとしても制御盤の改造や製造は無理です。出来るのは繋いだり外したりだけですよ。もちろんそれだけでも資格が必要です。
無資格で行えば、機材を破壊したり、感電死亡事故を起こす可能性もあります。
これまでに死亡事故はたくさん起きています。
事故が起きていたらどうするの、というか、そもそも事故の可能性を考えたことってあるのかね?
行政は事故が起きてからガッツリ処罰するので、そうなったらせっかく起業だか継承だかしたその仕事はもう出来なくなります(下手すれば県だけじゃなく経済産業省もくるよ)。それは業界の損失でしょう。
無資格工事をやるということはそれだけ恐ろしいことなんです。
電気炉の補修やメンテをしたいのならば資格をいくつか取るだけではなく、ちゃんと経験を積むための修行もしないと無理でしょう。そもそも測定器や工具もかなり必要です。
芸術学部卒の40歳でも電気工事士は取れますし、ウチの息子が中2で取ったように、年齢制限も国籍も関係ない基本中の基本、原付免許みたいな資格ですから。
ったく、最近こういう話が多いなぁ。
電気は見えないから本当に恐ろしいんです。
窯の仕事をする、したい、のならば、陶芸窯に真剣に向き合っていくしかないと思います。その時に無資格工事という選択は無いと思うんですがどうでしょうか。あると思います?
わたしも。
いつか自分の記事がブーメランにならないかと思って、いつも安全第一でビクビク仕事してますよ。もうオッサンだしね。
無〜資〜か〜くぅ〜
て聞くと背筋がゾクゾクするぐらい怖いよぉ〜。
posted by inoueseiji at 11:07
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イノウエセイジの頭の中