2024年01月30日

炉内の雰囲気差をどう考える

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(ロバジョンがいそうである)

湿度が高い朝のモヤが幻想的、イノウエです。


さてさて。


最近いただいた質問でいくつか重なった内容があり、ここで紹介したいです。
どちらもガス窯。

一つは温度のコントロールがうまくいかない、もう一つは炉内の雰囲気が揃わない、というもの。
ザックリとまとめれば、コントロールがイマイチということでしょう。

このブログの文章でたいしたことは伝えられないと思いますので、そこは動画などを観ていただくとして。

確認できたり、お電話でお話した方など、意外と多いのが、炉圧への意識がない、その確認をしていなかったというもの。

「炉圧」が正しい用語なのかはわたしは知りませんが、プロの間では通用するので、使っております。ようするに内圧のようなイメージでしょうか。薪窯で薪を投入すると最初に色見穴から炎が吹き出しますよね、あのイメージ。

ガス窯では本体横のバーナー口の上のカベに空いている穴で確認。

ガス窯のわずかな炉圧の変化は見ても手をかざしてもわかりませんので、ライターの炎をかざして確認します。それをやらずにプロになっている方がいましたが、わたし個人の感覚ではあり得ないし、スゴいなと思いました。家業を継いだ方などもそういう感覚の人がいるようですが、いづれの場合も、窯のサイズが変わったことで全くコントロールできなくなりご相談をいただいたというわけでした。

さて雰囲気のはなし。

(あ、一応断っておきますが、きちんとした製造メーカーの窯で煙突の長さなども適正であるという前提で説明します。バランスが悪い窯、設計がどうしようもない恋の歌になっている窯もあります)

一つの例えとして、ロウソクの炎のどこで焼成するのか、というものがあります。別にファラデーとかじゃなくて、外側の酸化炎なのか、芯に近い部分の還元炎なのか、ということですね。

今自分の窯の中でロウソクの炎がどのようになっているのかを想像する。わかりやすく穴窯で考えれば、焚口の部分がロウソクの芯、煙突が炎の先端側ということ。温度が低い場合は、ロウソクのの炎は小さく、温度が上がればロウソクの炎は大きくなるわけです。さらに進めば窯のサイズよりも炎のサイズの方が大きくなる。そうすると煙突から炎を拭き上げるようになるということですね。ま、あくまでイメージで捉えてください。

先述した薪を投入した時でも同じですね。投入直後は炎が大きくなり色見穴から炎が吹き出す。薪が徐々に燃え尽きると色見穴からの炎が小さくなり、やがて落ちてしまう。そこで次の薪を投入という流れ。薪の投入量は窯のサイズと現在の温度などで決めていきます。5分ごとに投入するのは大変だし、かといって30分持たせようとするのは無理。そのあたりで量を決めていきます。入れるタイミング、しっかりと燃やすのか、食い気味に入れていくのか。

ではガス窯です。

ガスバーナーは常に調整されたガス圧で安定した炎を吹き出しています。あとはその量の調整と、薪窯ではほとんど行わない煙突側の操作を積極的に行うことで、炉内のロウソクのの炎がどの程度伸びているのか、をイメージしつつ窯をコントロールしていきます。

そして倒炎式の窯ではロウソクの炎はひっくり返ってますので、しっかりと想像力を働かせて今複数のバーナーで起こした大きな炎の先端はどこにあるのかを、ダンパーやドラフトを微調整し、それによっておきる温度計の数値の変化を確認してイメージを固めて焼成をすすめていきます。

色見穴にライターの炎をかざしてみれば、今炉圧がどうなっているのかがわかります。ある程度の温度になればそれはロウソクの炎のどの部分が炉内にあるのか、ロウソクのの炎の先端はどこに到達しているのかをしっかりとイメージとして捉えます。

結局その答えは、焼き上がりの作品とその焼成の再現性でしか確認できませんが、焼成というものは原理と操作はそこまで難しいものではありません。誰にでもできます。


大切なのは思い込まないこと、確認すること、本や動画やブログはヒントであって、最初の答えは自分に窯でしか知ることはできません。そして、その答えが正しいかどうかは新しい窯や人の窯をいきなりコントロールできるかどうかでわかります。


質問は必ず次の方への発信に繋がりますので大歓迎ですが、情報不足ではまっとうな答えは出来ませんのであしからず。


posted by inoueseiji at 07:30 | イノウエセイジの頭の中

2024年01月25日

「やきもの」って「焼き物」だし「焼き者」だろうよ。

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ウチの近所にもコメダ珈琲ができまして嫁が喜んでおります。
ウンウン。

わたしも25年前に、瀬戸市で芋焼酎が買えるようになったり、博多ラーメンの看板が出てきたときには、嬉しかったものです。


さて。今はそば焼酎が好きなんですが。

プロの料理人に以前聞いたことがあるのですが、レシピは結構教え合うそうです。まぁ人によるだろうけど。
で、なんでかというと、ソースや料理のレシピを教えても、

絶対に同じように出来ない

からだそうです。


道具が違う、タイミングが違う、素材が違う、切り方が違う、火力が違う、人が違う…。

だから絶対に同じにならない。
だ・か・ら、いくらでも教えるということでした(その人はね)

翻ってやきもの業界はどうなんよ?
だれか窯の焚き方教えてますか?
釉薬のレシピを教えてますか?

別に教えろ、と言っているわけではないのですが、せめて教育の現場や発信している人は教えて欲しいもんですよ。
今の若い連中は〜とか言う前に、いくらでも教えるからやってみない?と背中を押すのも一つのアプローチです。

自分の薪窯でしか通用しないしょうもないコツを秘密にする前に、自分の仕事をイチから全部公開するほうがよっぽど男らしいって話。そもそも薪窯でマウンティングするなら、熱電対と温度計とか使うほうがダセェと思う人がいるらしいです〜。

陶芸本で焼成についてのまともなものが無いのも腹立たしい。
昔の本は結構しっかりと書いてあったし、「窯の焚き方・作り方」なんて図面と焼成グラフと操作方法が全部書いてあった。

それぐらいの情報がいつまでたっても出てこないのが切ないほど悲しい。

薪じゃないととか、自分で土掘ってるアピールとか、それもいいけど、その前に発信するなら焼成ちゃんと伝えていこう、プロのみなさん。

もしかして〜。

焚き方を公開できないってことはアップアップで焼いてるってことかしら。それとも焼成はワンパターンで固定して原料や調合で戦っているのかな。


「やきもの」って「焼き物」だし「焼き者」だろうよ。

その世界で焼成方法の話が全然ないってさぁ。
使ったこともないのに「窯の選び方」?発信の目的が意味不明だね。何℃になったらどうこうするとか言っている方は温度測定方法は大丈夫かしら。

昔のMr.バイクの記事を思い出して懐かしいわ。


オレの焼き方はこう!
アイツはこう!
ひっぱるのは酸化で60時間!
いやいや1100℃からこう!
こっからは湿った薪じゃ!
ロストルのサイズってこう!
絶対に1050℃で投入!


これぐらいのネタでわちゃわちゃしたいと思うぜ。

…ってどっかのオジサンが言ってました。
今日もご安全に!
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posted by inoueseiji at 07:30 | イノウエセイジの頭の中

2024年01月23日

キャブレターのオーバーホールをした世代



偉大なるトヨタ自動車の販売会社、福岡トヨタのわたしの担当係長さんは、一度も自分のクルマのボンネットを開けたことがないそうです。

それを聞いてからは整備担当の若手の方を大事にしておこうと決心したイノウエです。

さて。

今はカブでもインジェクションですが、わたしが若かりし頃はマフラーをスーパートラップに交換するとか、草レースに出るなんて時には、キャブレターを開けてメインジェットを交換するとか、ニードルジェットの段数を変えるとかやっていたもんでした(ああ年寄りくさい文章)

スーバートラップとキャブレターって何?という方は放置しておいて。

自分が使用する道具や車両は、出来る範囲は自分の手で整備しておきたいと今でもわたしは思っています。
BBのグリスアップとか包丁研ぎとか、エアクリーナーエレメントは自分で交換なオジサンです。

大昔の話ですが、アルバイトのお金でどうにかこうにか芸術学部での制作活動の資材を購入し、通学でオフロードバイクに乗っていた大学生の頃、ときどきオフロードの草レースに社会人の人たちと出ていました。なんとか完走して一、二個トロフィーをもらった程度。

基本、いつだってお金がありませんので、言い訳がましくいつもそのことを口にしていました。ある時、ウィリーを教えてくれた社会人のバイク仲間がアホな大学生の言い訳にうんざりしたのか、ザックリと胸をえぐられることを言われたのです。

「お金がないないというけど、キャブをオーバーホールしたり、掃除はできるんじゃないの?」
(原文:いっちょん金んなかって言うばってん、キャブば分解してたい、掃除やらは出来るっちゃないとね?)

ホントにその通り。

お金がないということを勝てない言い訳に、整備ができない言い訳に、パワーが出ない言い訳にしていたんです。

でも工具はあるわけだから、分解して掃除したり、チェーンやキャブレターやエンジンを調整したりは出来る。それをするだけでもバイクの挙動は良くなり、それは必ず良い結果に繋がっていくものです。

メンテナンス本とか雑誌とか、なかには胡散臭い情報もいっぱいあったけれども、情報は探せばあったし、やっている先輩友人はたくさんいたんですよね。


さてさて陶芸の話ですが。

訓練校でロクロの構造についての座学とプリントは配られましたが、多分同期のほとんどはおぼえていなと思います。

そんな座学はどうでもいいからロクロやらせてくれと思っていた1科の生徒は多かったでしょう。民吉先生の授業なのに寝てた奴多いしな笑。

そもそも、道具を整えるとか、整備するとか、どうしても美術・工芸って教育現場に持ち込まれていないと思います。
(そこで見て盗めというなら学校制度にせずに金を払って雇ってヨ。コッチは親に学費払わせて来てんだからサ!)

今の時代は違うのなら結構ですが、わたしが大学で専攻した彫刻にしても、木彫室の機材の使用方法をちゃんと習った覚えはない。人づてだったし、それが間違いだったりした。それで軽く事故がおきたら担当の助教授がブチ切れてたけど、そもそもアンタが何にも教えてないだろ、と現場の人間は思っていた。

瀬戸の訓練校だってロクロの構造や窯についての簡単な座学はあっても、電動ロクロの構造を実機で講習することはなかったし、ましてや窯は見ただけって感じだ。

それじゃやっぱりダメだと思うし、窯の情報発信にしても、ロクロの整備にしても、「思い込み」を発信する方がいて、それを鵜呑みにする方がいて、その問い合わせに答えるバカなオジサンがいるという構図はナカナカ変わりません笑。

ロクロでものを作ることについての技術や実際の作業についてはたくさんの情報がありますね。素晴らしいことです。わたしは今年も陶芸窯についてと同様、機材の整え方や使用方法、技法であれば基礎的なことを発信していければと考えています。


今日は灯油窯を焚いていて灯油がなくなってしまうという夢で目が覚めました。
posted by inoueseiji at 07:32 | イノウエセイジの頭の中

2024年01月19日

見えてるところだけが重要ではない


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KCシリーズの蓋を開けるとこんな感じ。
断熱材とフレームの間に空気の層があります。ご存知のように空気は大変優秀な断熱材です。
また電気炉の底部から空気が入るようになっておりますので、電気炉で発生した熱で自然と熱は上に抜けていきます。
炉蓋も空気が抜けるようになっておりますからね。

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そんな高尚なことばっかりを現場で考えているのが理想ですが、実際にはトイレの水道ラインの水漏れを発見してまたニップルがもげたりしております。

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あぶねぇ、あぶねぇ。トイレが水浸しになるとこだったぜ。
仕事始めに外の水道で練習しといて良かった笑。

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(逆タップをもう今年2回も使った)

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(モンキーもいいやつ欲しい)


建物って。

いくらカッコをつくろっても、インフラや土台がちゃんとしていなければどうしようもない。それはどんなモノや人や技術でもそうだと思います。

筑前工房の水回りと電気はほぼわたしが手を入れて安心・安全な状態になりました。
ボロいけど整備は行き届いているエンデューロマシーンって感じヨ(どんな?)

世の中、末端の機器はいくらでも便利に快適になっていきますが、所詮は床を剥がせば電線3本と光ケーブル、その先は有線で海底に引き回した糸電話が世界に繋がっているだけだしサ。


そうそう。

テレビはジャニーズ事務所と吉本興業ばっかりやんけ、と思っていたらどっちも昨年からビシバシやられてますね。

いま絶賛報道中の彼について、わたしは別にどうとも思いませんが、一度だけものすごい違和感を感じたことがありました。いつか年末の特番みたいなお笑いバラエティで芸人みんなで黒いピチピチタイツを着ているのを偶然テレビで見たんですが、あの彼の身体のバランスがちょっと「ええ?」という感じだったのにビックリしてしばらく画面を凝視してしまったのをおぼえています。

卑近な例ですが、わたしの身体であれば、走ったり自転車乗ったり、なるべくバランスよく全身に肉をつけて、スイミングと防弾のためにお腹周りに8センチぐらい脂身をつけているんです(お金かかってますよ)。それが標準的なオジサンのボディというものでしょう。しかし彼の身体は胸周りと肩や腕周りは恐ろしいほど鍛え上げられていたのに、それを支える下半身が華奢にみえるほど細かった。それはそれでそういうトレーニングの途中だったのかもしれないし、別にそれをもってどうこうは無いのですが。あの違和感は強烈に残っています。

わたしは彼の身体をテレビで見たときに、三島由紀夫の懸垂の写真を見てその身体の弱点を指摘した専門家の話(確か自衛隊の教官だったか)を思い出したのです。ようするにカッコだけでこいつは体力がないぞ、みたいな指摘だったと記憶しております(オレが言ったんじゃないから笑)

でもね。

それでも三島由紀夫の身体はバランスが取れているように素人目には見えますよ、カッコいいし。

たとえば、ある作業やスポーツをして結果として出来上がる筋肉や身体、それをさらに鍛えていくという行為と。ある目的を持って筋肉や身体を作り上げるという行為。

この差が尋常ではないぐらい大きいと思いますね。

人のトレーニングのいい悪いを言いたいわけじゃなくて、佐賀あるぜもとい、差があるぜ、ということですたい。

ええ、オッサンだって厨ニの時代がありましたので、鉄アレイやブルーワーカーとか買いました。エキスパンダーに髪の毛はさまって泣いたこともあります。でもそれはガキンチョだったからですからね笑。

いいとか悪いとか(報道が事実なら悪いヨ)は別として、そういう部分にうっすらとその人の感性が垣間見えるという感じがします。

車やバイクで言えば、降りてしまった自分が言うのも何だけど、古い友人たちの愛車とバイク、その選び方や変遷は如実に彼ら彼女らを表しているし、それは仕事の仕方や遊び方にも出ているようにも彼ら彼女らのインスタを見て思っております。自転車だって同じでしょうし、やきもの仕事も同じでしょう。

足腰と基礎が大事ってことかしら。



まぁ我々は仕事とパートナーを大事にしましょうね。
取りとめない話になったなぁ。
posted by inoueseiji at 07:51 | イノウエセイジの頭の中

2024年01月17日

仁義なき戦いは好きだが仁義は通す

最近多いのは、いや数年前から増えてきたのは、まだ存在している会社や業者の対応に不安や不満を感じてわたしに問い合わせをしてくださるお客様です。あざっす。

とはいえ、声を大にして言いたいのは、そうしたお客様は、ちゃんとその業者なりメーカー?なりに仁義は通しているということだ。

購入したところだから、いつもお世話になっているから、わかってナイのはわかっているけど他所に持っていくのは筋が違うから、家族の紹介だから、先輩の紹介だから、などという理由だ。

「呉のヒロノさん」じゃなくてもそれは常識でしょう。そうして筋を通しても、いつまで経っても見積書がこないとか、いい加減な返事をしてくるとか、資格も経験もないのに工事するとか、素人目にもコイツまじで?みたいなことがあるからわたしに話がくるのだろう。

トヨタに乗っている人にどんなことがあったら元ニッサンのカルロスに相談するのでしょうか?そう考えれば、けっこうエグい状況というのがわかるというものじゃないかな。もちろん、わたしにだって同様に数件の逆の例はあったし、今もどこかであっているかもしれないけども。

だとしても、少なくともわたしとカルロスは無資格ではないし、未経験でもありませんので、仕方ないかということになるけれども、なんの経験がない人が現場確認にきて以前とは違う話をしてお客様を不安にするというのはいただけない。そもそも2,3年の経験で現場確認や見積りが出来るわけもないだろうに。

またアチコチの窯業関係の業者さんで経営者が世代交代したり事業継承したりしているというのも事実だ(どこがというのは今回は伏せておこう)
それはそれで結構なことだし、さもしい根性で事業継承の補助金でもなんでももらってればいいとは思うけれども、親族だからとか、オツムがいいからとかで陶芸窯の業界に参入されてもわけのわからんことになるだけでしょう(なってるぜ笑)

営業所を閉鎖したり、リストラしたり、それはそれで結構ですが、そもそもトップが焼成や搬入設置工事の経験がナイならそれこそナイナイセブンティーンじゃなくてNAI・NAI 16ですぜ。車業界だってトヨタの会長もあのカルロスもゴリゴリにレースしてたじゃん?還元焼成してくださいよ。シンリュウや大沢ガス炉商会、共栄電気炉製作所のトップを見習ってくだせぇ、お代官様。

窯をパッと見てその重量や運搬方法を思いつかない人がいくら現場に来てもなんにもならないからね。
陶芸家を目指す方はとっとと焼成を経験して旧態依然とした「修行」みたいなものはぶっ千切ってほしいけれど、それでも究極は経験値がものをいう部分もあると気付いてさらに上達していきますよ。それが設備側の仕事をする我々ならばなおのことです。ましてや焼成も製造も設計も設置工事も経験してないのはダメダ〜メ。

情報は出していきますが、それをもとに経験は自分で積んでいくしかありませんよね。
活動自粛とか勘弁してやぁ〜。



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そうそう、田中製陶でお仕事したことあります。
(お兄さんとのことでした)

posted by inoueseiji at 08:14 | イノウエセイジの頭の中

2024年01月16日

草刈りして一年たった

筑前町というところはとても良い町です。
ほどよい田舎感がありながら、すこし走れば大きな町にアクセスしますし、博多駅までの高速バス路線もある。

大きな病院もあるし、温泉もある。コンビニや一通りのチェーン店なども国道沿いにそろってます。
陸軍の飛行場があった場所ですから平坦な土地ですけれど、夜須高原記念の森なんて場所もあったりする。

若かりし頃に住んでいた阿蘇郡も良かったけれど、じっさいに家から90キロ離れた山の中の不便さはあった。
そういう意味では筑前町と実家の距離感は、今の自分にちょうどいい気がします。本当に巡り合わせだったと思います。

昨年はいろいろあったというのもあるけれど、新拠点のオープンは伸び伸びになり、草刈りと補修工事で一年が終わったという気がします。

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借りたときにはこのフェンスが見えないぐらいでした。

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スゴいよね。今見ると。

先輩のシムラさんが薪割りが大好きなように、わたしもこの一年、草刈りがちょっと好きになりました。
草刈りをつづけているとほんのちょっと哲学的になる気がします。

イヤイヤやったらただの労働ですが、思索の時間と思えばナカナカよいものです。
草刈りをしてきたこの一年で、自然や植物にたいする感覚もかなり変わりましたね。

最初は憎しみみたいな感情、特に夏とか。
そして今冬になると半分枯れてしまったような状態であっさりとこの手に駆逐されていくのを見るともののあわれを感じちゃうやん。

そしてまた春になって暴威をふるう夏が来るんでしょう。
そのときにこっちも少しは緑花咲く状態になっているんでしょうか笑。

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陶芸本読みにきてください。


ふくおか陶芸窯 筑前工房

〒838-0211
福岡県朝倉郡筑前町下高場2903−1 電話 080-9534-7310

※ 現場確認や出張工事のこともありますので一度お電話いただけると確実です。



posted by inoueseiji at 07:19 | イノウエセイジの頭の中

2024年01月05日

仕事はじめです


初夢は梶田絵具店に行くという内容でしたイノウエです(マジです)
八幡台から文化センターの丘を超えていくんですが、夢の中ではそれが2000メートルぐらいあって、ようやくお店についたら聞いていたよりも孫が多いというカオスな状態でした。

たぶん吉兆でしょう。


明けましておめでとうございます。

元旦からいろいろなことがあって正直わたしも精神的に打ち砕かれたような気がしました。
昨日ようやく珠洲焼のお客様の無事も確認できて安心しましたが、被災した方々や亡くなった方々を思うとやりきれません。

それでもそれぞれが自分の仕事に向き合って経済を回していくしかありません。そうすれば被災した方々やそれを支える様々な職業の方々への助けと繋がっていくはずです。

我々はやきものを生業としていますので、仕事であれ趣味であれ楽しくやっていきたいものです。
やきもの業界をグイグイ回しておけば被災した産地にもプラスになっていくはずです。



さて。見切り発進の新拠点、昨日は落ち葉を掃除したりしておりました。
随分キレイになってきた外まわり。

しかし、バケツに水をいれとこうとB棟の外水道の蛇口をさわると突然ポッキリ。
吹き出す水を避けながら井戸ポンプのブレーカーを落とします。

流石にいくつもの修羅場をくぐってきたイノウエでございます。


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そもそもここも素人工事で「ガス配管器具」で「水道配管」をしております。
ほんの一部の部材にガスと水道に供用のものもあったかと思いますが、普通ではありません。

電気工事同様に、外の蛇口もやり直しをしなければならないと思っていたとはいえ、ニップルがサビサビであまり関わりたくなかったのも事実。


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まずはなるべく「ニップルだったもの」を取り除きます。
ゴミをとってラスペネとかを吹いておきましょう。


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いつかはやらなければならない場所だったのでモノタロウで水道用逆タップは入手しておりました。
いったい何屋になりたいのかわからなくなってまいります。


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こうして突っ込んで緩ませる方向に回せばタップが引っ掛かって回ります。
回りますって言ってますが、回るまでに20分ぐらい悪戦苦闘しました。
やっちゃったらコンクリ斫って水栓柱ごと交換になっちゃいます。

ちなみに逆タップはサイズもいっぱいあって、折れたボルトなどにも使用します。
ボルトであればドリルで穴を穿ってからタップをかけます。ググってみてね。


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はい、取れました。

せっかく蛇口を取っているのでコマやパッキンも交換しておきましょう。
そういう部品は在庫しておりました。なにしろDIYの訓練施設かよ!ってぐらい素人工事や補修箇所があるのがこの新拠点なのです。


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ヤレヤレ無事に水が出ましたね、と終わってみればもう夕方。
中途半端なお掃除だったので、今日も早めに行ってお掃除です。


展示用の電気炉がありますのでサイズ確認いただけます。
お茶を飲みながら窯の話でもいたしましょう。

震電のある大刀洗平和記念館も近いですヨ。

皆様のお越しをお待ちしております。

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posted by inoueseiji at 07:38 | イノウエセイジの頭の中

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