2024年09月28日

インターナショナルなお仕事継続中ですが


英語はキライじゃないが話せませんイノウエです。

いろいろな工事の事情でインターナショナルな案件の窯はいったん預かったりしておりますが。
納期が伸びる間に専門用語の英語ぐらいは身につけておこうかと思っております。

Ok,then.

わたしのスタンスは「日本の陶芸」のために頑張ります、ということのみですばい。
ドメスティックに突っ込んでいくことこそインタぁーナショナ〜ルになるっちゃなかですか。

ときどき動画のコメントで英語の字幕はないのかとか中国語の字幕がほしいなどと海外の方からコメントをいただくことがあります。申し訳ございませんが、こちらでそのような対応をする予定も気持ちもまったくございません。ミョウチクリンな字幕が入っている陶芸動画とかがあると思うのでそっちで勘違いしていてください。

お偉いシェンシェー方が海外を有難がる80年代な風潮がキライでした。
あと退官を記念してニューヨークで個展とか笑っちまうぜ笑。
(俺のブログなんだからなんでも言う)

もっとも。

生徒には技術をキチンと伝えることもできず、自分が使っている窯の構造もわからず、熱電対で計測できる原理もわからず、ゼーゲルコーンの番号も知らず、ただただ学費が原資のお給料をいただきながらアーティストヅラしているような方は居なかったとは思いますよ笑。

それで後継者がいねぇとか、最近の若い奴は、とかどの口が言っているんだなんていう人も居るわけないですしね笑。


ねぇ?


先日も某築炉メーカーの社長と、工場に海外から技術研修生を入れる入れないとか、海外での仕事がどうしたこうしたの自慢話にブチ切れて大喧嘩しましたが(ルートインのレストランの方々すいませんでした)。わたしはマジで日本の陶芸は危機感高めだと思いますよ。

だってワタシがもう、目撃ドキュンの知ってるつもりポジションになってるじゃないですか!

これから築炉メーカーは減ることはあっても増えることはありません。
絵具も筆も道具もつくる人は減ってます。釉薬や粘土だってそうです。
能登半島地震で耐火断熱レンガの工場は各メーカーとも被災しました。
廃業と値上がり。

それでいて使用する側である我々の窯や原料や機材についての知識や経験値は下がっています。

はっきりと言えば、ふくおか陶芸窯は当然としても、梶田絵具店も村上金物店も山内陶料も30年後に存在していない可能性はそれなりに高いと思います。

築炉メーカーも陶芸オンリーのところは一軒もなくなっているかもしれない。「ウチは以前陶芸の窯をつくるところからスタートしましたが〜」なんてミシン作っていたトヨタ自動車みたいになっているのかもしれない。


お客様としては海外の方はありがたいでしょう。
けれどわたしは日本人がやきものをやりたいという気持ちにならなくてどうするのか、陶芸家が日本の若者を「俺も陶芸家になりたい〜!」と思わせなくてどげんするとや?と思います。


仕事もスタッフもインターナショナルですか。
安直すぎる気がする(個人の見解です)

そりゃYOUは何しに日本へ?は面白かろう。
じゃあYOUは何で陶芸家やってんの?ってことでしょうぜ。

家の仕事だから?
産地に生まれたから?


わたしは瀬戸の訓練校で教わったからです。
無償で引っ越し代まで失業保険から出していただき、訓練終了まで受給期間を伸ばしてもらったからです。

大沢ガス炉商会と梶田絵具店という瀬戸の看板で働いてきたからです。
そういう出会いを頂いたからです。縁ですね。

そして義務ではなく自分がやりたいこと、やっていてプライドを守れること、楽しいことだからですよ。


頻度下がってますが、ネット上に情報は頑張って残していきます。
いつか誰かの役に立つことがわかっているからです。がんばれ〜!

テキトーなことはできないけれども、アホなんでやってしまうときはある。
それもプロ筋に指摘していただくことがあり、有り難いことだと思っています。
補正して書き換えていくつもりです。

ニッポンチャチャチャ!

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posted by inoueseiji at 07:40 | イノウエセイジの頭の中

2024年09月24日

自作することの恐ろしさを再び実感として知った


夫婦ラブラブ陶磁器フェスタはウチだけではなかったな、オイ!
まぁブランコみたいなクレーン作業の話はまた今度にして。

イノウエはLANケーブルを自作できます。

パチもんですが工具も持ってまして。

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もう何十本と作ってきました。
動画を撮影している離れのアトリエまで、有線で15メートルぐらい引っ張っています。


で。

ウチの環境だと750Mbps前後のはずなんですが、最近アトリエのメインPCが遅いような気がするなと思って計測したら、ずっと90Mbps前後。

おかしい。春頃測ったら700Mbpsはあった。

ルーターとかを再起動するとちょっと良くなる時もあって。
コームスの部屋はというとぱっちり速度は出ているんですが。


そんなときに友人から休日の現場仕事の手伝いを頼まれました。電気関係の勉強のために彼の仕事はなるべく手伝いをさせてもらうようにしています。彼には窯の搬入や配線工事をお願いすることもあります。一人自営業は協力し合うのです。大事なのは車中での雑談だったりもするからね。

「そういえばLANケーブル作れたよね?」

「ブログにも書いたから順番もバッチリおぼえてるよ」

「今日の現場のコネクタつけてみて」

「がんばります!」

ということで。

認められたのか、人手がないのか、初めてLANケーブルのコネクタ圧着をまかせていただきました。

ケーブルの引き回しが終わると、まずは一つお手本として目の前でマジマジと作業を見せてもらった。
これまでも見ていたことだし、自分でも出来ると思っていることだが、それをいまからプロの仕事としてやる前提で見るのは全然ちがう。

そういう風に撚り線を捌けば最後は順番通りになるのか、とか。
被覆はそこまでむいちゃうのか、とか。
持ち方そういう感じね、とかさ。

で。

コネクタ2個をダメにしつつ、ちゃんと全部作成できました。
その後繋いだものの動作確認でも問題なかったのです。

達成感を感じましたね。うんうん。

プロの仕事はダラダラ夕方まではしないので、16時前に帰宅。
ウチに帰ってからそういえばと自作のLANケーブルを見る。

すると、”今まで見えなかった”いろいろなアラが見えてきました。そしてコネクタの一部には最後まで線が刺さっていないものも発見。もちろんそれはたった1〜2ミリのことで、コネクタの金具は刺さっているのでネットにはつながるのです。

しかし、速度の不安定さの原因はそれなんだろうと思い、作り直していきました。

すると。

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おいおい。
違いすぎるって笑。

そこから自作LANケーブルを一本一本つなぎながらスピードテストをすると、あきらかにダメな線を発見しました。ネットにつながるんだけど、です。

たかだかLANケーブルでも自作する恐ろしさをあらためて感じたのです。
まだ100円ショップの方がクオリティが高いということ。

そして、仮に失敗していなくても、LANケーブルにも経年劣化や接続不良による寿命はあるということ。

自作って恐ろしいなと久しぶりに再認識しました。

ましてや窯や機材となると、ですね。
勉強をつづけていくしかないですね。

ようやく秋めいてきました。
今日もご安全に。

posted by inoueseiji at 08:05 | イノウエセイジの頭の中

2024年09月09日

自分の焼成方法で問題ないんだけれど

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グランメッセ熊本で週末まで開催されている「くらしの中の陶磁器フェア2024」に行ってきました。
昨日で終わったかと思います。
出展されていた皆様お疲れ様でした。

さてさて。
営業という名目の爆買いツアー。
毎年数回ですが、そういうタイミング。

新たな出会いでは、知人の知人みたいな方を偶然知ったり、訓練校の先輩とか後輩とか。
特に営業というわけでもないんですが、窯のことや撥水剤のこととか、マニアックなそういうお話をすることがとても楽しいし、勉強にもなります。

その中で恥ずかしながらYouTube観てますと言われることがあります。
そして窯のはなし、特に焼成方法についてさらに突っ込んだ話をさせてもらうことがあります。

今回とてもお話がはずんだ作家さんに、とても興味深いことを言われました。
わたしの動画での説明が(そもそもその方と燃料が違うので)いまいち腑に落ちなかったけれど「自分の窯だし、自分の焼成方法で問題ないからいいか」と思われたということです。すこしすまなそうなニュアンスでしたが、まったくそんなことはない。

本当にそれ。
それでいいんです。

再現性があり、自分で加減できて、経費的に問題がないのであれば。

問題なのはどこかのオジサンYouTuberみたいに、窯の焚き方とか、ダンパーとドラフト、なんて発信をするのであれば、またはどこかで誰かに教えたりするのであれば、それだけではイケないかもしれないということです。

作家さんは自分の作品を基準に活動をしていくのであって、こういうやり方でやるんだぜ、なんて発信をする理由はない。そういう方がほとんどでしょう。

ただ弟子に伝えるとか(伝えなくてもいい)、生徒に教えるのであれば、原理原則と経験は絶対に必要です。
現実問題、焼成指導をすることが出来る人はほとんどいないし、わたしも百点満点ではないでしょうから、自分なりにネットに残していこうかなと思っているだけです。

それでも、わたしは「カレーの作り方」程度のことしか発信していないし、出来ない。
人にはうまく伝えられないけれど、そもそも伝える気もないけれど、三ツ星な仕事をしている作家さんはたくさんいるということです。

自分が納得しているだけでもいい。
窯を焚き、釉薬を調合し、土を探していく。

それが作家というものでしょう。
久しぶりにグランメッセ熊本に行って、帰り道でそんなことを考えました。

posted by inoueseiji at 09:03 | イノウエセイジの頭の中

2024年09月05日

息子の立場で言わせてくれ

嫁の朝ランに付き合えませんでしたイノウエです。

さて。昨日知人と話していてこんな話題になったので。

いろいろなお電話やお問い合わせがありますが。
やきもの作りを楽しむどころか、できれば販売とかしたいと思っている方も多いわけですよね。
だからうまくいかないことに関してご相談の連絡をいただいていると思います。ありがとうございます。

しかし、そうした相談の際に、さらにコチラがあるお願いをすると、「そういうのは苦手」「あまり得意じゃないから」などと言われる方が結構いらっしゃる。具体的には写真をメールで送ってくれますかとか、オルトンコーンかゼーゲルコーンを入れてみてください、といったことです。

そもそも関門海峡のはるか向こうからご連絡いただいている時点で、ホームページをご覧になっているんじゃないかと。つまりネット環境なりスマホがあるということですよね。だとしたらどうにか頑張って写真を添付して送ってみてください。わたしの親父世代前後の方でネットや陶芸を楽しまれているのはかなり進歩的な方だと思っているんですから。

オルトンコーンやゼーゲルコーンのことでもそうです。
ちょっと調べれば使い方はわかりますし、入れて焼くだけです。
それが面倒くさいのであれば電話での相談は無理じゃないかなと思います。

自分の好き嫌い、出来る出来ないを決めつけてしまう。
それこそが自分基準ということになってしまいます。

自分に窯や原料をあわせることは出来ないのがやきものの仕事です。

過去に壮大にトラブった方は、SK8(あえて何℃か書かないもん)で焼成すると歪むから、焼成温度を下げれば歪まないのを発見。しかし、そうなると釉薬は熔けないから、SK1aぐらいで(これも教えないヨ)熔ける釉薬はないだろうか、という質問だけをこちらに送ってこられました。

事情を知らないコチラ側の人間としては大変シブい質問に聞こえてしまったのです。いろいろと案をだしてやり取りしても何か噛み合わない。そこでこれまでの作業や作品について、いろいろと突っ込んでいくと歪みのことが判明したという話。梶田さんやらにも迷惑をかけてしまった苦い思い出の一つです(先日もスナックに呼び出して金だけ払わせてスイマセン)

そもそも歪むのは別の原因があるわけですよね。もちろん焼成を含めて原因はいつも複合的ですが。
自分の技術や工程は疑わずに、焼成や釉薬のほうをどうにかしようとしても無理なことのほうが圧倒的に多いのです。

息子の立場で言わせてほしいのですが、それをやるかやらないかだけ、やれば大成功、ということが意外なほど多いんです。

80代から始めて90代でグループ展や個展をする方もいます(孫も曾孫も大集合ですばらしいギャラリーのムードでした)

逆に毎年同じ質問をして、わたしも同じアドバイスをするけれども、一度も実践のないまま、やがて退講される方もいます。


変えるべきは原料や窯ではない。
ご自身をちょっとだけカッコよく変えてみてください。


大変ナマイキなことを申しました。
今日も良い一日をお過ごし下さい!

posted by inoueseiji at 07:17 | イノウエセイジの頭の中

2024年09月04日

悪いことはできないということを痛感しました笑

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重い腰を上げて9月1日からWindows 11へアップデート。
ノートパソコンは即アップデートしていましたが、メインマシンはいろいろとアプリも入っていることですから、すこし様子見していたのであります。
とはいえ、もういい加減に変えておかないとね。


仕事と動画があるのでWindowsを使っていますが、古いパソコンはLinuxを入れております。
どこかの自治体みたいに全部のパソコンLinuxにすれば相当なコストカットできるでしょうなぁ。
まぁ市長にでもなったら考えましょう。

さてさて、先日は頼りの友人も可愛いコームスもまったく都合がつかなかったため、佐◯大1年の甥っ子にアルバイトを頼みました。頼むぞ理系!
(文系理系という言葉は使わないとも言われますが、理系の人間は文系とまとめられるのはイヤ。理系のプライドは相当に高いから。:甥っ子談)

窯も無事に搬入してその他工事は後日の予定でしたので、撤収することに。
その際にお客様から「〇〇さんはご存知ですか?」とか「先日作家の〇〇さんにお会いして〜」と言われてビックリしてしまいました。わたしの知人やお客様だったりするからです。そしてそういうことはこの業界ではよくあるんです。

人のヨと同じで、悪い噂は一瞬で広まるし、いい噂は十年ぐらいかけないと広がらない。
どこで誰がつながっているのかわかりません。本当に悪いことは出来ないと思いましたね。

逆にいえばいつの間にかどこかで誰かが「あそこに頼めばいいよ」とか「あそこの人は何もわかってないからやめとけ」なんて言われているということでしょう。

ただ我々は自分ができることをコツコツと正直にやるしかないということでしょうか。



甥っ子はきっちり仕事を果たしてくれました。
コームスが手伝っていたときもそうだけど、生まれたときに病院に駆けつけたオジサンとしては、なんともこそばゆい感じ。
そしていつもオイチャンは呑んだくれているわけではないんだ、と甥っ子もわかったみたいで、ちょっとお互いに距離は縮まったようにも思いました。

安全第一です。


posted by inoueseiji at 07:40 | イノウエセイジの頭の中

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