老眼が激しいお年頃、イノウエです。
さて。
マジで老眼が激しいので一昨年ぐらいからオーディブルを愛用しております。
作業や草刈りの時に小説やビジネス書を聞きまくっております。
最近では「失敗の科学」マシュー・サイド著がなかなか面白かったです。
その中で組織だけではなく、技術に関する記載もいろいろとあり、陶芸のこともありました。
アメリカの大学でだったか、うろ覚えですが、陶芸サークルの2つのグループでそれぞれの評価基準を、
- 作品の質で評価するグループ
- 使用した粘土の量で評価するグループ
に分けたそうです。
するとどうなったでしょうか。
いったいどちらのグループが良い作品を作ったと思いますか?

答えは書籍で!と言いたいところですが笑。
検索するとビジネスブログにたくさん引用されていたので書いておきましょう。
ご想像の通り、量のグループの方が平均して良い作品を生み出したそうです。
それに比べて作品の質で評価すると伝えたグループは考える時間が多く、手を動かす時間が量のグループよりも少なかった。
量のグループは徐々に粘土の取り扱いや技術が向上し、様々なチャレンジをしていくことでアイデアも生まれ、結果として良い作品の質も良くなったということです。
これは作陶だけではなく、モノづくりやクリエイティブな仕事に共通の考え方やアプローチです。
このはなしからは少しズレるのかもしれませんが、ロクロの技術を向上させる初期段階でもやはり量、それも同じ形で量をこなすしかありません。
量をこなすしか身につかないもの、気が付かないことがあります。
そして重要なことですが、
粘土の量とは、
時間の量、
でもあります。
つまり期間ということです。
24時間連続よりも、毎日1時間24日の方が上達します。
短期間では上達しないのです。
そして質よりも量の場合、これはもう本から離れたロクロ技術のはなしですが。
ひたすら同じ切立形を作ることです。
同じ粘土の量で同じ手順で。
ある程度挽けるようになったらトンボで寸法も合わせるようにします。
つまり揃物をつくれる技術を身につける努力をすることです。
やきものオジサンラジオ(仮題)でアイデアの出し方みたいなことをやりましたが、それはそのさきの話です。
誤解のないようにお伝えしますが、揃物をつくるプロになる必要はありませんが、一品物作家でもその技術が必要だ、ということです。アクションペインティングとか、妙な崩しとかを最初からやると片◯鶴◯◯郎みたいなことになってしまうということです。
そこをいい加減にやった人と、そこを歯を食いしばってやった人は、5年後10年後にもう取り返しがつかないほどの差がついてしまいます。
やってきたプロの人達は相手の技術が見てわかるんです。
動画はもちろんですが、下手したら写真でもわかります。
怖いでしょ?
見ただけでバレているってこと。
(でも応援してるからな〜)
だからプロになってもトレーニングは必要です。
仕事がトレーニングにもなりますが、その意識が必要だということです。
練習しないでリサイタルをするピアニストがいないのと同じです。陶芸家になること、陶芸家であることは、ピアニストになること、ピアニストであることと全く同じです。
基礎の練習でしっかりと量をこなす。
こなしていないオジサンは正直焦っています笑。
だってどんどん下手くそになっているのを自分で感じ取っているからです。
今年はロクロ動画でもしようかな。
下手をさらしても損しないポジションにいるから笑。
誤解しないでいただきたいのは、目くじら立ててやることはないということです。訓練や練習、トレーニングとはいえ、楽しんでやっていってください。
ガチ勢ではないという方が圧倒的でしょう。でもアマチュアの方でもロクロをやるときには、最初の5分とか、1キロ分とかは、引き上げのトレーニングをしてから好きなものを作る、とかを意識すると良いと思います。
アマチュアの方ならその程度でも全然変わってきます。
プロを目指す方なら、どこかでしっかりとトレーニングの時期を持ったほうが結果として早道だとオジサンは思います。
信じる信じないはアナタ次第ですけど笑。
(失敗を楽しめ!)
posted by inoueseiji at 07:34
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イノウエセイジの頭の中