2025年02月26日

電気炉価格改定のお知らせ【共栄電気炉製作所:LR/LKシリーズ】

おはようございますイノウエです。
昨日共栄電気炉製作所さんよりアナウンスがありましたので、ご紹介いたします。

上蓋式電気炉のLRシリーズおよび横扉式LKシリーズの価格が改定され、本年4月1日発注分より新価格での提供となります。これまでの価格から約2割程度の上昇になります。

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(筑前工房に展示機のLR-10があります)

とはいえ小型100VのKCシリーズをはじめ、すべての電気炉が価格改定された中で、ここまで価格を維持していただいたことはありがたいことでした。駆け込みで受発注があるかと思いますが、ご検討中の方はお早めにお問合せください。

ふくおか陶芸窯としては、LRシリーズやLKシリーズの納入先は九州および中国・四国地方までかと思います。お見積りは無料で行っておりますので、ご遠慮なく。

LKも納入実績はありますが、LRシリーズは上位機種と性能は変わらず、価格を抑えたモデルでこれまで、たくさんの納入をさせていただきました。また本社工場にお邪魔した際にはその製造の途中段階を説明していただき、耐火断熱レンガのさらに表面にボードを貼ることで、焼成時の電気代がかなり抑えられることなどを知り、驚いたことを思い出します。

還元焼成にも対応したヒーター線が酸化モデルでも標準装備されており、後々バーナーセットを追加して還元焼成も可能です。

う〜んウチも発注しておこうかなぁ。

共栄電気炉製作所さんの本社工場の様子はコチラをどうぞ。



posted by inoueseiji at 07:19 | イノウエセイジの頭の中

2025年02月25日

ロックンロールが耳障りな人向けではないからさ笑【2025ロクロ動画スタート】





窯の仕事や工房の補修に明け暮れていたら、とんでもなくロクロが下手クソになっていたので、今年はロクロ動画からスタートです。

こんな雑な動画ですが、わたしとしてはようやく筑前工房でロクロを回せるようになったと感慨深いのであります。生温い目で見てやってください。

作るのはロクロ動画が一番カンタンですし、観てもらえるので、これからガンガンやっていきましょう。

この動画はとりあえずアップロードをする、という自分の中の目標で上げたもの。
今後はちゃんと詳しく説明をしながらやっていくつもりです。

むかし講座で行ったアンケートでは受講生の9割の方が、ロクロに憧れて陶芸を始めた、という事実を知り驚いたことがあります。つまり陶芸という世界の入口、その先の窯と焼成の入口は、やっぱり電動ロクロということでしょう。

ロクロ漬けにして陶芸なしには生きられない状態にすれば、窯と焼成にも手を出すということでしょうか笑。

リハビリを兼ねて今年55歳のオジサンがどこまでロクロの技術を高められるかを見ておいてください。すぐに挫折する可能性もありますが、よろしくメカドックです。

実際に過去のロクロ動画のおかげで、お客様の作家さんとロクロの話ができたりしますし、中には独立直前にわたしの動画をロクロの前のタブレットで流しながら練習していたなんていう、なんともこそばゆいエピソードを聞いたこともあります。ありがたいことですが、世の中もっと技術がある人がたくさんいますので、こんなオジサンの動画は踏み台にして高みに登っていってください。

以前も書いていますが、わたしを含めて技術がある人はYOUTUBEに動画なんてアップしておりませんから、そこだけは気をつけておいてください。わたしの動画の目的は、ロクロが上手になったら窯にも興味を持つ人が増えて、自分にも仕事がくるかもね?という動機です。そういう意味ではブレは少なめかもしれません。

過去記事はコチラ。


う〜ん今読み返すと結構ヤバいことを書いている気がします笑。

まぁいいか。


はい、では最後に今週のAIさんのコーナー!
今日はマイクロソフトのCopilotに画像をお願いしてみました。

「 陶芸のロクロを楽しんでいる中年男性の画像を生成してください」

で、いただいた画像はコチラ!

中年男性が陶芸のロクロを楽しんでいる様子.jpg
(またヒゲでものばすかな)


ではまた〜!
posted by inoueseiji at 07:30 | イノウエセイジの頭の中

2025年02月17日

AIに聞いてもわからない?【窯の焚き方】

通常検索よりもAIに聞いた方が何倍も電気代がかかるらしいですね、イノウエです。
まぁ知ったこっちゃないですが。

先日AIに聞いた窯の焚き方は誰も信じてはいないと思いますけども笑。
AIの答えに一部マーカーをしていますが、その色には意味を持たせています。

紫色のものは「それは間違いだろ」と思ったところ。
黄色は「だからそれを聞きたいんだけど」「そうだったら苦労しないわ」というニュアンスのところです。

そもそも素焼きか本焼きか、最終的に何℃で焼成するのかを聞かれていないあたり、ダメな業者の受け答えみたいで微笑ましいですが、お客様にはそんなことは判断できないでしょう。

昨日も焼成指導のお仕事をしてきましたが、灯油窯で小型なのでなかなか難しかった。

福岡に戻ったばかりの頃、自分が築炉メーカーで働いてきたことが知れると、いろいろと相談やこんなことがあった、などと様々な事例を聞くことがありました。

その中で印象的だったのが、灯油窯を知人が購入して自宅に設置したが、煙突からの黒煙とブロワーの音で近所中からクレームがあり、雨の日にしか焚けなくなったというものがありました。焼成指導はあったんですかと聞いたら設置時に軽く説明があっただけ、とのことだったと聞いたように記憶しています。初めての窯が灯油窯でアマチュアの高齢女性なら無理があるように思います。

わたしも灯油窯をこれまでいくつか設置しましたが、場所を選ぶ窯だと思います。あまりに隣の家が近いところであればやめた方がいい。そういう方ならガス窯をおすすめします。

これを売りっぱなしにしてきた業者やメーカーの罪、つまりは業界の罪はゼロではないと私個人は思っています。焚けない人が焚けない人に売りっぱなしにする悲喜劇。本人にしてみれば悲劇でしょうけれども。

でもね。わかりますよ。会社員で営業とかだったら売れればいいよ。相手が苦労するとか焼成できないかもしれないとかを考える必要はないし、考えないでしょう。わたしだって社員だったときには「今週の土曜日休みかなぁ?」とか「寸志ってボーナスじゃないの?」とか、そんなことしか考えてなかったもんです。

それは社長や経営者が考えること。
だからトップの考えが大事なんです。
わたしは大沢ガス炉商会にいたからこんなキャラになったんです。
それは創業社長がそういう人だったからに過ぎません。



私は灯油窯の経験が一番少ない。だから焼成指導はこちらとしてもありがたい経験値アップの機会でもあります。灯油バーナーのオイル漏れを直したり、いくつか補修をやってみて構造は理解しても、実際の灯油バーナーの挙動は窯焚きを通じて体験しないとわからないわけです。

ガス窯もほとんど発信がないけれども、まぁ灯油窯も発信はない。先日のAIは「窯の説明書をよ〜と読まんといかんばい」と言ってましたが、そもそも窯の説明書なんてついていないこともあるし、灯油窯に関しては、点火と消火の方法が載っている程度で「灯油バーナーの説明書」でしかない。エントツの働きなんかを書いている説明書におめにかかったことがない。これは書籍でもそう。いろいろと偉そうに書いていても窯の焚き方を発信できないわけじゃん笑。


焼成指導をするということは、灯油バーナーの仕組みや操作に「習熟するためのアドバイス」を行う必要があるということです。正しいやり方だけではなく、エントツの働きやダンパーとドラフトのこと、火力との兼ね合いなどを実体験してもらうために行う必要があります。

そう考えると業界未経験の方が設置するのはありだけども、焼成指導は難しいと思います。もちろんコツコツと自社の窯を自分で焚いている社長や業者さんはいます。購入を考えている方はそのへんもよく確認しておくことをおすすめします。

もちろんそれなりに失敗もするし慣れるまで時間はかかるでしょう。それでもやり方がわかっての失敗と、これでいいのかな?と思いながらの失敗は次元が違います。やっていればわかりますからとか、10回ぐらいやれば理解できますとか、お客様のほうがわかってらっしゃるでしょう?などとホザく業者は焚けないと判断しましょう。

そしてメーカーや業者には得意分野があります。それも確認しておくべきでしょう。わたしは今灯油窯の経験値をどんどん上げていっています。バーナーの簡単な補修も出来るようになりました。このまま頑張って「薪窯が一番苦手です」という段階にしていきたいと思っております。

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(モルタルを練るのは得意)


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(また連絡してクレイ!)
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posted by inoueseiji at 07:56 | イノウエセイジの頭の中

2025年02月13日

AIに窯の焚き方を教えていただきました

15年以上前に書いた記事に動画を貼っつけた「ダンパーとドラフトについて 1」という記事が毎日一番読まれています。

たまにこのことに触れていますが、相変わらずその状況は変わりません。


こんなオッサンのブログよりもAIに聞いたらいいんじゃないの?と思ったのでGeminiさんに聞いてみました。



Q:陶芸用のガス窯の焚き方を教えてください。


陶芸用ガス窯の焚き方は、窯の機種や大きさ、焼成する作品の種類によって異なりますが、基本的な手順と注意点をお伝えします。

準備

  1. 窯の点検: 窯内部にゴミや割れた陶片などが残っていないか確認し、取り除きます。バーナーの点火口が詰まっていないかも確認しましょう。
  2. 作品の準備: 焼成する作品を窯詰めします。作品同士が触れ合わないように、適切な間隔を空けて配置します。
  3. 窯の密閉: 窯の扉や煙突のダンパーをしっかりと閉め、窯を密閉します。
  4. ガスと空気の準備: ガスボンベのバルブを開け、ガスが窯に供給されるようにします。また、窯には適切な量の空気を取り入れるための空気孔(ダンパー)があります。

焚き始め

  1. 点火: バーナーのコックを開き、点火します。最初は弱い火で、徐々に火力を上げていきます。
  2. 昇温: 窯の温度を徐々に上げていきます。急激な温度上昇は、作品の破損や窯の劣化につながるため、ゆっくりと時間をかけて昇温させます。
  3. 温度管理: 窯の温度計を確認しながら、目標温度まで昇温させます。温度計がない場合は、炎の色や窯の内部の様子で温度を判断します。
  4. 窯内の観察: 窯の覗き穴から、作品の状態や炎の状態を観察します。作品が溶けたり、変形したりしていないか、釉薬の状態はどうかなどを確認します。

焼成

  1. 最高温度保持: 目標温度に達したら、その温度を一定時間保持します。この時間を「ソークタイム」と呼びます。ソークタイムは、作品の種類や大きさ、釉薬の種類によって異なります。
  2. 温度調整: ソークタイム中に、必要に応じて温度を微調整します。
  3. 焼成終了: ソークタイムが終了したら、バーナーのコックを閉じ、火を止めます。

冷却

  1. 自然冷却: 窯の扉やダンパーを閉じたまま、自然に冷えるのを待ちます。急冷は、作品の破損や窯の劣化につながるため、十分に時間をかけて冷却します。
  2. 窯出し: 窯が十分に冷えたら、作品を取り出します。

注意点

  • 安全対策: ガス窯は、火や高温を扱うため、十分な安全対策が必要です。 
    • 換気: 窯焚き中は、換気を十分に行い、酸欠にならないように注意しましょう。
    • 耐火服: 耐火服や手袋を着用し、火傷を防ぎましょう。
    • 消火器: 万が一の火災に備え、消火器を準備しておきましょう。

  • 窯の取扱説明書: 必ず窯の取扱説明書をよく読み、指示に従って操作しましょう。
  • 試し焼き: 本焼きの前に、試し焼きを行い、焼成条件を確認しましょう。
  • 記録: 窯焚きの温度や時間、作品の状態などを記録しておくと、今後の焼成に役立ちます。

その他

  • 焼成温度: 焼成温度は、作品の種類や釉薬の種類によって異なります。一般的には、陶器で1200〜1300℃、磁器で1300〜1400℃程度が目安です。
  • 還元焼成: ガス窯の中には、還元焼成ができるものもあります。還元焼成は、窯内の酸素を減らし、作品の色や釉薬の発色を変化させる焼成方法です。

ガス窯の焚き方は、奥が深く、経験が必要です。最初は、先生や先輩に教わりながら、少しずつ経験を積んでいくことをお勧めします。




Q:陶芸窯のダンパーとは何ですか?


陶芸窯のダンパーとは、窯の煙突部分に取り付けられた、排気量を調整するための装置です。

ダンパーの役割

  • 窯内の空気の流れを調整: 焼成時、窯の中の空気の流れを調整することで、温度分布を均一にしたり、還元焼成などの特殊な焼成方法を行ったりすることができます。
  • 温度管理: ダンパーを調整することで、窯の温度上昇速度や最高温度をコントロールすることができます。
  • 燃料効率の向上: ダンパーを適切に調整することで、燃料の消費量を抑えることができます。


ダンパーの種類

ダンパーには、主に以下の2つの種類があります。

  • 手動ダンパー: 煙突の開口部を板状の蓋で塞ぐことで、排気量を調整します。

  • 自動ダンパー: 温度センサーと連動し、自動的に開閉することで、窯内の温度を一定に保ちます。

ダンパーの操作

ダンパーの操作は、焼成する作品の種類や窯の構造によって異なります。一般的には、以下の点に注意して操作します。

  • 焼成初期: 窯内の温度が低い間は、ダンパーを大きく開けて、十分な空気を取り入れます。
  • 焼成中期: 窯の温度が上昇するにつれて、ダンパーを徐々に閉めていきます。
  • 焼成後期: 最高温度に達したら、ダンパーを調整して、温度を一定に保ちます。
  • 冷却時: 冷却時は、ダンパーを閉じて、窯内の温度が急激に下がるのを防ぎます。


注意点

  • ダンパーの操作は、窯の取扱説明書をよく読んでから行ってください。
  • ダンパーの開閉具合によって、焼成結果が大きく左右されることがあります。
  • 焼成中は、常に窯の温度や状態を観察し、必要に応じてダンパーを調整してください。


ダンパーは、陶芸窯の焼成において、非常に重要な役割を果たしています。ダンパーを適切に操作することで、より良い作品を制作することができます。




Q:陶芸窯の煙突に設けられたダンパーとは別にドラフトという穴もあります。この働きはどのようなものでしょうか。



陶芸窯の煙突に設けられたダンパーとは別に、ドラフト(バカ穴)と呼ばれる穴もありますね。このドラフトは、ダンパーとは異なる役割を果たしています。

ドラフト(バカ穴)の役割

  1. 窯内の空気の流れを調整: ドラフトは、煙突の途中に設けられた穴で、開閉することができます。この穴を開けることで、煙突の断面積が小さくなり、煙突の引き(排気力)を弱めることができます。これにより、窯内の空気の流れが変化し、温度分布を調整したり、還元焼成などの特殊な焼成方法を行う際に役立ちます。

  2. ダンパーの微調整: ドラフトは、ダンパーと併用することで、より細かく窯内の空気の流れを調整することができます。ダンパーで大まかな調整を行い、ドラフトで微調整を行うことで、理想的な焼成環境を作り出すことができます。

  3. 窯の温度上昇速度の調整: ドラフトを開けることで、窯内の空気の出入りがスムーズになり、窯の温度上昇速度を調整することができます。


ドラフトの操作

ドラフトの操作は、焼成する作品の種類や窯の構造によって異なりますが、一般的には以下の点に注意して操作します。

  • 焼成初期: 窯内の温度が低い間は、ドラフトを閉じて、窯内の温度上昇を促します。
  • 焼成中期: 窯の温度が上昇するにつれて、ドラフトを徐々に開けていきます。
  • 焼成後期: 最高温度に達したら、ドラフトを調整して、温度を一定に保ちます。
  • 冷却時: 冷却時は、ドラフトを閉じて、窯内の温度が急激に下がるのを防ぎます。


ダンパーとドラフトの違い


ダンパーは、煙突の開口部を板状の蓋で塞ぐことで排気量を調整するのに対し、ドラフトは、煙突の途中に穴を開けることで排気量を調整します。ダンパーは、排気量を大きく調整するのに適しており、ドラフトは、排気量を微調整するのに適しています。


注意点

  • ドラフトの操作は、窯の取扱説明書をよく読んでから行ってください。
  • ドラフトの開閉具合によって、焼成結果が大きく左右されることがあります。
  • 焼成中は、常に窯の温度や状態を観察し、必要に応じてドラフトを調整してください。


ドラフトは、ダンパーと並んで、陶芸窯の焼成において、非常に重要な役割を果たしています。ドラフトを適切に操作することで、より良い作品を制作することができます。





…とのことですが。

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これで焚けるかな?
でも5年後が楽しみ笑。

posted by inoueseiji at 07:33 | イノウエセイジの頭の中

2025年02月11日

副業陶芸家の可能性を考える

先日ニュースで偶然見た副業寿司職人のネタ。

(それはいいけどヒゲは剃ってほしい)

◯リエモンではないけれど、たまにある”修行はいらない”系の話かと色眼鏡をかけて見ておりましたが。

サポートしているのは30代のガチ職人、仕込みはガチ職人がすべて行う。そして副業寿司職人たちは握りに特化して訓練されているというのに非常に納得したのであります。

マグロを延々と200貫握り続けるなんて逆に普通の寿司職人でも体験する機会は少ないのかもしれません。お店の規模にもよるでしょうけれども。


まぁたしかに回転寿司店の裏側なんてこんな感じというか、もっとシステマチックになっているんでしょうけども。

副業寿司職人ができるかどうかは、ようするに寿司職人の技術的なキモは何か?ということを見極めることにもなる。

そして、それを抽出してシステム化することが出来たから、職人さんと副業寿司職人とお客様と地元のウィン・ウィンになりつつあるということですね。

もちろん副業寿司職人には、ニュース動画にもあるように握り以外の技術や知識はないわけですから、そこをどうするかはそれぞれの副業職人が考えることになるのでしょうかね。

このニュースで見落としてしまいそうなことは他にもあります。

本家の看板の力も多少影響しているでしょうし、そもそも、これだけしっかりとした店舗があるというのも大きい。なによりも地元の魚があってこそ、各寿司店が成り立っているということも忘れてはいけません。このお店はある意味、ここでしか成り立たないのかもしれません。

それでは。

このニュースのお寿司屋さんを「副業陶芸家」に置き換えた場合、という話をしてみたいと思います。

これまでも淡い夢のようなアマチュア陶芸オジサンの相談にのったことが何度かありますが、すべてみなさん勘違いされていました。誤解のないように書いておきますが、わたしは応援して前向きなアドバイスをいつもしていましたからね笑。

過去にもそこら辺を書いた記事がありますので、ご参考までに。
(福田さんのコメントがほぼこのネタになっている)



副業陶芸家になるのに必要なエッセンスは、作る技術でもデザインでもありません。


では何が必要でしょうか?


答えはいくつかあると思います。
でも電動ロクロはその中にはありません。

ここ重要。





自分が副業陶芸家をプロデュースするならば、

  1. 乾燥工程
  2. 施釉
  3. 焼成
以上の3点を集中してやらせると思います。

その先にそれぞれの作陶方法、技法があるということでしょうか。


お客様で小さな電気炉を購入されてプロになった方々は皆さん以上をしっかりと押さえてプロになったと思われます。

プロにはなっていなくても、それこそ副業陶芸家のような方はもっとたくさんいらっしゃいます。

また、副業寿司職人は寿司しか作らない。ところが副業陶芸家は何を作るのか。

実はこういう部分もとても重要で、小さな電気炉しかないという不利な条件でプロになっている方は、明確な作品のカラーがある方ばかりです。ああ、この人ね、とインスタなどで写真ですぐに分かる。


副業寿司職人は副業料理人ではない。これは重要ではないでしょうか。
何かに特化していくのはスタートラインとしてありの考え方だと思いますが、どう思われますか?

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(ロクロが下手なオジサンの言い訳ではない)
posted by inoueseiji at 07:36 | イノウエセイジの頭の中

2025年02月07日

陶芸家になる最短の方法【2025】ロクロ編3

雪は好きだけど凍結はキライ!なイノウエです。
はいおはようございます。

また久しぶりの筑前工房実験教室。
土練機を出してきてお掃除して開始です。

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それぞれの手の感覚でやってもらいます。
250グラムを基準として練習開始。

写真は同じ人ですが、奥の8個は「重さだけを意識して」の玉取り。
手前側は「その形では次の工程以降で作りにくいことになりますよ」という説明をしてからの形。

指導する側がそういう部分に気が付けるというのも実験的な教室の有り難さです。
マジサンキュー。

重さを揃えるしか説明していなかったら、形は好き好きになってしまう。
でも実際にはその先に親指で器のきっかけとなる穴を開ける工程がありますので、縦長の玉では作れません。
みかん形の玉取りにしないとイケないわけですね。先の工程も考慮して説明することも必要なんだと思いました。

説明するということの難しさはいつも感じます。出来る人やプロを相手にするのもまた難しいものです。
勝手にこっちが相手の理解度を高く見積もってしまい、相手もわからないと言わない、言えない場合など、あとでトラブルことにもなります。

生涯学習センターの講師とYOUTUBEの発信で自分は説明力が上がったのは間違いない。しかしそれでもまだまだ足りないと思い知らされることがよくあります。


(プログラムって難しいのね笑)

ロクロを通じて、陶芸を通じて、いろいろな気付きや成長があるものです。
特に説明をすることやされること、技術の伝達なども難しいものがあります。だからわたしは事細かに説明することにいつも尽力しますが、黙々と住み込みで弟子入りしているような人のことも肯定的ですし、大きな意味があると考えています。

そんなことをいうとこれまでの発信と矛盾すると思われる方もいるかもしれませんが、要するにアナタがどのポジションにいるのかで正解はコロコロ変わるということです。年齢やプロかアマかでも変わります。プロでもどのジャンルやレベルで行うのかでも変わります。

ただ一点、そこで使われる機材の使い方や整備については変わることはない。
それだけはブレずに発信しているつもりです。

ということでよろしくメカドック!
posted by inoueseiji at 07:27 | イノウエセイジの頭の中

2025年02月05日

陶芸の各工程を考える【陶芸ブログ】

友人の吉田さんに「電気工事士ブログ」と言われました笑。
おはようございますイノウエです。

そうそう、これは陶芸ブログでしたが知ってましたか?

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(レッツ・ロックンロール!)

ということで陶芸ネタを無理矢理にでも書いていこうかと考えたのですが。
各工程のつながりが意外と最初は理解できなかったなぁと自分のことを思い出したので、いったんまとめておきましょう。

電気工事士ブログのコンセントじゃないけれど、自分たちにとって当たり前すぎてネタにしていないことが結構あるんだと思います。

その辺りをこんなブログを読んでいる優秀でセンスあふれるみなさんにも考えていただき、ぜひイノウエを叱咤激励していただければと願います。


というわけで陶芸の各工程。


  • 土の用意と調整
  • 成形と成形時の加飾
  • 成形後の乾燥
  • 素焼き
  • 下絵付
  • 釉薬の調整と施釉
  • 本焼き
  • 窯出し後の仕上げと加飾

寝ぼけ眼で考えてもこれぐらいあるのかな?

でそれぞれにまた工程があり、


  • 土の用意と調整

    原土の採取とかは勝手に勉強して
    粘土とはなにか
    土練りのメカニズム
    実際の方法
    土練機の構造や使用方法・メンテナンス

  • 成形と成形時の加飾

    ここは言わなくてもやるでしょ
    削りの道具やタイミング
    化粧土について

  • 成形後の乾燥

    乾燥のメカニズムの理解
    季節や環境による手順や方法
    作品の水分量をコントロールできるか

  • 素焼き

    素焼きの条件
    窯詰め方法と排気
    窯の種類と形状による排気への意識

  • 下絵付

    酸化金属と下絵具の種類
    筆や用具の選定
    絵具の用意と加飾
    用具の片付け方や洗い水の処理

    ※追記 素焼き後の化粧土掛けもある

  • 釉薬の調整と施釉

    自作はとりあえず後で
    釉液の取り扱い
    濃度調整の方法
    CMCなどの糊分
    施釉方法とその道具

  • 本焼き

    棚板と耐火物
    窯詰め方法
    各種窯炉での焼成方法はまた今度

  • 窯出し後の仕上げと加飾

    ハマスリについて
    上絵付については今日は割愛
    金銀彩・パラジウムなど


  • 窯や成形道具の選び方

    各工程への理解とは別に道具や窯については知る必要がある




なんかパッと書いてもこれぐらいあるなぁ。

こうして書いてみると、各工程をつないで指導できていなかったと反省するばかりである。

自分の経験値でどこが高くてどこが低いのかを把握しておくといいのかもしれません。それで自分の弱点がわかるけれども、なによりも強みがわかります。

下絵や上絵はまったくしない人もいるでしょうし、これを機にやってみてもいいでしょう。
陶芸脳ができた人というのは、ロクロなどで成形している時に、この先の工程を理解しているということです。



ロクロ上の形が
作品のゴールに
ならないように笑。
posted by inoueseiji at 07:28 | イノウエセイジの頭の中

2025年02月04日

思い込みは誰にでもある【電気炉:電気工事】

何故か根拠のない自信を持てるときというものがあります。
二三年で一二台しか乗ってないのにいっぱしのライダー気取りとかさ笑。

若いときのそれは微笑ましい。

でも。
いい歳してからの違法な電気工事はダメだって笑。

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芯線が見えてます笑。

実技試験では重大欠陥で一発アウト。
要するに不合格になります。
だから誰も見ていなくても、無意識レベルでも、最底辺の電気工事士でも、絶対にこんなことはしない。
つまりこれを行ったのは無資格のシロウトということがわかる。

筑前工房でこういう補修を続けていると、赤信号みんなで渡れば怖くない、という陶芸オジサンたちの集団心理が見えてきてマジで怖い。

以前相談のメールがきた港区かなんかのガス窯の話を思い出す。
この過去記事はぜひ読んでいただきたい。こんなノリになることは誰にでもある。今の自分にもあると思う。

気持ちは痛いほどわかるけれども(2021.11.19)

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陶芸家になるとか、なれそうとか、そういう根拠のない自信は絶対に必要です。
思い込みはパワーでもあるし、前進する勢いでもある。
そんな人はいくらでも応援する。
マジで全力で応援するし、してきた。

だけど電気炉の補修とかガス窯のメンテナンスとかでの、根拠のない作業への自信は危険でしかない。

百歩譲ってアマチュアはいいとしよう。でもせめてプロならそれはやめようよ。
厳しい言い方をすればプロとしての自分の仕事をないがしろにすることに等しいんじゃないかと思う。

めちゃくちゃなメンテナンスや補修で取り返しがつかないようになっている窯は多いんです。

思い込みは誰にでもあって必要なエネルギーのひとつだとわたしは思う。
だけれども他人に迷惑がかかる部分、わかりやすくいえば免許や資格が存在している作業への思い込みは危険でしかない。

そんな無茶をするぐらいなら。




作品でやってクレイ!
posted by inoueseiji at 08:02 | イノウエセイジの頭の中

2025年02月01日

プロコンにもいろいろあります【電気炉:自動制御】

天災も怖いですが人災も怖いですイノウエです。

納入された電気炉の操作説明やお問合せがよくあったここ数日。
そういえばプロコンにもメーカーでいろいろです。

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(これは相当古いヤツ)

↑ これは明らかに昭和じゃないの?

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(アイツは写真の撮り方も下手だぁ)

↑ これは30年ぐらい前のヤツかな。平成ってことか?
最高温度の設定と弱運転とキープ時間だけ設定できるタイプ。
まだまだ使われているところが多いです。プロコンも汎用のものですね。


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↑ 共栄電気炉製作所さんのはコレ。オリジナル。
これも30年近く使われているのかなぁと思いますが。
これ一つで全部出来るタイプですね。

標準で2パターン8ステップは楽勝です。
ようするに素焼き・本焼きの2パターンと、それぞれの温度と時間の設定を8つ入れられるということ。
詳しくステップを解説しておきましょう。

あくまで一例ですが、400℃まで4時間、という入力がステップ1となります。
次に400℃から800℃まで4時間でステップ2。

800℃で1時間キープのステップ3もできます。
もっとも素焼きは800℃8時間のステップだけでも大丈夫です。
結晶釉のお客様も何人かいらっしゃいますが、8ステップもいれることは無いようです。

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(スタート直後はズレ気味です)

それよりも測定温度と設定温度の同時表示が出来るのでとてもわかりやすい。
選択したパターンと温度を点滅しながら交互表示するやつなどを他メーカーは採用しているようですが、同時に表示されている方が絶対に使いやすいと思いますし、強制終了できる運転ボタンがあるのも重要でしょう(個人の感想です)そんな事件がありましたね。

この2つの数字がもし最高温度付近で大きくズレてくればヒーターの寿命が近いと判断できます。
もしくは設定や窯詰めに無理があるかですね。

ここを液晶の日本語表示にしたり、山のようにボタンを作ったりすれば焼成能力に関係のない部分でコストが上がります。お金をかけるべきはヒーターの素材や断熱材の方でしょう。
共栄電気炉製作所さんのものは見た目はシンプルなプロコンですが、自動で延長したりするウェイト機能などがあって流石電気炉メーカーさんオリジナルのものです。

プロコンの部分にグラフ状の表示があるモデルもありますが、それはプロは必要ないんじゃないかとも思います。
それよりも電気炉とはいえ、パターンやキープ時間などをグラフに手書きして検討することをオススメします。ついでに窯詰めしたものなどを記録しておけばさらに良い。

ガス窯のお客様に比べて電気炉のお客様が意外と本焼き回数を把握していないことが多いです。
何回本焼きしましたか?と聞いてもえ〜何回だっけ?という方がよくいらっしゃいます笑。

焼成記録表_電気炉用.pdf

↑↑↑ ホームページにも公開してますが、よければこんなの活用してください。

自動制御は便利ですが、電気炉では炉内の排気はしっかりと意識して、窯を長持ちさせてくださいね。
ボタンを押すだけで、という誤った営業トークは信じないこと笑。
電気炉で重要なのは排気への意識です。

ご安全に〜!

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posted by inoueseiji at 07:41 | イノウエセイジの頭の中

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