2008年08月20日

講座で最初に教えること


先日、生涯学習センターの講座に、あらたな受講生が入りました。

このセンターでの講座は一年講座ですが、ある段階からは個人に合わせて教えていくため、途中入講も受け付けています。なかにはもう何年も陶芸をしている人もいて、レベルはばらばらです。

はじめての人には、道具を全く使わない玉作りをしてもらいます。ぐいのみ、湯のみ、重さを揃えて豆皿(後で釉薬の色見本にする)などをつくります。それから紐づくり、それと同時に土練りをおぼえてもらいます。

手びねり、とくに玉作りをしてもらうと、その人の器用さがよくわかります。なかには人間性までわかってしまうこともあります。教える側としては、へぇー、この人はこういう人なんだ、と思ったりしています。

わたしが最初に手びねりをしてもらうのは、それがもっとも基本だと考えるからです。指先と脳との間に、陶芸のあたらしい神経をつくってもらうには、ゆっくりとした手びねりの作業があっていると思います。また、そうして土を触る時間というのが、とても大切だと思います。ある画家は陶芸作品もたくさんつくりましたが、「陶芸のよいところは、すぐに無心になるところだ」というようなコメントを残しています。きっとそれに近いことは皆さんも経験されているのではないでしょうか。

わたしも、手びねりの思索的なところが好きです。(とはいえ雑念がよくはいりますが)

手びねりで最初から、薄く作れる人もいます。また底だけとても厚くなる人もいます。手びねりが上手になると、自然とロクロも上手くなっていきます。それは、指先の感覚がどんどん鋭敏になっていくからです。

それに、男性の受講者は車でも整備するのかしら、という道具箱にいろんな道具を入れて講座に来ます。わたしも仕事ではいろんな道具をつかいますが、初めての人には、手と土があればほとんどのものができる、ということを伝えたいのです。

手びねりの注文をいただいているので、わたしもまた楽しんで手びねりをしようと思います。

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posted by inoueseiji at 12:18 | Comment(0) | TrackBack(0) | 陶芸の教育に関すること
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