自分たちでガス窯をつくるときに、たまたま図書館にあったガスの本で勉強したことです。こういう知識は知らなくても陶芸をすることはできますが、ガス屋さんと仲良くなったりすることができます。(注文までもらっています)
わたし自身、美術・陶芸の世界にいたので、きちんと勉強するまで色々なことを誤解していました。例えば、ボンベが大きくなるほど圧力が高いと思っていましたが、実は20Kボンベも充填所の巨大ボンベも内圧は同じなんです。
それと、ガスは100%の濃度の時には全く燃えません。空気中で2.2〜9.5%の濃度になったときに初めて燃えるようになります。逆に考えれば結構酸素を必要とするんですね。
陶芸窯で使用するプロパンで24倍、ブタンガスで31倍の酸素を必要とします。(酸素量です。空気ならばさらにこの5倍必要)これには人間の呼吸の分は含まれません。一酸化炭素中毒には十分気をつけましょう。陶産地でたまに一酸化炭素中毒の死亡事故がおこったりします。
それと、わたしが数件経験がある事故が、窯焚きの途中でボンベのガスがきれてしまい、バーナーのコックをそのままにボンベの切り替えまたは付け替えをするというもの。
新しいボンベをつないで、コックを開け、引火して火がついているだろうと窯にもどると、思いと裏腹に火はついていない。おかしいな、ともう一度点火棒を窯に突っ込んで火を点けようとしたら爆発。(ちなみにボンベは独語で爆弾)
屋根が浮き上がって修理に呼ばれるという事故。ガスの自然発火は500℃なので、それよりも低い温度ではこうした事故がおきます。そもそも、いったんガスがきれたら、必ずコックを閉じましょう。
あるところでは、色見穴の栓にしていた小さなレンガが爆風で飛んで、ベニアの壁に穴を開けていました。一つはその方に当たり、けがをされていました。おそろしい。こういう事故は、ほとんど経験年数の長い方がしていました。だんだん横着になるんでしょうね。交通事故とおなじですね。
脱線すると、ガスは空気よりも重たいので漏れると下へたまります。そのためガス漏れ警報機は床に近いところに設置します。しかし、液体のガスは水よりも軽いため、ガスボンベは水に浮きます。また麻酔性はありますが毒性はありませんので、自殺はできません。
陶芸のガス窯の話に戻ると、よく都市ガスの窯は、という問い合わせがありましたがわたしがいた会社では造っていませんでしたので詳しく判りません。ただ、配管がかなり特殊になるのと、都市ガスというものが全国で十数種類のブレンドが存在するため、そういうのが陶芸窯であまり採用しない理由なのかなあ、と個人的には思っています。地下の配管からの都市ガス工事よりも、直接ボンベからの短距離配管のほうが安くすむのかもしれません。機会があれば調べてみます。都市ガスの窯の経験のある方は教えてください。
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本名を存じ上げなかったので、ここにたどり着くのに時間がかかりましたが、本日発見しました。
楽天のブログと違って、まじめに書いておられるのにびっくりすると共に非常に勉強になります。
私自身はミニ薪窯を作って1年目の超初心者で、毎回手探り状態で焚いています。私のブログに経過が書いてありますので、お時間のある時にでもご来訪頂いて、ご意見を頂戴できれば幸いです。