先日とある陶芸教室の講師の方の動画発信についてコメントをさせていただきました。
100Vの電気炉が20回程度の本焼しかできないというこの動画の発信で、この数ヶ月にわたり質問や対応がおおく、迷惑していました。
また動画の内容は明らかに「この方の使用環境」が問題であると推察されますが、それを100Vの電気炉全体のこととして話されているように受け取れる部分もあり、実際そう感じた人が多数いたからアチコチに問い合わせがあったのでしょう。
(電気炉の使用環境については、どのメーカーもお客様へ説明しています)
いくらあのシンポの窯でも、20回とか40回で昇温しなくなるなんてことはないです。
(もし本当にそうならば訴訟とかリコールとかになっていると思いませんか)
そしてご本人はネットショップで購入し、サポートは受けていないようですし、話の内容から電気についての理解も一般人レベルです。メーカーには電話したとのことですが、業界ではおなじみの対応をされてヒーター線をご自分で交換したりもう一台購入したりしたが改善しなかったとのこと。
また動画中にその原因について触れていますが、あのシンポの窯であっても数十回の使用でレンガが痩せてきたりしませんし、ましてや熱が隙間から逃げるほどの収縮はこのような断熱材ではあり得ません。いくら窯や電気について無知でも想像で断言するのはいただけません。
これまでの動画のタイトルなどから、プロの立場で発信をしているように受け止められましたが、わたしのコメントには「自分はあくまで1ユーザーである」という立場だということでの弁明がありました。
しかし同時に「他意はないので返信いただければ動画は非公開にします」とも提案されました。
動画を作って出す手間が大変なのはわたしもよくわかっていますが、明らかな間違いで多くの誤解を生んでいるのですから、この申し出はありがたく、相手の誠意を感じました。そして実際に返信のコメントを書き込むとすぐに非公開にしてくださいました。
ところが、その非公開の数日後に何故か「窯の選び方の動画」を上げられていました。
(窯を造ったこともなく、自分の窯以外は焚いたこともない人が、どうして窯の選び方を話すのか理解に苦しみます…)
その内容にも明らかな間違いが多々含まれておりましたので、コメントで補足項目を書かせていただきました。ところが、わたしの補足コメントには「この動画の内容もお気に召さなかった様で申し訳ございません」という返信が。
…お気に召すとか、召さないとかではありません。
これまでに火災や死亡事故も起きている機材について、製造や設置、運用にかかわったことがないなら適当なことを言わないでくれと言いたいのを我慢して今後の多くの方々のために補足情報を書き込んだだけです。
ホントは窯業界を盛り上げようなんて、これっぽっちも思っていないのだろうと推察しました。
そしてこの動画の公開後、わたしのコメントを削除したうえで例の100Vの電気炉の動画を再び「公開」にされています(日本電産グループに見つからないようにお祈り申し上げます)。
1ユーザーという観点からモノを言っているというのはわかります。
ユーザーレビューは貴重な情報です。
だったら自分が一度もUSEしていない窯のことは言うべきではないのではありませんか?
わたしはこの方のロクロの技術や、手びねりなどの作り方のことは、仮におかしなことをしていたとしても指摘する気はありません。それは自由ですし、キャリア的にあんなものでしょうし、なによりこの方の商売の妨害になります。
やきものは本来、自由で楽しいものです。
そもそも、これまでも窯や作陶に関して実にでたらめな本や発信は山ほどありました。窯の事故もそれなりに起こってきたのです。だからわたしは十何年もひたすら窯についての発信を続けているんです。
繰り返しになりますが築炉メーカーにいたわけでもない人間が、どうして経験のない窯のことまで発信するのか理解不能です。
陶芸教室の講師にはまた別の使命があるのでは?
虚勢を張ってどうするのでしょうか。
発信は自由ですが、あえて聞きたいものです。
一つ二つは自分で窯を造りましたか?
全ての窯の様式を焚いてみましたか?
どれだけの窯場に足を運びましたか?
知らないことは無理して言わなくていいと思います。
今後ともわたしは陶芸窯についてのいい加減な発信は誰のものであれ正していきます。
わたしがもっとも衝撃を受けた陶芸家も、
先輩の師匠も窯の事故で亡くなっています。
窯は動画ネタがない人がテーマにできるレベルではありません。
陶芸界を盛り上げるといわれていましたが、経験値の少ない窯の発信で何が盛り上がるのでしょうか。
不安を助長しただけなのではないですか?
この発信で購買欲を削がれた人の方が多いのでは?
自分の発信の不足情報を善意で補足した、プロとの約束を反故にすることが陶芸界を盛り上げることにつながるとは思えません。
わたしは誰にでも見ていただけるように動画へのコメントを残しましたが、この方は自分から申し出た約束にもかかわらず、相手のコメントを削除するという形で反故にする、なんとも不誠実な対応をしました(さよなら事件を思い出しますね)。
この方の「プロ意識」がよく伺えました。
今後このような扱いを受けたくはありませんので、このブログに証拠だけは残しておきます。
※ 今後とも窯に関しての不正確な発信は誰であれ指摘していきます。
それによる質疑応答やコメントで各々の理解が深まることを願います。
それがわたしの考える窯業界を盛り上げる行動です。