2021年10月17日

ノーヘルで走れるのは若さではなくバカさ

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禁断の、という覚悟で、これまでもいくつかの動画を発信してきましたが、特段誰にも刺されることもなく。
よくよく考えればそれは結局は正しい仕事をしている人への利益になっていると思うようになりました。

この動画で話しているような内容、先日のブログの記事に記載した補修内容、本当に当たり前なんです。
逆に「いやいや、待ってちょ〜す、アレもやっとかなイカンに!」と言っている方もいるのではと想像しています。

窯の情報の希薄さが、陶芸人口の減少に多少は影響していないでしょうか?

そんなことはない?

でも気になる。

未だに焚き方についても都市伝説みたいな話が飛び交っているようです。

勝手なことを言うのはまぁ勝手ですが、聞く方はソイツが窯焚き出来るか確認しましょう。

むかしの窯焚きでの笑い話ですが、こんなことがありました。

初めての若いのを先輩が応援に呼んだので、その若いのに「何回ぐらい薪窯の焼成関わったことあるんだ?」と別の人が聞いたんです。
それは彼の焼成経験を知り、何を教えるべきなのか、何をしてもらうのかを現場として把握したかったからです。別にゼロでもいいんです。経験者のクソ野郎よりも、未経験で素直な子の方がマシだからです(あれ?ブーメラン?)

その若いのは4回だと答えました。

ほう、なかなか経験しているじゃないのと思ったら、学生のときに見学したのが2回、どこかの窯場で1回薪を投入したことがある、で?あとの1回は?と聞くと。

「子供のときに親に連れていってもらってどこぞの窯場で見ました。」とのこと。

「あのね、そういうのは何一つ経験じゃないから」

あんなに冷ややかなシ◯ラさん、初めて見たっけなぁ(笑)。

自分が窯が焚けるから、焚けない業者をチクチクしているわけではありません。
わたしは基本的なことしか知らないし出来ません。でも、窯を取り扱うということを別なことに置き換えれば理解していただけると思います。

蕎麦アレルギーのそば打ち名人はあり?
免許がないディーラー営業マンはあり?
パソコンを販売しているけどタイピングできないとかは?
窯を販売しているけれど点火から消火まで窯焚きの体験がないのはどう?

百貨店の催事担当者でも、陶芸展担当になったから、と初めてのロクロを購入して回す人もいるんですよ。

窯を売るなら焚けるのは当然だと思いませんか?



中古の窯でも、もう絶対使えないようなものを流通させていたり、使える気になっていたり、電気炉以外自分ひとりで焼成した経験もないのに窯の選び方を発信したり、コントロールできない窯でデタラメに燃料を消費したり、壊れたバイクのレストア気分で窯をどうこうしようとか、これまで他の方の発信には呆れて物が言えなかったり、考えさせられたりしました。

情報に飢えている人はそんなものでも信じてしまいます。

そもそもアナタの修行先が本当に正しい作業をしていたのか、誰が判断できるのでしょうか。
師匠も弟子も全員圧力計をたたいてるっていいんですか。よくそこから外へ眼を向けたなと関心もするけれども、逆にそのままでいつづけたらと考えると怖いです。

電動ロクロの作陶動画なら、微笑ましい気持ちで観ることもできますが、誤った窯の販売や設置、情報発信は下手をすると人が死にます。

だからこれぐらいは出してもいいかと考えて発信することにしました。




参考になれば幸いですし、ご意見などありましたらお聞かせください。




posted by inoueseiji at 09:17 | TrackBack(0) | イノウエセイジの頭の中
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