2023年05月08日

タダで教えてあげます


ネガティブなネタはいつも怒られますが、ブログは好きに書かせてもらう場所なんで笑。


タダで教えるから手伝えとか、場所を提供するから手伝えとか、見て盗めとか、相手の都合の良い言葉に騙されないようにしてください、という話。

自分も若いときにそれで失敗したし、また現在のふくおか陶芸窯の仕事においても、稀に似たような話の連絡があることがあり、一応ここで注意喚起しておきたい。

以前あった連絡は、身体が弱った主人の仕事場を誰かに使ってもらいたい、という隣の県の奥様からのもの。時期とどっち隣かは伏せておきます。

そこは山の中で、立派な作業場もあるし、薪窯もある、ログハウスだし、主人はすごい作家なのよ、という。それを使わせてくれるらしい。

しかし、世の中にそんなウマい話はないわけで。

じゃあタダで好きなようにさせてもらってもいいんですか?と聞くと、窯詰めや窯焚きを手伝ってくれる人なら、ちょっぴり好きなことをやらせてあげる、みたいなニュアンスに変化。でも窯の焚き方も教えることができるから、とも言われた。

へぇこのわたくしに教えてくださるんですかねぇ。

さらに突っ込んで聞いていけば、できればこの物件買ってくれる人いないかな、みたいなことにもなってきた。

住所からすればそんな山の中になんの不動産価値もないし、事実そこをツッコんで聞けば不動産屋からはロクな対応をされなかったということだった。

ほぼ価値がない山中だから若いときに買えたんだということを想像しましょうね。
窯付き別荘売りますも同じようなモノが多いと思うよ。



じゃあ仮に私が買ってもいいとして、

壁をピンクに塗ってもいいですか?

ハーレー軍団のアジトにしてもいいですか?

と聞くと(ホントに聞いた)奥様は絶句。



そういう想定は一切せずに、ただ自分の思うような使い方をしてくれる人に、奥様の言い値で購入してほしい、ということだったのだろう。こんな話をふくおか陶芸窯の大切なお客様や友人知人にできるはずもないので、やんわりと説教してお断りした。


こんな話はいくらでもある。


弟子にしてください、と自分が頭を下げたとしても多少の金額をいただけることもあるものだと思う(払うというシステムもある)
それを相手から教えてやるから手伝えというのは、急に電話してきてネットワークビジネスを勧誘するヤンキーパイセンぐらい虫が良すぎるというものだ。

薪窯の手伝いだって、経験値を上げたいから手伝わせてください、ということであり、それでも食事や交通費程度は出すのが普通だ。中には「昼飯どうするの?」なんて聞いてくる、弟子を警備員とうどん屋にしただけのボンビー准◯授とかもいるが、普通はアゴアシは持つ。

タダで教えてあげるとか、場所を使っていいとか、そういう話に騙された大昔の自分は甘えていたということだ。相手に甘えていた。相手の言葉に甘えていた。だから利用されたということだ。その条件で来る人間はすでに見透かされているということを知っておいてほしい。その相手に悪気が全く無くても(それがほとんど)、すでにその条件が危険すぎるということです。



どんなことでも、本当に良い話はむこうからは来ないと思う。
自分がこの世界のアチコチをつついた結果、棚からぼた餅が落ちてくることはある。
でもそれは決して楽なことではない。やっぱり多少の血と汗は流す必要があるし、落ちたぼた餅のホコリは払う必要がある。



窯や道具だって同じはずだが、某SNSの陶芸関連のところを見ると、ください・頂戴・あげます・コレないですか、ばっかりだ。こうすれば直せるとか、代用できるとかも怪しい情報が多い。

そもそも使い物にならないから使ってくれ、買ってくれとなっているものも一定数あることを想像しましょう。

特に窯に関しては、出している人も、問い合わせている人も、そのモノの状態がわかっていないで転売をしようとしていることが散見される。
中には業者でもわかっていない人がいる。


なぜなら理由は単純でそういう方々は窯を造ってないからだ。
窯造りで血と汗を流していないからだ。


妙な発信に不安にさせられて質問をいただくことが多いですが、

窯ひとつ造ったことない人を信じてるのかな?



陶器市で稼いだ方も多いかと思いますが、その大切なお金を変な中古にツッコまないようにしていただきたいと願うばかりだ。余計なお世話なのは重々承知ですが、ああこの人にちゃんとした窯があればという作家さんを複数知っているオジサンは、世話を焼きたいものなのです。

というわけで今日から通常営業です。


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posted by inoueseiji at 07:31 | イノウエセイジの頭の中

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