この世界には、いろいろなところにラインがあるように思います。
サボテンブラザーズ(Three Amigos)での最後の方のシーン、マーティン・ショート演じるネッドが実弾を込めながら、
「ここにラインを引く。ホンモノの男かネズミ野郎(Men or mice?)をわけるラインだ。」
というシーンは今見るとけっこうグッとくる。
というシーンは今見るとけっこうグッとくる。
あのラインのどっちに自分はいるのかな?

(砂漠での水筒のシーンが一番好き)
一線を越えるといえば。
初めて楽器店で自分のエレキギターを手にしたときとか、生まれて初めてバイトの面接に行ったときとか。子供の時に一人で初めてインスタントラーメンつくったときは、コンロの火が熱かったのを覚えています。
箱根の峠をこえて芳村さんにお会いしたとき、村上金物店とか梶田絵具店に初めて入店したときも、なんとなく覚えている気がします。
では我々のやきもの人生でもっとも重要なラインはなんでしょうか。
初めての電動ロクロも強烈な思い出ですが、やっぱり初めて自分の窯を持ったとき、一人で窯を焚いたときなど、窯にかかわることではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
初めての電動ロクロも強烈な思い出ですが、やっぱり初めて自分の窯を持ったとき、一人で窯を焚いたときなど、窯にかかわることではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
先日、ガス窯の搬入設置の仕事では友人に工事応援に来てもらいましたが、そういうときに私が必ず伝えることがあります。それは「安全第一で。ゆっくりやりましょう。」という言葉です。
お客様にとっては一生忘れないような日になるのです。その際に事故やケガがあってはいけません。たとえばガス窯などは重量物でもあり、高所作業もありますから油断大敵です。それでも何時までに終わらせようなんて段取りを考えがちですので、自分への戒めでもあります。
その感覚でわたしは小型炉の販売も考えています。たしかに自分が造っていませんし、搬入するわけでもありません。しかし感覚は同じなんです。現金を持ってきた人に無理に購入しないようにアドバイスをしたことも、発注される方にサイズダウンを勧めたことも一度二度ではありません。売ればいい、儲ければいい、それがビジネスとして正しいと考えれば、わたしのやっていることはアホ丸出しです。
ネットでアチコチに売りっぱなし、と思われている方もいるかもしれませんが、わたしなりにサポートを続けていますし、続けていく覚悟を持っています。もし自分になにかあったらこのお客様のサポートや補修などはどうするのかも、窯のサイズや設置場所によっては考えることもあります。
いろいろと便利になって、簡単に電気炉も購入できるようになりました。半導体関連の遅延も徐々に落ち着いてきています。
それでもやっぱり情報が少ないし、単純にブランドや炉内寸法、価格で選んでいる方が多いようです。
わたしの感覚からすれば、なんでそれを選んでしまったのとガッカリするようなこともあります。本当にあるんです。
この人にちゃんとした窯があったらなぁと思ったことは何度もあります。特にその人がプロだった場合なおさらです。なぜ一言相談してくれなかったのかとか、なぜもう少し情報を集めなかったのか、とか。
雰囲気楽しんで安く済めばいい、という方ならいいのですが、プロやそれを目指す人が限りある予算から選択した窯が本当にそれでいいの?ということがあるんですよ。
そんなときの答えは簡単で、じゃあお前が言えよってことです。
情報に出会うのも運かもしれませんが、運とかラッキーなんて言葉は、もうちょっとやれることをやってから口にするようにしようと思います。応援なんて言ってますが、この程度しか出来ませんし。
さらに動画はアップしていこうと思います。