2023年05月27日

久しぶりに音声入力してみた

動画発信のコメントで自分で電気炉を修理したいというような問い合わせがあります。
自分で窯のメンテナンスをするにはどうすればいいかという質問ですね。


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(燃やさないようにしましょう)


例えば、ヒーターの補修とか窯の中の亀裂をどうするかとか、そこに何を詰めたらいいですかとか。プロに頼まずに、できれば自分でやりたいということなんでしょうけども、なかなかそれは難しいことかと思います。


そもそもネットで中古を買ってしまってるんだから、そこはある程度諦めというか覚悟が必要じゃないかなと考えるわけですね。


例えばネット購入の中古のものを、ウチとかメーカーに修理に出されたり問い合わせをいただいたとしても、全く状況がわからないわけですよ 。直せるかもしれないけれど責任は持てないという感覚とでもいったらいいのでしょうか。


以前も私が販売した窯が転売されたものの修理に関しての問い合わせがあって、なかなか対応が難しかったということがありました。


その人はネットで購入する時に、この窯の使用頻度は低い、あまり使っていない、ということが書いてあったので購入されたそうですが、購入後わずか数回の使用で機材にトラブルが発生したんだと。そしてネームプレートにあったふくおか陶芸窯に連絡してきたわけです。


ところが、そのトラブルはですね、これまで私の仕事の中では起きなかったことなんですよ。それでこちらに保証期間とかではないのか、みたいなことを言われたんですがそれは販売した相手に対してはあるかと思うんですけども、それを転売されて購入した人へ 保証する理由はないですね。


最初に購入した人が どんな使い方をしたのかもわからないですし、どのような発送方法を用いたのかもわかりません。こちらでは何も分からないわけですよ。つまり、
そのトラブルの原因は特定できないんです。一つだけはっきりと言えることは、その機材トラブルはメーカーと私のせいではないということですよ。 


ネットで中古を購入するリスクを選んだその人の責任です。


 確かに現行の機種であれば修理は可能です。メーカーも対応します。ただ一度中古市場に出たものは全く把握できていないわけですから、それなりの点検と補修費用がかかるということですよね。

そうやって修理してみたら合計金額が新品を超えてしまった、最初から新品を買えばよかった、なんて後悔してももう遅い。そのリスクを自分が選んだんです。そういう風に考えないと、知りませんでしたでは済まないことです。


こういう話はですね、今まで何回も ブログとか動画でしてるんです。調べれば中古購入はあぶないよという情報はあるんですよ。わたしは知らなかったとは言えないんです。それが個人売買というものです。


ましては 陶芸の窯なんて簡単に処分したり転売したりするのも難しいものだと思うんですね。100Vの家庭用の電気炉ならばまだ個人であったり、宅急便業者が運搬したりすることもできると思うんですが、これがまあ 数百キロから1 トン 2 トン というような重さの大きな窯になってくると、間違って選択をした人がその間違いを取り返すには相当苦労します。


ネットで中古を探すなら、そういうことを自分で理解して買うしかないんです。本当にそれはお得な買い物なのか、家電や パソコンや車やギターを中古で買うのとはあまりにも違いすぎる。情報がなさすぎる、それを理解しておかないといけないですね。はっきり言って個人売買や築炉経験の無い業者の中古窯は全くおすすめしないです。

例えば私だったらですね、ネットの中古の窯を見ても、これなら大丈夫かなとか、このメーカーならここを変えれば問題ないな、とかわかるわけですが、それでもかなりリスクがあると考えています。


 時々引き取りの仕事とか、委託販売とかですね、そういう話もありますけれども、相手の状況や、その人がプロだったのかアマチュアだったのか、現場の様子を見てあこんな使い方をしていたんだな、とかわかっていないと無理ですね。


ただ単にネットで写真だけでっていうのはかなり危ないなと思いますね。実際問題ロクロ とかそういうものを購入したことは 過去にありますが、陶芸窯で自分が目利きをして、これは大丈夫そうだなと思ったものがいくつかありましたが、手を出したことはないですね。


 例えばどんな 窯でも初めて使用する際には空焚きや、ガス窯であれば炙りですね、窯の中の水分を飛ばすためにそういった炙りをする必要があるわけですけれども、中古であればその窯がそれをちゃんと行っているのかどうか分かりませんよね。販売業者から想像できる場合もあるでしょうけれど。


 電気炉であればヒーター線の酸化被膜をつけるために、これも一番初めに空焚きを行う必要があります。しかしそれをやったかどうかは中古のヒーター 線を見てもわからないんですよ。やったかどうか やったかどうかわからないのに、本焼きは何回しかしていませんって書いてあってもですね。本当に残りの寿命が適正にカウントできるかどうか分かりませんよ。


 そしてそれでもいいと思えるような金額であればいいですが、そうじゃないことが多いんじゃないでしょうか。そもそもその窯の新品の価格や中古の相場、補修内容とその材料費や部品代などの目安が見た時にパッと浮かんでこないんだったらやめた方がいいです。ただのくじ引きになってしまいます。ほぼ外ればかりです。ヤフオクやメルカリはいらないものを出品する場所じゃないんですかね。処分費用がかかるから出しているとかね。


それからこれも何度も 記事にしたり、動画でも話してるんですが七宝焼きの電気炉は陶芸では使えません。改造もできません。数万円で購入した七宝焼きの電気炉にいくらかけたとしても、陶芸窯にはなりませんから。いやワタシは焼けましたという人がたまにいるんですけども、だったら好きにやっていただいてこちらに問い合わせや 質問してくれないようにして欲しいです。


それにしても音声入力の精度がやっぱり上がってますね。これからもたまにやっていきます。


posted by inoueseiji at 06:11 | イノウエセイジの頭の中

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