釉薬をかける方法を調べている方は以外と多いようですね。
先日、生涯学習センターの本焼きの窯詰めをしました。窯詰めの日に釉掛けする人が多いのですが、掛けわけの方法などを相談されて、その方の作品には、はけ塗りを提案しました。
はけ塗りの方法は後述しますが、みなさんは、釉薬を掛けるときに、どの方法をとられていますか?
釉薬というと、バケツや甕に入っていて、攪拌して器を釉液に浸す、という方法を思い浮かべられる方が多いのではないでしょうか。それしか経験のない方も多いかもしれません。
しかし、実は浸し掛けというのは、本来、それほど一般的な方法ではないと思います。
まず、湯のみひとつを釉掛けするにも、ある一定の量の釉液が必要になってしまいます。
プロでも、20リットルの釉薬を使い切るにはそれなりの量と期間を要しますので、アマチュアの方で、買った釉薬がいまいち気に入らない、というとき、残りの釉薬をどうするかと、悩むのは、かなりのストレスだろうと想像します。
それに、浸し掛け、またそれに付随する柄杓掛けには、どうしてもテクニックが必要で、なかなか一朝一夕には習得できません。
ほかにも釉掛けの方法には、スプレーや霧吹きをつかったり、また、CMCなどを器の表面に塗って、粉を振り掛けるという方法もあります。ほかにも、窯のなかで蒸着させるなど、方法はいろいろあります。
はけ塗りの方法ですが、少し濃い目に調整した釉薬にCMCをおよそ2割ほど混ぜて(濃度は試験してくださ)、たれる雫が糸を引くぐらいが目安でしょうか。
あとはムラにならないように塗ります。それでも、どうしてもムラがでますが、手作りの器に自然なムラが出て、下手な柄杓掛けよりも雰囲気が整っているとわたしは思いますが、どうでしょう。
はけ塗りもある程度慣れが必要ですが、少量の釉薬でできます。わたしが以前、一窯分の器(0.4m3の窯)を、はけ塗りで釉掛けしたときは、多分、2リッターも使ってなかったと思います。
ペットボトルに作っていた釉薬でしたが、以外と使わないものだな、とおどろきました。また、沈殿した釉を攪拌するのも、ペットボトルを振ればいいので楽です。
陶芸家の仕事場にいくと、釉薬を入れたバケツや甕が庭にたくさん並べてあるという光景を見るかもしれませんが(まぁうちもそうですが)、それ以外にもやり方はたくさんあります。
かつてわたしも、そういう「陶芸家らしい仕事場」に夢と憧れを持ったこともありました。ですから、アマチュアの方がそういう方式をまねしたり、思い込んだりするのもわかります。
ですが、たまには、こうでなければならない、という呪縛を解いて、プロを驚かせてみませんか。
これまでの記事も参考にしてください。
http://inoueseiji.sblo.jp/category/517045-1.html
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わたしもいろいろと試行錯誤しています。でもそれも楽しいですよね。
これからもよろしくお願いします。