今年、いくつか不確定な話があるのですが、その中で地元の学校に出向いて出前授業みたいな話があります。
自治体や周辺団体のいろいろな調整が必要なことのようで、まったく確定ではないのですが、話だけはいろいろと伺いました。
アラフォーなどと呼ばれるわたしの世代ではありえないことですが、いまの中学校は美術、という時間はないそうですね。あるけれど、毎週ではないようなお話でした。
わたしたちの小学生時代は、70年代後半から80年代でしたが、毎週美術や音楽があったものでした。ゆとり教育のせいなのかもしれませんが、いまは土曜日も休みだし、授業時間はまったく足りないのでしょうね。
さて、そのお話ですが、昨年は版画家の方が出向いて、木版画をしたそうです。ところが、もうみんな指を切る切る。大変でした、という担当者のお話でした。
つまり、ほとんどの子が彫刻刀、また刃物を使い慣れていないということでしょう。小学校でやらないのでしょうか。
また、絵を描く機会も、当然わたしたちの世代よりも少ないので、学校側からは版画よりも前に、ものの見方を教えなければならない、という反省が多かったそうです。
じっと友人の顔をみて、わたしたちは「ともだちの顔」みたいな課題で、中学校ぐらいまで絵を描いてきましたよね。ところがもう今ではそういうことが少なくなったからか、中学生でも、ものすごく平面的な絵を描くのだそうです。そして、たまに上手い子がいるな、と思ったら、漫画になっているのだそうです。
当時としては、ちょっと二流の美大にいっていたわたしでも、それなりに対象に向き合ってデッサンをしてきました。レベルはとても低かったかもしれませんが、十代のころにそういう時間をもてたのは幸せでした。
美術を志すことがなくても、わたしたちの世代は高校まで美術がありました。ゆとり教育で削ったところは、そういう部分なのです。
ものを見て、3次元を2次元に置き換える訓練もされず、包丁や彫刻刀で刃物の恐ろしさも知ることがない世代になってきて、簡単に人を刺せるようなったのでしょうか。そんな風には考えたくありませんね。
若くてもしっかりした考えやスタンスの友人もいます。
しかし、子供たちが、刃物の先が身体に入ることも想像できなくなったら、とてもモノづくりなどできないでしょう。
また、いまの子供は火をおこすこともほとんどないでしょうね。
こんなことはこれまでなかったことでしょうから、画家も陶芸家も版画家も、何かニュアンスが変わって認知されるようになってきているのではないでしょうか。
・・・今日、久しぶりに鉛筆を削りました。
まだ10歳にもならないわたしの子供も鉛筆はナイフで削れます。
あなたは最近、いつナイフで鉛筆を削りましたか?
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