2009年03月05日

さまざまな濃度で焼成実験


長石と灰の調合から、いろいろなバリエーションができるという話を以前しました。
それでは今回はというと、濃度によるバリエーションについてです。

5、6年前からはじめた釉薬の勉強ですが、自分が勉強したことをノートに記録しつづけてきました。

初めて焼成試験したのは2成分で、次に実験したのは、それぞれに酸化金属を入れることでした。陶試紅や弁柄などです。

また、濃度によるマチエールの比較をしました。ある調合の釉薬を、濃度を変えながら釉掛けして、その違いを確認するのです。これは非常に意義深い実験でした。




ためしにそのときのノートを写してみますね。

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「比重の違いによるテスト」

■土 本業土 赤 (瀬戸の代表的な粘土です)

■釉 長石 75 灰 25
   高さ3センチほどの小さな湯のみ状のテストピース(弁柄とゴスで絵付
   けする)に同じ方法でずぶ掛け。

■窯 電気炉 SK7(1230℃) OF(酸化焼成)


◆60(濃度)

気孔のような微細なぶつぶつが釉面にある。鉄絵は流れるギリギリ。
描いた線や絵のシャープさがない。SK7では使えない。

◆50

気孔なし。貫入あり。
釉がたまった部分の線が流れ気味。50〜60では鉄絵がはっきりしない。
いかにも透明釉をかけました、という感じの濃度。

◆40

たぶんうすい。貫入はない。砂気がある土なので、渋い感じ。
鉄絵ははっきりしている。ほどよい。

◆30

かなりうすい。水はしっかりはじいている。
鉄絵は描いたそのまま、という感じ。筆のかえしの微細なはねの線もそのまま。

◆20

かかっているかどうか、パッと見にはわからないぐらい。
水をはじいた、と思ったらすぐに素地にすわれてしまった。
食器にはとても無理。土をかえるか。


◆感想 濃度によって雰囲気がまるで違う。土味が薄いほど顕著にでる。


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・・・という感じです。

いま読み返すと突っ込みどころ満載ですが、当時本当に一生懸命でした。
勉強し始めたころのことを思い出しますね。たしかこれ、風呂場で釉掛けしたんだと思います。なつかしいなあ。



同じ釉薬でも、濃度を変化させると、まったく違います。特に鉄分を多く含んだ赤土などは、さまざまな表情を見せてくれると思います。




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posted by inoueseiji at 10:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 釉薬に関すること
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