長石と灰の調合から、いろいろなバリエーションができるという話を以前しました。
それでは今回はというと、濃度によるバリエーションについてです。
5、6年前からはじめた釉薬の勉強ですが、自分が勉強したことをノートに記録しつづけてきました。
初めて焼成試験したのは2成分で、次に実験したのは、それぞれに酸化金属を入れることでした。陶試紅や弁柄などです。
また、濃度によるマチエールの比較をしました。ある調合の釉薬を、濃度を変えながら釉掛けして、その違いを確認するのです。これは非常に意義深い実験でした。
ためしにそのときのノートを写してみますね。
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「比重の違いによるテスト」
■土 本業土 赤 (瀬戸の代表的な粘土です)
■釉 長石 75 灰 25
高さ3センチほどの小さな湯のみ状のテストピース(弁柄とゴスで絵付
けする)に同じ方法でずぶ掛け。
■窯 電気炉 SK7(1230℃) OF(酸化焼成)
◆60(濃度)
気孔のような微細なぶつぶつが釉面にある。鉄絵は流れるギリギリ。
描いた線や絵のシャープさがない。SK7では使えない。
◆50
気孔なし。貫入あり。
釉がたまった部分の線が流れ気味。50〜60では鉄絵がはっきりしない。
いかにも透明釉をかけました、という感じの濃度。
◆40
たぶんうすい。貫入はない。砂気がある土なので、渋い感じ。
鉄絵ははっきりしている。ほどよい。
◆30
かなりうすい。水はしっかりはじいている。
鉄絵は描いたそのまま、という感じ。筆のかえしの微細なはねの線もそのまま。
◆20
かかっているかどうか、パッと見にはわからないぐらい。
水をはじいた、と思ったらすぐに素地にすわれてしまった。
食器にはとても無理。土をかえるか。
◆感想 濃度によって雰囲気がまるで違う。土味が薄いほど顕著にでる。
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・・・という感じです。
いま読み返すと突っ込みどころ満載ですが、当時本当に一生懸命でした。
勉強し始めたころのことを思い出しますね。たしかこれ、風呂場で釉掛けしたんだと思います。なつかしいなあ。
同じ釉薬でも、濃度を変化させると、まったく違います。特に鉄分を多く含んだ赤土などは、さまざまな表情を見せてくれると思います。
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