2009年12月13日

下絵付け


顔料を使用する下絵付けのことを書いてみます。

わたしの講座の受講生の方が、よくチューブ入りの陶磁器用絵具を買っていましたが、このごろは、顔料から直接描くような人も増えてきました。

顔料の取り扱い、意外と文章にされていないと思い取り上げてみます。

わたしは弁柄以外はそれほど使用していないので、あまり具体的に役に立つようなことは書けませんが、講座などで常々感じることを紹介しますね。

顔料について、よくある誤解ですが、摺れば摺るほどいい色になる、というものがあります。おそらく赤絵の絵具を自分で作ったりしていた時代の名残だろうと思います。

しかし、現在売られている顔料をさらに摺る必要というのは、あまりないと思います。現在流通しているものは、製品として、非常にレベルの高いものが多いのです。
(顔料などを製造している会社の社名は、何々化学、などという所が多く、わたしたちが考える以上の技術とノウハウで製造しています。)

ゴスや弁柄などは、それよりもよく混ぜるというか、大きな粒子が残らないように溶く、という感じだと思います。

陶芸教室で焼かれたものによく見受けられるのは、顔料の上で釉薬が飛んでいるものです。つまり、部分的に顔料の上の釉薬がはじいているものですね。

これは、顔料が濃すぎます。

顔料使用の濃度は、それぞれさまざまですが、ゴスの主成分であるコバルトを含んでいる青系のものや、クロムも含む緑系の顔料で、よく釉飛びを見受けるような気がします。これらの金属は強いからでしょうね。

また、顔料を溶くときに、透明釉を入れたほうが釉薬とのなじみがよくなります。当然、CMCなどを入れて運筆を調節したほうがいいですね。

いつもこういう絵付けをしている嫁に、透明釉をどれぐらい入れるのか聞きましたが、「適当」と言われてしまいました。わたしの感覚では、およそ1〜2割ぐらいは最低でも入れたほうがいいと思います。顔料によってはもっと入れてもいいでしょう。

逆に考えれば、透明釉に顔料を外割りで10%も入れれば、その顔料の色釉になるわけですから、かなり入れてもいいかもしれませんね。テスト焼成あるのみです。

どうも、塗ればその色が簡単に出る、というイメージが先行しすぎて、陶芸を勉強する人やプロでも、失敗をついつい絵具のせいにする人がいます。

その気持ちは痛いほどわかります。
わたしだって数えきれないぐらいそう思いたくなることがありました。

しかし、われわれの作陶とは、とても比べ物にならないぐらいの原料や工程の管理
をして、下絵や上絵の顔料は製造されています。

まちがっても絵具のせいにして恥をかかないようにしてくださいね。
以前、某絵具屋さんにお世話になっているときに、月に一人ぐらい絵具がおかしいといってくる人がいました。料理を失敗して、醤油がおかしい、とスーパーにくる感じですかねぇ。

トンでもない失敗をするかしないかが、プロとアマ、初級と上級を分かつのかもしれません。

・・・と思い直して、また作ればいいのです。(作り直し中)






★ネット陶芸講座の受講生も募集中です。 
http://www.knowledge.ne.jp/lec1535.html

ランキングに参加しています。
↓↓↓ ほかにもたくさんの美術・陶芸ブログがありますよ。

にほんブログ村 美術ブログへ       にほんブログ村 美術ブログ 陶芸へ
posted by inoueseiji at 13:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 作陶に関すること
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/34168062
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック

あなたのクリックでオジサン泣いちゃいます→ にほんブログ村 美術ブログ 陶芸へ