2021年01月21日

陶芸のテスト問題2

いつも1月は思わず転職を考えるほど暇だったりします。
それでこの冬の時期を制作にあてて展示会を開催していましたが、本年度は中止。

これは困ったと思っていましたが、意外と忙しくブログを書くゆとりもないほどでした。
非常事態宣言下、電子ピアノや安いギターなんかもバカ売れらしいですが、多少は小型炉も動くのでしょうか。

わたしとしては常に最悪の事態を想定していましたが、それ以上の事態にもなりそうな気もいたします。前向きに考えればこれまでのルーティンが壊れて、あらたな技術習得や楽しみを見つける人が増えていくことでしょう。

それでも恐らくは3月の福岡のフェアも中止になるという気がしますし、5月の連休前後のイベントも怪しいと思っているイノウエです。

そこへ向けての対策も考えていきましょう。


講座では正月気分を吹っ飛ばすテストを開催しましたよ。
よかったらやってみてください。






 やきもの講座 確認テスト 2


氏名:       




1:陶土を1250℃で焼成すると焼成前よりも収縮する。その理由を答えなさい。







2:成形後の粘土の乾燥による収縮の理由を答えなさい。







3:焼成後の釉表面に発生する細かいヒビをなんと呼ぶか答えなさい。







4:前の問いで答えたヒビがが発生するメカニズムと、発生しない場合の例をあげなさい。






5:焼成温度を決定する根拠は何か。素焼き・本焼きともに答えなさい。 









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2021年01月11日

非常事態宣言の影響は陶芸界にもあるらしい



成人式ですが非常事態宣言が出ていないコチラでは対策をして開催するようです。

この非常事態宣言ですが、窯業界にも多少影響はあるようです。
もちろん陶芸界にも多大な影響があり、様々なイベントが中止になったりしてきましたし、個展をキャンセルした方も多かったでしょう。いよいよ窯の方にもなにがしかの影響が出てきそうな気配です。

一部機材の材料などに関わるメーカーさんの工場が関東地方にあるようで、この非常事態宣言で材料の供給や稼働率が下がるために今後の納期が伸びる恐れがあるとかないとか。

まぁ当然といえば当然ですね。


わたしもなるべくお客様に影響しないように対策をこうじてはいますが、この先は全く予測不可能だと考えています。

ただ一つ言えるのは、自宅で積極的に作陶する方は確実に増えていくということ。

ですからYou Tubeで作陶方法を発信している方々や、わたしのような仕事のあり方、ネットで販売するだけでなくノウハウも伝えている専門店(ねんどやさん以外のナントカ.comは含まず)の役割は大きいと考えます。

作陶方法はそもそも陶芸教室などで経験のある方が多いでしょう。さらにYou Tubeで他の方の作り方からヒントを得るのも有益です。またたくさんの人が発信しているわけですから、疑問点を発信者以外に尋ねてもいいわけです。

つまりわたしの動画で疑問に思ったことを、別のAさんに質問してみると解決したり、Aさんの動画で疑問に思ったことを別のBさんに聞くことで間違いに気づいたり、自分の勘違いを修正したり出来る。そもそも動画で観たことをリアルの先生や准教授に聞いてもいい。

これはすごいことですよね。

窯については、やはり昨年は小型炉の動きが平年よりもあったような気がいたします。またこれを機に自宅に窯を設置しようと決心した方も多かったですね。

それを後押ししたのはたくさんの方の発信です。
作陶のバリエーションを知り、細かな技術をいくつも比較でき、ネットでも窯や材料が購入できるようになり、サポートを受けることもできるようになったのですから。

今年は自宅陶芸を軸に発信することが増えるかと思います。
10年以上前にマンションの6畳とバルコニーが使えるというモデルを設定して、様々な発信をしてきてよかったと思います。

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先日もとある大学院生から動画の使用許可を求めるご連絡をいただきました。どんどん使ってほしいと思います。また問い合わせについても、いくらなの?というザックリしたものから、こういう場所に設置したいけれど、というような具体的な質問が増えてきたように感じています。

動画で紹介している100Vの電気炉はKCシリーズで、実は200Vのモデルもあります。当然サイズは大きくなりますし、電源が安定するので昇温への不安もなくなります。

そしてそもそもKCシリーズは家庭での使用を想定しています。よければコチラの動画を参照にしてみてください。








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2021年01月09日

偉そうに水簸の話をしてみる

え〜九州は南国ではありません。
西国です。

今日の福岡県。

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たまにはこれぐらい積もったりもするのです。
スキー場も熊本とかあちこちにありますよ。
駅前にソテツとか植えるから誤解があるのよね。

昨日今日で九州自動車道はじめあちこち通行止めです。
雪に弱いが台風に強いのが九州人ですね。


さて。

相変わらず窯跡や窯の話は不人気ですが年末案内していただいた小代焼の窯跡にはロクロピットも水簸場も残されていました。


多くの方は水簸という言葉に馴染みが薄いかと思いますので、今日はかんたんに水簸のお話を書いておきます。

水簸は「すいひ」と読みます。
水のフルイということです。

まずゴタゴタ言わずに誰にでも理解できる例え話をしてみましょう。

学校のグラウンドに水溜りができていたら、そこは雨上がりにぬかるみになりますよね。
別にお庭でも舗装されていない駐車場でも、忍び込んだ採掘場でもいいです。

晴れた日のグランドの地表は乾いて同じような状態でした。
なぜその同じ場所が水溜りの所だけぬかるんでしまうのでしょうか。

それは水溜りと雨のせいで自然に水簸と同じ状態ができて、一番細かい粒子が一番上になってしまい、そこを不用意に踏んでズルっとなってしまったから、です。

よく乾いた土を水の中にブチこんで撹拌すると、粒子レベルでバラバラになります。
そうなると、粒の大きな重いものから先に沈んでいきます。つまり砂利や石が先に沈み、細かな土がいつまでも水中を浮遊している状態になり、その泥水の中の土も、粒の大きなものから順に沈んで行きます。

水簸はそれを利用した方法です。

窯元や採土しているような作家さんの仕事場、たとえば九州では小鹿田焼の里にそうした水簸のための水槽などをみることができます。


唐臼で細かく粉砕した原土を水槽に入れて撹拌し、それを次の水槽へ移していくことで徐々に粒子は細かくなります。
これは沈殿していない泥水だけを次の槽に移すことで、沈殿していない細かな土だけを得ることができるわけですね。
移す時にもフルイを通しておけば不要にゴミや大きな粒子が混ざることを防げます。

学校なんかではストークスの法則なんてものを習ったりもしますが、そんな計算をしている人に出会ったことはありません(笑)。
それよりも水溜りを思い出していただければよいと思います。

とことん細かな粒子を得ることも可能ですし、ある程度の石とゴミ(ゴミは浮きます)を取れればいいということであれば、ポリバケツ一つでも可能です。

粘土生産の現場、製土工場などはそれをもっと大規模に効率よく行っていて、もっと様々な工夫や機材を使用しているわけですし、脱鉄も行う必要もあるでしょう。

水簸の工程は土に対して水の量が過剰なまでに多いとも言えます。求める大きさの粒子が揃ったら、次にその水を抜かなければなりません。沈殿させて上水を除去し、さらにフィルタープレスなどを使用して脱水し土練機を通して含水率20〜23%程度の陶土にしていかなければなりません。

どの工程であっても土と水のコントロールがついてまわるのが陶芸、やきものの仕事です。

さて、動画で紹介させて頂いた窯跡に水簸場はやっぱり川のそばにありました。
やきものの仕事、いや昔からモノ作りの現場は川の近くというのが多いのかもしれませんね。

そんな視点で窯跡や陶産地を訪れれば、これまでと違う発見や視点を持てるのではないでしょうか。


(川の側にありますよ〜)










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2021年01月07日

講座もスタート

今日から生涯学習センターの講座もスタートです。
まだ松の内ですが、正月気分は終了ですね。

先日もYouTubeの投稿でお知らせしましたが、人によってお問い合わせのメールが届かない場合があるようです。
直接お電話を頂いたお客様より判明し、ホームページ制作会社の方にも問い合わせました。

それによって判明したのは、メールのトラブルは様々なOSやスマホ、携帯が混在し、それぞれのアプリやシステムの新旧やバージョンの相違で常にどの業界でも起こっているそうです。

ネットが便利なのは間違いないのですが、未だに古いウィンドウズのオペレーティングシステムを使用している人もいるでしょうし、アドレスがいろいろなところを経由していたり、リナックスのアップグレードをしていないとか、様々な方がいるでしょう。
そうなると意外とアナログの確実性というのも重要で、電話やファックスも併用していくことも必要ですね。

ご迷惑をおかけしたお客様にはすぐに資料を発送しました。
またホームページにも注意書きを追記しております。

ヘッポコなのは相変わらずですが、どうか本年もよろしくお願いいたします。

雪が降ったら大喜びの九州人です。

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2021年01月02日

明けましておめでとうございます。


今年初の宿酔いと戦いつつ、ご挨拶を。
どうか皆様本年もよろしくお願いいたします。

親類の集まりもなく、年末年始も陶芸三昧という方からのご連絡もいくつかいただきました。
今年も楽しくさらに進んだ作陶を続けてくださいませ。応援しております。

さて。

ちょっと正月っぽいネタを。

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これは恥ずかしながらウチのお雑煮です。
博多雑煮ですから具沢山なんですよ。

絶対入っているのはブリ。これがうまい。
なんで入っているかというと、「良か嫁ぶり」という意味があるそうです(母親説)。
実際に結婚すると嫁の実家にブリを送る風習があったりもします。

でも多分それは母親説で、ブリが出世魚だからというのが本当のところでしょう。

出汁はアゴ出汁。
アゴとはトビウオのことです。
焼アゴの出汁は高級なのです。

それから鶏肉(カシワ)、しいたけ、かつお菜、かまぼこ、里芋、ごぼう、薄く切った大根(器の底に敷き餅がくっつなないように)、あとは各家庭でいろいろです。

餅は丸餅です。

そうそう、むかし初めて愛知県だか多治見だったかで餅つきに参加した際、丸めずに包丁で切り出しているのを見てびっくりした覚えがあります。
さらに雑煮を頂いた時にも「え、具こんだけ?」と言ってしまい顰蹙を買った記憶があります(笑)。

あれからもう何十年も経つわけで、いろいろな地域文化があるんだなぁ、と訪ねた土地を思い出します。やきものもたくさんの産地があり、それぞれに文化や技術の継承がありますよね。本年も多少はその世界の役に立てるように頑張っていく所存です。

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それからコチラはとあるお客様から数年前に頂いた器文様の帯。
お正月にすることが多いです。というかすっかり正月以外にキモノを着る機会はないですねぇ。



とりあえずは家でノンビリと過ごしております。


今年はどんな一年になることでしょう。

もう少し寒い時期がつづきます。
どうか皆様ご自愛ください。


本年もよろしくお願いいたします。




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2020年12月31日

本年もお世話になりました。

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今年はダメかなと思っておりましたが、自宅陶芸をする方からの発注やお問い合わせをいくつもいただくことができました。
また出張や工事などでも多くの方々に出会い、良き刺激を多くいただくこともできました。
顧客の皆様やこのブログを見てくださっている方も少しづつ増えた一年でもありました。
あらためて御礼申し上げます。

またネットでは、梶田絵具店の梶田さんの動画発信がスタートし、村上金物店さんの通販サイト開設など、ある意味コロナのお陰のようなこともあった気がいたします。

本当にみなさん今年一年お疲れ様でした。そしてありがとうございます。


全国的に寒波が厳しいようですが、どうか皆様健やかなる新年をお迎えください。



ふくおか陶芸窯

井上誠司
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2020年12月21日

陶芸を始める時に必要な道具


今日親類が陶芸を習い始めたという知人を連れてきてくれて、陶芸窯についての説明や世間話をしたのですが。

その方はすでに中古の七宝用の電気炉を購入しており…。
すぐに素焼きしかできないと気づかれたようですが。
(まぁ厳密には素焼きもできないわけですが。)


写真を始める時にカメラを購入しなければならないように、当然陶芸を始めるにも必要な道具というものがあるわけで、そこのところを書いてみます。

わたしの発信ですから「まず窯を手に入れよう!」と普通はなるわけなんですが。 

とはいえ、陶芸を習い始めたばかりの人が、小さな家庭用だとしても、いきなり陶芸用の窯を購入する、ということはいろいろな面で難しいことが多いわけですよ。

じゃあ、「まずは中古でもいいから電動ロクロを購入しよう!」と思うのは自然な考えで、それを否定することも難しく、実際にわたしも築炉メーカー時代に、知り合いのツテで中古の電動ロクロを窯より先に入手したくちです。

しかし。わたしもそうだったからといって、間違っても電動ロクロを先に購入してはいけないのです。

残念ながら、叔父の知人も中古の電動ロクロをも購入しているそうで、ああ、ちょっと遅かったなぁと話をしながら思った次第です。

多くの書籍でも指摘されているように先に電動ろくろを購入すると後悔することになるんです。
家には電動ロクロしかない状態ですので、ただひたすらロクロを練習するようになります。

当然そうなれば多少はロクロ技術は上がっていくかもしれませんが、作品というよりも、正確には作品予備軍ばかりがたくさんできることになります。

陶芸サークルや陶芸教室では、なかなか自分で焼成する機会を得ることはないわけで、釉薬についてもまったく関われないことのほうが多いようです。今日お会いした方が通われているところもまったく釉薬の施釉は人任せとのことでした。

釉薬の濃度調整や施釉に関われないのであれば残念ですが、そこまで技術や認識のレベルは上がっていきません。

そうなれば、ますます電動ロクロばかりをコツコツと頑張ることになっていき、作品予備軍はどんどん部屋に増えていきます。

ところが。

自分がロクロで作って削って乾燥させたものが、正しく焼き上がるかどうかは焼成するまで確認することができません。

そうして窯での焼成工程が自分自身の実体験として持てないまま、電動ロクロの技術がどんどん偏ったものになっていき、あやまった認識を身につける可能性が非常に高くなっていきます。

理想は焼成を通じたものづくりを経験していくことですが、今回は陶芸を始めたばかりで、当然家に窯は無い、ということで話をすすめてみましょう。

少なくとも乾燥工程の理論と実践、釉薬の管理と施釉、ここだけは身につけていただきたい。
教室などに置いたままではなかなか乾燥を実践的に理解していくことは難しいと思いますから、自宅陶芸はレベルの差こそあれ、行っていただきたいと考えています。


ということで、陶芸を始めた方が用意すべき最初の自宅陶芸の道具としては以下のようなものになるでしょう。

  • 正しい作陶技法について書かれた技法書
  • 筆記用具とノート
  • 乾燥をコントロールするための発泡スチロールの箱
  • 粘土のための丈夫なビニール袋
  • 古新聞
  • 雑巾数枚
  • しっぴき
  • 針とコテ
  • コシゲ板やスケッパー
  • 削るためのカンナ類
  • なめし皮もしくは保水性の高い布
  • 霧吹き
  • スポンジ
  • 作品を載せたりする板
  • 土練りする台か板
  • 重量を計測するはかり
  • 釉薬と保存するためのペットボトル
  • CMCなどのノリ
  • 刷毛や筆類
  • ボウル数個
  • きちんとした手ロクロ


このあたりをスタートの道具とするといいかと思います。

絶対に必要と思われている(誤解されている)電動ロクロや撥水剤ははじめは必要なしとします。

またマーキングのための下絵具があってもいいかもしれません。下絵もしっかりとやってみたいということであれば、鉄やゴスなどはらはじめていきましょう。

これが成り立つのは、教室やサークルが自分で施釉したものを無条件で焼成してくれるということです。それが難しい、無理ということであれば、教室を変えるか、自宅に窯を持つことを考える段階だと言えるかもしれません。

作陶において必要な技術と知識を得るためには、実は電動ロクロは必要ありません。
順番からいえば窯の次です。ここ、お間違えなく。


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2020年12月14日

ロクロ上達!一個挽きの効果


先日も紹介した電動ロクロでの一個挽き。
講座でたくさんの方に挑戦していただきました。

初めての方にはロクロ作陶で、自分がいかに底の厚みを把握していないのかを思い知ることにもなったようです。

230〜250gでやってみようと提案していたので、サイズが小さい人はうまく伸ばせていないということにもなります(笑)。

経験豊富な方も、初心者の方にも自分の技術を把握する指標としてわかりやすいという評価でした。
今後は通常のロクロ挽きと同時に、一個挽きでのロクロも指導していきたいと考えています。

そもそも数キロの粘土をロクロで回すのは量産のためであり、必ずそうしなければならないというものではありません。
備前焼や一部の産地、海外の作家さんの発信などでも一個挽きやそれに類する技法を確認できます。

ぜひチャレンジしてみてください。



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同じ大きさの粘土玉ですが徐々に大きくできるようになってきました。


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コチラはかなりいい感じ。


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芋のお湯割りお願いいたします。


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初めてのチャレンジ。2年目の方。


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ベテランのアクションロクロ!







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2020年12月08日

知らないことを知って思う怖さ


電気炉を取り扱うようになって10年以上になります。

最初は自分の窯や知人の窯を触ってみて、というのがスタートでした。
しかし電気についてあまりにも無知な自分に、これはイカンと思って「第二種電気工事士」の免許を取得しました。

とはいえ、免許を取ったら即GPレーサーにならないのと同様で、本当の努力はここから始まります。

幸いわたしには電気工事士の友人が複数いて、アルバイトや酒席での会話を通じていろいろなことを体験し学習させていただきました。

それでも今年になって、実はアレにはこういう部材を使用していますよ、と電気の世界の専門家から教えていただくことがあり、まだまだ知らないことのなんと多いことかと背筋の伸びる思いでした。

うまく例えることができませんが、強いていうのなら100円ショップのカラビナとガチの登山用のカラビナ、素材も価格も大違いですよね。それを混同していたようなこと。

機能は同じですが、それでなにが怖いかっていうと見た目が一緒ってことなんです。
こうした機能が段違いで見た目が一緒というのは、実はいろいろな世界であると思います。たとえばパッと見の要素が同じとか、同じレベルのものに見えるとか(笑)。

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「ねぇねぇイノウエさん、
ネタとして100ショップのカラビナで降下するんですよね?」

みたいな(そこまで酷くないが)ことがあって、本当に自分の無知を思い知りました。



われわれの世界に置き換えれば「陶器なんて、その辺の土を掘って、ちゃちゃっと焼けばできるんでしょ?」と言われたら、アナタはなんと答えるでしょうか(笑)。

わたし?
そうですねぇ。



「じゃあ、やってみろ!」

って言うかな(笑)。





たとえば電気炉というものの仕組みは非常にシンプルです。
ちなみにガス窯など他の窯の構造も同様にシンプルです。

とはいえ、自分にもまだまだ知らないことがあるし、経験していないことが山のようにある。
わたしも若かりし頃はなんでも自分でやってやるぜ!と思っていましたし、実際にそうなるように努力してきました。

しかし、単純に知っているか知らないかという部分でさえ押さえきれていないのに、一体なにを自分だけで出来るんでしょうか。

いろいろな経験を積み、多少は大人になって、いろいろなことが出来るようになったなと丁度思っていたところに、ぴしゃりと冷や水を浴びることになりました(笑)。

電気関係で相談できる人、共栄電気炉製作所の方々、そういう人たちに「聞くは一時の恥権」をもっと行使していこうと思います。

まぁ例えば日曜大工にしろ、窯の補修にしろ、1,2回なら耐えうるかもしれないというレベルの仕事は誰にでも可能かもしれない。冒険野郎マクガイバー的にそういうことはあるでしょう。

しかし危機を一回抜け出せばもう使わないアポロ13の着陸船じゃなくて、恒久的にプロが業務で使用するものをどうこうする、となると経験のない人の作業や、適当なアドバイスは相当な危険を孕んでいると思います。

もちろん自己責任がお好きな人はいろいろなことを自由にやってみる価値は大いにあると思います。やきものの仕事に置き換えればわかりますよね。なんでも窯で焼いて確認するって泥臭いけれども、最強の経験値でもあります。

技術や知識はそうやっていくしか(痛い目にあうしか)伸ばせない時がありますし、無理やり三歩進んで謙虚に二歩下がるのがイノウエのオススメです。



ディスっている割に100V電気炉を愛用している人にもオススメします。




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2020年12月06日

家に窯もロクロも無いアナタにできること

今年の夏頃、5年以上使用した安物ノートパソコンをようやく買い替えました。

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いまどきのノートパソコンは画面がタッチパネルになっていて、便利なものです。

出張や講座で資料を見せたりするときにスマホの画面のように拡大ができるのは便利。

いや、待てよ。
ということはスタイラスペンにも対応か!とようやく気付き、Amazonで購入。

画面に直接描けるということです。

もちろん、それ専用のタブレット端末も数千円から販売されていますから、普通のパソコンの方でもすぐにできますよ。

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対応するアプリも有名で無料なものがいくつもありますから調べてみてください。
実は今年の春の休校時期にムスメに買い与えていたんです。


とりあえず今回はアルパカってやつを初めてインストールしてみました。
これはそもそもマンガを描くことを想定したアプリ。


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ワタシも使い始めたばかりでよくわかっていません(笑)。


ただ便利だなと思うのは、自分のラフスケッチを…

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変形したり、部分だけ拡大したりして、新たな形が見えることでしょうか。

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徐々に慣れてくれば、もっといろいろなことができるとは思います。

今どきのマンガやイラストはこうやって描いているものがかなり多いというか、ほとんどみたいですよ。

そっちの世界にいた友人が昔、〇〇先生はコピー機と修正液の魔術師だぁ!などといっていましたが、いまはパソコンが一つあればできます。

こんなオジサンが初日から出来ます。

タブレットでも使えるアプリ、スタイラスペンもありますから、調べてみてくださいね。

昔バイクトライアルをやっていた頃、「ウチの周りには練習する場所がなくて〜」とエリートクラスの知人にこぼしたら「本当に何もないですか?」とニヤリとされて目が覚めたことがあります。

山に行かなくても、岩場がなくても、雨が降っても、できる練習はありますよね。


やきものでも、陶芸でもそうだと言わせてください。

うちには電動ロクロがない、窯がない、そんなスペースもありません、なんて方がほとんどでしょう。それでも出来ることはあります。

また、うちにはパソコンはない、このブログもスマホでどうにか見てます、という人だって出来ることは山ほどあります。



自分で限界を設定しないようにお互いに頑張りましょう。


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2020年12月05日

上絵と金彩と鉛を語る前に



はっきり言ってこの動画を観た直後、ぜひ多くの人にこれを観てほしいという強い願いと、あのアホどもは観ないでほしいという嫉妬のような感情が同時に沸き起こりました。

窯についてさんざん発信してきてもやっぱりこの程度の心の貧しさ。
情けないものです(笑)。


過去に楽焼の動画で鉛のことをさんざんコメント欄に書かれました。
残念ながら、そのコメントはもうアカウントを本人が消しているようで消えてしまいました。

どんな内容だったかというと、お前のせいで鉛の入った釉薬をつくるところだった、危ないじゃないか、アホ、死ね、みたいなコメントとその返信のやり取りでした。かなりの回数のやり取りをしました。

わたしの返信を要約すると、なにか動画を観たり、釉薬のレシピを一つ二つ知ったからといって、理解はできない、わたしの発信も一つの動画に昇華するまで10年がかりだったりしているんですよ、だからアナタも「分からない、実感や自信がない」ならば、調べながらゆっくりやればいいですよ、というものでした。

時間をかけろと言って納得される方はまずいません。

おそらくその方も仕事ですでに動き始めたことへの情報を求めてのコメントだったようで、納得はしてくださいませんでした。

発信しているお前に責任がある、ということを何回も書かれました。だから、実践して時間かけて…いや答えをちゃんと伝える責任がある…の繰り返しのようなことになったわけです。


鉛が悪い、怖い、毒だ、それは一部は正しいかもしれないけれど、間違いでもあります。
その間違った認識は無知からきている。無知という言葉がキツイのならば、情報の少なさ、だとも言えます。

ものごとを身に着けるには時間がかかります。
そして自分で実践するしかありません。
答えを聞いても解決はしないのです。

わたしも楽焼きの作品を作った時にはさんざん調べて確認もしました。
レベルは低いですが、何年もかけたのです。

最近の若人は長い動画も観れなくなっているらしいですから、とても専門書なども読めないかもしれませんが、中高年も似たようなものです。時間が惜しくなっているのは全世代共通で、ウソでも断言してたくさん言えばホントになったりするのです。



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例えばE=mc2といわれても我々に宇宙の秘密も、光と時間の不思議さも実感できません。

いきなり答えをくれというのは、それに近い。
この公式を利用する準備はできているのか?



引退された方にそのようなお話をさせていただくと、わたしには時間がありません、もう若くないから、と言われることがあります。


だからポンと答えが欲しいということでしょうか?


だったらその答えはE=mc2になっちゃいます。
(ヤンキーも知っている公式第1位:相対性理論)





88歳でやきもの講座に入って初めて陶芸用粘土に触れ、91歳で自分の窯を持ち、94歳からは自分で灰や土も作っている人がいます。いま96歳です。

時間がないと、この方も言われます。
アナタの真逆の意味で。


まぁ意地悪な話はここまでにしましょう。





この上絵の動画。

まちがいなくこれ以上の授業はないでしょう。

アナタがどんな大学に入っても、専門校に入校しても、窯元に弟子入りしても、ここまでの内容を理路整然と教えていただけることはありません。

ありとあらゆる絵具を溶いて塗って焼いたことがあり、それらの使用現場と製造現場をしっているのは梶田さんぐらい、全国でも2,3人いるかいないかでしょう。



そもそもワタシが梶田さんのところで働いていたときには、ノート数冊に及ぶメモを残しましたが、それでも上絵や金彩等についてこんなに詳しく習いませんでしたから(笑)。



それが証拠です。















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2020年12月04日

ロクロ上達の一つのヒント


今日はロクロ上達のためになるヒントを一つ。

先日講座で数人の方に指導した電動ロクロでの一個挽きです。
重さをキチンと測り、フリーカップのようなものを挽いてみます。
ロクロの天板がまぁGLですから、底の厚みがつかみやすいわけですね。

そして以外と難しいのが230〜250グラムていどの土の芯だしと土殺し。
小さいものができればあとは大きくしていけばいいのですが、小さいものをしっかりと芯だしするのは意外と難しいです。

底の面積があまり大きいと持ち上げられなくなりますから(動画参照)、その場合は亀板を使用するといいでしょう。

確実に230グラムでフリーカップができるようになれば、組み合わせたり継ぎ足したりして、様々な器形を求めることができます。

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土の性格から、常にこのようなロクロ挽きをしている産地もありますし、海外の方の動画でもよくみる技法ですね。

いつでも数キロの土を回す必要は、趣味や量産以外の作陶では実は意外とありません。
わたしは窯詰めの最後にガンガンこの一個挽きをしてフリーカップを作ります。
削らないから仕事が早いんですよね。



(全然芯が出てないなぁ)


↓ くっちゃべってない海外向け(笑)バージョン。





一個挽きしてガス窯で炭化焼成(ちょっと失敗気味)のカップたち。

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2020年12月03日

どうすれば陶芸上手になるかしら?

仕事場を整理しておりましたら、数年前の資料がでてきました。
まぁ指導するわたしの基本的なポリシーのようなものです。

ご参考までに載せておきます。

もっとも、これを守るかどうかは受講生に任せてますけども(笑)。



木曜やきもの講座 


講師 井上誠司


どうすれば技術が上がるのか


  • 必ずノートに記録する

  • 数値化する

  • 週に2回以上の頻度を確保する

  • 各工程のつながりを意識する

  • 目標・課題をもつ

  • 自分の欠点を知り、得意を見つける

  • 理論を固めるために知識を得る


陶芸教室でよく見られる失敗


  • ロクロだけに夢中になる

  • 周りに流される

  • 行き当たりばったり

  • 根拠のない知識や技術のコピー

  • 話を聞かない・都合の良い解釈をする

  • 窯変に期待している

  • 材料や素材への無知と無関心




まどかぴあ生涯学習センターでは、これからやきものを始める方々への基礎講座として、この木曜やきもの講座を開講いたします。工作室には、そのための設備がすべて整っています。生涯学習センターはいわゆるカルチャーセンターではありません。みなさんはお客様ではなく、受講生、つまり生徒です。自ら学ぶ姿勢が必要です。週に一度の学校に通っているという認識でこの一年間、一緒に楽しく学んでいきましょう。


はじめに


どんな勉強でもビジョンを持つことがとても大切だと思います。

やきものの基礎を身につけるということが、生涯学習センターの基礎講座の理念です。具体的には、やきものの制作にどんな工程があるのかを知り、その一つ一つの基本的な知識と技術を記録し、身につけること、になります。実際、やきものの制作にはたくさんの工程があります。その基礎を1年間で修めることはなかなか難しいですから、きちんと記録を取るようにしてください。

後述しますが、やきもの作りは実は簡単です。ただ、そのやり方を正しく伝えるところがほとんどないため、世の中には、妙なイメージだけが先行しており、本当の楽しさを知っている人は少ないのです。この講座で講師はなにも隠さずにすべてお伝えしますので、どんどんと質問し、実践するようにしてください。


「陶芸」と「やきもの」


「陶芸」や「陶芸家」という言葉ができてから、実はまだ百年もたっていません。これらの言葉は現在では当たり前に使用されていますが、とても新しい言葉なのです。

みなさんは「陶芸」と聞いてどんなイメージを思い浮かべるでしょうか。わたしは長くこの世界にかかわっていますが、これほど定義があやふやな言葉もない気がしています。

それでは「陶」という文字はどうでしょうか。これは「やきもの」という意味があります。「陶工」という言葉はかなり古くからありますし、「陶器」「陶土」などの言葉もみなさんご存知でしょう。この講座名に陶芸という文字を使用していない理由は、みなさんにイメージが人によって異なる「陶芸」ではなく、土を焼いてものを作る、「やきもの」を意識してほしいと願っているからです。

言葉は少し厳しいですが、みなさんがなんとなくイメージしたり、テレビなどで見聞きする陶芸教室というものは、実はただの粘土細工教室に過ぎないことがほとんどです。焼成の工程にかかわれないのならば、粘土で形を作ることがいくら上手になっても、それはやきものを身につけたということにはならないからです。しかし残念ながら、このことに疑問を持つ生徒や講師に出会ったことがあまりありません。

これは巷の陶芸教室だけの問題ではありません。多くの教育者、教育機関、大学の陶芸専攻の授業でも、その生徒や受講生に、まともに焼成のことを理解させているところはほとんどありません。それどころか焼成専門の助手がいたり、講師が窯焚きしたりして、生徒がまったく焼成にかかわれないところが多いのです。

また、学ぶ人のほとんども、目先の技術的なこと、主に電動ロクロなどに興味を奪われて、それを追求することが陶芸の勉強であると勘違いしてしまいます。少し器用な人なら一年ほど、普通の人でも二、三年もすればある程度ロクロができるようになります。そうなると確かに面白いのです。わたしも焼成実習のまったくない訓練校で、黙々と電動ロクロの技術を磨いていた時には、自分は今まさにやきものの勉強をしているんだ、と勘違いしながら、とても充実した日々を過ごしていました。

本来、陶芸教育は焼成を抜きにしては考えられません。「やきものを作る」ということは、粘土鉱物を高温で焼結させるという工程が絶対条件として必要です。そしてそのことを理解し、実践できなければ、どれだけロクロが上手くなろうと何の意味もありません。

わかりやすく料理にたとえるなら、キャベツの千切りだけがいくら上手になっても、それは料理が上手になったとはいいません。また本や知識の上でレシピをいくらおぼえても、料理というものの根幹を理解しているとはいえないでしょう。大切なのは下手でもいいから、温かい料理を作る努力をすることです。調理が一通りできるようになってから、必要に応じて各工程の技術を磨いていけばいいのです。

料理もそのほとんどは「加熱する」という工程があります。それを理解する一番の近道は、実際に手を動かして、料理を作って食べてみるということです。やきものならば、作って焼いて使ってみるということになります。これを繰り返すことのみが、あなたの作陶レベルを引き上げてくれる唯一の方法です。

下手な作品を窯に入れたくない、自分はまだまだ、などと思ってはいけません。確かに、はじめは失敗作をたくさん作ってしまうでしょう。しかし、それでいいのです。

すべての答えは窯で焼くことでしか得られません。なるべく様々な条件でたくさんの作品を窯に入れるようにしてください。自分がやっていることが正しいのか間違っているのかは、焼成を通してしかわかりませんこれは断言できます。失敗したら、その原因を探り、きちんと記録を残すようにしてください。

また、常識では間違っているというやり方をしたとしても、それがきちんと焼き上がって、その後も再現できるのであれば、その方法は正しいと判断してかまいません。また逆に正しいと思い込んでひたすら努力をつづけ、納得して窯に入れてみたら、その後何度も同じ失敗をしてしまうということもよくあるのです。それはただの遠回り、貴重な人生の時間の浪費でしかありません。


世間一般に言われていることを信じない


実は「陶芸」という言葉ができたのは、一人の陶芸家がつくりだしたからだといわれています。それまでの多くの陶工は主に分業で仕事をし、自分のかかわる仕事についてしか熟練していませんでした。これは今でも大規模な製陶の現場ではあまり変化がありません。ピラミッド構造の分業制度なのです。

また原料などを供給する側も、それぞれの分野に分かれています。製土、築炉、釉薬、絵具などです。これをなるべく一人で行うように腐心したのが初期の陶芸家です。それはこれまでの窯元というシステムが行っていた製造工程を、一人の人間が行うようになった、ということです。そうすることによって芸術家としての価値を高めようとしました。量産ではなく、個人の作品制作にシフトしていったのです。

また、薪の窯しかなかったやきものの世界に、さまざまな燃料の窯が開発されていきます。石炭、重油、灯油、ガス、電気などです。レンガなどの耐火物の品質も飛躍的に向上し、また新しい断熱材なども開発され、いままでになかったような技術革新がおこったのも、この百年未満のこと、ほぼ戦後のことです。ほかにも輸入原料が使われるようになったり、新たな技法や絵具が開発されたり、ほかの産業と同じようにやきものの世界もすさまじい勢いで進化していきました。現在でも日本をはじめ各国で様々な開発や技術の発展を続けています。

多くの人が抱く陶芸」へのイメージは、ほとんど時代遅れで、間違いですもちろんそのイメージを作ろう、守ろうとする個人作家や窯元も多数存在します。それはそのほうが売るためにプラスに働くと考えるからです。必要な演出という部分もあるでしょう。

しかし、やきものを学ぼうとする人がそういうイメージにとらわれることは危険です。みなさんがあるイメージをもっているということは、そうなるように働きかけ、それを支持した人々がいるからです。わたしを含めて、学校などの教育機関や陶芸教室で教わった人はほぼ全員間違った認識や呪縛を持ってしまいます。それを拭い去る努力にも多くの時間を使ってしまいます。

自分の土や窯でのみ通じる事実と、普遍的な真実、科学的な正確さを混同している人は思っている以上に多いのです。迷ったら講師であるわたしに質問し、なによりも自分が焼いたものに答えをさがすようにしてください。他人の無責任な言葉にぶれないように気を付けてください。残念ながら、書籍や技法書かたよりがあり、すべての記述が正しいわけではないということを知っておいてください。


量産の技術と作品作りに必要な技術


みなさんがこれまでの人生で目にしてきた、やきものの技法や窯元の仕事などは、ほとんど量産のためのものです。プロがそうしていたからといって、あなたが同じことをする必要はありません。

ロクロにたくさんの粘土をのせて人より早い回転で回しても、なにも偉くありません。ある意味滑稽でさえあります。よくプロが修業時代に一日千個の湯呑を挽いたなどと伝説のように語られることがあります。しかし見方をかえれば、それは哀しく貧しい労働の時代だったとも言えるのです。魚河岸でアジをひたすら開きにする仕事や、工場で延々とネジを締めるだけの仕事がありますが、それとなにもかわりません。技術をおぼえるために反復練習が必要な時期はありますが、そのために数やスピードを競う必要はみなさんにはありません。はっきり言って百害あって一利なしです。是非とも考えながら丁寧な仕事をするようにしてください。


この一年の目標


この講座で、あなたが目指すべきことは、実にシンプルです。それは一人で全工程を把握し、自分のやきものを作れるようになることです。やきものの最終段階である焼成から逆算して、そこへむかって形作りや釉薬掛けなどを行えるようになることです。

やきもの作りで最初に到達すべきレベルは、通信簿のオール2というレベルです。ある教科だけ5や4をとってもほかが1では何も作り出すことはできないのです。

やきものを作るには様々な工程があり、それぞれにおぼえることがあります。そして時間は限られています。ですからきちんとノートをとるようにしてください。最初の一年で一番大切な道具は、ロクロなどではなく、筆記用具とノートだと思っていただいて間違いありません。なにも頭にすべて記憶する必要はありません。ノートを見ながら制作していったほうが失敗は少ないものです。


最後に


やきもの作りは実は簡単です。そうでなければ一万年以上前から人類が作っているはずがありません。難しくしているのはあなた自身に植え付けられたイメージのせいであり、量産の職人を訓練するような間違ったこれまでの陶芸教育のせいなのです。

たとえば、土練り三年、ロクロ六年などという言葉もまったくのウソです。そんなお話しも講座の中でできると思います。

みなさんは、これから一年をかけて、これまでの呪縛を解きつつ、楽しいやきものづくりに目覚めてください。これから一年間、よろしくお願いします。



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2020年11月27日

陶芸のニオイ問題


日某絵具店の方(笑)と電話でいろいろとお話したのですが、電気炉でのニオイの発生をどうするかという質問がお客様からあったとのことでした。

まず、エントツのあるガス窯ではニオイがすることはありません。
焼成で発生するニオイはエントツを通じて排気されてしまうからです。

やきものの製造工程の中でニオイを感じる作業はいくつかあるかと思います。
自分で窯を焚かない人でも想像できるのは、油性撥水剤の溶剤臭でしょうか。

また焼成中であれば燃料や炉内に炭素が多いとニオイを感じます。薪窯でも薪が燃える特有のニオイを感じます。「あぁ薪窯焚いてるな〜」というニオイです(笑)。

気炉の場合、焼成中であればいくつかのニオイ発生条件があるかと思います。
まず素焼きですが、わずかですが焼成初期段階で粘土が含む有機物の燃える際に発生する独特のニオイを、窯の周囲でわずかながら感じることがあります。また還元焼成を行う方も、ガスを投入すればさらに強いニオイを感じることでしょう。

ちなみに一酸化炭素が出てると言われる方もいますが、一酸化炭素は無臭ですから、このニオイは完全燃焼しきれていないガスの排気のニオイです。ストーブなどでも起こりえますから本格的な冬到来の前にこちらもご確認ください。

日本ガス石油機器工業会のサイト https://www.jgka.or.jp/gasusekiyu_riyou/anzen/co/index.html


しかしそうしたニオイも、アレに比べればそこまでひどくもありませんし、そこまで周囲に迷惑をかけることもないでしょう。


では。

電気炉の焼成でもっともニオイが気になる時とはいつでしょうか。


実は金液等の焼き付け工程です。


液や銀液等を使用した作品の焼成では、どうしても金液が含む樹脂等が燃えるニオイがします。おおよそ400〜500℃ぐらいまで確認されるこのニオイは、かなり独特のものです。

瀬戸などの陶産地を歩いていると時々このニオイが漂ってくることがあります。
わたしや経験のある人であれば「あぁ金を焼き付けているんだなぁ」と微笑ましく思いますが、何も知らない人にとってはただの異臭と感じるだろうとも思います。

そもそも金を塗る際に使用する金油がなかなかのニオイです。
こうした作業を自宅陶芸で行うには、周囲の人を不安にしないようにニオイ対策をする必要があるでしょう。

気扇を回すにしても、人通りの多い通学時間や、お隣がバルコニーでせっせと洗濯物を干しているタイミングは避けておきたいものです。ニオイのピークを、深夜か、逆に真っ昼間の地域人口がもっとも下がる時間帯に持っていくしかないかもしれません。

後ろめたいことがなければそんなことをしなくても(笑)という声を聴きそうですが、人間というものはご近所が変なことをするのに意外と敏感です。これは築炉業に関わってきたわたしの実体験でもあります。突然お隣がエントツを立てたりするとしっかりとチェックしているものですし、その家の人には聞かないで、わたしたち業者に探りを入れてこられることはよくあります。

ましてその後にニオイや煙が出てきたとなると、ご近所トラブルにもなりかねません。密集する住宅地の方に、わたしが灯油窯をオススメしない理由もここにあります。無煙タイプでも少しは煙が認めらえますし、ブロアーの音もそこそこするからです。

液などの焼成によるニオイの元は、液に含まれる樹脂などの燃焼によるものです。ということは「ある程度は」その量によってニオイの強弱は「多少は」変動するかと思います。

壺の表面を全部金彩するとか、打倒三輪家とか思われている方は、そうとうニオイが発生するということを覚悟するか、ガス窯で行うといいでしょう。

気炉の方はお住まいの環境に合わせて少しづつ様子を見ながら行ってみてください。
まずはカップの縁とか、お雛様の着物にチョンと塗る程度から様子を見て、これぐらいニオイがするんだな、と把握しながら行うべきでしょう。

まぁ新しいギターアンプを買ったり、でっかいテレビを買ったときに、近所が許してくれるボリュームの勘所を探るような感じですね(違うわ!)

く言われることですが、ご近所トラブルを避けるためにも、初窯の記念品を配るとか、日頃の井戸端会議で「すっごく小さな窯でチョコチョコっとしたもの焼いてるのよ〜」と現状を過小気味に伝えておくのもいいかもしれません。まぁとにかく、やきもの屋は周囲とは仲良くしておくべきです。

マンションやそうした近所づきあいが希薄な環境の方であれば、なるべくニオイや音などで周囲を不安にしないような対策は考えておいたほうがいいかと思います。

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(波佐見:陶壁「陶磁の路」部分 イノウエ撮影)



















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2020年11月16日

陶芸に見るダニング=クルーガー効果


「なぜ能力の低い人間は自身を素晴らしいと思い込むのか」という調査によれば、能力の低い人間は以下のような特徴があることが分かった。

  • 自身の能力が不足していることを認識できない
  • 自身の能力の不十分さの程度を認識できない
  • 他者の能力を正確に推定できない
  • その能力について実際に訓練を積んだ後であれば、自身の能力の欠如を認識できる。

ウィキペディア ダニング₌クルーガー効果より



いるね〜、陶芸にも(笑)。


逆に能力の高い人間は自分を過小評価しているそうですよ。
自分がサラッと出来ることは誰でもサラッと出来ることなんだと思うから、だそうです。



わたしの拙い発信でも、ネット上での窯に関する発信が少ないからか、そこそこ見ていただいているようです。それらの発信についていろいろな質問をいただくことがあり、それはまたこちらの勉強と経験値の蓄積にもなることですから、なるべくわかる範囲でお答えするようにしています。

それでも本州の端っこあたりの准〇授みたいに、プロをタダでこき使おうというアホに当たることもあり、ホームページには有料対応と無料対応の基準を明確に記しているわけです。

逆に動画のコメントについては「その動画にかかわることであれば」なんでも答えていくようにしています。

わざわざ「」で囲っているのでもわかるようにロクロの動画に違う動画の窯のことを聞いてきたり、そもそもまったく動画に関係のない個人的な機材の質問を書き込まれることもあり、困惑することがよくありました。

まぁ答えられる範囲のことであれば答えるようにしてはいましたが、そういうコメントに限って返信しても何の反応もありません。


聞きっぱなし?

そりゃ上達しないよ(笑)。



いちいちそれに反応していては革命は成就しませんから、どんどん進んでいくしかないのですが、本当にもったいない。

直接メールしてくださる中にも、明らかに有料である事案について、よろしくお願いいたします、と言われてもねぇ…。




それよりも。

わたしを筆頭に発信している人とその内容を鵜呑みにしてはいけません。

尖ったナイフのような少年時代を送ったイノウエが、免許だ資格だとたまに言うのは、我々やきもの自営業には誰もツッコんではくれないからです。



無資格でなれるイケてる職業 

第4位 陶芸家

なんですよ。
(順位は適当〜アナタも考えてみよう)




免許もなにもないわけ。
陶芸教室の講師にもなんの資格も必要ありません。

それでいいし、そういうものです。


免許がない、それは大人のチェックは入っていませんぜ、ということでもあるわけですから、そこを注意していきましょ。

最近サボり気味ですが、発信するには話す内容の参考文献やエビデンスをなるべく示すべきだし、理系はオール2でしたとか、理数系の大学でお勉強しましたとか、発信者はちゃんと白状して、視聴者も発信者のバックボーンを確認してから受け取る度合いを考えましょう。

個人の発信にはチェックが入りませんから、どうしても玉石混交になってしまいます。

わたしのロクロ動画なんて職人さんからすれば、白帯が偉そうにという感じでしょう。ゼーゲル式の説明とかも、お前がするんじゃない、とあの人とあの人とあの人の奥さんが心の深いところでは思っているのかもしれません(笑)。

また逆に「オレの言うことが正解っス!イエ〜100マン通り調合を使いこなす天才はこんイノウエばい!」なんて言う方もいるでしょう。

検索すれば一つのキーワードでそれが同列に並べて表示されてしまいます。


そして視聴回数が多いと正解のような錯覚をしてしまいます。





(敬愛する陶芸ユーチューバーの全動画が最近非公開になったようですが、おそらくはそのあたりの遠因にもなっているのかなぁと勝手に想像しています。違ったらごめんなさい。応援は永遠にいたします)



さて陶芸に見るダニング=クルーガー効果についての説明は、あいかわらず尻切れトンボで出来ませんでしたが、またいつか!


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類似する用語:カジタ=イノウエ効果

個別の調合を先んじて行えば一つの乳鉢を用いて正しい実験が行えるが、34歳以下の男性が往々にして陥る、いい加減な計算に頼って次々に原料を乳鉢に投入して乳鉢のサイズが大きくなっていく現象。またそれによって作られたテストピースの釉薬は先に塗布した釉薬の減少分を考慮していないためにまったく資料として機能しないことをいう。おもに日本の窯業界のほんの一部で使用されている用語。

posted by inoueseiji at 09:37 | Comment(0) | TrackBack(0) | イノウエセイジの頭の中

2020年11月14日

粘土以外の「ネンド」も気にしてみよう


小忙しい日々の中、久しぶりにロクロを回したら風邪気味になっちゃいましたイノウエです。

わたしが倒れてもこの二人がいる!



長文はまた今度!

今日はあったかいモノ(熱燗・お湯割り)いただいてしっかりと寝ます。


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2020年11月05日

砥部焼のお碗で美味しいゴハン!




砥部に行ってきたのは先月末ですが、大変勉強になりました。

何しに行ったのかはちょっとアレですが、仕事がおわったあとは皐月窯さんに見学コースのガイドをしていただき、梅山窯さんの貴重な資料や製陶所の様子を見ることができました。

砥部が有田や瀬戸と大きく違うことの一つは、あくまで食器の産地であるということではないでしょうか。

瀬戸などはセラミックや耐火物、碍子なども作りますし、それは有田も同様でしょう。

砥部はどちらかというと小鹿田焼のような磁器の民芸の産地という認識の方が強いのかもしれませんね。きりっとした磁器も悪くはありませんが、砥部のおおらかでそれでいて洗練された文様と器体、砥部の現在を引っ張る若手の作家さんや窯元さんの仕事も素晴らしいと思います。

実にいいところですよ。

今回はGOTO適用で宿泊はかなりお安くできました。



★お世話になった皐月窯さんのところでのお仕事の様子は過去動画にあります。




posted by inoueseiji at 10:20 | Comment(0) | TrackBack(0) | イノウエセイジの頭の中

2020年10月31日

鉛とバリウムはイイ奴らだった…


事に出張からもどりました。

さてさて梶田絵具店さんの動画。
あいかわらずシブいところを…。


ことの発端はわたしの土鍋の動画の説明欄に書いた調合例に炭酸バリウムがあったことからでした。

お客様の一人から、今は炭酸バリウムが手に入らないのでは、というご指摘がありましたので、すぐに梶田絵具店に確認してみたところ、全く問題なく取り扱いをしているとのこと。



かに炭酸バリウムは毒劇物指定でハンコがないと購入できません。

陶芸ではほかに硫酸銅も同じ扱いになっております。
また塩酸を渋抜きに使用する織部作家さんもいるでしょう。

おそらくこの三つが陶芸に登場する毒劇物になると思います。

これを取り扱い、販売するには毒劇物取扱責任者の免許が必要です。
これを所持せずに販売するのは違法です。

そういう所がコッソリ販売を取りやめたから、手に入らないと誤解される方も多かったのかもしれません。

だったら免許取ればいいんじゃない?という話になりそうですが、これは陶芸材料用の免許ではありません(笑)。

全産業の毒劇物にかかわる免許ですから、上記三つ以外の部分の勉強が99%を占めるのです。

そしてある程度の理科と化学の基礎を押さえておかなければならないわけですから、相当な努力をしっかりある程度の期間しなければなりません。

ノウエも焼酎三段を筆頭に様々な資格を所持していますが、免許や資格は、ある意味公平な制度だと思っています。

たとえば電気工事に必要になる基本の資格、第二種電気工事士免許は学歴も年齢も関係ありません。現に息子は中二で取得しました。

毒劇物の免許も同じです。
学歴も年齢も関係ありません。

キチンと勉強すれば誰でも取得できます。
受験料も高くありません。

格制度にはデメリットもあるでしょうが、メリットの方が圧倒的に多いとわたしは思います。

誤解されている方もいるかもしれませんが、普通乗用車の免許も司法試験も、べつに自動車学校や大学に行かなくても取得できます。

ただし免許の恐ろしいところもあると思います。

普通自動車免許であれば取得初日からフェラーリでもブガッティ・ヴェイロンでも乗れます。大型自動二輪免許であればドカティでもハヤブサでも乗ってアクセル全開も可能です。
まぁ即廃車で病院行きになりそうですが(笑)。

建築系の資格でイノウエも所持している「玉掛作業者」というクレーン作業でワイヤーを掛けるための資格には重量の制限がありません。

これも資格取得初日から、ガス窯だろうと、イージス艦の砲弾だろうと、原子炉本体だろうとワイヤーを掛けて、クレーンオペレーターに合図を送ることができるのです。


無資格でどうにかしようとする人はこの辺りの感覚がありません。

大袈裟だと勝手に工程を端折ったり、そもそもその業界の常識を知らないから、とんでもない動きや作業をしてしまうのです。まぁ陶芸でもそういうことはありそうですね(笑)。

ちなみに陶芸家になるのも学歴や年齢は関係ありませんよね。
それでもちょいと危ないヤツを使いたいなら、ハンコは押してくださいね、ということです。
そしてハンコを押さなければならないようなものを販売する人には、資格の取得と法令の遵守をお願いします、というシステムなんです。

そしてあえて言いたいのですが、こうした毒劇物に鉛は指定されていないということです。
そのさきは使用される方が考えていただきたいと思います。


違いなく、これまで炭酸バリウムと鉛は、三国志でいえば関羽と張飛ぐらい陶芸に貢献してきました。

鉛が討ち死にしてしまった今、炭バリにまで逝かれては、劉備玄徳も哀しいぜってなもんです。


危ないものはいろいろあるでしょう。
一番の危険は無知ではないかと思います。

そして正しい知識は正しい所から得るようにすればいいのです。

オリジナルな使い方を発信するのもいいですが、その前にメーカーのホームページを見るべきってことかな。



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2020年10月21日

なぜ撥水剤?




日あたりから過去記事の撥水剤がアクセスランキング急上昇。
なんで?

因みにこのブログの最初期の投稿の一つで12年前のものです。

コロナ禍でお家陶芸が盛んになってきたからでしょうか?

わたしは今年初めて水性のCP-C(CP-A2)を使用する機会を得ました。
これは子供がたくさんかかわる施設への納入の際に安全を第一に考慮して選択したからです。

結果としては大変良好です。
なにしろ臭いがほぼ無い。

水性能は青いCP-Eには劣るようですが、小皿の裏に塗る程度ではその性能差を感じることはありませんでした。
まぁペンキの油性と水性という感じではないでしょうか。

安全性や家庭、子供との使用を前提とすれば、水性をオススメします。

撥水剤はどれも新昭和コートさんの製品です。
特に釉薬添加型のものなどはホームページでダウンロードできる動画を確認して使用してください。

★新昭和コートさんの撥水剤一覧 http://www.shin-showa-coat.com/showa/hassui.htm


れまでいろいろな相談やアドバイスを行ってきましたが、陶芸であれ、建設現場であれ、失敗する方はまず説明書読んでないです。

なんでも出来る・わかってるは…ねぇ。200Vの電気炉に12Vのリレーをつけようとする方や、圧着端子というものを知らずにワッシャーで押さえてる人とか(そして違法工事)

たとえば洗濯機だって施工手順書などが業者用に添付されているのに、ちゃんと見ないで配送先でグダグダやって挙句ネジを一個紛失したりする、量販店の請け仕事で食いつなぐ元電器屋がいたりするんです。

ーカーがこうしてください、というのが85〜90点の正解です。
普通の人が適当にやってもその点数は出ません。ゴリゴリのプロだけが100点を狙えます。

それを勝手な受け売りや、陶芸教室に伝わる口伝、窯を販売しているオジサンユーチューバーなんかに騙されないようにしましょう。

しい製品を、正しい使用方法で使ってよい作品を作ってください。
原理原則は蝋抜きや墨はじきから始まる単純なものですが、それを製品化し、適当に工房にほったらかしておいても何年も安定した品質を保つように作られています。

キッチリとした道具や素材を使って、バシッとプロの仕事がしてあれば値段が付く仕事ができるものです(擬音が多いほどヤンキー感が高くなるばい)


でも適当だと100円ショップの器に負けそうになります。
上代100円で利益を出す現場は、実は個人作家の何十倍も製品管理や素材・原料に気を使っているものだからです。





(髪の毛黒いなぁ)


★撥水剤の購入はコチラで!

梶田絵具店   http://kajita-enogu.com/

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2020年10月18日

器のサイズ


うやく涼しくなってサイクリングシーズン。
朝からひとっ走りする前にブログを書いておきます。

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(帰ってきました)

自分の器が小さいと知る時、その器に固執するのか、叩き割って大きな器にするのか。
五十路になったワタシとしては、このプライド問題は徐々に大きくなってきました。

例えば、自分の仕事のやり方を人が見て、善意で「そこはこうするともっと簡単ですよ」とか、「これを使うのが常識ですよ、知らないの?」なんて言われた時、アナタはどうするでしょうか?(人様に振るんじゃない)

誰だって自信を持って行ってきた仕事や作業をそういう風に突っ込まれればカチンとくるでしょう。

そもそも多少の自信があるから人目につくところで行っていたわけです。

チンと来るのは自然なことです。
問題はその後でしょうか。

「そうなんですか。教えてくれますか?」「それはどういう風に使うんですか?」こんなことをサラリと言える人は、本当に大人だと思います。

40代から50歳になった日に思いましたが、自分の中身は中二から中三になった程度しか変化していないということですね(笑)。

ちゃんとした社会で活躍していれば、次長とか専務とか、大佐とか艦長なんかになっている年齢ですが、一人自営業の哀しさで、バイク屋の店長なみに社会常識が希薄なイノウエでございます。

人はワタシのことを多少は気にかけてくれるから、アドバイスをくれるのでしょう。
その人にとってわたしが、どうでもいいヤツ、嫌いなヤツと思っていれば、何も言わず陰で未熟さを笑っているだけ、のはずです。

「聞くは一時の恥聞かぬは一生の恥」と死んだバアチャンがよく言っていました。
これは人に聞くのは恥、という意味もありますが、実際はアドバイスされた時にかく恥、も含まれているのでしょう。一生にかかわることになるぜ、と。

自分がようやく身につけたと思った技術を、実はむかしから何十年も何十人もの人が行ってきた製陶所なんかがあって、それを知っている人からサラリとアドバイスされる。

正直ガビーンとなりますが、恥をかかせてくれてありがとう、と思えるようになりたいものです。
「いや、俺のやり方は違うんで」とアドバイスを拒否してしまうと超絶カッコ悪いことになるばかりか、アドバイスをいただくこともなくなり、器が大きくもなりません。

分の器を大きくするには、今のお気に入りの器を壊すしかないんですねぇ。
難しいなぁ。

これまでのお客様や受講生を見ていても、スパッと切り替えて急激に技術を上げられる方と、こちらのアドバイスは聞かずに同じドツボに嵌りつづける方もいたりして、たとえ技術と知識だけであっても自分を変えるのは難しいものだと思います。



posted by inoueseiji at 05:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | イノウエセイジの頭の中