2020年05月11日

今週もコツコツと



電動ロクロは最初に誰に習うかでかなり変わると思います。
これは自動車学校によって卒業生の事故率などが違うのにちょっと似ているような気がします(笑)。


だからちゃんと教えましょう。

ロクロが出来るということと、良いものがロクロで出来る、は別です。

むかしのことですが、男性にはロクロをちゃんと教えない(独立されるから)みたいな人がホントにいて驚いたものです。いやいや、そんな技術持ってないでしょ!

まぁ裏で生徒が窯屋のロクロ動画観ているというのも微笑ましいですが。


下手な人ほど教えたがるっていうのもありますけど(←俺か!)

そもそも、まともな人間はYouTubeなんかしない、というのがわたしの持論です。
だからわたしもまともではありません(笑)。

もちろん現場の様子を取引先に見せるためとか、子供の運動会の記録用としてYouTubeにアップロードすることは誰にでもあるでしょう。

ただ、リアルの世界で仕事を評価され、充実した人生を歩いている人は、絶対にYouTuberにはならないと思います。それは昨今の芸能人YouTuberを見ていれば納得でしょう。

視聴者はそれを意識しておいてください(笑)。
子供のなりたい職業一位がYouTuberとかヤバいでしょ。







最初の頃、ある程度の数の動画を撮りだめして一気に公開にしていました。
実はそれなりにビビッていて、コツコツと出していくとなにがしかの圧力があるのではないかと危惧していたのです。


でも、全然そんなこともなく。


…逆にヤバいと思いました。



昭和の大物がいた時代なら、わたしは消されるか、村八分か、取り込まれるか、その何れかだったでしょうが、もうそんなパワーがやきもの業界にはないし、この人っていう大将もいないみたいです。


バブルな時期に外車を乗り回していた大先生も(無名な人でもベンツとか乗ってたよね)、いまは国産車の車検代に事欠くような状況なのでしょう。


ある意味、この動画とあと数本の「自分の中ではヤバいネタ」が意外とスルーされ、しかも高評価だったので、もっと率先して発信しなければならないと考えるようになりました。

当初は言いたいことだけ言ったら、やきものの世界から消えてもいいやと思っていたんですけど。


基本作家さんは自分のことしか考えませんが、やきものの教育に関わる人間もそういう人が多いから困ったものです。

准教授で作家でございやすとか一番最悪ですわ(←敵作ってるゾ)

自分よりも優れた人間を育てたかどうかが、その指導者の能力を評価する方法だとわたしは思います。愛と青春の旅立ちのラストシーンでいえば、自分が敬礼するに値する士官を、自分の手で育てるのが鬼軍曹の役割です。

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(おかげで少尉になったばい!)


窯とロクロはしっかりと教えましょう。

あとは勝手に独学する環境が整いつつありますからね。



posted by inoueseiji at 09:37 | TrackBack(0) | イノウエセイジの頭の中

2020年05月08日

釉薬を自在に扱えるようになるには



このブログの全ての記事のアクセスベスト10には、10年前に書いたダンパーとドラフトがいつも入っています。
同様にいつもランキング上位にあるのが、釉薬に関しての記事です。

釉薬の掛け方、濃度調整、調合方法など。

とくに濃度調整を行うことについて、始めたばかりの方への指導と発信は重要だと考えています。
濃度調整を知らず、焼成によって濃い釉薬がながれるのを恐れて、何にでも撥水剤を塗る方もわたしが過去に指導した人が複数いました。
濃度調整を指導し、湯呑の高台などはスポンジで拭くだけでいいですよ、と言っても、塗らないことへの不安を拭い去れないようなこともありました。中には塗っておけば流れないという誤解をしている人も昔いました。

やきものには不確定要素がたくさんありますよね。
そのうち数値で管理できるものは、なるべく数値管理するようにすればトラブルも起きにくく、失敗しても原因の追究が出来ます。

そして数値管理する目的は、感覚を養うことです。
見て触って判断できるようになるために、数値管理をしておこう、ということですね。

初めての料理ではレシピ通りに調味料をはかりますが、だんだんと慣れてくれば感覚的に味付けして、味見して判断できるようになります。

釉薬の濃度、とくに薄くする場合ははからないと難しいと思います。
40と38の違いを感覚でとらえる自信は、わたしにはありません。
比重と重量で確認して、思い通りの作陶ができるようになりましょう!
posted by inoueseiji at 08:38 | TrackBack(0) | イノウエセイジの頭の中

2020年05月06日

読書の自粛モードもいいのかなと



読書って最近あまりしなくなりました。
むかしは必ず寝る前に寝転んで本を読んでから就寝していたものですが。

読書だけで長いキャリアを持つ人と同じ感覚をもつことは可能です。
これはわたしのたくさんの経験談でもあります。

発信する方法は、昔は書籍程度しかなかった。
いまはだれでもSNSやYouTubeで発信できます。

複数の眼と手が関わる書籍よりは手軽ですが、情報の正確さは書籍に分があるのは間違いないでしょう。

よければみなさんのオススメも教えてくださいね。
posted by inoueseiji at 19:19 | TrackBack(0) | イノウエセイジの頭の中

2020年05月05日

コストと製造方法からみた100Vの電気炉



窯の選び方をどう伝えるか、これまでの10年試行錯誤を繰り返してきました。

今回は100Vの電気炉を中心にお話しています。
丸いものと四角いものの加工のコスト、国内受注生産と海外大量製造、プログラムコントローラ―のコストなどなど。
そしてもっとも重要なヒーター線と断熱材の選定。

現在では競合している各社はほぼ同じような価格帯で展開しています。
それぞれの違いを理解している方は取り扱い業者でも少ないものです。

全責任を自分で負ってネットで価格で購入するのか。
それとも適正価格でサポートや相談ができる環境で運用していくのか。

わたしは押し付けることはありません。
情報を発信し、みなさんの判断材料になれば幸いです。


posted by inoueseiji at 20:12 | TrackBack(0) | イノウエセイジの頭の中

2020年05月04日

自粛無用らしいよ!



いろいろな意味でこの動画は勉強になりました。

次回からお客様への説明を考えなおすための参考になりました。

ありがとうございました。

よくよく考えればこの方が最初の窯を購入したころ、わたしをはじめ窯についてのネットでの発信はほぼ皆無でした。

窯を選ぶ方法も、100Vの電気の限界についても、炉のスタイルや設計の意味も、わたしもまだ電気炉についての経験も少なく、知識もあやふやな時期でした。


こうして陶芸を仕事にできているこの方は幸せです。
わけのわからない中古の窯を購入してトラブって辞めたり、変な業者につかまされたりした人もたくさんいます。

わたしが日々窯について発信をする意味はここにあります。

思えばわたし自身もどれだけの遠回りをしてきたことでしょうか。
気が付けばこの歳か〜。

姑息でいい加減な対応とプロらしい神対応を、この連休に同時に見れてホントに考えさせられました(笑)。


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消すなら書かなきゃいいのにね。

posted by inoueseiji at 22:04 | TrackBack(0) | イノウエセイジの頭の中

StayHomeな陶芸の件!


延長モードですが、だったらこっちの発信も延長でいきますよ〜。

解除されたときのスタートダッシュ力を今は付ける時期と思いましょう。
辛い時はオッサンの与太話でも見てブチ切れてください。

良かったらあなたの作品の販売サイトやウェブ陶器市の紹介などいたします。
動画の内容と説明欄をご確認の上、お気軽にご連絡ください。

mail@inoueseiji.com
posted by inoueseiji at 21:11 | TrackBack(0) | イノウエセイジの頭の中

2020年05月02日

ホームページが見れるようになりました【アドレス注意!】

みなさん、お疲れ様です。


いろいろとありまして無事にホームページは見れるようになりました。
が、しばらくの間はアドレスが変わります。末尾の.comから.jpにてデータを提供します。

下のリンクをご確認ください。

およそ一週間ほどで、今までの.comだけでなく、.jpのどちらでも「ふくおか陶芸窯」のホームページをご確認いただけます。

よろしくお願いいたします。


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posted by inoueseiji at 19:25 | TrackBack(0) | イノウエセイジの頭の中

一時的にホームページ見れません

みなさまお疲れ様です。
ただいま管理業者と作業をしておりまして、ホームページが一時的に見えなくなっております。
ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いいたします。
posted by inoueseiji at 10:57 | TrackBack(0) | イノウエセイジの頭の中

2020年04月24日

急須とポットは作るしかない


急須とポットは作れるに越したことはない器。
というかある程度人の技術をはかることができるとも言えるでしょう。

アナタは作ったことがあるでしょうか?


なかなか毎日大変ですが、技術と知識を爆上げするチャンスと捉えて前向きにいきましょう。
不要不急の外出は控えるけれど、ちょっと遠回りするぐらい勘弁してください。

この政府の感じだと連休明けどころか、盆休みぐらいまでダラダラ行きそうですね。
それは嫌ですが、覚悟だけはしています。

受験生の下の子の勉学はどうなるのやら。

毎日まいにち 学業2 YouTube7 昼寝1 って感じのメームス。

聞けばどこの中学生もそんな感じみたいですが、それではいけません(笑)。



posted by inoueseiji at 17:34 | TrackBack(0) | イノウエセイジの頭の中

2020年04月19日

今だからできる窯のメンテナンスがある。


自宅にいることが多くなっていることと思います。
作家さん方もイベントの中止などで大変でしょうし、主催者側も様々なご苦労があったことだろうと想像します。
いまは耐える時ですが、次のスタートに向けて準備もしておきたいですね。

逆にわたしは在宅している時間が圧倒的に多くなったので、電話での問い合わせなどはチャンスですよ。
暇なのかと思いきや意外と問い合わせや電話対応があっております。

それから窯のメンテナンスとかも是非行っておいてくださいね。



posted by inoueseiji at 09:38 | TrackBack(0) | イノウエセイジの頭の中

2020年04月13日

非常事態宣言が出ましたが…

福岡県にも非常事態宣言が出され、多くの方々が不安と共に過ごされているかと思います。

また各イベントや陶器市、個々の作家さんの個展やグループ展も中止、延期が相次いでおり残念でなりません。

わたしも講座や仕事が休講、延期になっていますが、コツコツと地道な発信を続けていこうと思っております。

そんな中、お客様の方から近況報告や写真を送っていただきました。
本来であればコチラから各お客様へ連絡をするべきところですが、逆にみなさんの作陶でわたしが勇気をいただいている状態です。

写真の利用を快諾してくださった関西のOさん、本当にありがとうございました。
とても一年目とは思えない植木鉢の作品群。これからも楽しみにしています。

どんなことにも終わりはくるでしょう。 そう思って頑張っていきたいと思います。
可能な方は作品を紹介いたしますし、今年もやっぱり「ネット陶芸展」で盛り上がりましょう! また企画してご案内します。

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posted by inoueseiji at 09:23 | TrackBack(0) | イノウエセイジの頭の中

2020年04月06日

粘土の管理が楽になりました


いやぁ〜。

この川瀬さんの発信のお陰で今日は粘土がスッキリ整理できました。


確かに瀬戸から福岡に戻ってから、知人宅などで九州の粘土屋さんの包装を見るとこうなってますねぇ〜。

山内陶料さんからは、かなり丈夫なビニール袋に入って送られてきます。

これはこれで非常に強いビニールで重宝していたのですが、実際に量が減ってきたときとか、袋の内側の結び目の部分などで乾いた粘土がでてしまうし、教室などでは受講生の方が空気をパンパンに含んだまま保管していたりして少し硬くなることもままあり、わたしなりの管理方法を何度も伝えていました。

今後はこの川瀬さんの発信に基づいた方法を指導しようと思います!

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物凄くスッキリ。
(うちは仕事の関係上、粘土の種類が多いので養生テープを名札かわりにしました。またビニールの別の場所にも名札シールを貼ったままです。これは出荷時のシールです。補足しておきます。)

そして作業台の汚れが最小限でした。

瀬戸の知人は「粘土を袋から出す出し方で、そいつのキャリアが分かる」と豪語していましたし、実際にその通りなんです。

でもこの川瀬さんの方法はマジで便利でした。

やっぱり頭が固くなっているんですねぇ。

反省します。





………。






反省終わり(笑)。




あと蛇足ながら知らない方にお伝えしたいのは、粘土の保管に絶対にレジ袋は使わないということです。

レジ袋は実はけっこう空気が通り抜けるので、あっという間に粘土はカチンコになります(経験者談)。

山内陶料さんから届いた粘土の袋も、切ってシート状にしておけば、次から色々な用途に使用できますよね。


川瀬さんありがとうございます!
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2020年04月02日

よく見るためには


先日の川瀬さんの発信から自分は単眼鏡を持っていたぞと思いだし、取り出してみたんですが…。

なんだか視野が曇って全然キレイに見えなくなっていました。
古いからそういうものなのかなぁと思ってAmazonで新しい単眼鏡を探して、すっかり購入モードになっていたのですが。

ふと、どうせ買い替えるならば、分解でもしてみようかと思いたち。

器用貧乏と言われることもあるイノウエですが、実は子供の時から分解した超合金ロボットを元にもどせなくなったり、バイクのキャブレターをオーバーホールしたら小っちゃいネジが余ったりしてきました。

しかし!

今回はきれいに分解清掃できて大満足。

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こんなプリズムが入っているんですね。
てっきりレンズが数枚普通に並列に並んでいるかと思っていました。

一眼レフのお手入れ用品でプリズムをキレイにしたら、

まぁ見える見える(笑)



ついでに動画にもしておきました。



そもそも単眼鏡をもう一度取り出したのは長崎県の川瀬さんの発信のおかげ。
またここ数年はすっかり美術館や博物館はご無沙汰になっていて、反省です。




選ばれし者だけではなく審美眼は誰にでも身につけられる、という発信は素晴らしいことです。
「窯は誰にでも焚ける」につながっているようで心地よいです。


中二から大学まで雰囲気で美術館に行っていたオッサンです。
ついでにそういう女子にも翻弄されてきた過去もありまくるのであります。

しかしヤキモノの世界にどっぷりと浸かり、津坂先生の本で単眼鏡を知って入手してからは、本当に素直に虫眼鏡でアリンコ見ていた幼少期の感覚でヤキモノを見ることができるようになりました。

それにより鑑賞時間は大幅に伸び、以前よりも記憶に残るようになり、少しは理解に進んだ部分もあったと思っています。

でも、わたしに審美眼があるかどうかといえば、

まぁ無いでしょうな(笑)

とはいえ純粋にヤキモノを楽しめるようになったのは、この単眼鏡のおかげといっても過言ではありません。


いかがですか?

単眼鏡。



電気テスターの100倍オススメです。

続きを読む
posted by inoueseiji at 15:06 | TrackBack(0) | イノウエセイジの頭の中

2020年03月28日

牛タンフェア開催中








それぞれで面白いですね!
このような比較ができる時がくるとはね。


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やっぱり使っていると先端は黒くなりますね。


posted by inoueseiji at 14:28 | TrackBack(0) | イノウエセイジの頭の中

2020年03月25日

電気炉で何でも還元焼成


実はわたしは電気炉での還元焼成の経験はあまりありません。

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(頑張ってますか〜?)

それでもほかの窯での還元焼成の経験はそれなりにタップリとあり、お伝えできることも少しはあるかと思います。

まずいきなり嫌な話からですが、電気炉のみの還元焼成の経験と、ガスや灯油、薪窯の経験をたんまりしてから電気炉で還元焼成するのは、かなり認識レベルの差があるように感じています。

そういう知人がいるという意味で、これは個人的な感覚です。
(こういう言い方、窯屋としての拙者の存在を貶めないか心配でなりません!)

まずこの電気炉は還元焼成できる!となると還元焼成系のものは何でも可能だと思ってる方も多いと思います。ところが厳密には(厳密にはよ)、電気炉の還元焼成でも、ノーマルというか標準の還元焼成対応の電気炉ではできないスタイルもある、ということです。

あるスタイルに限っては特注で対応するオプションを電気炉に設定しなければなりません。もちろん、ふくおか陶芸窯と共栄電気炉製作所は可能です。どうしてもガス窯などが設置できない環境の方はご相談ください。
(台湾とか北米に窯を外注しているところは知らないけど、あそこはバリバリのプロは買わないからな)


もちろん九割五分ぐらいの普通の陶器の作品、たとえば桃山陶、志野などは「これ電気炉なの?」というものが電気炉の還元焼成でしっかりと出来ます(作家によるけど)

しかし、ガッツリの染付磁器とか青白磁とかでは難しかったりするわけですね。
(フチが黒ずんだりとかさ)

ここから先はあまりにも専門的な話になるので割愛させていただきますが、そもそもどんな窯を買うにしてもこういうことをする予定であるとか、これを作るつもりであるとかは築炉メーカーに伝えないとダメです(そもそもプロは選択できるから言わない人多いですが)

なんでも還元焼成は一緒だと考えるとダメってことですね(笑)。

還元焼成とはなんぞや?

焼結とはなんぞや?


結構わたしもわかっていないのかもしれないと勉強を継続しています。
周囲のいろいろな方々に教えていただく日々ですね。

歳を喰っていくのも中々いいな!と思うのは、自分の無知がドンドン理解できることなんじゃないかなと日々感じます。楽しいです。
(今日は内容が細かすぎてあまりにも不自然だったでしょうか?)

う〜ん。
今日の話はちょっと。

視聴者の方々が共感を得るのは難しいと思われますねぇ。



posted by inoueseiji at 19:47 | TrackBack(0) | イノウエセイジの頭の中

2020年03月23日

なんでkw表示なのよ?


電気炉の容積(厳密には容積じゃねぇだろと即ご指摘いただきました)を表すのはkwです。
キロワット。

15kw_test.jpg
つくばセラミックワークスさんありがとう!)

ガス窯を造っていた頃はすべて㎥表記。
リューベですね。

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(綺麗な中古ありますよ→0.2㎥台車なし


いまでもわたしは「単相10kw」と言われるよりも「台車なし0.15㎥」と言われたほうが炉内を想像しやすいです(だいたい同じ容積です)

まだまだ電気の修業が足りませんね。



窯の表記は統一してよ!


と言いたい人もたくさんいるかもしれませんね。
でも決してなりません。



それはなぜか?


…を書いておきましょう。

100Vの電気炉以外の中型・大型の電気炉は当然電気工事が発生しますよね。

その際に電工さんに「こんなヤツを設置したいんです」と伝えなければなりません。
そして見積、契約、工事という流れになるわけですね。

場合によってはメーカーや設置業者が電気工事会社に説明することも多いです。


実はというか当然ながら、電気工事には規定があり、それに基づいてケーブルの太さやブレーカーなどが決定されます。忘れたらトイレの個室で電気工事士手帳を見たりします(俺だけか)。

これは非常に重要で、窯の購入者が勝手に決めることはできません。

そのため電気炉ではkw表示になっているわけです(だったよな)。
こうした機器の能力というか必要な電力というか、まぁそれを表して工事等に関わる方々のスムーズな理解と工事内容の見積等を行うためとでも言っておきましょう。

たぶんメーカー側の社員さんとかも工場内で「次は単相の〇〇キロだから」「じゃあ〇〇アンペアのと、〇〇スケ持ってきま〜す」とか言っているのでしょう(想像だけど)。

スケというのはスクエア(㎟)のことで電線の太さですね。

いらない電線の切れっぱしをもらってフックとかハンガーにしようとか、次の課題の塑像は腕のとこフレキシブルな骨組みにして打倒ロダン&マイヨール!とか思った方がいたとしたら、電気工事店さんに行きましょう。

「太い電線の余りとか、ありますか?」とかトボけたことは言わないで「22スケの切れっぱしくれい!」と言うとすぐに出てきます(友だちだったら)。


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電工さんに太い電線なんて言ってしまうと鉄火巻きみたいな150スケとか持ってくるので要注意です(笑)。



まぁ小ネタです。



お暇な方はコチラも面白いかもしれません。


posted by inoueseiji at 18:07 | TrackBack(0) | イノウエセイジの頭の中

2020年03月22日

100Vの電気炉で温度が上がらない


弊社から100Vの電気炉を納入したお客様で、当初考えられていた作業場所では温度がうまく上がらなかった、というご連絡をいただくことがあります。

これまで数例そのような事例はありましたが、幸いすべて解決に至っています。
お客様には何度かお電話での説明やサポートを行い、これまでの発信の中から、そうした症状の解決に向けたを資料や動画リンクを紹介するようにしております。

先日も「無事に設定通りの温度に到達しました」というご連絡をいただきました。

よかった、よかった。

このご連絡があるまではいつもちょっとドキドキです。


動画のリンクと以前にも書いていた過去記事を紹介しておきます。


★過去のブログ 2019年8月24日 1250℃にならない?






コンセントには100Vの電気がきています。

測定すれば100V以上あるはずですが、実際に100Vの電気炉を使用すると家庭の電気というのは意外とふんわりしています(笑)。

家屋へ引き込むまでの電柱には6600Vの電圧できています。
それが200Vになり、コンセントでは100Vになっているのです。

わかりやすく言うと熱い温泉のお湯を遠くの源泉から66センチの太いパイプで送ってきて、突然2センチになり、お部屋では1センチになっているようなイメージです(電気屋さん怒るかな)

下手すればお湯はもう、ぬるいわけ。
そこを理解すると解決できますし、延長コードがダメな理由もわかりますよね。




女性がいかに電気炉の電源を理解するかを考えて作った発信です。
これはメールをいただいたお客様のお陰で生まれた、自分の中ではかなりのヒット作です(伸びないけど)。





ガス窯を使用するならばガスのことを、電気炉を使用するならば電気のことをチョットだけ勉強しましょう。



うちは何故か息子も中学生のときに電気工事士の資格を取っています。




posted by inoueseiji at 05:43 | TrackBack(0) | イノウエセイジの頭の中

2020年03月21日

不誠実な対応をされました


先日とある陶芸教室の講師の方の動画発信についてコメントをさせていただきました。


100Vの電気炉が20回程度の本焼しかできないというこの動画の発信で、この数ヶ月にわたり質問や対応がおおく、迷惑していました。

また動画の内容は明らかに「この方の使用環境」が問題であると推察されますが、それを100Vの電気炉全体のこととして話されているように受け取れる部分もあり、実際そう感じた人が多数いたからアチコチに問い合わせがあったのでしょう。
(電気炉の使用環境については、どのメーカーもお客様へ説明しています)

いくらあのシンポの窯でも、20回とか40回で昇温しなくなるなんてことはないです。
(もし本当にそうならば訴訟とかリコールとかになっていると思いませんか)

そしてご本人はネットショップで購入し、サポートは受けていないようですし、話の内容から電気についての理解も一般人レベルです。メーカーには電話したとのことですが、業界ではおなじみの対応をされてヒーター線をご自分で交換したりもう一台購入したりしたが改善しなかったとのこと。

また動画中にその原因について触れていますが、あのシンポの窯であっても数十回の使用でレンガが痩せてきたりしませんし、ましてや熱が隙間から逃げるほどの収縮はこのような断熱材ではあり得ません。いくら窯や電気について無知でも想像で断言するのはいただけません。

これまでの動画のタイトルなどから、プロの立場で発信をしているように受け止められましたが、わたしのコメントには「自分はあくまで1ユーザーである」という立場だということでの弁明がありました。

しかし同時に「他意はないので返信いただければ動画は非公開にします」とも提案されました。

動画を作って出す手間が大変なのはわたしもよくわかっていますが、明らかな間違いで多くの誤解を生んでいるのですから、この申し出はありがたく、相手の誠意を感じました。そして実際に返信のコメントを書き込むとすぐに非公開にしてくださいました。



ところが、その非公開の数日後に何故か「窯の選び方の動画」を上げられていました。
(窯を造ったこともなく、自分の窯以外は焚いたこともない人が、どうして窯の選び方を話すのか理解に苦しみます…)





その内容にも明らかな間違いが多々含まれておりましたので、コメントで補足項目を書かせていただきました。ところが、わたしの補足コメントには「この動画の内容もお気に召さなかった様で申し訳ございません」という返信が。

…お気に召すとか、召さないとかではありません。

これまでに火災や死亡事故も起きている機材について、製造や設置、運用にかかわったことがないなら適当なことを言わないでくれと言いたいのを我慢して今後の多くの方々のために補足情報を書き込んだだけです。


ホントは窯業界を盛り上げようなんて、これっぽっちも思っていないのだろうと推察しました。







そしてこの動画の公開後、わたしのコメントを削除したうえで例の100Vの電気炉の動画を再び「公開」にされています(日本電産グループに見つからないようにお祈り申し上げます)。




1ユーザーという観点からモノを言っているというのはわかります。
ユーザーレビューは貴重な情報です。

だったら自分が一度もUSEしていない窯のことは言うべきではないのではありませんか?



わたしはこの方のロクロの技術や、手びねりなどの作り方のことは、仮におかしなことをしていたとしても指摘する気はありません。それは自由ですし、キャリア的にあんなものでしょうし、なによりこの方の商売の妨害になります。

やきものは本来、自由で楽しいものです。

そもそも、これまでも窯や作陶に関して実にでたらめな本や発信は山ほどありました。窯の事故もそれなりに起こってきたのです。だからわたしは十何年もひたすら窯についての発信を続けているんです。


繰り返しになりますが築炉メーカーにいたわけでもない人間が、どうして経験のない窯のことまで発信するのか理解不能です。
陶芸教室の講師にはまた別の使命があるのでは?
虚勢を張ってどうするのでしょうか。

発信は自由ですが、あえて聞きたいものです。

一つ二つは自分で窯を造りましたか?
全ての窯の様式を焚いてみましたか?
どれだけの窯場に足を運びましたか?

知らないことは無理して言わなくていいと思います。




今後ともわたしは陶芸窯についてのいい加減な発信は誰のものであれ正していきます。


わたしがもっとも衝撃を受けた陶芸家も、
先輩の師匠も窯の事故で亡くなっています。

窯は動画ネタがない人がテーマにできるレベルではありません。



陶芸界を盛り上げるといわれていましたが、経験値の少ない窯の発信で何が盛り上がるのでしょうか。

不安を助長しただけなのではないですか?
この発信で購買欲を削がれた人の方が多いのでは?


自分の発信の不足情報を善意で補足した、プロとの約束を反故にすることが陶芸界を盛り上げることにつながるとは思えません。




わたしは誰にでも見ていただけるように動画へのコメントを残しましたが、この方は自分から申し出た約束にもかかわらず、相手のコメントを削除するという形で反故にする、なんとも不誠実な対応をしましたさよなら事件を思い出しますね)。


この方の「プロ意識」がよく伺えました。
今後このような扱いを受けたくはありませんので、このブログに証拠だけは残しておきます。



スクリーンショット (90).png




※ 今後とも窯に関しての不正確な発信は誰であれ指摘していきます。
  それによる質疑応答やコメントで各々の理解が深まることを願います。
  それがわたしの考える窯業界を盛り上げる行動です。



続きを読む
posted by inoueseiji at 16:39 | TrackBack(0) | イノウエセイジの頭の中

オークションでの購入について


これまでにもネットオークションや個人売買などで電気炉を購入した人からの相談や問い合わせをいくつも受けてきました。正直いってわたしには関係ないことなんですが、すこしでも業界がよくなればと思って相手をしてきました。

しかしたちの悪い方は、こちらが電気炉を販売しているのを重々承知の上で、オークションで購入した自分の窯のことで無料サポートしてもらおうとしたり、プロでも正月休みから電話してきたり、あきらかにシンポの窯だなという電圧とアンペアの数値について設置の助言を求めてきたり、ほんとうに苦笑いを通り越すことがたくさんありました。

そんな素敵な方に共通なのは「すいません、そこからは有料対応になります」と伝えるとパッタリと連絡がなくなることです。「そうですよね、申し訳ない、これまでありがとうございました」と言われたことは一度もありません(笑)。

ネットで購入するにはそれなりの知識が必要です。
わたしは昔15万円はしていた鋳物の巨大なロクロを1万円で購入したり、特殊な素材を格安で購入したりしたことはありますが、それはその製造元をしっていて、修理方法をしっていて、正しい使用方法をしっているからです。

窯は断熱材と電気ならヒーター線の素材で性能が決定します。
安くていいものはありえないのです。ヒマラヤ登山するのに流石にワークマンとかユニクロでは厳しいでしょ。

自己責任って結構恐ろしいですよ。

そしてそれを受け入れないといい作品は生み出せません。
失敗するたびに誰かのせいにしたり、自分以外の原因を探してたらキリがない。

リクエストの発信ですが、まぁ思ったとおり伸びなさそうです。




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2020年03月18日

抑止力のはなし

ユヴァル・ノア・ハラリさんの著書だったか、世界が平和になったのはいろんな国が核兵器を持つようになったから、みたいな話がありました。ようするに抑止力ですね。

まぁイスラエルの人がそんなこと言うと物凄くリアリティがあります。


わたしの発信にも「強い抑止力」が働いていると自覚しています。

わたしの発信をチェックしているであろう、梶田絵具店の梶田さん、山内陶料の山内さん、大沢ガス炉商会の大沢社長、共栄電気炉製作所の牛田社長、シンリュウの支店長やFさん、瀬戸の先輩方、同期、南足柄の先輩、九州でも吉田さんや川瀬さんなどのプロの作家さんたち、動画チャンネルの登録者のみなさま、お客様、各先生方などなど(忘れてませんぜ、つくばセラミックワークスさん!)。



いやぁ恐ろしい抑止力ですね(笑)。



先日も友人と電話で話していたのですが、プロの発信には責任があると私個人は考えています。
もちろん発信は自由です。それがネットってもんでしょうから。

だからこそプロにはプロたる発信、責任感と覚悟が必要だと強く思うのです。

わたしは自分が経験していないことを適当に言わないようにしています(たぶん)。
それでも間違いを指摘されることもありますし、軽くクレームをいただくこともあります。
四半世紀やきものに関わっても、知らないことのほうが多い。


先日も書きましたが、わたしは作り方なんてその人の自由、なんでもアリと思っている方です。
逆にそんなやり方もあるのか、へぇ〜と感心したり、こんなレベルでも面白いものが出来るんだなぁ、自分は頭が固いなぁ、と反省したりすることも多々あります。

ただし。

窯と焼成に関して、いい加減な発信や適当な説明を見過ごすことはできません。

窯はもっとも重要な設備です。だから名前付けたりするんです。
その窯のもとで働くから窯元っていうんじゃないのかな(イノウエ説:信ぴょう性は薄い)。


窯の誤った使用方法によっては火災・爆発・一酸化炭素中毒など重大な事故が発生します。

2019年だけでも最低2件は陶芸窯による事故が起こっているのを確認しています。
アマチュアのグループと陶芸教室講師の方の事故です。

もっと過去の事故をさかのぼれば亡くなった方も複数いるのです。


しかし逆に言えば、製陶所などで大型のガス炉が全国各地で毎日稼働していますが、事故なんて聞かないでしょ?それはプロの現場とはそういうものだからです。

窯を持つことがこんなにも簡単になったいま、やきものはより楽しいものになったとわたしは思っています。多くの方にその楽しさを伝えることができるようになって、嬉しく思っている毎日です。

だからこそ、さらなる努力をして、より正しい発信を行うことが非常に重要だと日々考えています。




posted by inoueseiji at 11:24 | TrackBack(0) | イノウエセイジの頭の中