2021年10月12日

ハンドルとひっぱり棒

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ガス窯ネタを続けていこうと思います。

さてハンドルはまぁ分かるとして、ひっぱり棒って何?という方のための記事。
ガス窯の鉄のケーシングは天井部がない箱型。

爆発しても圧は上に抜けるようになっているなんて先輩に聞いた方もいるでしょう。まぁそういうことも結果としてあるかもしれませんが、鉄のフレームを自分で組んでみれば天井部に鉄板なんて貼れないのがわかるかと思いますし、そもそもレンガ積みを受け止めるためのケースですから、天井部はアーチがはみ出す場合もありますし、補修工事でも邪魔にしかなりませんから必要ないのです。

窯のサイズが大きくなるとレンガの量も増えるし圧も強くなるので、前後左右に「ひっぱり棒」というものをつけます。これは築炉メーカーによってどのサイズから設けているかは色々です。また時代によっても考え方の変遷があったようにも見受けられます。大沢ガス炉商会さんの0.4㎥はひっぱり棒がありますが、ウチにある古い0.4㎥にはありません。シンリュウさんは横だけ引っ張っているモデルが意外と多いです(どれも正しいと思います)

写真のものはかなり古いガス窯ですが、ボルトとフレームの間には大きなスプリングがはさんでありますね。これでわかるようにひっぱり棒のボルトは締め付けてはいけません。完全に窯が冷めている状態で、このボルトが指で回せる程度にしておいてください。まぁ写真のタイプだとスプリングワッシャーが効くので締め付けてもいいでしょうけれど。

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鉄というものは意外と膨張します。そのため指で回せる程度の締め付けでも、最高温度付近ではレンチじゃないと回せないぐらいパンパンに張っていることがあります。

以前の古い動画でもお話していますが、これは扉のハンドルでも同様です。
片手で軽く回して止まったところからちょっと閉める程度でまったく問題ありません。これまたやはり熱による膨張で最後はギッチリ締まっていきます。

大きなガス窯でハンドルに棒を突っ込んで全力で社員が締めているなんてところもあったそうですが、この動画を観て同じ窯の傷み方をしているのを知っていただき、今は正しく締めているとか。

実に些細なことです。
聞けばなるほど〜って納得できることですし、間違った扉の閉め方は窯を確実に傷めます。
中古取り扱い業者になれば、正しく説明できないところの方が多いでしょう。築炉メーカーでも怪しいところがあるのかもしれない。

こうした些細な情報をガス窯に興味を持ったかた全てに知っていただくしかないかと思います。
「窯の専門家」の方はじぇんじぇん伝えてないみたいですけんねぇ。







(いや髪が黒いなぁ。)
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2021年10月09日

陶芸窯のエントツの表面処理は

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言葉の間違いでよく恥をかきますイノウエです。

以前のエントツの話でアルマ加工を自分の中でいつの間にかアルマイトと誤認しておりました。
正確にはアルマイト処理はアルミニウム製品の表面処理のことで、まぁラグビー部のヤカンとかのあの色のことでしょう(こうやって適当なことを言うから恥をかくのよ)。陶芸窯のエントツに行うメッキは正確には溶融アルミニウムメッキのことです。

まことに勝手ながら愛知県の企業と偶然教えていただいた福岡の企業のホームページをリンクしておきます。

ご興味のある方なら、これらのホームページの内容から、どのような分野で溶融アルミニウムメッキが使用されているかわかるかと思います。

とにかく、これまで間違いをエラそうに発信してきたこと、お詫び申し上げます。
またその気付きのヒントを下さったつくばセラミックワークスの福田さんにも改めて感謝申し上げて奉り候。

ありがとうございました。



◆東海アルマ工業



新興アルマー工業株式会社




※ また最近では加工のコストが下がってきたこともあり、総ステンレス製のエントツも採用されるようになりました。価格はアルマ加工よりも高くなりますが一つの検討材料になるかと思います。
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2021年10月04日

結局ガス窯で大切なものは

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(これはなにか普通じゃないヤツ)

ブログでも動画でもお話していますが、業者さんのいい加減な工事を変えていくには、お客様になる人たちを変えるしかないと思います。

見込み客のすべてが圧力計はどうなっとる?エントツ工事はどうするんだ?見積書のハンコがねぇぞ、とグイグイ詰め寄ってくれば嫌でも下手な仕事はできなくなります。悪い人がいても悪いことが出来ない環境をつくればいいだけです。

もしかしたら業者だって何も知らないだけで悪気はないのかもしれません。その可能性も否定しませんが、正しい施工方法を知らない人が取り扱うには陶芸窯は危険すぎます。

以前だれでも簡単につくれる電気炉の動画をつくろうとしたことがありますがボツにしました。それはプロと思われる人でも電気炉やその危険性についてまったく注意を払っていない事例をいくつか知ったからです。電気炉しか使ってないのにねぇ。

ましてやアマチュアの方がその発信でなにか事故をおこしたら、と考えると恐ろしくなってやめたのです。
電話の中古窯の問い合わせでも、手伝うから安くなりませんか、日曜大工みたいなことは得意ですが、なんて言われたことがありますが、そういう問題ではありません。電気工事士の免許はお持ちですか?と聞き返したら絶句。別に意地悪を言っているわけではありません。危ないから免許が存在しているだけです。

また、これも嫌な話ですがアマチュアの方の中には、窯を購入しただけで得意になってしまう方もいます。そして周囲に得意になってロクロを教えだしたりする。窯はちっとも焚けるようになっていないのに。高いロードバイクとウェアを着ていつまでもお腹が出ているような、大観峰のパーキングで何時間も高いバイクを駐めて見せびらかしているような、何とも言えないみっともなさがあります。

わたしのやっていることは更にもっとみっともないことかもしれません。そんな人たちに、あなたの脚力ならそのロードバイクはあってませんよ、とか、そのバイクのパーツの付け方違いますよ、とか頼まれないのに突っ込んでいるようなものなのかもしれません。

それでも役に立つ情報を探している人がいますし、限られた時間と予算、それはすべての人がそうでしょうが、その中で自分の作陶に合う陶芸窯を選べるようになっていただきたい。

そして正しく「安全に」運用できることです。今回選び方をまとめてみてこれまで口酸っぱく言っていたエントツだけではなく、圧力計も絶対にガス窯に必要ですね。圧力計なしで初めてのガス窯を焚く自信はわたしにはありません。


いろいろ書きましたが、



エントツと圧力計が大事!



これだけ覚えておいてください。






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2021年09月28日

やっていればわかりますから(笑)

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先日とあるところで焼成指導をしてきました。

プロとして独立し自分の窯も手に入れてという若い作家さん。
中古ですが設置してすぐ、なんだか窯の操作に違和感を感じ、その業者にも違和感を感じて、意を決してふくおか陶芸窯にご連絡をしていただいたとのこと。

そのガス窯を設置した自称「窯の専門家」の業者さんはやはり常識としてありえないことをしているだけでなく、「30回ぐらい焚いたらわかりますから」との有り難いアドバイスを彼に残していったとのこと。

ワタシも自分が思い通りに焚けるようになるまで15回ぐらい失敗しましたが、それは窯の操作は出来ているが求める還元焼成の度合いや窯詰め方法などで失敗したということであって、窯が言うことを聞かないとか、温度が上がらないとかではありません。

初窯に失敗したわけではありませんでしたから。



30回ねぇ。

もしワタシがこの人生を30回ぐらい繰り返し生きたら最後はなんとかソフィー・マルソーとの結婚も叶いそうな気がしますが、家族背負って、人生かけて、どうなるかわからない焼成を30回もこなすことがアナタには出来ますか?


もちろんガス代はあっち持ちではなく、アナタ持ちです。
安いところと契約していても30万円弱はするかな(笑)。



自分で焚けない、自分で窯を造っていない、そういう方が陶芸窯の販売をしても極論わたしはいいと思います。

だったら「ホームページに窯の専門家って書いてますけど、だれも窯焚き出来ないんですわ」とちゃんとお客様に言いましょう。

焼成指導は別料金と明記して外注するか、小声で「無理デス!」って先につたえましょう。

焼成指導とは、その窯を自由自在にコントロールして購入してくださったお客様を知識と技術で応援する大切な「窯の専門家」の仕事です。築炉メーカーなら当たり前で、取扱業者のワタシでも当たり前のこととしてガス窯では行っています。

また窯の購入をお考えの方々はしっかりと情報を集めて、一人でも焚けそうな気がするゾ!というぐらいの根拠のない自信を持てるようになるまで大きな買い物をするのは控えた方がよいと思います。

しい言い方をすれば購入する側に知識がないから「窯の専門家」なんて自称を許しているということでしょう。わたしはそれをもってその産地のレベルが瀬戸にかなわないという悲しい根拠になると考えます。

お客様になる側にちゃんと知識や経験があって「エントツぐらい真っ直ぐ立てろアホ!」とか「圧力計つけたままで運んでくんなボケ!」ぐらいのことをその産地の誰もツッコめないからいけないのです。


窯の専門家の「これで大丈夫ですよ!」にツッコめないではカモになるだけです。
一人ひとりが「これのどこが大丈夫なんだよ!」って欠陥工事をインスタに晒せるような知識をもちましょう。




車の購入に例えるとすれば、築炉メーカーが正規ディーラーや製造工場、ワタシのような業者は元ヤン店長の中古車屋みたなもんです。

新車が買えないのならば「この車はこことここを新品にすればイケるな」ぐらいの眼を持つまでは手を出さないか、元ヤン店長がいまは更生して実は整備士免許持っていた、なんてことを確認するまでハンコを押すのはやめましょうよ。


そんなことできる自信がないというならば、何百回も言っているように

窯はつくって焚ける人から買う

につきます。



「プロですから分かってらっしゃるでしょ〜!」
   分からないことを分からないと言えるのがプロです。

「前の窯と同じように操作すれば大丈夫ですよ〜!」
   前の車と同じように運転してもいいの?

「30回ぐらい焼いたらわかりますよ」
   じゃあガス代そっち持ちだよな?

「まぁやっていればわかりますって!」
   生きていれば悟りますって?無理無理!







この再生リストを30回ぐらい観たら「窯の専門家」を論破できると思います(笑)。


posted by inoueseiji at 07:04 | TrackBack(0) | イノウエセイジの頭の中

2021年09月20日

電気炉への配線

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連絡がうまくいっていなかったのか、電気炉初めての電気屋さんだったのか、搬入後の配線工事でブレーカーまで設置されていたのに電気炉への接続がありませんでした。

まぁそういうこともあるかなと反省しつつ、われわれの経験値アップもかねて炉の操作説明をする日に配線工事も行ってきました。また今後は電気炉が初めての電工さんのために施工に関する資料も事前にわたすようにしていきたいと思います。


イノウエは芸術学部美術科、ムスコは都市園芸科出身なのですが、なぜか二人とも第二種電気工事士免許を持っております。一家に一人の電気工事士は大変便利ですが、現場でも重宝いたします。

最近では電気工事業として登録するために必要な測定器や工具もすべて揃ってしまいました。


また、こうした工事の前にいつも様々なアドバイスをいただく電気工事関連の友人や知人の方々、本当にありがとうございます。

この場を借りてあらためて御礼を申し上げます(こんどフリーカップあげます)



さて訓練校の後輩にもあたるこちらの作家さん、これからの活躍を応援していきたいと思います。


posted by inoueseiji at 10:52 | TrackBack(0) | イノウエセイジの頭の中

2021年09月16日

悪いのは窯とエントツの方じゃないの?


エントツが大事なんだと言い続けて結構な年数がたちますが、まだまだ認知されません。

そもそも本体のおまけみたいに捉えている人もいるようですし、本気で製造していないメーカーもあるようです。太さ、長さ、素材、施工方法、曲げる必要があるときの考え方、雨仕舞などなど。

本体がどれだけよくても、エントツがダメだと全く焼成できません。

スズキの空油冷エンジンがいくら良くてもマフラーぶった切ったら音がうるさくなるだけでパトカーからは逃げられないってことですな。

年齢のせいかイヤミが本当に過ぎるようになったというか(笑)。
一発撮りでも編集しないと放送禁止になってしまうようになりました。


それを優しく指摘してくれる人から見放されたらどうしよう。


というわけで、動画だとエグいことになりそうな話を次の方のバトンとして書いておきます。


ほとんどの人は読まない方が良い内容です(R-35指定)。



時々あるお問い合わせ。

「エントツがおかしいと思うので作り直してもらいたい」

「うちの窯のバランスがおかしいと思うので見てほしい」

そういうときに98パーセントおかしいのは残念ながらアナタのほうです。

自分が間違っているのかも知れないと思ってみることも時には必要です。


特にあなたが以下に当てはまるのならば、もう一度あらためて窯炉というものに向き合ってみましょう。

1 窯のサイズが変わったらうまく焚けなくなった

2 これまでの人生で焼成した窯は自分の窯だけ

3 長い伝統を継いでいる自分はいつも正しい

4 陶芸に理科や数学は必要ない

5 焼成の記録を取っていない・グラフ化していない

6 築炉屋や粘土屋が偉そうにアドバイスするんじゃないよと内心思っている



何人かがお茶吹き出したり、心筋梗塞をおこしているかもしれませんが、ざっくりと説明します。



★1 窯のサイズが変わった途端にうまくできなくなる人は、そもそもガス窯などにおける焼成のメカニズムを理解していないと認めましょう。大丈夫です。前の窯ではうまくできていたのですから、それを補正すればいいだけです。ダンパーやドラフトの操作を何℃で何センチなんていう把握をしている方がこのタイプに多いです。前の窯のやり方でエントツを真っ赤にしているような人もいましたが、窯が悪いんじゃなくてアナタが悪いですからね。炎のある窯では炉圧を意識してください。そして火力は押し、エントツは引き、という認識です。ある空間の温度を上昇させるのが窯炉というものです。ではどうすればその空間の温度はあがるのでしょうか。前のガス窯は3㎥だったんだよねと自慢する暇があったら検索してみましょう。


★2 電気炉の経験しかないのに偉そうに窯の講釈タレたり、勉強会なんかを得意になって主催している方もいるでしょう。別に電気炉が悪いわけでも、ガス窯が偉いわけでも、薪窯が最強なわけでもありません。ただし自分の窯しか経験がないというのは自分が経験したマツダの教習車一台をもって世界の乗用車の歴史と製造について語っているのに近いことです。自分はまだ序の口で一方向の視点しかないという認識を持つべきです。複眼的に焼成ややきものを見れていないということを事実として受け止めましょう。これはわたしもですし、ある意味この世界の全員がそうです。ただ体験した数が多いか少ないかということで言えば、はやり多い方が有利ということになるでしょう。またこれは焼成回数にも言えることかもしれません。フェラーリをガレージに8台並べている人よりも、好きな1台を乗りまくっている人のほうが多角的にフェラーリを語れるでしょうから。


★3 時代はどんどん進んでいます。窯だってそうです。少なくとも裏の倉庫にこっそり設置されたガス窯には薪窯の口伝は通用しないことがほとんどです。また自分は焼成の作業を「見ているだけ」だったら、焼成と窯焚きについて適当なことを若者に吹聴するのはやめてくださいね。この世界で威張っていいのは自分で実践している人だけです。全行程それができるのがやきもののいいところです。器の作り方の本は本当に掃いて捨てるほどありますが、いまだに焼成方法のまともな本がほとんどないってどうなのよ。これは「俺の作り方は最強だぜ〜真似しろや〜」という人間は掃いて捨てるほどいるけれども「俺の焼成方法を見てみろや〜」という人間が皆無ということです。むかしは秘伝とか窯の秘密とか言っていたようですけれども、それは薪や炉の寸法などが違いすぎて共通点が少なかっただけなのかもしれません(そもそもたいした秘密ではないし)。でも今の陶芸家が使っている窯は薪であってもガスであっても同じメカニズムで焼成されているでしょう。


★4 数学のテストで0点取ったことがあるイノウエでも、ゼーゲル式を必死に勉強しました。また理系の考え方をしないとロマンにハマってしまいます。べつにどんなに適当にやっても手順と組成が正しければ正しい結果が生まれるものです。神棚や神頼みにも意味はありませんし(するけどね)、雨や台風のときの窯焚きで良いものが取れるのは苦労してびしょぬれで焚いたからではなく、空気中や薪の湿度や露地の水分、ドラフトの働きを強い風が不規則におこしてくれたから、なのかもしれません。出来ない、やらない、はいいとしても理系の考えを否定してはいけないですし儲かりません。ロマンがどうしてもやめられない人は骨董とかオススメします。


★5 時間と温度計の数字の羅列を手書きで行っていては焼成は上達しません。グラフ化していくことが重要です。またそれぞれの窯のサイズによってもおおまかな焼成時間というものはあるものです。たとえばガス窯ならそうです。それなのに無駄に何日もかけるとかガス屋さんが喜ぶだけかもしれません。1㎥でも24時間以内で焼成する人がほとんどでしょう。そのために耐火断熱レンガで造っているんですから。長く焚くならどの温度域を何故に、とつきつめておかないとこれまたロマンの入り口です。


★6 そう思っている人の窯をつくって原料を提供しているのは誰でしょう。最近では随分と減りましたがこのノリの方は依然いますし、いまではダンディなアマチュアの方に散見されるような気がします。窯を造る人が焚けなかったという部分がこうしたノリを過去生み出したのかもしれません。しかし、実際に一番科学的な知識をもって考察し、自分でも窯を焚いているのは原料に近い人たちです。レンガの種類や鉱物の組成を諳んじていないのならプロを敵に回すのはやめましょう。中にはこれまで一回も窯も焼成も体験していないのにどうしてかしらと思うほどコチラがお叱りをいただくようなこともありますね。まぁロクロ頑張ってください!


また怒られるかもしれませんが、わたしは窯と焼成に関して安全第一で発信をつづけます。
それが「窯の専門家」ってもんでしょうから(自分でプロとか専門家って言う人は(笑))





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2021年09月12日

ウェブせともの祭陶器市★瀬戸


オリバーとは無関係です、イノウエです。

書こうと思っていておそくなりました、開催は今夜まで!



諸事情で福岡の陶磁器フェアにはどうしても行けなかったのですが、リアルで開催したことは評価できると個人的には思います。

オリンピックは開催で11月の福岡マラソンの中止なんだから、行く人、参加する人の自己判断で何がいかんとや?という気がするからです。

とはいえ批判もかなりあったようですから、今後はウェブも当たり前になっていくんだと思います。

ウェブの陶器市、参加する資格がどうなっているのかなど、それぞれの産地でいろいろとあるでしょうけれども、丹波なんかでも組合のサイトの売上がスゴいことになったそうですし、大きな可能性があるわけです。

器をネットで買うなんて考えられなかった人たちがネットで購入するように変わってきたのは紛れもない事実。

これからは我々が今Amazonを当たり前と思う程度には当たり前になっていくと思いますね。




◆ウェブせともの祭陶器市


(多治見がアニメにしたのは正解だな)









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2021年09月10日

プロにはプライドがあるものです


結構な数の中古の窯がこの数年で動いたと思うのですが、そのガス窯や灯油窯のエントツ工事はどうだったでしょうかねぇ。

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(安いレーザーは線が太いぜ)

先日知人の紹介で現場確認に伺ってみれば屋根の母屋材(垂木みたいなの)に干渉するからと無理やり斜めに取り付けられたエントツを見て絶句してしまいました。木材に当たる部分は無理やり断熱材をあててあり…。

大沢ガス炉商会で鍛えられたワタシにしてみれば切腹モノの仕事。
初代社長なら介錯もしてくれずに打ち首獄門を言い渡されそうな雑な仕事です。

窯の専門家が行った工事でないのは明らかです。
プロの感覚からすればありえないしプライドが許しません。

当然消防からも注意があったとのことですが。

そもそもちゃんとした専門家に頼んで正しいエントツ部材と正しい工事が行われていれば少しは高くなったとしても、あとでまた余計な出費をすることもなかったでしょう。ワタシとしては40歳の秋、いい加減な雨仕舞工事を前に山口県の屋根の上で涙ぐんだときと同様に、この件は儲け度外視で行っていきたいと思います。


別にヒ・ミ・ツではないので書いておきます。

まずエントツがある窯の設置においては、どこからどうエントツを出すのかを決めてから本体の設置場所を検討します(レーザーの出番)

う〜んここだとバーナーの点火がしにくいなぁとか、ここだと後ろが狭いなぁとか、あ〜垂木に当たるわぁとか考えるわけですね。

その現場確認のためだけに出張することもママあるのです。

それから完成した本体の搬入が行われ、屋根に穴をあけてエントツを設置しつつ、本体側でも位置を微調整します。

それからアンカーボルトを打つとか、雨仕舞をするとかになるわけですよ。

雨漏りもみっともないですが、消防に工事のダメ出しされるなんて本当にいただけません。

みなさんがもし良い中古を見つけたとしても、安易にご自分で設置工事を行わないようにしてください。兄貴が土建屋で資格あるからとか、人によっては自分たちで出来ると思えることもあるでしょうけれども、せめて一度でいいから専門家のアドバイスを受けるべきです。

ウチなら焼酎二本程度の有料相談案件ですが、お値段以上の情報は提供しますし、そもそもワタシはどこの誰にも事故を起こしてほしくありません。

だからこんな情報発信を十数年行っているんです。

また先日とある県外で、クレーン付きのトラック、いわゆるユニック車をお客様に借りていただくということがありました。お客様が電話すると「あんさんにクレーンの免許が無いと貸せまへんえ」と建機屋さんのおねえさんにピシャリと言われたとのこと。急遽ワタシが電話して手続きしたこともありました。

知っている業者がいるからと、小忙しいワタシを気遣っておっしゃって下さったお客様に甘えたのですが、そんなことは免許制度に関係はなく、逆に「今はそこまで厳しくなっているんだ」ということを知ることなりました。

むかしはクレーンの免許がなくてもトラックの運転免許証があればだれでもユニック車を借りれました(経験者談)
それは「俺はクレーンの免許もってないけど、現場に持っているヤツがいるんでねぇ」という理論でスルーされていたグレーなゾーンだったんですな。

そもそもクレーンは免許持っていても事故が多い機材です。
そして事故が起きて無資格無免許が発覚するとドンドン厳しくなっていくわけですね。

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(この現場に同級生がいましたヨ:元気か?)

搬入の動画からどんな道具が必要なのか教えてくれい!と連絡をいただいたことがありますが、動画を見てわからない人に免許がないのは確実ですからやんわりとお断りしたこともあります。

中古を購入するにしても、よく見極めましょう。

窯ではなく業者を。

それからいつも言っていますが、エントツさえ正しく製造と設置がされていれば、本体側の弱点はある程度はカバーできます。

窯と焼成の知識と技術でそれは可能なんです。
その知識と技術がない人が「エントツはこれつけときゃエエやらぁ」と適当なことをするんでしょう。

誰もGSXのエンジンに単管パイプ突っ込んでマフラーにしないでしょ?
この感覚をせめてプロには持ってもらいたいと願う実にアマアマなイノウエです。







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2021年09月08日

「共栄電気炉製作所さんの動画を拝見しました」というお問い合わせ


先日共栄さんの工場紹介動画をアップロードしました。
直後より問い合わせを数件あちこちからいただき、やはり映像の力は大きいなぁと思った次第です。

そもそもコロナがなければ協力関係にあるメーカーの工場紹介動画を撮ろうと画策していましたし、それは必ずお客様の安心と製品に対しての信頼につながることになると確信していました。

様々な陶芸窯の製造メーカーや販売店があります。

国産ではない電気炉も多く国内に流通していますし、それを販売しているところの方が業界では名前が通っていますよね。

事実これまでも「あなたの紹介するメーカーは聞いたことが無い。やっぱり○○ポにします」と言われたこともあります。
そんなときにこうした動画があれば、と悔しい思いをしてきました。

100Vの電気炉においては競合する製品の価格帯もほぼ同じで、ターゲットとなる家庭で作陶される方々にその相違点は判断しにくいのも事実でしょうし、あちらもわざわざ「ウチのは国産ではありません」とは明示してありません。

こうした陶芸用電気炉の販売競争において、われわれのセールスポイントはなんでしょうか。

多治見という陶産地において70年以上前から電気炉を造り続けているということが一つ。

日本初の還元焼成対応電気炉やマイクロウェーブ炉、超高温炉を開発する技術力があることが一つ。

製造に関わる人たちは陶磁器製造や焼成、電気、計装、金属加工など築炉にかかわる技術をそれぞれの専門として持ち、分業しながら質の高い製品を世に出しているということが一つ。

電気炉においてすべての部材や製造を国内にて行っているということが一つ。
(下町ロケットみたいになってきたな)

企業と製造のトップに陶磁器製造と焼成の経験と知識を持った人が複数いるというのも強みの一つでしょう。
(わたしとしては当たり前と思うのですが今ではこれがセールスポイントかぁ)

ご存知ないかたも多いかもしれませんが、海外と日本では焼成温度や窯や機材に対しての感覚が全く違います。壊れれば直せばいいという国民性もあるでしょうし、高性能を犠牲にしてもユーザーによる補修を可能にするという考えもあるようですし(理解できんが)、そもそも窯に対する感覚がズレまくっているということもあるでしょう。

これについては過去動画でもお話しています。


どこで誰が造ったというのが見えているというのはとても大切なことではないでしょうか。
特に家と窯は製造者の顔が見える方がいいと個人的には思っております。

遠くのお客様で大きな電気炉であれば、なるべく製造中の進捗状況の写真を工場にはお願いするようにしていますし、今回の動画もその意味があります。

今回の工場紹介動画は、すでにふくおか陶芸窯で電気炉をご購入されたお客様方にとって、自分の電気炉に対する安心感や信頼性、ある意味プライドにもなったようです。





まだまだあるのですが、続きとします。


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2021年09月03日

共栄電気炉製作所



共栄電気炉製作所さんの本社工場の様子をダイジェストの動画として紹介してみました。
まぁでも普通の方にはこれで十分かもしれませんね。

シャーリングのメーカーに興奮したり、ホルソーのデカさにビビったりするのは製造現場で働いた人間だけでしょうからね(笑)。

大沢ガス炉商会にしてもシンリュウさんにしても、共栄電気炉製作所さんにしてもスタートはやきもの、陶芸で、窯を焚ける人がトップにいるし、創業者だったりする。

コレってあまりにも当たり前ですよ。

そしてそれぞれに得意分野があるわけで、大沢ガス炉商会ならガス窯、そして共栄電気炉製作所さんは名前のとおり電気炉です。

その名前を聞いたことがない人から「ちゃんとしたメーカーなの?」なんて失礼なことをわたしは電話で言われたことがありますが、この動画をご覧いただければ一目瞭然です。ロクロメーカーしか知らない方が失礼じゃあ〜りませんか(笑)。

世の中の基準では中小企業になるのかもしれませんが、築炉メーカーとしてはかなり大きい共栄電気炉製作所さん。1942年設立です。
そして製造工場だけではなく、ギャラリーや体験工房などもグループに持っています。多治見市だけではなく、陶磁器業界への貢献も多くされています。また還元焼成可能な電気炉を初めて開発したのも創業者と試験場の職員だったという話しは以前動画にもしています。



いつも本当にお世話になっております。
社長はじめ社員の皆様ありがとうございます。




株式会社 共栄電気炉製作所

◆営業本部 大原工場

〒507-0074 岐阜県多治見市大原町11丁目5番地
電話 : (0572) 29-5172(代)
FAX : (0572) 29-5173


◆富士見工場

〒507-0047 岐阜県多治見市富士見町3丁目66番地
電話 : (0572) 21-3511(代) FAX : (0572) 23-9006


◆鳥取工場

〒689-2202 鳥取県東伯群北栄町東園稲場工業団地
電話 : (0858) 37-4778(代) FAX : (0858) 37-4789

・営業時間は、平日9:00〜17:30になっております。
・富士見/鳥取工場は製造工場のため、電話応対することができません。
 ご連絡は基本的に、営業本部 大原工場へお願い致します。




★ボイスオブセラミックス

〒507-0047
岐阜県多治見市富士見町3丁目68番地1
電話 : (0572) 25-7267 FAX : (0572) 23-9006


陶芸体験・陶芸機材販売 
ボイスオブセラミックスHP  http://www.voice-tougei.com/



★ギャラリーヴォイス

〒507-0033
岐阜県多治見市本町5丁目9番地1 陶都創造館3F
電話 : (0572) 23-9901 FAX : (0572) 23-9902

展示・シンポジウム開催 
ギャラリーヴォイスHP  https://gallery-voice.jp/



★ヴォイス工房

〒507-0801
岐阜県多治見市東町1丁目9番地17
電話&FAX : (0572)25-2233

陶芸を学ぼう 
ヴォイス工房HP  http://kds-kiln.co.jp/v-kobo/

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2021年09月01日

出張アルアル


あっという間に9月ですね。
出張から無事に戻り、疲れも取れて通常通りお仕事しております。

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(昔列車でも渡りました)

さて、いろいろと発信のためにまとめないとイケないこともあるのですが。
本日は軽いネタでお茶をにごしておこうということで出張アルアル。

  • 一気に走れる距離が年々短くなっていく(若い時は 福岡ー名古屋 9時間台だった)
  • お土産は「通りもん」が鉄板
  • どこへ行っても久しぶり!よく来た!と食わされる(結果太る)
  • 親類はいつまでもわんぱくで食いしん坊と思っている(もう51歳です)
  • 方言が混じって言葉がおかしくなる(ハイブリッド化)
  • 「太陽の塔」の横を通ると決意を新たにする(独立時に行った思い出)
  • 奇跡のように誰かが平日休み(有給休暇バンザイ)
  • 絶対に地震がおきる(言われて気がついた)
  • 味噌煮込みうどんをもっと買えばよかったと反省する(でも2ダース買った)
  • 仕事モードの昼は土地の名物は食べない(セブンとかで済ます)
  • 車内で与太話を撮影するもいつもボツ(とりとめなさすぎて)
  • 新ルートを通るとテンション上がる(新名神とか)
  • ひそかに送電鉄塔の変遷を確認
  • 変わっていく部分と変わらない部分のそれぞれが胸に染み入る

今回は一人の移動、それも乗用車を用いてでした。
またどうしても現場に赴く必要がある仕事を二つがあって関わるメーカーなどにも行く必要があったためです。
十分な感染対策を行い、少人数での打ち合わせ、屋外での立ち会いなどがメインでした。

それぞれの場所でご対応していただいた皆様、本当にありがとうございました。




はやく落ち着いてほしいものですね。
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2021年08月25日

ひとつひとつ確かめること


ここはどこ?ワタシは誰?
みたいな状態になっております、出張中のイノウエです。

仕事や仕入れのために本当に久しぶりに東海地方に来ております。
そしていつもの如く梶田絵具店さんのテストピースの増殖ぶりを確認。

トキちゃんの詳細でディープな商品説明の電話を横で聴きながら、梶田さんと業界話で盛り上がりました。

ほとんどホワイトボードの前でくっちゃべっているどこかのオジサンと違い(笑)、一つの動画や一言のアドバイスの前に、これだけのことをしている人がこの世にいるという頼もしさ!(そして恐ろしさ)

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(テストピース保管用の巨大な倉庫があるという都市伝説)

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(スイカもペイペイも使える)


次のネタだというテストピース群も見せていただき、その詳細と数値化に衝撃をうけましたが、それはまた発信を待ちたいと思います。


そして本業の方では共栄電気炉製作所や古巣の大沢ガス炉商会にて仕事をしてきました。

コツコツとひとつひとつを確かめるように、材料や工程を改良しながら、昨日よりもより良いものを作ろうとする人たち。

いちいちそれを自慢することもなく。
名前も名乗らなず、買い物もしない電話にも丁寧に対応する。
持ち込まれた問題に真摯に対処してお金も取らず。

そういう人の背中を見れる幸せを久しぶりに感じました。

いつかYouTubeで、窯や釉薬や絵の具や焼成ネタの再生回数が、下手な電動ロクロ動画の再生回数をぶっちぎる日を信じて、また発信を続けていきましょう。





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2021年08月20日

陶芸家の条件

『奏でる陶芸家カルテット展』
博多阪急1階メディアステージ
■8月18日(水)〜24日(火)

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園田空也

岩元鐘平

草場瑛人

齊藤博之

博多阪急ライフスタイルリヴィング

九州陶芸家が集い2019年にスタートしたイベント、それぞれ作家の共通点の音楽やライフスタイルを通して作品を展示する1週間。




数学でさえその研究を支えるのは情緒だそうですが、ものを作る仕事であればなおのことでしょう。

陶芸家さんはいろいろなことが出来る、好き、趣味、という方が多いような気がします。
それ以外にも自分で家作ったり、小屋建てたり、そもそも窯を自作する方も多いですね。

カメラが好き、楽器の演奏ができる、デザインや絵のほうがコッソリ得意、スポーツマンだったり、機械いじりが得意、野菜をつくったり、花を育てたり、お茶やお華をされている方も多い。陶芸家というのは決して土にばかり向かっているわけでもない。わたしの好きな志村さん(ハニワでブレイク?)なんて文学のほうで受賞歴がありますから。


もしかしたらそれが職人と作家の相違点であるのかもしれません。

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技術だけを磨いていくと「技術だけ」が上がります。
体育会系の部分ですね。

でもちゃんと自分の情緒や渇いた心に水をまいていかないと、人の気持ちを軽くする器はできないのかもしれません。
文系の部分ですね。

卑近な例で申し訳ないですが、わたしが作品上の師匠としている方と知り合った頃、フランクルやカルザスという名を知っていたことが相当プラスに働いたのは間違いないと思っています。そういう部分の繋がりがいまでも長電話できる間柄となっているのではないかと単純に事実として自己分析しています。

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作家と作家、作家とお客様、師匠と弟子、器ややきものの間ですが、音楽を軸につながる方々もあるでしょうし、お茶やお華でつながっている方も多いかもしれません。

そうしたつながりの中で育つ自分の情緒がその人の情動やエネルギーやきっかけになっていくのかもしれません。

ロクロ名人をたくさん見ましたが、実はロクロ名人(つまり職人の頂点)が美しく素晴らしいものを作れるのか、というのは別問題でした。

技術だけでは到達できないところ。

そんな場所を知っている作家さんの作品には魅力があります。

このグループ展のみなさんは九州在住の方ばかりです。

偶然にもこの4人の作家さんのうち3人の作品をわたしは過去何度も購入させていただいておりました。本当にオススメです。

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まぁイノウエもくさ、一応ピアニストでギタリストやけんねぇ。





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2021年08月07日

イノウエはやっぱり知ったかぶりの模様です

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先日久しぶりにガス窯を焚きました。
補償導線を新品にして、熱電対の端子周りなども掃除したりしたので、温度表示がかなり変わるだろうと覚悟。

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(マジかぁ?)


熱電対の起電力を測定して温度表示に変換しているのが温度計と熱電対で、その中を取り持つのが補償導線です(笑)。

ゼーゲルコーンの8番は軽く傾いた程度でしたが、この温度表示は不安になる(笑)。

まぁ酸化焼成だったからというのもあるとは思います。


で、本日の本題です。

以前いろいろお問い合わせがあった際に、焼成中のエントツは100℃ちょっとにしかなりませんよ、それ以上熱くなったら熱が逃げすぎです、なんてエラそうに言っておりました。

まぁその通りなんですが、実はその後いろいろと調べてみると、非接触式の温度測定器、赤外線温度計(最近オデコにピッとされるヤツ)は、物質ごとの放射率を正しく設定しないと正確な数値が出ないということを知りました。

というわけで改めて焼成中にネットの一覧表やちょいと日本語の怪しい取説などを読み込んで測定してみました。
すると窯の煙道直上のエントツの温度、炉内最高温度においてはやっぱり180℃近くを示しておりました。1.5メートル程上でも130〜140℃でした。

数人の方にちょっとウソついてました。

すいませんでした。

勉強不足でした。

また還元焼成のときには多少の差があるのかもしれませんので、また次の機会に確かめてみたいと思います。

わたしが愛用している某大陸製の非接触式温度測定器にもメモを添付して、今後のお仕事に活かしていきたいと思います。

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実際に数値があっていないとどうなるのかですが、

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木材に数値(近似値)を合わせると。

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という感じです。



以前明らかに体温よりも高いのに、測定したもの(ステンレスでした)が低く表示されているのに気がついて確かめた次第です。

やっぱりこのオッサンの動画は当てにならないかもしれませんぜ!




posted by inoueseiji at 16:53 | TrackBack(0) | イノウエセイジの頭の中

2021年07月20日

互いに情報交換できるようになったとシミジミ思った一日

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今出張しております(ホテルで書いてます)

出張などと偉そうに言っておりますが、今回わたしは以前のお客様の紹介のお客様に紹介した築炉メーカーの搬入に立ち会うのみ(日本語オカシイ)。今回は、お客様の設置希望などからシンリュウさんとのお仕事になりました。

なかなか同業他社の仕事をまじまじと近くで拝見することは、どの業界も少ないことかと思います。

興味津々にカメラ回したり、手伝ったり、邪魔したりしながら、職人さんとも話しつつ、いろいろと情報交換することができました。

たとえば、先日ツール・ド・フランスは終わってしまいましたが、今回の搬入工事でのワタシのポジションはよそのプロチームから今年移籍してきたベテラン選手状態なわけで、

「で、アッチではどんなドー○ングしてたの?」

「ウチはコレ一本でしたね!」

「効くよねぇ〜、アレ!」

みたいな会話を支店長と職人さんと始終しておりました(オイオイ)


探り合いというわけではなく、本当に情報交換という感じで。
なんとも気持ちの良い会話が続いたのでした。

シンリュウさん側でもわたしの窯にかんする情報発信で役に立つこともあったそうで、窯のこと全般についてもいろいろなご質問をいただいたり、情報交換をさせていただいたり、ワタシもたっぷりと教えていただくこともあり、非常に貴重な経験でした。



窯はまだまだ慣らしのための炙りや焼成指導がありますので、ワタシの緊張感は今からピークを迎えることでしょう。

お客様と取引先から信用されているのはヒシヒシと感じましたが、イノウエの脳ミソはヒリヒリです(笑)。





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2021年07月16日

特報


梅雨明けでめちゃくちゃ暑いです。

さて、本日はそろそろ復活というウワサを聞きつけたので、先んじてプレッシャーを(笑)。
やはり梶田さんはいろいろと忙しく、そもそもここまで発信できていたのが不思議なぐらいだったと想像します。

ただくっちゃべっている窯屋のオジサンと違い、それぞれのテストピースを調合して焼成して説明するための手順を考えて撮影して編集しているのですから。


復活前に予習をしておきましょう。





今年は一緒に盃を交わしたいですね!
posted by inoueseiji at 07:34 | TrackBack(0) | イノウエセイジの頭の中

2021年07月10日

陶芸をやってみよう!


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最近では珍しく直球タイトルの本がでています。
偶然知って購入し、読ませていただきました。

この著書の方は以前「つくる陶磁郎」に連載をされていた方です。

博○堂でサラリーマンをされていたからか、あまりドツボに嵌ることもなく陶芸人生を送られていますが、普通の方が陶芸にハマっていく過程がよくわかりましたし、楽しめました。

技法などが書かれているわけではないのですが、今まさに「陶芸どうしようかなぁ」という感じの方が読むと、ポンと背中を押して貰えると思いますネ。

イノウエとしては著書が陶芸教室をはじめようという動機が不純過ぎて笑えました。
まぁそういう人がほとんどダヨネー!



そういえば、多治見市応援アニメの「やくならマグカップも」も先日終了してしまいました。

残念!と思ったら、秋からパート2が放送・配信されるとのことです。
人気がそこそこあったということでしょう!


たしかにアニメパートは絵もストーリーもすごく良いと思います!
イノウエは後半の実写パートは最後まで早送りして観ておりました。

部室が立派すぎるのもいい!

いきなりそこそこロクロが出来ているのもいい!

多治見がいっぱい映るのもいい!

声優さんは声優に徹してほしい!




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スカーレットあたりから、陶芸はそれなりに新たな認知をされているように思います。

小玉ユキさんの「青の花 器の森」もドラマ化とかされないかなぁ。
あ、7巻出てますよ!


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posted by inoueseiji at 07:01 | TrackBack(0) | イノウエセイジの頭の中

2021年07月06日

「100Vの電気炉は買わないで習いにきて」が本音?


お疲れさまです、イノウエです。
いつの間にか7月になっておりますね。

さてさて。


陶芸について発信する人が増えたのはいいことだけれども、ふんわりした内容も増えました。

発信を見て、すぐになんでも真に受けてやったり買ったりする人がいるものなんです。
発信には責任が伴うとわたしは相変わらず思っておりますヨ。

撥水剤を自作して失敗している暇があったら、昔の人がどのような方法をとっていたのかを調べれば簡単に同じような効果を得るものがあります。字ばっかりの専門書を読みましょう。

それから相変わらず「窯を造ったことがない」「人生で2,3基しかさわったことがない」方の偏った発信で様々な迷惑をアチコチが被っているようです。

製造メーカーもその発信は確認しているとのことです。

自称プロが下手なロクロを発信するのはなんの迷惑にもなりません。
そのほうが初心者はわかりやすいし、とっつきやすいでしょう。


しかし、窯での適当な発信は多くの製造メーカーとその社員、取り扱い業者、そしてなにより窯の購入を考えている熱心な方々に迷惑をかけています。もしかしたら将来の大作家の第一歩を潰しているかもしれないんです。



代表してはっきり言います。


迷惑です。




もう一回言います。


迷惑です。











いいですか。


生徒が窯を買うことをほとんどの陶芸教室の講師は面白くは思いません。
これは購入を考える人が知っておくべき事実です。



窯の購入を考えていらっしゃる方。

鍛冶屋の職人にスパナとか脚立とかを投げつけられながら窯造りを覚えて、ガス窯は数え切れないほど、それ以外にも電気炉から薪窯まで仕事で製造し、窯業や電気の国家資格まで取得した人間の窯についての発信と、作家にもなりきれない陶芸教室講師のわずかな経験による窯にかんする発信を同じレベルで受け止めてどうするんですか(笑)。

窯に関わる仕事なんてしたこともないし、そもそも窯を売ったこともない人の窯に関する発信を信じることはできません。

動画というメディアは強い。だからみんなそれを利用して発信しているんです。
なぜなら画面に移るものを批判的に捉える訓練をわれわれは受けていない。無意識にテレビ番組と同じように受け止めてしまっているのです。

自称プロという大先生の、使ったことも造ったこともない窯の選び方を信じるのは勝手ですが、それって行ったこともない人間の「北海道ってこんな所!」っていう動画発信を真に受けて信じるのと同じことです。



自称プロ職人作家大先生は窯選びの発信なんかもしているようですが、

だったらなんでその窯選ぶかなぁ(笑)。

二つも購入しているのならよっぽどいい窯なんでしょうね。


窯の選び方というならば、燃料の種類の前に伝えるべきことがあります。
それを言えないから燃料の種類で分類しているんです。

窯を造ったりしたことがないと、どうしてもそうなってしまうんです。

窯についてお問い合わせがあった場合、わたしはそこから説明しています。

また100Vの電気炉を購入される方の多くは教室との併用や同時進行、先生や先輩に追いつこうと努力している真面目な方が大変多いのです。教室を見限ってなんて方の方が少数派です。しかし自分が知らないものを生徒が購入することへの危機感から、購入について否定的な発言をしたり止めるように言われたりする先生も少なからず存在します。


先生業、講師業というのは生徒の人生にあらたなチャンスを作ることでしょう。
それを正しく行ってきたから生徒は窯がほしいと思うようになったのではないでしょうか。

そうなった段階で窯を購入する人が増えたら習う人が減るかもしれないと思い立ったということでしょうか。だったらなんのために動画で作り方の発信をしてきたのでしょう。

小さくても自分の窯を手に入れると人生は劇的に動き出します。
それをそこまで発信して教えた側が邪魔するのは良くないとイノウエしぇんしぇ〜は思うばってんが。





posted by inoueseiji at 07:16 | TrackBack(0) | イノウエセイジの頭の中

2021年06月25日

大人に何かを伝えるとき


福岡マラソン中止で不機嫌です、イノウエです。


先日は昔からお世話になっていたとある作家の方からお電話いただき、大変うれしく思いました。
素晴らしい仕事をされているその方から、相談すれば答えがえられるかもしれないヤツ、そこまでいかなくてもグチを聞いてくれそうな相手、と認識されるようになった自分を褒めてやりたいと思った次第です。

それは原料に関する話だったんですが、お互いの経験値のからヒントになりそうな情報を交換しあうようなことになりました。
いつかまたその方の器を見ることや買うことになったら、この器はあの電話の後かな、前かなと思うことでしょう。


さて、今日は半分リクエスト記事。

こうした情報交換でもそうですが、大人に何かを伝えるとき、特に技術やコツを伝えるときは、明確な数値を示すことが大切だとわたしも考えています。

指導する対象が子供から28歳ぐらいまでならば「とにかく数をこなせば気がつくはずだ」という実践重視の遠回り指導でもいいのですが、なかなかそれもこのご時世となっては時代遅れといわれるでしょうし、指導する側にも受ける側にも余裕はなさげな21世紀なのですな。

とはいえやっぱり大人相手のアドバイスとは「ガッときたらバーンって感じ」とかではなく「あと一割ぐらい強く前に」「あと5センチ下まで」などと具体的である必要があります。

わからないことを観たり聞いたりしている質問者は、ふんわりとした情報でも、それを得たことに喜んでしまい、そのアドバイスが実はまったく具体的でないことをスルーしたまま聞き流してしまうことがよくあります。

そしていざ自分でやってみようとすると「え?入れるの何パーセントだっけ?」と固まってしまうことになってしまうのです。


(フォートベントンはモンタナ州だったのは秘密)


ベントナイトの秘密は実体験としていろいろと知っていますが、まぁ小出しにしていきましょう!

いまはニガリを使用することが多いですね。
ベントナイトと違ってスーパーマーケットで入手できますからね。
(ボーリング工事屋さんに行けばタダでもらえそうだが)


当然こちらも入れすぎに注意です。
というかベントナイトより相当シビアに計量しましょう(笑)。

沈殿防止の考え方としては上水が分離しないほどの状態はヤリ過ぎということです。
しっかりと分離して沈殿するが、調整する際には底までしっかりと撹拌できる状態というのがポイントですね。

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(シェイクすれば手を汚さずに撹拌完了)



しかし、オリンピックは開催で11月のマラソンは中止かよ!
市民プールもようやく開園になりましたが、値上げや市民限定などの制限がついたところばかり。



また太りそうです。


posted by inoueseiji at 14:27 | TrackBack(0) | イノウエセイジの頭の中

2021年06月20日

とあるお問い合わせのための資料





先日あったお問い合わせのための資料として過去動画を紹介しておきますね。

とりあえず圧力計は一番敏感な部品の一つです。

実はこの50キロパスカルの圧力計はネットで誰でも購入できます(ぶっちゃけたよ)

ただし作業を行うには「液化石油ガス設備士」の免許が必要ですが(専門家に確認済)、一般の方であればネットでガス圧計を購入したとしても、ガスボンベでお世話になっているガス屋さんに取り替えてもらえばオッケーです。

こんな微圧計は普通どんなに大きなところでも在庫していないと思います。


ご参考までに。

posted by inoueseiji at 14:27 | TrackBack(0) | イノウエセイジの頭の中

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