2020年03月21日

不誠実な対応をされました


先日とある陶芸教室の講師の方の動画発信についてコメントをさせていただきました。


100Vの電気炉が20回程度の本焼しかできないというこの動画の発信で、この数ヶ月にわたり質問や対応がおおく、迷惑していました。

また動画の内容は明らかに「この方の使用環境」が問題であると推察されますが、それを100Vの電気炉全体のこととして話されているように受け取れる部分もあり、実際そう感じた人が多数いたからアチコチに問い合わせがあったのでしょう。
(電気炉の使用環境については、どのメーカーもお客様へ説明しています)

いくらあのシンポの窯でも、20回とか40回で昇温しなくなるなんてことはないです。
(もし本当にそうならば訴訟とかリコールとかになっていると思いませんか)

そしてご本人はネットショップで購入し、サポートは受けていないようですし、話の内容から電気についての理解も一般人レベルです。メーカーには電話したとのことですが、業界ではおなじみの対応をされてヒーター線をご自分で交換したりもう一台購入したりしたが改善しなかったとのこと。

また動画中にその原因について触れていますが、あのシンポの窯であっても数十回の使用でレンガが痩せてきたりしませんし、ましてや熱が隙間から逃げるほどの収縮はこのような断熱材ではあり得ません。いくら窯や電気について無知でも想像で断言するのはいただけません。

これまでの動画のタイトルなどから、プロの立場で発信をしているように受け止められましたが、わたしのコメントには「自分はあくまで1ユーザーである」という立場だということでの弁明がありました。

しかし同時に「他意はないので返信いただければ動画は非公開にします」とも提案されました。

動画を作って出す手間が大変なのはわたしもよくわかっていますが、明らかな間違いで多くの誤解を生んでいるのですから、この申し出はありがたく、相手の誠意を感じました。そして実際に返信のコメントを書き込むとすぐに非公開にしてくださいました。



ところが、その非公開の数日後に何故か「窯の選び方の動画」を上げられていました。
(窯を造ったこともなく、自分の窯以外は焚いたこともない人が、どうして窯の選び方を話すのか理解に苦しみます…)





その内容にも明らかな間違いが多々含まれておりましたので、コメントで補足項目を書かせていただきました。ところが、わたしの補足コメントには「この動画の内容もお気に召さなかった様で申し訳ございません」という返信が。

…お気に召すとか、召さないとかではありません。

これまでに火災や死亡事故も起きている機材について、製造や設置、運用にかかわったことがないなら適当なことを言わないでくれと言いたいのを我慢して今後の多くの方々のために補足情報を書き込んだだけです。


ホントは窯業界を盛り上げようなんて、これっぽっちも思っていないのだろうと推察しました。







そしてこの動画の公開後、わたしのコメントを削除したうえで例の100Vの電気炉の動画を再び「公開」にされています(日本電産グループに見つからないようにお祈り申し上げます)。




1ユーザーという観点からモノを言っているというのはわかります。
ユーザーレビューは貴重な情報です。

だったら自分が一度もUSEしていない窯のことは言うべきではないのではありませんか?



わたしはこの方のロクロの技術や、手びねりなどの作り方のことは、仮におかしなことをしていたとしても指摘する気はありません。それは自由ですし、キャリア的にあんなものでしょうし、なによりこの方の商売の妨害になります。

やきものは本来、自由で楽しいものです。

そもそも、これまでも窯や作陶に関して実にでたらめな本や発信は山ほどありました。窯の事故もそれなりに起こってきたのです。だからわたしは十何年もひたすら窯についての発信を続けているんです。


繰り返しになりますが築炉メーカーにいたわけでもない人間が、どうして経験のない窯のことまで発信するのか理解不能です。
陶芸教室の講師にはまた別の使命があるのでは?
虚勢を張ってどうするのでしょうか。

発信は自由ですが、あえて聞きたいものです。

一つ二つは自分で窯を造りましたか?
全ての窯の様式を焚いてみましたか?
どれだけの窯場に足を運びましたか?

知らないことは無理して言わなくていいと思います。




今後ともわたしは陶芸窯についてのいい加減な発信は誰のものであれ正していきます。


わたしがもっとも衝撃を受けた陶芸家も、
先輩の師匠も窯の事故で亡くなっています。

窯は動画ネタがない人がテーマにできるレベルではありません。



陶芸界を盛り上げるといわれていましたが、経験値の少ない窯の発信で何が盛り上がるのでしょうか。

不安を助長しただけなのではないですか?
この発信で購買欲を削がれた人の方が多いのでは?


自分の発信の不足情報を善意で補足した、プロとの約束を反故にすることが陶芸界を盛り上げることにつながるとは思えません。




わたしは誰にでも見ていただけるように動画へのコメントを残しましたが、この方は自分から申し出た約束にもかかわらず、相手のコメントを削除するという形で反故にする、なんとも不誠実な対応をしましたさよなら事件を思い出しますね)。


この方の「プロ意識」がよく伺えました。
今後このような扱いを受けたくはありませんので、このブログに証拠だけは残しておきます。



スクリーンショット (90).png




※ 今後とも窯に関しての不正確な発信は誰であれ指摘していきます。
  それによる質疑応答やコメントで各々の理解が深まることを願います。
  それがわたしの考える窯業界を盛り上げる行動です。



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posted by inoueseiji at 16:39 | TrackBack(0) | イノウエセイジの頭の中

オークションでの購入について


これまでにもネットオークションや個人売買などで電気炉を購入した人からの相談や問い合わせをいくつも受けてきました。正直いってわたしには関係ないことなんですが、すこしでも業界がよくなればと思って相手をしてきました。

しかしたちの悪い方は、こちらが電気炉を販売しているのを重々承知の上で、オークションで購入した自分の窯のことで無料サポートしてもらおうとしたり、プロでも正月休みから電話してきたり、あきらかにシンポの窯だなという電圧とアンペアの数値について設置の助言を求めてきたり、ほんとうに苦笑いを通り越すことがたくさんありました。

そんな素敵な方に共通なのは「すいません、そこからは有料対応になります」と伝えるとパッタリと連絡がなくなることです。「そうですよね、申し訳ない、これまでありがとうございました」と言われたことは一度もありません(笑)。

ネットで購入するにはそれなりの知識が必要です。
わたしは昔15万円はしていた鋳物の巨大なロクロを1万円で購入したり、特殊な素材を格安で購入したりしたことはありますが、それはその製造元をしっていて、修理方法をしっていて、正しい使用方法をしっているからです。

窯は断熱材と電気ならヒーター線の素材で性能が決定します。
安くていいものはありえないのです。ヒマラヤ登山するのに流石にワークマンとかユニクロでは厳しいでしょ。

自己責任って結構恐ろしいですよ。

そしてそれを受け入れないといい作品は生み出せません。
失敗するたびに誰かのせいにしたり、自分以外の原因を探してたらキリがない。

リクエストの発信ですが、まぁ思ったとおり伸びなさそうです。




posted by inoueseiji at 08:15 | TrackBack(0) | イノウエセイジの頭の中

2020年03月18日

抑止力のはなし

ユヴァル・ノア・ハラリさんの著書だったか、世界が平和になったのはいろんな国が核兵器を持つようになったから、みたいな話がありました。ようするに抑止力ですね。

まぁイスラエルの人がそんなこと言うと物凄くリアリティがあります。


わたしの発信にも「強い抑止力」が働いていると自覚しています。

わたしの発信をチェックしているであろう、梶田絵具店の梶田さん、山内陶料の山内さん、大沢ガス炉商会の大沢社長、共栄電気炉製作所の牛田社長、シンリュウの支店長やFさん、瀬戸の先輩方、同期、南足柄の先輩、九州でも吉田さんや川瀬さんなどのプロの作家さんたち、動画チャンネルの登録者のみなさま、お客様、各先生方などなど(忘れてませんぜ、つくばセラミックワークスさん!)。



いやぁ恐ろしい抑止力ですね(笑)。



先日も友人と電話で話していたのですが、プロの発信には責任があると私個人は考えています。
もちろん発信は自由です。それがネットってもんでしょうから。

だからこそプロにはプロたる発信、責任感と覚悟が必要だと強く思うのです。

わたしは自分が経験していないことを適当に言わないようにしています(たぶん)。
それでも間違いを指摘されることもありますし、軽くクレームをいただくこともあります。
四半世紀やきものに関わっても、知らないことのほうが多い。


先日も書きましたが、わたしは作り方なんてその人の自由、なんでもアリと思っている方です。
逆にそんなやり方もあるのか、へぇ〜と感心したり、こんなレベルでも面白いものが出来るんだなぁ、自分は頭が固いなぁ、と反省したりすることも多々あります。

ただし。

窯と焼成に関して、いい加減な発信や適当な説明を見過ごすことはできません。

窯はもっとも重要な設備です。だから名前付けたりするんです。
その窯のもとで働くから窯元っていうんじゃないのかな(イノウエ説:信ぴょう性は薄い)。


窯の誤った使用方法によっては火災・爆発・一酸化炭素中毒など重大な事故が発生します。

2019年だけでも最低2件は陶芸窯による事故が起こっているのを確認しています。
アマチュアのグループと陶芸教室講師の方の事故です。

もっと過去の事故をさかのぼれば亡くなった方も複数いるのです。


しかし逆に言えば、製陶所などで大型のガス炉が全国各地で毎日稼働していますが、事故なんて聞かないでしょ?それはプロの現場とはそういうものだからです。

窯を持つことがこんなにも簡単になったいま、やきものはより楽しいものになったとわたしは思っています。多くの方にその楽しさを伝えることができるようになって、嬉しく思っている毎日です。

だからこそ、さらなる努力をして、より正しい発信を行うことが非常に重要だと日々考えています。




posted by inoueseiji at 11:24 | TrackBack(0) | イノウエセイジの頭の中

2020年03月15日

小鹿田って読めますか?

オンタと読みます。

柳宗悦とバーナード・リーチが愛した小鹿田焼。
わたしも大好きです。

むかし瀬戸の先輩たちを連れて行ったときには、薪で素焼きをしているところを見せていただき、全員口をアングリ開けてその光景を見ていました。

だって素焼きでしょ?

わたしのような仕事をしていると、窯元に行ってもほぼ産業スパイのような目で見てしまいますが、小鹿田で他所から買っているものは棚板やツク、レンガなどの耐火材(あとは言わないほうが…)ぐらいじゃないでしょうかね。

かつては日本の各地でこのような光景が見られたのでしょうが、今では本当にここだけです。土づくりから制作、焼成まで家族、血族で行っている小鹿田焼。

やきものが好きな方は絶対に行ったほうがイイ!(断言)
可能なら付き合います。


というわけで先日、関東からの知人の方々を大分県日田市の小鹿田焼の里にご案内いたしました。

わたしも3年ぶりぐらいでしょうか?

チャリで行ってへとへとになって即Uターンというのが3年前。
うちから150キロぐらいあります、往復で。で、最後はヒルクライムです。

だからキチンと見たのは久しぶり。
人もまばらでしたが、偶然にも窯焚きをしていてラッキーでした。

会話は全国の方を意識して今回字幕をつけましたが、途中で大変過ぎて要約みたいな字幕になってます。いやぁ川瀬さんの動画の編集大変でしょうね。

小鹿田の方々にはいろいろと教えていただき、感謝いたします。

購入させていただいた器も大事に使いたいと思います。

ありがとうございました。



posted by inoueseiji at 14:11 | TrackBack(0) | イノウエセイジの頭の中

2020年03月12日

想像の産物

春になります。
元気出していきましょう!

さてさて、自分が何かを失敗した時、何かをうまく操作出来なかった時、その原因を想像でいろいろと考えることはとても大切なことです。

自分で考えて実行し、仮説をたて、それを検証して答えや解決策を導き出す。
こんな知的な楽しみはありませんよね。

まさに陶芸は、様々な技術やセンスを必要とする美に関わる作業、科学的な考察や、食文化や歴史と伝統文化にまで、あなたのその優れた才能を大いに発揮できる、実に素晴らしい分野です。

だからこそ失敗も多く、何年たっても理解できないことも多々あります。

アマチュアだけではなく、実はどんなにキャリアの長いプロでもそうなんです。
でもプロとアマチュアを分けているのは、その分からない部分をどう扱うかということになるでしょうか。

無視してもいいですし、とことん調べてもいい。
(いつかのワタシのように中途半端にウィキってるのは一番いただけないが、想像だけよりマシです)

いただけないのは、自分だけでなんとなく想像し、そのエビデンスのない自分の仮説を自分の中で「事実」にしてしまうこと。
もっといけないのは、それを事実のように発信することだと思います。
自分である程度経験したのならば、もうプロに相談するのがいいですね。




他メーカーの窯についてですが…。


ある人の窯についてのネットでの発信があり、それに不安に覚えた方々から、私にも多くの質問や、お問い合わせのお電話をいただきました。中には明るくハッピーに注文してくださった後に、血相変えてお電話をくださった方もいました。

この一、二ヶ月はっきりいって迷惑でした。

わたしでこうなのだから、その発信のネタになっている製造メーカーはもっと見えない迷惑を被ったと思います。



わたしは、器や作品の作り方や考え方はなんでもアリだと思っている方で、ホントになんでも自由でオッケーだと思っています。適当でもいいし、間違っていてもいいです。

時には海外の動画などにツッコミを入れたくなることもありますが、ものが一応出来上がっているのなら、それでいいんじゃないでしょうか。

正しい方法や、本来の効率の良い方法を知らなくても、その人の作品が焼き上がっているのなら結果オーライですよね。

しかし。

窯のことでいい加減な理解や運用は事故につながります。
ましてやそういう人が発信するのはどうでしょうか。

「窯と焼成」を忘れてきたから、日本の陶芸教育はこの体たらくです。


わたしだってこれでも恐る恐る発信しているんです。
窯についての発信をするなら、それなりの「お勉強」をするべきでしょう。

さて、幸い状況は改善しましたし、今後も窯に関して明らかな誤りについては窯屋のプロの末端にいる人間としてとことん指摘していきます。


実は窯にも「軽トラ」から「アストンマーチン」まであります。

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(映画が延期だよ、超残念!)

10年落ちの軽トラしか知らない人が「イケてる車とは?」などと発信しないようにしたいものです。

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(むかしタダでもらった昭和の軽トラ550サンバー)

あらゆる車に乗って「やっぱり軽トラ最強だな」と思っている人と、昭和の軽トラしか知らない人の車についての発信は…言うまでもないことです。

窯だけは適当な発信をしないでほしい。

トヨタの車を買って2年で事故ったら「トヨタはダメだよ!」って言うのかってことですよ。

もちろん。
はるか過去には、いい加減な施工や設計があったことは業界にいた人間として知っています。




だから発信を続けていきます。





posted by inoueseiji at 06:59 | TrackBack(0) | イノウエセイジの頭の中

2020年03月08日

目的の話

今日は古い友人が遊びに来てくれました。

彼は長く格闘技を様々おこなっていて、その上陶芸のこともわたしとの付き合いのせいである程度知っているという、同世代の友人です。

その彼と先日のわたしの動画のことを話したり、彼の仕事のことを話したりするうちに、なかなか面白い話ができたので、覚え書きとしてここにブログ記事として残しておこうと思います。

さてさて、格闘技には当然相手を倒すという目的があるわけです。
しかし、それがスポーツとしての勝敗なのか、死活問題としての格闘なのかで、方法論は大きく変わるという話で、非常に興味深い話でした。

これは一説だという彼の前置きでしたが、中国拳法で様々な動物を模した型があります。それは実は武器の使い方を訓練するためであったという説があるとのことでした。ある武器を手にして訓練しているところを敵方に見られてしまっては、コチラ側の手の内がバレてしまい、戦う段になって不利になってしまいますもんね。

そのため、その武器の特徴的な動きを、動物に例えて行っていたということらしいのです。

彼は昔、某有名流派の空手の経験もあるのですが、そもそも空手は大陸や半島を経由して沖縄地方に伝わったと言われています。武器を持って戦うための身体の動きの訓練が、なぜか日本では素手で戦うという方法になってしまったのではないか、と話してくれました。

空手の訓練で型があります。彼は修業中、この型はホントに実戦で使えるのか?と思うものがたくさんあったそうですが、その型を行う手に武器を持てば、納得できる動きもあるのではないかとのことでした。

例えば防御の型でも、そこに何か剣を持っていれば十分に実用的な動きになるのではないか、ということです。例をあげれば、空手の正拳突きも、剣で突く動きとして考えれば意味があるのかもしれません、とのことでした。

実際の戦闘は殺し合いです。相手が素手のはずはなく、こちらも武器を手にしているのは間違いないことでしょう。

ところがマジメな日本人は何故か殺し合いの技法で、清く正しく素手で行うとか、人間性を高めるとか、そういう別の目的を当てはめていったのではないか、と彼は言います。そう考えるとなかなか面白い想像ができますよね。

また、二人に共通の別の友人の話ですが、若い時に剣道をしていた彼は、竹刀は本来真剣のはずだから、防具も外して木刀で練習してみようと、剣道部で試したことがあったそうです。そうして生身の身体でお互いが木刀を持っていざ対峙すると、まったく恐ろしくて相手の間合いに入れずに、お互いの精神だけ疲労困憊してやめてしまったそうです。

何かで読みましたが、新選組の近藤勇は道場剣道はたいしたレベルではなかったそうですが、実戦になると非常に胆力が据わった見事な戦いぶりを見せたそうです。この話も先の木刀で対峙した友人の話につながりそうですね。訓練の優等生が実際の現場では活躍できないことはよくあることです。

また、各護身術で相手がナイフを持っていた場合とか、拳銃を持っていた場合とか、想定がいろいろとありますが、対処方法は格闘技それぞれの流派によって全く違うんだそうですね。そして実戦の場で合氣道のような華麗な動きが出来るとは思えない、とも友人は言っていました。何十年もそれに関わった友人の意見は面白く聞くことができます。

実際に勝敗が、それぞれの生き死を決定する軍隊の格闘技ですが、例えばロシアのコマンドサンボの教本では、相手が拳銃でコチラが素手だった場合、まず自分の帽子でもキャップでも投げつけられるものはあるか、というのがレッスンワンとして書かれているそうです。現実的ですね。

わたしの息子の学生時代では、もう生身の人間が殴り合うようなことはなかったかもしれませんが、実際に喧嘩した経験があるオッサン世代以上にしてみれば、そうそう簡単に相手が映画のようには倒れませんし(笑)、その後も非常に面倒くさいことばかり続いたり(笑)することを経験しているわけですよね。

姑息にポイントを取るのか、純粋に相手の命をいただくのか。
目的が違えばこんなにも考え方は変わるんだなぁと非常に今日のお茶の時間は興味深い話ができました。



こんなことを話して面白がれるのも古い友人だからですね。

最近わたしは目的、目的って言っていますが、五十代目前にして四十代目前よりもビビッている自分がそう言わせているんだろうと思います。お前は何で生きているんだってね(笑)。

ある先生からは以前、五十代になると自分がこの人生で何を成すべきかわかりますよ、と言われたことがありますが…。



わたしみたいなバカにわかるのかなぁ?




posted by inoueseiji at 17:52 | TrackBack(0) | イノウエセイジの頭の中

2020年03月06日

やっぱり嫌なオヤジ化進行中

福岡はもうすぐ春って感じです。

なんやかんや休みになったり中止になったりですが…。
一番こたえるのは週に数回行くプールもしばし閉館しているってことですかね。

まぁどんどん動画を出していきたいと思います。
合間にお仕事もありますが。




春が来ますよ。ちゃんと。
posted by inoueseiji at 18:10 | TrackBack(0) | イノウエセイジの頭の中

2020年02月29日

いろいろと中止ですが…

注:オッサンの思い込みを書いていますので、気になさらず読み飛ばしてくださいね。


さてさて、コロナウィルスのお陰で様々なイベントが中止になってしまいました。

講座発表会、陶磁器フェア2020福岡、博物館や各種イベント。

そこへ向けて制作されていた方々、開催を楽しみにしていた方々、それぞれ残念でしたね。
わたしも陶磁器フェアを大変楽しみにしていましたので、残念!

とはいえ、みなさんもまず健康第一で…



などと言う気はありません(笑)。




学校もうちの地域では2日から娘も甥っ子姪っ子たちも全員休み。

祖父母だけでは大変すぎるし、わたしも協力して座敷に全員ならべて勉強させてやらなイカンと思っております。

もっともそんなことが出来る家庭は少数で、共働き夫婦や転勤したばかりの家庭、不規則勤務や介護、医療系のお仕事の人たちはどうするのでしょうか?

インフルエンザで毎年万単位の人が亡くなっていることを考えれば、コロナウィルスは”わたし個人にとっては”なんの脅威でもありません。


休校にしても中止にしても、あまりにも突然で無責任ではないでしょうか。
オリン◯ックか何かを止めるためのエクスキュースとしての事実を作っているんでしょうか?


高校生とか別に学校行ってもいいんじゃない?

そもそも幼稚園児は大丈夫?

保育園で仕事をしている妹はガッツリ働くみたいですけど…。



デマも多いようですし、驚くのはそれを信じてしまう人もまた多いことです。
なんでトイレットペーパーを買いだめするのかな。

ちょうど動画ネタでいろいろとまとめていたのですが、要するに自分で独学して調べて知っていかないとまともな知識は得られないし遠回りしてしまうだけです。

陶芸ネタでいえば、いまだにいろいろと誤解されている知識や技術がいっぱいありますし、そうした事柄について、明らかに自分で確認していない人の発信も多く見られます。

例を出せば、菊練りは空気を抜くためではありません。結果として空気が抜けるだけです。

煙突のある窯、ダンパー全開でドラフト全閉にすれば酸化焼成になるわけではありません。

調べて実践して、時間をかけましょう。



もちろん我々の日常にも様々な誤解やウソがまかり通っていますよね。

エコとかいいますけど、本来なにもしないのがエコであって、何かをするとエントロピーが増大していくだけです(使ってみたかったぜ!このセリフ)。


たとえばエネルギー。


原油が出れば1,2回の精製工程を入れてガソリンとし、そのままガソリンエンジンで燃焼するのが一番エコなんです。

それをさらに電気に変えるとか、ハイブリッドにするとか、まったくエコに反することです。

電気の勉強のために、ときどき電気工事屋の友人の手伝いをしていた時期がわたしにはありますが、その際にソーラーパネルを作っている某大手メーカーの工場に潜入したことがあります。

そこは、これまでの人生で一番ヤバイ工場でした。

そこら中に「毒劇物注意!」「ドア開けるな!死ぬぞ!」「毒ガス!」などのプレートがあり、絶対に勝手にドアをあけたりしないようにと言われました。



太陽光で電気ができるって?



それはスゴいことですが、レアメタルを大量に使い、それをヤバイ溶剤で処理したり、その溶剤をまた処理するのに更にヤバイ溶剤を使う、みたいなところです。ソーラーパネルを作るのに一体どれぐらいのガソリンを使用するのでしょうか。

それを屋根の上とか茶畑つぶした空き地とかに設置するってどうなんでしょうか。
まだただお風呂のお湯が出来るソーラーシステム程度のほうが可愛げがありましたよね。


いちばんエコなのは原油やガスをなるべく変換せずに利用することですが、その考えに至るひと,理解するひとは少数でしょうね。


車だって大事に長くのるのがエコなのに、何で長く乗ると税金が上がるんでしょうか?
貧乏なオッサンは何か悪いことしたんでしょうか?
10年に最低一台は新車を購入していかないといけないんでしょうか?
ロードインパクトがかなり小さいオートバイがどうして軽自動車とおなじ扱いなんでしょうか?


独学には危険性があるって動画を考えていますが、何も調べないのもなかなか危険でだと思っています。

グダグダしたお話はこの辺にして(笑)、陶磁器フェアに出店予定だったみなさん!
来年は是非来てくださいね!




posted by inoueseiji at 10:01 | TrackBack(0) | イノウエセイジの頭の中

2020年02月26日

GOPRO陶芸動画

GOPRO陶芸動画の製作方法を模索しています。

ロクロを作業者視点で撮影することで、少しはネットでもわかりやすく伝えることができるのではないかと考えています。
ロクロが出来る人を増やすことは、わたしなりの目論見、もしくは目的があります。

なにかが上達すれば、それに関わる世界に身を置くことが楽しくなりますよね。
そうすれば、自宅に電動ロクロを買おうかなと思いはじめたり、その際にいろいろと検索すれば、ロクロの前に窯を買うべきだ、みたいな、どこかのオッサンの発信を目にする人も増えるでしょう(笑)。

また、ある程度ロクロというものの技術が身についてきた人は、ようやく落ち着いて陶芸に必要なのは窯だとか、案外と釉薬仕事が大事だなとか、乾燥がとっても重要だなとか、徐々に思い至るようになるのではないか、というかなり淡い期待です。




また、わたしのポジションではYouTubeで自分の電動ロクロの技術を晒しても、得することはあっても、あまり損することはないようです。得することとしては、「窯の業者さんなのに電動ロクロもできるのか。信用できそうだな」と思ってくださる方も結構いるようです。

そして実際に100Vの電気炉など、初めて自分の窯を手に入れた方々から「なぜかロクロが上手くなりました」という意見をたくさんいただきました。

それは脳内にロクロを回しながら焼成後まで考えられる「陶芸回路」が出来上がるからですね。
ということで、これからもGOPRO陶芸動画、がんばっていこうと思います。


posted by inoueseiji at 07:15 | TrackBack(0) | イノウエセイジの頭の中

2020年02月20日

ロクロの芯出しトレーニング

ロクロの削りや絵付けのために芯だしは必須の技術です。
手ロクロさえあればリビングでも出来るし、お子さんやお孫さんとのゲームにも最適!

またまた勝手にリンクですが、川瀬さんの動画。
これは上級編ですね!

これができるようになれば完璧でしょう。






僭越ながらわたしも以前動画つくっております。




この2本の動画でドンドン練習すれば、NASAのぐるぐる回るヤツとかでも対応できるかもしれませんね。

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(そんなことはない)



手ロクロも取り扱いしています(商売)。

posted by inoueseiji at 10:28 | TrackBack(0) | イノウエセイジの頭の中

2020年02月17日

三人展を終えてみて

遅くなりましたが無事に三人展は終わりました。

あぁ疲れた(笑)。


でも本当に開催してよかったと思います。

わたしが初めて個展をした時もそうでしたが、受講生のお二人は人前で展示して販売したことで、大きく意識が変化したようです。
そして、それを見にきた他の受講生の意識も大きく変化したと確信します。

「アタシだってこれぐらいできるわよ!」

なんてメラメラした思いを誰かが滾らせたのなら結構!

こういうやきものだけのグループ展は初めて?でしたが、アリですね。

グループ展のいいところは…

  • 同ジャンルの異なるスタイルを展示できるため、見に来る人が多彩な作品を楽しめる
  • それぞれの顧客が目的の作家以外の作品を購入する可能性がある
  • ショバ代が割り勘になる
  • お客の取り合いにもなるが新規顧客もゲットできる
  • 差し入れも倍々ゲーム
なんてところかと思います。

アマチュアがなんだって?と思ってきた数名のプロもビックリなクオリティ?だったようにも思いますし、逆にだれでも正しいアプローチで、この二人のレベルになれるといういい刺激にもなったのかもしれません。

なんて偉そうに言っていますが、一番講師のクオリティが低かったりしてね(笑)。

いいことするといい偶然がたくさん起きて、同期の知人が誰かの幼馴染とか、あの人が実はあの人の奥さんだったとか。

会期中慣れない二人も楽しいことがいっぱいあったようですし、少なくともわたしは嬉しい偶然や必然に励まされ、背中を押されました。

これからもやきものの楽しさ、その技術と知識を、知っている範囲ですが伝えていきたいと思います。

ご高覧いただいた皆様、本当にありがとうございました。



posted by inoueseiji at 05:48 | TrackBack(0) | イノウエセイジの頭の中

2020年02月08日

穴窯焚きたい…

先日のスカーレット応援動画はオッサンの変な顔のサムネイル画像にもかかわらず、かるくバズってしまいました。
ちょっとびっくりです。

で、今回は穴窯のこと、なんであんなに失敗するのか?といろいろな人に聞かれましたので、その豆知識を話しています。
わたしもガス窯ですが、これだ!と納得するまで15回焼きましたし、後輩にあたる作家さんは二年間、何一つとれなかったと言っていました。つまり二年間失敗し続けたということです。

わたしがアホなわけでも、その作家さんがダメなわけでもなく、我々が目指す仕事はそれぐらい大変でっせ、ということですね。

そんなドラマに描かれない苦労を想像しつつ観ていけば、もっと楽しめると思います。

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2020年02月02日

いよいよ搬入です

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いよいよ明日搬入です。
わたしと違って初めてのお二人はきっと緊張モードでしょう。

受講生の方との陶三人展。
どうなるでしょうか。

今日にいたるまで、よい偶然がいくつもありました。
きっとうまくいく。


陶三人展「49✕75✕95」 福岡市天神新天町南通り、紳士服シノハラ2F のギャラリーSELにて。
西鉄天神駅降りて新天町マクドナルド斜め前です。

受講生の方との展示は初めてですが、なかなか面白い展示になると思いますよ。
わたしはまた100Vの電気炉も持っていきます。 わたしは毎日在廊しますので、是非ご高覧ください。

お問い合わせはギャラリーSELかmail@inoueseiji.comまで。


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2020年01月27日

スカーレットのための豆知識 その4




NHKさんの忖度により、あの弟子の子は辞めて旅立つということになりましたね。
ちょっと嫁とホッとしているイノウエです。

さてさて。

穴窯の初窯。
見事に失敗でした。

薪窯を持っていないわたしだから言える話を少ししたいと思います。

穴窯での灰被りをとろうとすると、実際には1200℃を超えた所から何日間引っ張るかというところが勝負です。
1200℃になったから無事終了、というのは我々が現在行っている焼成に近いわけで、灰被りには程遠いわけですね。

だから織部を登りで焼くよりも、焼き締めで灰被りをとる時の方が焼成日数は長くなります。
そのために尋常でないぐらい薪を使用するわけです。

ドラマのために実際に窯を造って焼成したという情報はとあるところから入ってきましたが、それが今映っている窯なのかな?
だとしたら結構工夫された窯のデザインのような気もします。

棚板ないのかよ!というツッコミが聞こえてきますが、本来の穴窯はあんな感じだったと思いますが、その割には天井が高すぎるというか、作品が小さすぎるともいえるというか。まぁドラマですからね。

それは今後の仕事の方向性で変わるでしょうし、もしかしたらモデルとする窯の最終形態を最初からドラマでは造ったのかもしれません。これは想像ですけども。灰被りを狙う、ガチな穴窯で仕事をされる人はもっと低い蛇窯のような形のものを使用していたのかもしれません。

灰被りなら5日とか一週間、志野なら80時間とか、ある程度の基準はあって、実は1200℃からどうするかが薪窯では重要な気がします。焚き手としての経験はある程度ありますが、残念ながら自分が製造に関わった、いくつかの薪窯の焼成をする機会はとうとう持てず、ここでの意見は、あくまでもわたしの勝手なブログ記事ということでご了承ください。

薪窯にしても、ガス窯にしても、はまりだすと時間の感覚が一般人と変わってくるので、これからさらにヒロインはのめり込んでいくことでしょう!

目指せスカーレット!




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2020年01月21日

やるかやらないか

火曜日の朝の講座。

不定期の講座なのですが、ガラス系のアクセサリー作家の方などに指導しています。
でもね、実はわたしの方が受講生の方々にたくさんのヒントや刺激をもらうことも多いんです。


今日はかねてより考えていたテストピースの窯出し。

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素地にいろいろなものを混練したテストピース。
一つの原料につき、たったの二つ。
それでも結構な手間です。




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これは今度三人展をする受講生の方のテストピース。
自分で灰を作り、銅ヘゲを作っての織部のテストピース。

灰を作るのはマジで大変です。





勝手にリンクの川瀬さん。
これも自分で土を採取して使えるようにするのは大変です。








やるのか
やらないのか。








焼くのか
焼かないのか。











アナタはどっち?
(今年も嫌なオッサンでいこ〜!)

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2019年12月28日

脱初心者のためのゼーゲル式動画!



自分のことを棚上げして偉そうな発信をいっぱいしているイノウエです。

今回のお話も、わたしがするようなことではないかもしれませんが、釉調合をがんばっていくと避けては通れないゼーゲル式を、このわたしがどう理解したのかという話を元に、次の方への応援になればと考えてアップしました。

粘土細工も楽しいですが、蓋物なんかも出来るようになった方々は是非、釉薬への意識を高めてもらいたいと思います。

ゼーゲル式にも限界はあります。
温度や色見のこと、粒の大きさなどは考えられていません。
しかし、だから化学式なんてダメだと敬遠するのはもっとダメだとも思います。

今ではパソコンや試験場のサイトで簡単に計算してくれます。
だったら利用しない手はないのではないでしょうか。

こういうことをやっていると釉薬屋さんの凄さがよくわかります。
粘土屋さんもそうです。
不安定な原料を使用して、おびただしい数のテストピースを焼成して製品化しているのです。

ゼーゲル式や化学記号であれば、言葉が通じなくてもやりとりができる部分もありますよね。

今まで使用していた釉薬をサイトでゼーゲル式として把握して、釉薬屋さんの透明釉と一緒に窯で焼成し、それぞれの熔け具合を比較してみるなんて所からでも意識は大きく変わるのではないでしょうか。

釉薬のバケツにゼーゲル式を書いておくのもカッチョイイかもしれませんね。

posted by inoueseiji at 10:54 | TrackBack(0) | イノウエセイジの頭の中

2019年12月26日

陶芸オヤジの話は長いゾ

※話は相変わらず長いので音声入力して編集してみました!




先日ですねかなり長い動画を出しましたが、結果としてはあれぐらい長い話をしても良かったなと思っています。


どうしても陶磁器製造というのは工程が長いし、多い。それから、なかなか数値化できない部分もあるということで、その前後の作業との兼ね合いを説明した方がいいのかなという思いがあったので。まぁ実際は1時間近く話してるんですがちょっと編集したりして40分ちょっとのものになりましたね。


電動ロクロの説明の動画であるとか、菊練りの方法などを、これまでも動画で紹介しています。


しかし、やはり技術というものは、そんなに短い動画では説明ができないと思ってましたし、その考えで長めの動画を数本あげて見た人はうまくいっているようなので、求める人によっては、しっかりと長い時間の動画があってもいいのかなと思いました。


もちろん、わかりやすさっていうのは非常に重要で、あまりにも文章が多いホームページとかですね、ブログは敬遠されるっていうのは友人からも指摘はされてるんですが。


分かりやすさだけで進んでしまうと、じつは納得してないのに何かを購入してしまうとか、本来やらないほうがいいことに時間を費やしてしまうようなことにもなるので、文章や動画の長さというのは、もう一つのフィルターかなと思います。


文章を読むのはもうめんどくさいとか、長い動画を見るのはもう面倒くさいということであれば、到達できるレベルというのは非常に低くなってしまうかもしれません。


どんどん前に出て発信するのが僕の役目だと思いますので、あえて嫌なこともいっぱい言うんですけど、それはいろんなプロの業者さんが皆さん同じこと言うからなんです。


みなさん仰るのは、最近の人は全く本を読んでいない、ってみなさん嘆かれますね。専門的な知識を専門的な本や情報源で身につけようという努力をしてる人がほとんどいない。失敗したくないから答えが先に欲しいという人が多いのかな。もったいないと思います。


例えば透明の釉薬の調合の代表的なパターンを知らない人と知っている人では、こちら側の話す内容も変わりますよね。茶陶を目指しているの方であれば重要文化財とか、大名物とかになってる茶碗のことについて、せめて名前と写真ぐらいは見とかないと、これもその世界では通じませんもんね。そんな例は結構あるかと思います。


自分は窯なんですけど陶芸窯について、ご自身が使うものに関してはちゃんと理解していただくというか。窯にはどんな種類があって自分が使ってるのはどういうものだということですね。その役に立つ発信を続けていきたいと考えています。

posted by inoueseiji at 10:10 | TrackBack(0) | イノウエセイジの頭の中

2019年12月13日

快挙!KCシリーズ!【100V電気炉】


動画の中で作品も紹介している神奈川県のお客様、先日メールをいただきました。


なんと本焼き200回を突破!


しかも、まだプログラムの遅延もなく順調に焼成できているそうです。

もちろん、炉壁などはかなり傷んできていますが、プログラムの遅延がない以上ギリギリまで使用していただくことになりました。共栄電気炉製作所からのアドバイスもいただいての判断です。補修となれば、交換ですからとことん使用するのが正解でしょう。

共栄電気炉もふくおか陶芸窯の井上も、本当に嬉しいお知らせでした。

世間には数十回しか使用できないという100Vの窯もあるらしいですが、これは完全に共栄電気炉の技術力と品質の勝利でしょう。

もちろん、誤解のないようにお伝えすれば、このお客様の使用環境が理想的であったということですので、すべてのKCシリーズが200回の本焼きに耐えるわけではないということを明記しておきます。ただ、ふくおか陶芸窯仕様の家庭用電気炉で、100回を超える本焼きを行ったというい報告は数件いただいております。

窯出ししたらすぐ窯詰めのローテーション、釉薬で周囲を汚さないこと、キチンとした記録を残すことなど、もう完全にわたしの方が教えていただく立場です。

今後ともよりよい商品だけでなく、使用方法や設置の際のアドバイス、作陶へのサポートをつづけていきたいと思います。


本当にありがとうございました。





(増税後価格は変わっています。くわしくはご連絡ください!)
posted by inoueseiji at 09:57 | TrackBack(0) | イノウエセイジの頭の中

2019年12月12日

イギリスに行ってみる?


わたしの講座でちょっと話題になった動画です。



ここをご覧の方々なら優勝間違いなし?


面白いヒントもありますし、ボトルキルンも映ります。
posted by inoueseiji at 17:10 | Comment(3) | TrackBack(0) | イノウエセイジの頭の中

2019年12月08日

発信する目的は?


このブログがスタートしたのは11年前の3月です。


はるか遠くから見てくれている友人からは、「お前はブレてないぞ!」と励ましてくれますが、本当に言っていることは変わっていません。

というか知っていることが少ないからなんですけど(笑)。
たいした経験もないですし、なにかの実績があるわけでもありません。
わたしの発信の根源にあるのは、窯ですが、それこそ諸先輩やお世話になっている社長陣に比べたらたいした経験はありません。

ただ一般の方よりも少し前にいるというだけのことです。

これからもブレないように発信を続けていきます。

最近気になるのは、他の方々の発信。
大変に勉強になりますし、思わずメールしてしまったことも数回あります(笑)。

少し陶芸系の動画などは増えてきているようにも思いますが、中には目的が不明瞭な動画も散見されます。



----ここから嫌な話----


わたしが発信する目的は、「窯焚きは自分でしましょうよ、なんならワタシ窯を売ってますから!」ということです。

情報を発信してもタダ乗りされるだけでは?

と心配されることもありますが、発信の真意をくみ取ってくださる良いお客様ばかりに恵まれました。

以前設置のバイトに来てくれていた友人も「せーちゃんの仕事で嫌な思いすること全然ないよね!」と言ってくれたことがあります。本当にそうなんです。


わたしの発信、特に動画の発信では間違ったものは訂正を入れたり、人知れず削除していたり、撮り直したりしています。
しかし、YouTube上には明らかな間違いを堂々を述べている動画もあって、なんとも複雑な気持ちになってしまいます。

ネットの情報の真偽の判断は視聴者の自己責任だとしても、ちょっとGoogle様で調べればわかるような間違いについては、発信者にもある程度の責任があると思いますが、どうでしょうか?

やきものの発信のいいところは、情報の劣化が非常に少ないということだと思います。

本焼きの焼成温度が来年から2000℃に変更になったりはしませんし、酸化銅の融点が4月から大幅に下がったりもしません。

これは教育系の発信にも言えることでしょう。まぁ歴史なんかは、新たな証拠が出てきて真実や認識は変わったりするかもしれませんが、新事実が明らかになったからといってロクロの回し方が変わることはそうそうないでしょう。

だから、やきもの業界の真実は、ちょっと調べればちゃんと手に入ります。
わたしも今後とも情報の精度には気をつけていきたいと思います。


発信の目的。

ある方に、自宅では陶芸教室系のYouTube動画を参考に手ロクロで作陶してます、と聞きました。
その方は短期間に作陶技術がドンドン向上されていたので、なるほどと納得したものです。

しかしちょっと待てよと。

作り方を発信してしまうと、家に窯がないとか、場所がないとか、設備の不備以外で陶芸教室に通おうとする人は激減するのではないか?ましてやどっかのオッサンが100Vの電気炉いいぜ!とか動画発信しているわけだし(笑)。高齢化社会の今、様々な安価なサークル活動や生涯学習が行われているわけだし。

ではいったい、その人が発信する目的は何だろうかと思って視聴すると、また違った見方で陶芸動画を観ることができるのかもしれません。

作家であれば、このような環境でこんなに手の込んだ仕事してますよ、今度ここで展示会しますよ、わたしのポリシーってこんな感じとか、同じ意識の人とのつながりを期待、などなどあるでしょう。現にそういう方の動画もいくつもあるようです。

わたしも作りました。吉田さんのですけど。



ただ、もしわたしが陶芸教室を運営するとしたら、作陶に関する全部の情報は出せないし、間違った情報の発信も、自身の首を絞めることにつながるな、と考えてしまいます。

もっとも陶芸教室のマネーポイントはまた別の部分なのかもしれませんね。
オッサンの勝手な取り越し苦労かな。

けれど、発信の目的はとても重要で、そこがブレていては続けることができませんし、すぐにネタ切れになってしまいます。わたしの個人的な意見ですが、まともな人はYouTubeなんかしないと思います(暴論)。わたしだって電話が鳴りまくって、出張しまくりの毎日だったら、動画発信なんてしてないかもしれないし、十何代イノウエセイジだったらやってません、確実に。

それでもやらなければならない目的がわたしにはあります。

わたしのポジションを例えるならば、〇ィズ〇ーランドの駅を降りたところで最後尾はコチラ!とプラカードを持っているオジサン(そんな人いる?)、もしくはブルースリー死亡遊戯の塔の一階で棒を持っているヤツ、それでわからなきゃ北斗の拳の修羅の国篇で上陸最初に闘う名も無き修羅(まぁ福岡だし)って感じです。

本当の楽しいアトラクションは門をくぐった先にあると思います。









posted by inoueseiji at 07:31 | Comment(0) | TrackBack(0) | イノウエセイジの頭の中