2019年06月11日

ラインでの窯焚きサポート


遠方の100X電気炉のお客様。
その方の持ち物ではないですが、ガス窯の焼成をすることに。
かつてわたしが働いていた大沢ガス炉商会製の0.2㎥。
写真を見るとまさにわたしがフレームを作ったものでした。

他にもいろいろと縁がありサポートすることに。

ご要望によりラインで連絡を取り合うことになりました。

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やってみれば非常に便利ですね。
こちらでも焼成グラフをつけながら順調に初めての本焼還元焼成は進みました。
すべての陶芸炉販売者がこの程度できるようになるといいですね。

わたしを鍛えてくださった初代大沢社長も共栄電気炉製作所の牛田社長も、徹夜で付き合ったり遠くまで赴いたり、早朝や深夜でも学生の窯焚きの面倒をみたりしていました。

この感覚、わたしにはあります。

しかしリアルが弱くネットが強いと無理ですよね。
あくまでネットやSNSはリアルの充実のためにあるべきです。







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2019年06月08日

電気炉の可能性


わたしの受講生の最年長のKさん。
現在94歳です。

米寿になったから好きなことをしようと私の講座を受講されてもう6年。
電気炉を造ったのは91歳の時。

今では自分で灰を作り、釉薬を作られています。
また今回は電線の銅から銅ヘゲを作り、緑釉を作りました。

ほとんど織部釉ですね。


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やきものは総合的なものづくりです。

どんなに小さくても自分の窯が必要だと仰っていました。

決してネガティブなことを言われず、未来のお話をするKさん。
すぐに歳のせいにする70代と49歳がいつも反省しています(笑)。




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2019年06月07日

新しい電気炉を導入


知人が運営しているジュエリー関係の学校にこれまで使用していた100V電気炉を譲ったので、あらたにK-2430Cふくおか陶芸窯仕様を導入しました。

K-240Cよりも炉内高さが50ミリ高いです。
価格は付属品付き・制御装置変更・送料込みで264000円です。

100Vでここまでのサイズが可能になるとは学生時代には考えられなかったことです。
便利になったなぁ。

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2019年05月19日

謙虚であることは難しい



いつの間にかわたしも49歳なんて歳になってしまいました。

自分なんてまだまだダメだなぁと思っていましたが、発信する責任はあると思いますし、小さくても努力は続けて、プロとして恥ずかしくないようにいたいものです。

自分の父親や梶田さんが、その年齢の頃はどうだったかなぁなどと思いを巡らせてみたりしています。
わたしよりも若い方に教えていただくこともたくさんありますし、もちろん逆もあります。でも最近は若い方に教わることが多いかもしれません。


大切なのは揺るぎのない自信と謙虚さでしょうか。

とはいえ、分かったつもりになっている自分をよく発見します。
経験年数なんて本当になんの意味もないと思わされています。

ゼーゲル式もそろそろあやしくなってきてますし、化学の素養は中学生レベル、英語も話せませんし、でっかい壺もつくれません。窯にいたっては大沢社長や共栄電気炉製作所のみなさんの足元にも及びません。

それでも確実に出来ること、確認したこと、知っていることはあり、自分の守備範囲はなるべく誤差の無いように把握していきたいと考えています。

受講生のなかには電気炉本体どころか、その制御装置まで組み上げた方もいたりします。
本当に下手なことは言えません(笑)。

知らないことを知って、それを知る努力は続けたい。
そして次の方へのバトンとしたいですね。

ひとつオッサンになってそんなことを考えました。

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吉田さんの色見はわかりやすい!


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2019年05月10日

やっぱり乾燥ですね。

太陽がいっぱいで最高の気分だ。



これからの季節にもってこいのノウハウかと思います。
シーサーを作っているところ、博多人形師、津屋崎人形工房にも伝達済みです。

あとはみんなで広めていきましょう!
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2019年04月19日

怪しい鑑定団はあてにしないでね

久しぶりに来た友人の無茶な頼み。
しかも動画にしぃよ〜と言われて深夜に撮影です。

結果としては面白かったし、彼もすっかり器への見る目が変わって大事にしていくとのことでした。
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2019年03月29日

ヨーダじゃなくてクワイ=ガン・ジンだった!

陶磁器フェア2019に出展されたみなさま、お疲れ様でした。
たくさんの器を見て大いに勉強になり、また刺激を受けました。

買わせていただいた方々、大事に使わせていただきます。

posted by inoueseiji at 20:25 | Comment(0) | TrackBack(0) | イノウエセイジの頭の中

2019年03月02日

ロックスピリッツなのよ

わたしも最近こういう形態での活動は無理があると思います。
先日の展示会のさいにもギャラリーの方から「○○会のxxさんですよ」なんて紹介された画家の方がいましたが、正直その団体は知りませんでした。

正直に、わたしは不勉強でしらないのです、と告白すると、スマホで作品を見せてくださいました。

そういうこと。




日本の端っこでそれぞれ同じようなことを言っていますね。

面白いです。

変化を感じますね。

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2019年02月19日

やきもので年金を守る話


動画はエグい内容になったのでボツにしてブログ記事とします。

これまで受けた相談の中で、本音はこれなんだな、というお話が数件ありました。

いろいろと理屈、理由があるのでしょうが、みんな好きなことしてお金も稼げればいいかな、ということでしょう。けれどそんな甘い話はありません。

そもそも高い技術や知識を持って取り組んでいても陶芸作家として生活出来る人はほんのひと握りです。売れっ子と言われるような人でも売上が数百万円という世界です。年収ではありません、売上です。

悠々自適の生活を送り、好きな陶芸をして、経費分ぐらいは売れて、たまにはちょっとした売り上げがある月もある。

そういえば好き放題に暮らしているのに、年金には全く手をつけていない状態が続いているなぁ。

いいですね、そんな生活。


それが実現するほど甘くありません。
それならば陶芸家だらけということになってしまうでしょう。

どこかの自治体を巻き込んで資金を確保しようとしたり、高齢者の施設で作陶させて、その売り上げを目論んだり、これまで様々な話や相談を受けましたが、本当に甘く考える方が多いのには驚きます。

自分で窯を焚くこともできない、釉薬の成り立ちや調合方法も知らないし、経験していない。菊練りさえまともに出来ていないのに、どうしてそれを還暦を過ぎて仕事にしようと思えるのか、わたしは理解に苦しみます。

商社で営業職だったわたしの親父も、定年後に飲み屋をしたいと夢想していましたが、おふくろに止められました。それでも開業に必要な資格取得や申請は行って、メニュー開発や原価計算などはしていたようです。流行の最初期から蕎麦打ちもしていましたし、そもそも料理好きでした。それでもちょっと無謀かなとわたしも思っていましたが。



高齢者のための作業所をつくりたい、という話など、昔の精神科の治療法で陶芸をしていたことからの誤認されたイメージなのでしょうか。リハビリならまだしも、なぜ現金収入のための手段が陶芸なのか理解に苦しみます。

素人の高齢者集団が売り上げを確保したいなら、ほかにいくらでも方法があります。材料の取り扱いが難しく、技術習得にも時間がかかり、乾燥や焼成などの不確定要素が多い陶芸はリスクが多すぎます。

また、自分でお金を払っていない設備や材料をどれだけ人が粗末に扱うかも経験していないから分からないようでした。

わたしなら、みんなでアクションペインティングやアクション書道みたいなことをワイワイと作業着汚しながら運動やリハビリとして楽しんで、それを素材として切り取りながらデザイナーなどとTシャツや文房具などのアイテムを開発して販売するのが一番いいとその場で思いついて話しましたが、とりあってくれませんでした。



極端なことを言えば陶芸は馬鹿にされています。



料理の経験のまったくない経営者が、素人の高齢者を10名ぐらい集めて料理屋を開き、経費プラス一人あたり二、三万円の利益を確保するなんて、あきらかに無理ですし、まっとうな修行をしてきた料理人を馬鹿にしていると思いませんか。


だけど陶芸ならいけそうだな、と思う人が多いのはなぜでしょうか。


わたしの周囲で中途で陶芸作家になれた人はみな会社や役所を辞めた人だけです。
案外と高収入だった方も多かったからか、元の収入に届いている人はいません。

しっかりと定年まで働いて退職金ももらい、それから年金ももらいながら陶芸を仕事にするなんて、そんな甘い考えはやめましょう。その年金の原資をどうにかこうにか払っている陶芸家に恨まれます(笑)。

人の作品を見ても、こんなの俺でも作れるぜ、と思うタイプの方が多いのでプロの作品を買うこともありません。手元に無いので人と自分の作品の比較検討なんかしませんから、ここからすでに悪循環のはじまりです。

自分がこれまでの人生で器に使った金額以下でしかその人の作品は売れません。

脱サラしていないと、この感覚がわかりません。最初は投資したお金や時間しか回収できません。そしてそれは金額ではなく、割合です。

年収150万円の時に買う3万円の器や1万円以上の専門書の重みです。サラリーマンで1000万円もらっていた人の感覚でいけば2〜30万円ぐらいの茶碗とか10万円ぐらいの書籍やセミナー代の感覚です。

そのお金が出せない若い時なら勉強として薪窯の手伝いをするとか、数年修行に入ることなどです。


別に何歳から何をしても良いと思いますが、そういう方こそプロのものを手元に置き、自分も公募展などで客観的な評価を固めたほうが良いと思います。プロだって落選することはありますが、基本的な部分が欠如していれば、まず公募展などで評価されることはないはずです。

プロはみんなそんなことをしてきたのです。
それでも夢破れて辞めていくほうが圧倒的に多い。

はっきりと申し上げますが、はじめから陶芸教室の先生になりたかった人など皆無だと思います。

まぁそういう人も中にはいるのかもしれませんが、わたしは違います。ましてブログや動画での発信など、やらないで済むならやらなかったと思います。

理想通りの人生だったら、そんな暇もなかったでしょうし。

陶産地であれば、なんだかんだと陶芸っぽい仕事やバイトがありますし、周りもそういう人間ばかりいますから何となく過ごせてしまう。

しかし突然福岡県の実家に戻ったわたしは、あまりにも周囲と自分の感覚がズレていることに当初戸惑いました。

そして自分の経験と知識がどこにも役に立たずに廃れていくことに恐怖心を覚えました。

これまで人生をかけて取り組んだことはどうなるのだろう。




あの山で延々とレンガを運んで最後に指を潰しかけたこと

溶接の火花が目に焼き付いて頭を押さえつけられて手術されたこと

ゼーゲル式がわからずに毎日電卓と本を持って苦しんだこと

仕事で見たあの絵具工場の寂しい風景のこと

相馬焼の民宿の晩御飯のこと

あの煙突の先に見えた富士山のこと


やきもの業界からの発信の少なさが人の夢を砕きつつ、別な人に安直な夢を抱かせているのかもしれません。


わたしは発信します。








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2019年02月06日

展示会初日の反応

初日はどうかなぁ〜と思ってましたが、案外とお客様は来てくれました。
地元新聞の紹介もあって、YouTubeの人ですね!と声を掛けてもらうこともありましたよ。

また、偶然入ってこられた方が窯に興味を持って、説明をして見積今度してください、なんてこともあり、まずまずの感触です。

やはり実機を現場に置いて説明することと、タブレット(親父の)で動画を流しているのは良かったです。
今日も11時から頑張ります。

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(アクションロクロ倶楽部!)
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2019年02月02日

刷毛塗りもいいですよ


刷毛塗りをしようよ、といつも受講生に言ってますがなかなかやってくれません。
ズブ掛けの方が難しいのになぁ。

刷毛塗りであれば釉薬の量も少なくてすみますし、この仕事の仕方ならばマンションでも楽にできます。
プロや窯元の方式を無意識に模倣していれば、スペースはいくらあっても足りません。

やきもの屋のあるとこ使い、というような言葉もあるぐらいです。

比重で60ぐらいに濃くした織部にCMCを目分量外割で10%ぐらい。
刷毛や筆が素焼きにひっかからずに塗れるのが目安。

透明釉のほうはかなり薄いです。

別に秘密でもなんでもありません。

少量の釉薬だったらわたしはミキサーで混ぜてます。
どべもミキサーで作るとトロトロにできますよ。


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2019年01月27日

年に一度

丁度窯屋を辞めてこれからどうなるんだろうという時に観た映画です。
DVDをもっていて、年に一度観て号泣します。

今から観ます。
いまYouTubeで有料で視聴できるみたいですね。

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2019年01月25日

温度計の誤差についての考察



発熱体と炉内の温度表示には70〜90℃の差があると言われています。

ヒーター線の使用温度が1375℃のとき
炉内は1295℃以下の必要があり、多くの電気炉の最高使用温度が1280℃になっているのもこのためです。


しかし、熱電対と温度指示計の誤差は±1%はあるといわれており

素焼きでも800℃の±1%は808℃と792℃

本焼きであれば1250℃の±1%は1262.5℃と1237.5℃となるのです。

ただし後述のようにもっと測定誤差があることも多く確認されています。

SK8(1250)での誤差1%は12℃以上あります。

いかに優れた測定機器といえども過信してはいけないということでしょう。
かならず色見やゼーゲルコーンを入れる必要があるということを忘れずにおくこと

そして電気炉では安易に1250℃以上に設定しないことも大事です。
1250℃に設定してゼーゲルコーンを入れてみれば案外と温度が上がっているのがわかるでしょう。

誤差が小さくても無根拠にそれを繰り返せば電気炉ではヒーター線等の寿命は短くなるのは間違いのないことです。

世の中の測定機器には必ず誤差がある、という考え方をすれば、いかに温度計のみの焼成が不確かなものかわかるでしょう。


また他人の1250℃と自分の1250℃には差があること、それがたとえ±1%であっても25℃程度の開きはありえるということであり、ガス炉のように温度計は別で購入している場合、温度計の個体差や製造年月日、メーカーによってそれ以上の誤差がでることがありえるし、実際にわたし自身も確認しています。



温度が高いほうがよりよいやきものに成り得るというのは、ある意味、正解でもあり、不正解でもあるのです。
しかし、同じ作業をする以上、より高い温度にしたいのが人情というものでしょう。

それにより釉薬の流れのトラブル、棚板やヒーター線の寿命への悪影響があることは、知らない人の方が多いのが現実です。

それを発信しなければメーカーにはそうしたトラブルばかりが報告されることになるのです。釉薬メーカーでも同じことでしょう。焚き方が悪いのに自分の作った釉薬のせいにされてはたまらない。しかしそういうクレームは多いだろうと思います。

一体だれがこんな風にしたのでしょうか。

やきものは科学的な考察と工業としての側面を強くもっています。
センスだけで正しい窯の運用はできません。ロクロが上手いだけでは作家にも先生にもなれないということです。

この責任はわたしを含むメーカーと販売者にあるとも言えます。
そもそも先生でさえ理解していない人の方が圧倒的な話です。

この人が窯が焚けるかどうかなんて車の免許の有無のようには判断できないのです。

せめてそれを搬入時や取扱説明書に明記しておかなければ、安直に根拠もなく1250℃以上の高温にするユーザーが出てくるばかりでしょう。

人よりも高温にする、人よりも大きくする、人よりも早くする、あまりにも幼稚な張り合いだと思いませんか。

すぐれた作品は帯留めのようなサイズであっても人を虜にし、一生忘れられないほどの記憶を刻むものです。

茶碗などにもそういう作品は多いですし、わたしもその場から動けなくなった作品があります。

まだまだ発信が足りないようですね。





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2019年01月23日

瀬戸のプロの凄さを再認識。


自分の動画ですが、やっぱりこの話はいいな。
今週はかなりのハードスケジュールですが、窯焚きの合間に動画を見直しています。
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2019年01月04日

本年もよろしくお願いいたします。

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年末年始も仕事はずっとしていましたよ。
今年は1,2月がかなり忙しくなりそうです。

もちろんブログも動画発信も続けてまいりますので、よろしくお願いいたします。
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2018年12月28日

手びねりを馬鹿にする?


手びねり、それも手ロクロも使用しない玉作りなどを真面目に取り組む方は案外と少ないように思います。
誰でも最初はそこから始めるわけですが、いつの間にか電動ロクロもできるようになって、陶芸歴も長くなってくるとそういう感覚の人が多くなるように感じます。

どうしても電動ロクロが上、みたいな。

しかし手びねりが下手で電動ロクロは上手いなんて人は存在しません。
ありえないのです。素手で弱い人が棒を持ったから強くなるわけではないでしょう?



★ 簡単にチェックする方法をお伝えしましょう。

玉作りです。

重さは100グラム。

使用していいのは自分の両手のみ。
絶対に手ロクロを使用してはいけません。

均一に丸く伸ばして焼き上がり三寸の小皿にします。

つまり粘土100グラムを直径100ミリ以上にすること。
このとき一切の道具は使用しません。
切って丸くはできません。

きちんと丸いお団子を作り、指でつまむという行為だけで、なるべく真円に近いものにしてください。その加減ができない人は電動ロクロは早すぎます(笑)。わたしの講座では電動ロクロを始めることはできませんよ。

簡単だったという人は、150グラムで四寸皿の150ミリ前後、さらには三角、四角にチャレンジしてください。

同期の旦那さんが三角のおにぎり皿を作られますが、安直に真似する作家をフェアで散見します。ひと目見たらわかります。

なぜなら知人は手びねりして三角にしています。真似する人は”三角に切って”おにぎり形にしているからです。

自分がしっかりと手びねりしていないと、そういうものを見分けることも出来なくなってしまいます。それがわからないと電動ロクロの上手い下手もわからなくなってしまう。

たしかに形は同じようなもの、機能性についてはかわらない、価格はコピーの方が安いかもしれない。

そういうことの先にはカタログスペックのみで判断して安直に海外メーカー製の電気炉を輸入し、自社ブランドで売りさばいて後々トラブル頻発、なんていうことになるのかもしれませんね。






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人面墨書土器を毎年小学校で野焼きしています。
子供の手びねりは面白いですよ。

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昔作ったものです。いまはもう少し薄く作れるかな?

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2018年12月24日

知識をつないでいこう

とりあえず買うものいいけれど、やっぱり知らないまま購入するのは無理があります。

パソコンソフトや自転車パーツのようなものでしたら、お試しとしてちょっと損してもいいかなという、試し買いもできるでしょう。

しかし陶芸窯選びで失敗するのは、家造りを失敗するのにも等しいことかもしれません。

すでに購入されている方の質問もよくありますが、答えようのないような場合も多い。

よく耳にするメーカーだから、知り合いが持っているから、先生に勧められたから、という理由もいいのですが、残念ながらあなたに窯を勧めてくれる人のほとんどは窯を造ったことがありません。

少なくとも、複数のメーカーの複数の窯の違いを明確に説明できることもほとんどありません。これは電気炉ガス炉の違い、ということではなく、同じ電気炉でどこが違うのかということへの理解と説明が出来ないということです。

男性ならば乗用車やパソコンなどの違いを説明出来る人は多いでしょう。トヨタのこの車のライバルはホンダのこの車で、それぞれの違いはこことここ、エンジンがこんな風に違うんだ、などなどです。女性ならば食品や化粧品ブランドの違いなどについて詳しいことが多いのかもしれませんね。

しかし、そのような理解と説明を陶芸窯について出来る人はほとんどいません。だからわたしは発信を続けていますし、その理解を多くの人にもっていただいても、自分たちは選ばれるという自信がある。

いつもやきものの世界を大切に間違いのない仕事をしてきました。多くの築炉メーカーがそうなのです。それぞれは中小零細企業が多く、発信力も弱い。大手が悪いわけでもないですし、中小が必ず良いわけでもありませんけれど。

それぞれに個性と明確なカラーがあり、企業の経営理念があります。しかも、それを知っていただく機会は少ない。だから発信を続けていきます。よかったら、あなたの理解の範囲でかまいませんから、周囲の方々へ言葉を繋いでいってください。

ユーザーの知識レベルが上がらないと底上げはされません。

家電や自動車のような明確な基準も法律もないのが陶芸窯の世界ですから。


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2018年12月18日

熱電対についての動画

北海道のハシモトさんが投稿されてましたので、わたしの動画と一緒に紹介します。
ハシモトさんは先日わたしのチャンネルについても言及してくださいました。
ありがとうございました。






こうして複数の発信があるようになることが、わたしが以前から望んでいたことです。
窯を使用しなければ成り立たないやきものの仕事ですが、本当に窯に関わる発信が少ないです。

これからも発信を続けて参ります。
posted by inoueseiji at 08:42 | Comment(0) | TrackBack(0) | イノウエセイジの頭の中

2018年11月30日

誰を信じるか【音声入力ブログ】

今日は誰の情報を信じるのかという話をしたいと思います。

これまでいろんな形の相談のを音声入力ブログで話してきました。昨日も講座があって、受講生の人のテストピースを見ながら相談を受けてたんですが、結局は誰を信じるのかということ、その人の正直さですね。

窯のお客さんや受講生みたいな直接私に関わり合って行ってらっしゃる方でさえ、ときどき私が言ってないことをすることがあります。こんなやり方をネットで見ましたとか、何かの本で読んだとか、どこかの教室で昔習ったとか、誰かがやっていたからとか。

私が言ってないことはやらないっていうか、それ私言いましたっけ?みたいなことを言うことが最近多いなと思います。例えば何かのホームページに、使用方法などが書いてあったとして、それが正しくても、やはりその勘所みたいなことを、初めて使う人が文章だけで完全に把握するのは難しいかなと思います。

実際に使ったことがあるとか、知ってるとか、まあ自分みたいな人間に相談してもらう方がいい。その時に梶田絵具店に相談するのなら、しっかりと梶田さんを信じてもらうと。僕だったら僕を信じてもらわないといけないわけですね。陶芸って外野の声がよく聞こえますけど、絵具のことを梶田さんより知っている人はいないんですから。

あのそういう事ってすごく他の世界でも多いのかなって想像はします。今あなたの顧問弁護士は私なのになんでネットで調べて適当な事やっちゃうの、みたいなこととか、結構あるんじゃないかなって思いますね。

例えばもうお医者さんがレントゲン撮って確認して、ここも断裂してますよって言ってるのに、先生、テレビでこういうの食べるといいって聞いたんですけど、みたいなことを言うとかね。逆の立場で考えたらいいと思いますね。自分の言うことは信じてもらえてないんだっていうその悲しい気持ちですね。まあ人によっては怒ったりするでしょうし、もうあんたなんか知らんと言ったりする人もいるかもしれません。

だからなんでもかんでも答えるということに功罪があるのかな、とも時々思います。無料は善か?っていうと、伝わらない人には伝わらないまま、それどころか中途半端に伝わっていくという感じがしますね。

みなさん良い方で、こんなこと聞くのは悪いかなと遠慮されて、自分で調べられたりするんでしょうけど、僕のお客さんとかであれば、そこは遠慮なくも聞いてもらったほうがいいんですよ。聞いてもらえば、それぐらいの理解をされているんだっていうのが分かりますので。

お客さんでなくても、メールで質問が来たら答えは動画にしちゃって、みんなの知識にしてしまえばいい。そういう動画も結構あります。後でまた同じような質問来ても、それ動画で話してるんでって言えばいいことですしね。私としても動画の本数が増えていけば、それは一つメリットだと思いますので。

そういう意味では私は誰の質問にも答えるとは言えるんだけれど、聞いたからには最後まで私のやり方で、せめて一回はやってもらわないと困るわけです。ここはこの人のやり方、ここはこの本のやり方ってやっていけば、どこかで整合性が取れなくなってしまうんじゃないかなと思います。それで一窯ダメにしたことが私もありますから。

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2018年11月29日

講師が伝えるべきもの【音声入力ブログ】


動画でも撮っている釉薬の調合ですね。

まず簡単な二つの成分でやってみてはどうでしょうか、その後三つの成分でやってみてはどうですか、みたいなことも言ってますけど。ずっと基礎的なことをやってもね、やっぱりつまんないと思います。

何もしていない人がいきなりは良くないと思いますが、せめて二成分、三成分を何回か行った方は、釉薬の本なんかに載ってるレシピを試してみてもいいと思うんですよ。

それで例えばこの原料をこんなに入れることもあるのか、とか。こういう原料があるんだなぁ、こういうモノも使うんだなぁ、とかね。これとこれを入れると時は、必ずこれが入ってるなぁとか。そういうことはやっぱり実際の調合を行わないとわからない部分もあるかと思います。

楽器の演奏なんかが分かりやすいと思うんですけど、まず指使いとかですね、音を出すとかそういうことをある程度ちゃんとやらないと、いきなり曲をやっても変な癖がついたり、誤解したまま続けてしまったり、クセを修正できなくなったりしてしまうので基礎は大事です。

基礎と楽曲を同時進行で、できればきちんとした先生とか、まぁそれが無理なら自分でしっかりした本を何冊か読みながら進めていくのが僕はいいと思います。動画もあるでしょうし。

ただその指使いとかそういう基礎練習ばっかやってても気づかないことを、実際の楽曲なんかをやってみたら気づくと思いますね。必ずこのコードの後はこのコードに行くなとかね。そういうなんかこうパターンねみたいなね。このパターンがこういうジャンルの曲なのか、みたいなそういうこともまあやっていくうちにわかるんですよね。

最低限必要な基礎って何だろうということを、釉薬調合だけじゃなくて、作陶でもですね窯焚きの方でも意識してたらいいと思います。そういうものがありますから。

そういう認識があってこその冒険とかですねチャレンジであると思うんですよね。
アマチュアの方の話を聞くと、あまりにも無茶で無計画で非科学的だなと思うことが多いですね。根拠が全くないのは、チャレンジでもなんでもない。厳しい言い方すれば時間の無駄遣いをしてるようなことが多い。

しっかりした挑戦をして、成功しても失敗しても検証しないとダメです。失敗した、じゃあ今度違うのやろう、それやってたらもう何もやることなくなりますよ。目的が無いと、周りに影響されて隣の人がやってるほうが面白そうだな、私もそれやってみようかな、それはやっぱりちょっと違う。

先生や講師の役目っていうのはテクニックとかを小手先のことを教えるんじゃなくて、習い方とか進め方とかを、受講生に伝えないといけないんじゃないかな、と最近強く思っています。私はその辺があまり上手じゃないので、定期的にペーパーテストを行っていて、受講生の方がどれぐらいの認識をしているのか、どれくらいの理解をしてるのかを、講師と受講生のお互いが確認できるようにしています。
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