いくつになっても無我の境地にはなりそうにありませんイノウエです。
先日の日曜日に液化石油ガス設備士の実技試験を受けてきました。
え〜やっぱり。
学科同様、反省することばかりです笑。
まぁもし落ちていたとしても、学科免除で来年もう一度実技を受験できるので備忘録として書いておこう。
(貸してくださった〇〇ガスさんありがとう!)まず、この窯屋のオジサン以外はみなさんガス屋さん、もしくは設備関係の人たちでした。
当然ながら試験官もガス協会などの方々、窯業界のワタシにはかなりのアウェイ感がありました。
道具のサイズとかいろいろね。
でもまぁ機械や工具は試験の規定に沿っていれば問題ありません。
わたしは三脚のパイプバイスではなく、REXの小さいバイスを自作の木製台に据え付けて持ち込みましたが、特に問題はなかったようです。そんな人はいなかったけれど、受験要項にはフットバイスでも可と書いてありましたし、施工ができれば良いということだと思われます。

わたしのネジ切り機はかなり古い四分六分くんです。なぜならわたしが唯一使用経験があるものだからです。試験前にはガッツリとメガーで絶縁抵抗値も測られてチェックシールを貼られます。中古を購入して受験する方はそのあたりしっかりとメンテしておきましょう。
わたしはすべてが終わったときに試験官の先生に「かなり機械が悲鳴を上げてましたね。」と古いネジ切り機についてコメントされました。まぁこれは減点対象とかではなく世代的に試験官の先生も懐かしかったんだろうと想像します。ただ試験会場ではコードリールに周囲の受験生4人ぐらいがデカいネジ切り機をつなぎますので、使用時の電圧降下はめちゃくちゃあります。そういう部分ではかなり不利でした。
服装ですが、わたしガはあえてガッツリとふくおか陶芸窯の社名の入った作業着と安全靴で臨みました。作業帽と老眼鏡も装備です。
逆の立場で考えるまでもなく、人が判定する場所においては受験生の見た目はかなり重要だとわたしは思います。
国家資格の設備士にするかどうかの判断をされる試験です。回転する機械を使用する実技試験です。私服みたいな格好では危険なシロウトと判断される可能性があります。一般人であることは問題ありませんが、作業や業務経験の無い人間と試験官に思われても一つもいいことはないと思います。会場にはスウェット上下みたいな人がいましたが、ちょっと有り得ないとわたし個人は思います。
さて。
笛を吹かれて試験開始です。寸法が公表されているものを書き写して計算します。もうこの段階でネジ切り機をグイ〜ンと回し始める人がいますが、人は人、自分は自分で焦らないようにしましょう。練習ではBパイプまですべて先に切りましたが、本番では裏技的なことはしませんでした。
試験官だけではなく現場にはいろいろな人がいて、みんながめっちゃ見ています笑。
まずはAパイプからカットしますが、もうオジサンはいりなり3ミリ程度マーキングからズレてしまい焦ります。なにしろ遠視気味の老眼なんです笑。
やばい。
マズイ。
脳内に警報が鳴り響きます。
仕方ない。減点されるだけだ。
Cパイプも少し長めにしておこう。
いったん深呼吸です。
起こったことは仕方ないのです。
オジサンには現場での対応力があるんデス。たぶん。
とりあえず淡々と作業をします。
CとDを間違えないように。パイプにはAとかCとかマーキングをコソッとしましたが、周囲を見るとガッツリと書いている人が多かった印象です。おそらくはこれはなんの採点基準にもならない部分だと思いますので、間違えないように書いておきましょう。現場ならそうするだろうしねぇ?
試験官の先生方はかなり近くでガン見してくださいます。
ネジ切り機のオイルのことを指摘されている人もいました。
わたしはAパイプの寸法間違いのカットで焦ってしまい、切り口にリーマーをかけ忘れました。
それも試験官の先生がガン見してくださったので気が付きました。
いま思い返せばそうやって指摘してくれていたのかもしれません。
だってこのオジサン明らかにガス屋じゃないからね。
いよいよBパイプの長さです。最初に97.5ミリでマーキングしていましたが本番では先述のようにまだカットしていません。ユニオンを手締めしてCのチーズとの実測値をみます。プラス2ミリという感じでしたので、それでカットしてネジ切りします。
「ユニオンのリングを忘れない」と、わたしはスタート時の図面に初恋の人を忘れない勢いで書いていましたので忘れませんでした笑。練習でも本番でも配管組間違いの精神的ショックは失恋の比ではございません。
Bパイプは8割程度の強さでネジ込み、チーズを締めてユニオン部分をあわせます。ちょっとキツいのでさらにBパイプをネジ込んで合わせました。ホースエンドをつけてバイスから外します。
今更手遅れなんですが一応寸法を確認します。
Aパイプの切り寸法を3ミリほど強めに間違って焦ってしまいましたが、これまでの練習でもなかったぐらいピッタリに仕上がっていました。試験官の先生が厳しめに判定するとしてもプラマイ1〜2ミリ以内でしょう。ラッキー!笑。
自記圧力計を繋いで計測。
5分待つ間にようやく周囲を見る余裕が生まれました。
自分がまぁまぁ早い方だなとわかり、ようやくちょっとずつ落ち着いてきます。
若いもんには負けんばい!
試験官の先生に終わりましたと申告して記録紙を出しました。
一瞬明るい未来を見たような気がしました。まだ終わっていないのに⋯。
しかし。
試験官の先生は測定された記録紙のラインを穴があくほどガン見して、
「⋯測り直しましょう。」
と言われました。
ええ?
どういうこと?
という目で先生を見ると8.4kPaのラインをギリギリ下回っている(ように見える)との指摘でした。
またもや老眼のせいです笑
(先生この子遠くはめっちゃ見えるんです!)
記録紙の位置を変更すれば良いとのことでしたのでズラしてまた5分測定だけど6分ぐらい行いました。測定圧力も今度は8.8kPaぐらいに上げておきました。針が8.4kPa以上のグリーン部分ならいいんだろうという判断。
記録の取り直しもしくは測定し直しは他の受験生でもあったようです。
これは減点対象になるのかなぁ?
測定がおわりもう一度手を上げて先生に提出。
まためちゃくちゃガン見してくださいます。今度は良かったようです。
一応一度目も二度目も漏れや圧力低下は一切ありませんでした。
次に配管をチェックされ、指で触られて「傷がつきましたね」と言われました。ここは減点ですよという宣言でしょう。オジサンの心もキズだらけです。
配管のキズは減点項目です。知人のガス屋さんのはなしでは昔はかなりキズに厳しかったとのことですが、今はどうなんでしょうか。
いずれにせよ終わった。
漏れなし。
寸法も大丈夫。
キズと測定やり直しがどこまでマイナスされるのか。
学科のときと同じぐらいの不安感をのこしたまま帰路につきました。
ダメでも来年もう一度学科免除で受験できます。
開き直りましょう。
発表は来年1月6日の15時。
リーマーをかけ忘れた件ですが、ネット情報だとこんなに発表に時間がかかるのは、試験で作成した配管はバラバラにされてチェックされるんだそうです。そこで試験官の先生に、あのオジサンちゃんとリーマーやり直したな、とわかっていただければと切に願うばかりです。
今日なんの話?と思われた方はガス窯にかかわる、多分どこの築炉屋も持っていない国家資格の話と思ってください。窯の世界を良くしていく努力は続けていきます。
実技試験はこんなことをするんだよ、という動画を貼っておきます。