2008年12月10日

七輪陶芸


七輪陶芸で有名な吉田明さんが先日お亡くなりになったそうですね。
まだ60歳だったそうで、その早すぎる死に驚いています。

わたしの瀬戸の友人は会ったことがあるそうですが、わたしはなんの面識もありません。そういう人間がブログに書くというのもなんですが、わたし個人はとても思い入れがある陶芸家なのです。

瀬戸で、仕事と家庭とにはさまれて、思うように作陶や勉強ができなかったとき、七輪陶芸、というタイトルの本はショッキングでした。

思わず本を買って、次の週末には七輪を買っていました。
福岡の友人が訪ねてきてくれたときに、一緒に借家のバルコニーで本を見ながら七輪陶芸をしました。

たしか、半分ぐらい割れたという記憶があります。それでも、楽釉ではない普通の釉薬が溶けましたから、かなり温度は上がったとおもいます。

とても2時間ではできないし、どこでもできるものではないな、と思いましたが、ここではなんにもできない、という鬱屈した気持ちが晴れ晴れとしたことを強く覚えています。

わたしはその後、絵具屋さんに教えを乞いながら、楽釉を調合したり、友人とオーブントースターを分解して電気炉をつくったり、酒屋の友人の利き酒のイベントで楽焼体験を企画したり、一気に低火度釉に手を染めていきました。

そのすべてのきっかけは、ある意味、吉田明という人の本だったと思います。

わたしとしては、友人の家にあった粉引きの本の顔と、その後の七輪や紙窯のときの顔の表情のギャップにいろいろと思うところがありました。

おそらく、尋常ではないスピードでいろいろなことを実験したりしてこられたのだろうと想像しています。

こちらで地元の友人が、古本屋にあった、といってやきものの本をたくさんくれたことがありました。その中に吉田さんの縄文陶芸の本もあって、いま市の考古学関係の方にお貸ししていますが、その説に大変興味をもたれていました。

そのように、実践をともなった吉田明氏の発表に、いつも感心していました。考古学と陶芸の懸け橋みたいな存在になっていかれるのかなぁ、となんとなく思っていましたが、突然の訃報に一読者として驚いています。

なんでも新しい土地での作陶をいろいろ計画されていた最中のことだとか。残念です。

ただ、きっと多くの人に種をまいていかれたことだけは間違いのないことだと思います。

年明けに楽焼をしますが、吉田さんの本に出会っていなかったら、楽焼などやっていなかったでしょう。




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2008年12月09日

他業種の人と

先日、ビストロを経営している友人と、車での移動の間、長時間話す機会がありました。

彼の料理は、大変美味で、しかも気取らないビストロ、町の洋食屋さんという店構えです。プライベートでも、率先して料理番を引き受けてくれ、イベントやキャンプでのバーベキューなどでも、たくさん美味しい思いをさせてもらいました。

「このソース、おいしいね。」と言えば、「これは赤ワインが1カップに、・・・」とレシピをなんでも教えてくれます。

そのことを先日の車中で話していたのですが、彼もわたしと同じで、そうした情報をオープンにすることに、なんの抵抗もないそうです。教えても、同じようにはできないから、ということでした。

また料理の場合、口で説明できない、1,2秒のタイミングがあるそうで、それはもう、口では説明できない部分だそうです。(似たようなものは陶芸にもありますね)

技術には、そういうことの積み重ねがあるから、なかなか同じものはできない。だから、レシピをオープンにすることになんの抵抗もない、ということでした。

レシピをオープンにしてもらった、わたしの側からみれば、まずオープンにしてもらえることに感謝しますし、レシピから、そこまで手をかけているソースなのか、と驚きますし、(メモをしましたが、複雑なので、まだつくってません)彼の株は上がるばかりです。

同じようなことは、きっとどの世界でもあると思います。また残念ながら、情報を公開しても、意外と人には通じません。教え方や、伝え方に問題もあるでしょうが、実際、情報公開することを、恐れることはありません。

むかし習った書道に例えれば、「どんな硯に水何ccをいれ、どの墨で何回摺り、さらに、どんな筆を使い、どの紙に書くのか」、が秘密の部分でしょう。

しかし、紙に書く文字は、例えば「あ」と決まっています。

「あ」という文字を上手に書く技術は、単純に努力の部分ですし、さらにそこにセンスが加わりますから、相手が自分の「秘密」を知ったとしても、そうそう同じような文字は書けません。

かりに同じように書けても、書けなくても、自分のプラスになります。なぜなら、同じように書ければ、オープンにした人の、情報の質の高さを尊敬しますし、書けなくても、その技術の高さを、改めて高いレベルで理解してもらえるからです。

陶芸の世界の住人は世界が狭いとよく言われます。
わたしもいつも、それについては反省しています。ですから、迷惑もかえりみず、他業種の友人・知人にはぶしつけな質問や話題をふって、我が身の肥しとしています。

みなさんにもそんな他業種の友人・知人がいますか?




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2008年12月06日

コメントとメール


先日、まったく同じ日に記事へのコメントと、海外から励ましのメールをいただきました。

発信する側として、こうした反応はとても嬉しいものです。特に、わたしのこのブログでのスタンスでは、そうした反応を得にくいだろう、と予想していましたから、見知らぬ人からのコメントや、励ましは、あたたかく心に染み入るような気がしています。

伝統の世界で作陶する人も、個人で作陶する人も、独学の人も、作る人間というのは、常に新しい自分を探し続けて行かなければいけないと思います。それはテクニックの向上や、作風の変化ということではなく、あたらしい考えかたや、実験などを通して、自分をプッシュアップしていく、ということかもしれません。

陶芸家だからこれこれは知らなくてもいい、ということはないと思いますし、何をするにも心のどこかで自分の仕事につなげていることが必要ではないのか、とわたしは考えています。

「芸術家とはすべてを知る者だ。」と、ある方に言われたことがあります。陶芸家もそうなのかもしれません。多くの人が陶芸に興味をもつのは、間口が非常に広くて、奥行きも深いからでしょう。しかし、その広い陶芸の世界で、発信している人は何人いるのでしょうか。

先日、オークションサイトを閲覧していたら、「窯」を「釜」と延々と書き間違っているページがありました。また、明らかに七宝用の電気炉を、陶芸用だとうたっているものも、多数ありました。

そういう現状に、わたしはほんの少し前まで、通じ合う同業の友人と、酒席で愚痴をこぼしているだけでした。

しかし、それでは何も改善されないことに気付いて、発信することを真剣に考え、ブログで発信するようになりました。そうしなければ、「窯」は「釜」にされて、1000℃ぐらいにしか温度の上がらない七宝用の電気炉を、陶芸窯と認知されてしまいます。

残念ながら、もう発信していない人間を積極的に見つけて、評価してくれる時代ではなくなってしまったと思います。いつか、仕事が認められ、とんでもないスポンサーが現れたりする時代は終わっているのです。


わたしも不安いっぱいですし、家族も、ブログなどお金にならないことをして、と思っているようです。しかしそれでも、もう発信するということを、だれも無視できない時代になっているような気がします。



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2008年11月27日

陶芸に関する呪縛


わたしが陶芸の世界に本当に身をおいてから、10年以上たちます。

その間に、たくさんの知識や経験から、自分勝手な常識のようなものを身につけているようです。

独立してから、数年になりますが、毎年毎年少しずつ、それらを剥がしていくように努力していますが、それでもたくさんの思い込み、刷り込みがわたしの頭の中にあって、ときにはそれに苦しめられることがあります。

陶芸を続けている方々、とくに、プロと呼ばれている方はどうなんでしょうか。

伝統工芸の世界にいる方と、わたしのように個人作家として活動している人では、まったく考え方が違うでしょうし、ある意味敵対関係なのかもしれませんね。

たとえば、ロクロにかんする呪縛。

電動ロクロよりも、手ロクロ、蹴ロクロのほうがいい、というもの。もしくは、いいものは、電動ロクロではできない、というような言い方。

聞いたことありませんか?

こちら側代表として、ここに断言しますが、そんなのまったくウソです。

電動ロクロを使用すれば、手ロクロでは絶対に回せない硬さの土を回せます。ありえないぐらいのスピードで作れます。電気のパワーとスピードもだせるし、手ロクロのようなゆっくりとした回転も作り出せます。

しかしなぜ、こうしたことを手ロクロの人にたいして言えないのでしょうか。なんだかちょっと雰囲気負け、みたいな気持ちにされるのはなぜでしょうね。

このあたりが伝統工芸の長年の勝利ということでしょうか。

誤解のないように言っておきますが、わたしは伝統工芸の陶芸、好きです。買いますし、使います。

ただ、それと、自分がしている仕事をごちゃごちゃに誤解していたように思います。また、今も混沌としている部分はあります。

雅楽とロックぐらい本当は違うと思うのですが、そのエレキギターのやつ、こっちの能楽堂にこい、と言われることがたまにありますよね。

土俵がぜんぜん違います。

このお話、書いてるわたしも考えながらで、とても楽しいので、また書きます。

突っ込みやご意見もお待ちしています。


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2008年11月21日

100円ショップの器よりも


先日、よく電話で話をする、神奈川の先輩陶芸家の方に聞いたはなしです。

共通の知人である陶芸家のことです。彼は各地のクラフトフェアなどに車で器をもっていきテントなどで数日間売る、という商売が多いようです。

かつてわたしも駆け出しのころそうしたお祭りや、イベントに友人と出店したことがあります。正直、わたしはあまり売れませんでした。それに、安いものを買いに来る人がほとんどで、そうした人の渦にのまれてしまいました。

まだ自分の窯もない、6,7年前の話です。

以前、100円ショップの話を書きました。

↓ 10月14日 「トンネルキルン」
http://inoueseiji.sblo.jp/article/21129806.html

そのとき、100円ショップに出ている器の原価は製造工場出荷時で10円以下という話をしました。
100円ショップの器は、手作りではありません。機械を使用しても、人間の手で仕上げ工程をすれば、素人には手作りのように見えますが、それさえもされていません。

100円の器でいい、という人は仕方ありませんが、陶芸家としては、まあ、それほど恐れることもない(怖いですけど・・・)と言っておきましょう。

ところが。

話は戻って、知人が先輩陶芸家にこんな話をしたそうです。

いま、中国製の「手づくり」の器が、彼らの舞台であるクラフトフェアの世界にもでてきたそうです。
売値は数百円。見た目からするとかなり安い。しかも、完全に手づくり。

これは想像ですが、焼成温度を抑えてある100円ショップの器とちがい、きちんと高温で焼いてあるのでしょう。中国の工場のアドバイザーは国内の窯業界で仕事がなくなった日本人かもしれません。
器は日本人好みの作風だそうで、パッと見たところ、彼も、おや、これ安いな、と思ったようです。

とうとう、そうした器が出回り始めました。

彼は思わず、わたしたちは、これから何を作ったらいいのか、と先輩に聞いたそうです。


これからますます、陶芸家がなにをすべきかが問われていくのだろうと思います。




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2008年11月17日

どうやって売るのか


作品を売って、収入を得るのが陶芸家です。

とはいっても、その他に陶芸教室や、窯業関連の仕事など、さまざまな収入源を持つ人も多いのではないでしょうか。

先日、二日間、地元のレンタルスペースで夫婦で作陶展を開催しました。
新築の喫茶店のようなとても素晴らしい空間で、しかもそこの隣は、母や嫁がお世話になっている美容室です。二日間、美容室のお客さんも、たくさんママが連れてきてくれました。その場所のオーナーの方も友人を呼んでくださいました。本当にありがたいことです。

わたしはその場所を中心に歩いてこれる範囲に千数百部ポスティングしました。幸いそこはマンションがとても多くて、たくさんの人が住んでいるところですので、半径100メートルほどでチラシはあっという間になくなってしまいました。

そして、たったの千数百部で、たくさんの新規のお客さんが来てくださり、そして買ってくださいました。また、遠くの友人に知らせてくださったり、連れてきてくださったり、嬉しい誤算がたくさんありあました。また、いつもいつも買ってくださる方や、差し入れをくださる方など、嬉しいやら恐縮するやらの二日間でした。


こうした地元に根ざした作陶展をこれから定期的に行っていこうと思っています。

尊敬する先輩の一人から、地元で陶芸家といえばイノウエ、と言われるようにがんばりなさい、と言われました。公募展などのことを相談していた時でしたので、この言葉に足元をすくわれるような気がしました。

彼の活動の仕方を思い、そのときの自分の考えていることと比較しました。当時の考えは、思い上がりも甚だしく、恥じ入りました。自分の足元をしっかり見つめて、作品を展示していくことが大切なのだな、と痛感しました。

大きな展覧会に出品したり、都心の一等地のギャラリーで個展をするのも大切ですが、自分が生活している地域のかたがたに認知されることや、意見をいただくことも大切だと思っています。

また、子育ての中心的な役割を果たし、なかなか、制作時間と発表の場を与えてやれなかった、妻の作品が多くの方々の目に触れる機会ができて、嬉しく思いました。

厳しい時代ですが、作家のみなさん、これからもがんばりましょう。



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2008年11月06日

動画で確認


先日、妹の所から、ビデオカメラを借りてきました。

ふと思い立って、三脚につけて自分の自転車競技での技を撮影してみると、案外思っていたのとはまったく違うポジションで乗っていて驚きました。

これはまずいと思い、仕事の様子などを撮影してみると、ゆっくりやっているつもりでも、非常に手が早く動いていて、びっくりしました。

自分はゆっくり説明している、とこれまで講座の中では思っていましたが、あらためなくてはいけないなと思いました。また、個人の仕事としても、そんなに急いでやることもないな、と思うこともありました。

技術ですから、早い遅い、多い少ない、とどうしても無意識に考えているのかも知れません。また、これまでの職歴から、わたしはどちらかといえば職人気質の職場が多かったのも影響しているのかもしれません。

土練りやロクロではなるべくたくさんの粘土を扱う、ロクロは早く回す。少しでゆっくりよりも、たくさんで早いほうがえらい・・・。

こういう考えは、過去の男性の受講生に多かったのですが、わたし自身も同じく、ゆっくりだったり、少しだったりするのはかっこ悪い、と無意識に思っているようです。

よく、デモなどで、そんなに大きなお皿つくらなくても、というようなロクロを見聞きしましたが、あれも同じようなことでしょうか。

陶産地などでは、きっとだれそれが何センチの皿を挽いたとか、張り合っていたりするのでしょうか(それはそれで必要ですよね)。

職業ですから、そういう部分も大いに大切だとは思います。

公演をするような職業の人が、移動中の車のラジオの中で言っていたのですが、自分が思っているよりもゆっくりしゃべることが大切だと話していました。

スポーツの世界ではよくいいますが、陶芸の世界でも、動画で自分を確認すると、勉強になるかもしれませんね。


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2008年10月27日

夫婦で作陶


わたしの妻も陶芸家です。といっても、陶人形作家です。

こどもの手がはなれてきて、少しずつ仕事をするようになってきましたが、まだまだです。

わたしはどうも、旦那がロクロで嫁が絵付け、というのができません。こういうところが美術を学んでしまった人間の哀しいところかもしれませんね。

わたしが食器や窯のことをしていて、嫁が陶人形をしているというのは、精神衛生上すこぶるいい方向に働いているような気がします。

これでお互いが食器をつくっていたり、人形をつくっていたりすることを考えると少しぞっとします。

おたがいに、制作活動があって、そこは干渉も意見もしない。そのかわり、相手の得意分野に関しては意見をもとめるし、尊重する。助けてほしい時は手伝い合う、という形に自然となりました。

そして、お互いに相手が自分の仕事をしたほうがいいものができそう、などと思っています。

夫婦で同じ仕事にむかうというのも、あこがれないわけでもありません。

むかし、丹波の友人の家に滞在した時、お父さんがロクロでつくった素地にお母さんがシノギを入れている光景を見ました。シノギをいれるのが女性の仕事だそうです。(彼のウチだけかもしれませんが)

低い作業台の前にしゃがみこんで、黙々とカンナでシノギを入れるお母さん。
その奥さんの手元を、丸イスに腰掛けて、タバコをくゆらせながらじっと見るご主人。いいとも悪いとも言わない。奥さんもなにも言わないで淡々と手を動かす。

一日仕事をしてあたりは夕暮れです。蛇窯のある丘のほうから日暮の声。タタキに寝そべる看板犬のハスキー。なぜだかとても目に焼きついています。二人がかっこよかったですね。

また、講座にも夫婦で来られている方がいらっしゃいます。そういうのもまたいいですね。

今週から、メルマガの配信がはじまります。

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2008年10月21日

楽焼その後


日曜日の楽焼は、快晴に恵まれて暑いほどでした。

楽焼は、低温釉を短時間で焼きます。
そのため、普通の釉薬と調合がちがいます。フリットや、唐白目などをつかいます。

鉛が使われる釉薬の安全性などについては、占領下の時代から、相当の研究がなされていたようです。しかし、鉛のよさ、というものも存在しています。独特の質感とマチエールはなんともいえないものがあります。

今回のイベントでは、無鉛のフリットをベースにしました。
また、レンジの使用など普通の器のようにはつかえない、という説明もしています。

春秋2回連続で参加してくれた方は、なんと前回の作品を検証して、今回ものすごく美しいラスターを出していました。悔しいです。が、嬉しくもあります。

さて、フィンランドの女子高校生は、まさに絵に描いたような北欧の美少女でしたが、長丁場の楽焼会ですこし暇をもてあましてしまったようでした。(これはわたしではなく、主催者側の問題でしょう・・・)

わたしはもっといろいろと話たかったのですが、窯の面倒を見ているばかりで、あまり国際親善できませんでした。しかも、割れる危険性が高すぎるよ、と説明していた無垢の作品を、本人はやりたいというので頑張って素焼きにまわしましたが、結局ハゼてしまいました。

しかも、もみがらで炭化させてみますか、と聞いて試したお皿も、本人が思っていないようなキラキラのラスターっぽいものになって(わたしとしては成功)、周りは歓声を上げていましたが、本人としてはいまいちだったようです。

陶芸の体験自体、初めてだったようで、楽焼の体験を感謝してくれるのは、もっと大人になってからかもしれませんね。



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2008年10月05日

何焼ですか?


先日、注文の大物を完成させて、建設会社の方が取りに来てくれました。

「持ち帰って、社長に見せます。」「よろしくお願いします。」

そして、翌日、電話がありました。気に入らなかったのか、と少しドキドキして電話に出てみると、「これは何焼ですか?」と聞かれました。

わたしは瀬戸で勉強しましたが、伝統工芸の人間ではありませんし、織部を作陶の中心にすえているとはいえ、他のこともします。ましてや今回の注文品はオリジナルの調合の単純な釉薬をムラに刷毛塗りしたもので、特に既存のスタイルのどこかに属しているという感じでもありません。これは困った・・・。

おそらく、陶芸を生業にしている方は、個展会場や即売会場などで、何度か言われている言葉だろうと思います。皆さんはなんと答えているのでしょうか。

福岡で織部をやっていると、「オリベ」と読めない人もいたり、何焼ですか、とかこれは小石原ですね(どこが?!)などと言われることもよくあります。

こういう言葉が一般の人からでるぐらい、やきものとは伝統工芸のイメージと作品が多いのでしょう。個人で独自の作品をつくっている人もたくさんいるのですが。

ある人は、この「何焼きですか?」と聞かれるのが一番頭にくるそうです。わたしは頭にこないまでも、まあ聞く人の陶芸に関する知識がわかるなぁ、といつも思っています。そういうことを聞かれることがないように呪縛を解いていくのも個人作家の務め?でしょうか。

言葉におとすことで、理解したと安心したいのでしょうか。美術館や博物館でキャプションばかり見ている人がよくいますが、あの器のあそこの筆遣いがすごかったね、と言ってもそういう人は覚えていないものです。

わたしは個展の時などは「織部焼です」とか「瀬戸焼です」とか、本当に適当に答えています。それじゃいけないのでしょうが、そういうことを聞く人で買ってくれる人が今までいなかったので、なんとなく、そのままできています。

なにかうまい方法はありませんか。今日は最後にこの質問で締めくくります。










あなたの作品は、何焼ですか?



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2008年10月02日

急須珈琲


先日作品を置いてもらっているお店を訪れた時のことです。

福岡県の情報誌がおいてあったので、なにげなく見ていると、「急須でおいしいコーヒー・・・」みたいな記事が載っていました。

福岡の老舗の珈琲店の方が紹介されていました。コーヒーのいれ方、ドリップ方式はテクニックにより、かなり味にばらつきが出るそうです。そこで、家庭にあるもので美味しいコーヒーをいれるには、と思いついたのが急須だとか。

やり方は簡単です。

豆を人数分挽いて、急須にいれる。一人6,7g(コーヒー用の計量スプーン1杯)が基準。熱いお湯を注いで、4分間待つ。茶漉しを使ってカップに注ぐ。

わたしも自分がつくった急須でやってみました。はっきり言って美味しいです。
お勧めしますよ!

実はわたしはコーヒーだけは贅沢していて、若いときからお世話になっているお店のマスターの自家焙煎のコロンビアを毎日飲んでいます。その豆がいつもよりかなり美味しくなりました。

これからはコーヒーを意識したポットも作ってみようかな、と思っています。

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2008年09月06日

何が売れますか?


わたしは芸術コースのある高校を卒業しました。

今年の個展ではひょんなことから、高校の同級生に知れ渡り、たくさんきてくれました。芸術系なので、女性が多かったので、きてくれたのも女性ばかりです。

その中で、いま福岡市中心部のデパートに勤務している人がいました。どんな売り場担当なのかというと、食器売り場だそうです。そこはわたしも天神に出れば必ず見にいくところで、香蘭社や深川を筆頭に日本と世界の様々なメーカーの物が売り場にあります。

昨日、ギャラリーに用事があって、嫁と街にでたので、こっそり彼女を訪ねてみました。ちょうど勤務中で、お客の振りをして、いろいろとお話していました。その中で、このフロアでは何が一番売れるのかと聞くと、なんとは答えは「急須」だそうです。

嫁と三人で分析してみると、やはりまわりで売っていないから、デパートで買うことになるのだろうという勝手な結論にいきつきました。そのフロアでは、常滑を軸に、有田、波佐見などがバリエーション豊かに展示してあります。

8月の個展で100個以上つくってうんざりしていた急須ですが、この話を聞いて、またがんばってみようかな、と思っています。



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2008年08月30日

おばあちゃん


ここには陶芸に関わる情報のみを書く、というルールを自分に課していましたが、はやくも破ってしまいます。

実は入院していた妻のおばあちゃんがなくなりました。

ガンでしたが、発見されて、入院したのも今年の5月ごろでした。その後、義父たちと相談して手術はしない、という決断をしたようです。入院した知らせと一緒にそれを聞いて、いつかこういうときはくると思って覚悟はしていましたが、残念です。

高齢とはいっても、母のいない妻の実家の台所をまもる、かくしゃくとした方でした。野球や芸能人や蓮ドラの話もよくされて、小説などもわたしに貸してくれたりしました。

愛知県にいるときには、月に1度は実家を訪れて泊まるのが慣わしでした。
わたしはスーパーなどで買い物するのは全く苦にならないほうなので、嫁とおばあちゃん三人でいつも買い物していました。情けない話ですが、買い物にいくと、いつも車代といってウチの分までお金をだしてくれたりしていました。また孫の婿であるわたしの好物もおぼえてくれていて、寒くなると、よくすき焼きをしてくれましたし、いつもチョコレートが用意してありました。

彫刻科出身のわたしは、よくおばあちゃんの包丁5本を研いでいました。
そういうことがこれから大切な記憶になっていくんでしょう。

きっと世の中のどんな人も、誰かに支えられてたり、支えたりしているでしょう。
とりわけ、わたしたち夫婦は、陶の道を選んだことで、いまは支えられる側にまわっていることが多いと思います。あのころ、瀬戸でくらした9年のうち、結婚してからの5年間は、本当に義父とおばあちゃんに物心両面で支えてもらいました。

そういえば義父と呑みすぎて怒られたりしたこともありました。わたしの長男は産後は妻とおばあちゃんのもとで過ごしました。福岡で生まれた娘は、一昨年と今春に抱かせてあげられました。

あしたは朝が早く、画面に向かって、こんなことを書く場合ではないのでしょうが、今日は寝れないようなので。


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2008年08月29日

赤茶けたもの


以前絵具店で半年だけ働かせてもらったことがあります。
そのときに、ここに書けるような知識をたくさんいただきました。そのお陰で、わたしは世の中が全く違うように見えてきたものです。

弁柄というと、鉄絵を描くときに使ったり、釉薬に使ったりしますよね。
じつは、弁柄と一言でいっても、たくさんの種類があるのです。そのはなしはまた次回にゆずりますが、そのときふと、「サビ止めのペンキも似たような色ですよね。」と言ったら、それはまさしく弁柄の色だったのです。

先日も、テレビで工場の製造工程を少しずつ見せるクイズで、氷枕を作るゴムに弁柄を入れていました。ということは、イッチンのスポイトも間違いなくはいっていますね。

左官仕事でモルタルを着色するために入れたりもするそうです。

つまり、この世の赤茶けたものは弁柄などの鉄分の色、といえるでしょう。
数年前に、ある大先生の窯焚きとして某県某所に一週間ほど滞在していましたが、焼きあがると白っぽいはずの釉薬が、バケツのなかでは赤っぽいのを確認してしまいました。(さすがにこれ以上はオープンにはできませんね・・・)

わたしの知識は耳学問や本だけもかなり多いのですが、あるとき絵具メーカーの材料に関する本をみたとき、驚くほど理解できました。つまり、やきものの顔料などと同じような材料を使用しているのです。ガラスの本でも同じような体験があります。

青いもの、赤いもの、茶色、黄色、緑色。

この世でそうした色をだす物質はだいたい決まっています。一生懸命こういうことを追求すると、宇宙の秘密がわかりそうな気がします。

・・・気がするだけで、それに対しての努力はあんまりしていませんけれど。




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2008年08月21日

100V電気炉


うちには、築炉メーカーに勤務している時に社員割り引きで購入した100Vの電気炉があります。棚板サイズは17センチ角で、炉内の高さも18センチぐらいです。

これがとても便利なんですね。コンピューター制御です。
少しだけ上絵をしたり、嫁の人形はほとんどこれで焼いていますし、テストしたり、素焼きしたり助かっています。

しかし、このごろ最高温度に達するのに、プログラムどおりの時間で昇温しなくなってきました。たぶん線の寿命が近づいているのでしょう。

そろそろメーカーに交換をお願いしないといけないなあ、と思っています。
一体幾らかかるのか、聞いてみなくてはいけませんね。

それにしても、十分もとをとった窯です。

今の100Vの電気炉はもっと炉内も広くて、ヒーターなども改良されているので、購入などで悩んでいる方は一度メーカーにカタログを請求してはいかがでしょうか。

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2008年08月07日

急須談義


個展も2日目を終えました。
先日は午前中は閑古鳥でしたが、午後から友人知人がたくさんきてくれて、賑やかに過ごせました。

それにしても新聞やメディアの威力というのはすごいな、と感心することがこの2日でたくさんありました。2日目も、新聞をみてきた、という方が数名いらっしゃいました。

その中でも、現在陶芸教室にかよっているという60代の男性の方で、急須ばかりをつくっているという方がみえました。男性には珍しく、構えることもなく、いろいろな質問をされる方だったので、いろいろお答えしてました。やはり、ここでも情報は公開すればするほど、リターンがあるということを実感しました。

所詮、わたしが急須に取り組みはじめたのはこの1年半ぐらいのことです。アマチュアとはいえ、何年も急須、急須と取り組んできた方から学ぶことはたくさんありました。もちろん技術的にはわたしのほうが勝っているでしょう。しかし、アマチュアならではの行動力で、いろんなところに出かけて、見たり聞いたり、買ったりした急須の話は、本当に面白くて、楽しく聞かせていただきました。

それにしても、苦労したり工夫を凝らしたりするところは、やはり似ていて、お互いのこれまでの健闘をたたえあうような、和やかで楽しい急須談義に華をさかせました。

初個展の時に気付いたのですが、陶芸を習っている人、陶芸家はこちらから見て、はっきりわかります。

それ以来、自分が人のモノを見に行くときは、先にこちらから声をかけて、それとなく同業者ということを匂わせることにしています。その上で相手の出方を伺って、お話したり、退散したりしています(嫌な奴ですか?)。

ほとんどの人は、技法でも釉薬でもヒントになるようなことを教えてくれます。某有名作家の人などは、80万円ぐらいの茶碗を幾らでも持たせてくれました。

わたしの個人的な感想ですが、器は持たなければわからないし、土と窯が違えば秘密も秘密でなくなるからだと思います。

その点、女性はすごいですね。なんでもズバっと聞いてきます。織部を「小石原焼ですか」と聞かれてひっくり返ることもよくありますが。

男はいけませんね。自分はプチメタボなのに、格闘技の選手の戦いっぷりなどをテレビの前で批評するようなところが男にはありますから。

みなさんも、損をしないようにしてくださいね。

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2008年08月06日

「注ぐ器」展初日


いよいよ個展のはじまりです。

今年もたくさんのお花をいろんな方々に贈ってもらいました。本当にありがとうございました。

また、メールや電話をくださった方々、お忙しい中ありがとうございました。これからも精進していきます。

なにより、会場まで足を運んでいただいたみなさん、ありがとうございます。


今年は十数年ぶりという高校の同級生も来てくれました。お互い子持ちだったりするのが不思議な感じです。

プレスリリースをがんばったお陰か、数紙に取り上げてもらいました。新聞をみてきました、という初めての方が数人、わたしの作品を買ってくださいました。初めての方に買っていただくのはとても励みになり、嬉しいことです。

初個展とはちがい、2回3回と回を重ねるたびに実力を試されていくのだろうと思います。
初日はまずまずのスタートでした。2日目はどんな方がみえるでしょうか。楽しみです。


写真はまだ来場されてない方のために、ほんの一部だけです。


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2008年08月01日

八朔


今日から8月ですね。

昨日の夜から、今日の昼にかけて、個展にむけて最後の窯を焚きました。
この半年、新しい挑戦の連続で、たくさんの失敗もしました。しかし、挑戦の中で技術も多少向上しましたし、幾つかは機能的に満足いくものもできました。今は正直、やれるだけのことはした、と思っています。

そして早くも、もっとやれたのではないかとも反省してもいます。

今年の個展、「注ぐ器」というテーマを設定したことで、たくさんの変化が自分におきました。

まず、器の機能そのものをテーマにしてしまったので、これまでとは全く違った考え方をすることになりました。例えば、お皿は極言をすれば、重たくてもサイズが変でも、まだモノを乗せるという「用」を最後まで残しています。許容範囲が広い器と言うことができるかもしれません。わたしは絵織部が中心なので、絵付けに熱中してしまって、載せる料理を考えることをこれまであまりしていませんでした。

ところが、「注ぐ器」中心は急須です。
これは完全に「用」が先行している器でしょう。

陶磁器の歴史や技法をまったく知らない人でも、容易に急須の良し悪しは判断できる気がします。実際、この個展に向けて、多くの友人、知人にテストの急須を渡し、家庭で使用してもらいアンケートに答えてもらいました。このときの忌憚のない意見は大変に参考になりました。そうでなければ、これだけ短期間でのレベルの向上はなかったと思います。

また我が家でも、食器棚を整理してみると、使われていない急須、土瓶がいくつかありました。これらは悪くないのですが、我が家の普段の生活では使えなかったのです。茶漉しがいい加減、容積が人数にあっていない、しりびきがあまりにひどい、などなど。
また逆に、ウチには一つだけ、口切れよく、軽くて雰囲気のある急須もありますが、いまは全く使われていません。その産地の特性で、ボディが薄すぎて欠けやすく、(それが2代目なのです)割れるといやだから、といって完全にわたしの資料用になってしまっています。

厚すぎず、薄すぎずある程度強度もあって、注ぎ口のあと引き、しりもれがほとんどなく・・・。
蓋ももちやすく、茶漉しの穴の大きさもほどよく、容積も家族にちょうどよく、生活のどんな場面でも邪魔をしない・・・。

むずかしいテーマでした。これはもう、「用」の部分で永遠のテーマですね。今回の個展でそれができました、とは言えません。しかし、わたしが逃げずにこうしたテーマに立ち向かい、どう戦った(?)かをお見せできると思います。焼いたものの中でそれに足るものを展示していますので、お近くのかたで興味のあるかたは是非ご高覧下さい。


3年前の8月1日、この八朔の日に福岡での初窯を焚きました。
あれからもう30回ほどここで窯を焚き続けています。

その独立にいたるまでの10年間、福岡に戻っての3年間、本当にたくさんの方々に応援していただき、また知識や経験を授けてもらいました。毎年、この八朔には特にそのことを思い返して感謝の気持ちになります。



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2008年07月23日

水漏れ防止剤、撥水剤再び


このブログのサーバーでは、訪れてくれた方の検索ワードが、管理画面でわかるようになっています。そこでこの数ヶ月目立っているのが「水漏れ防止剤」と「撥水剤」です。

わたしのブログを訪れた人の数割が、この検索ワードによるものだといえるかもしれません。
これは、裏を返せば「水漏れ防止剤」と「撥水剤」を売るページはたくさんあるが、きちんと説明しているページが少ないということだと思います。また、厳しい言い方をすれば、学校や、教室などでも教えきっていないということだろうと思います。そこでもう一度。


    水漏れ防止剤と撥水剤について (3月の記事)



それから、ネットショップなどもたくさんあるようですが、きちんとした説明があるところは残念ながらほとんどないようです。何でも簡単に手に入る時代になりましたが、売る側が買い手を選べないので、恐ろしい時代だという気もします。

わたしが瀬戸で勉強をはじめたころは、お店で「そんなもん、まだ早い。」といって売ってくれなかったりしました。それが悔しくて勉強しましたし、仕事もがんばりました。

今は武器でもナイフでもネットで買えます。

ネット販売は行き過ぎた感がありますが、だんだんともとに戻っていくような気がします。やはり膨大な数の商品、その一つ一つに対する知識や経験をもった人たちが残るようになっていくのではないでしょうか。

これは特にやきものに限ったことではないと思いますが、そうしたプロと話せるように買うほうも少しは勉強をするべきだと思います。そういう人の手助けになればいい、と思って始めたのがこのブログですが、「水漏れ防止剤」と「撥水剤」に関してはその役割を果たせたのではないでしょうか。

ここをご覧になった方は、なにかのご縁だと思って、下記に紹介する会社をチェックしてみてください。



 ■梶田絵具店 http://kajita-enogu.com/

愛知県瀬戸市の老舗陶磁器絵具店。全国多くの教育機関、製陶所、著名な陶芸作家、窯元、学生が利用している。上絵、下絵の顔料や釉薬製造などについて、3代目店長と2代目お父さんの知識量は尋常ではない。窯業専攻科セラミック工学コースを修了され、毒劇物の免許などの資格も所有している。筆や撥水剤など取り扱い商品も多岐にわたる。


 ■山内陶料  http://www.nendoyasan.com/

愛知県豊田市の製土業者。ここの山内さんは試験場などの経験があり、非常に理論的な製品開発をしている。またそういうことを少しも自慢するようなこともなく、初心者にもやさしく説明をしてくれる。製土直売なので送料を入れても値段も手ごろ。釉薬の化学式を理解してくれる数少ない製土業者。


★ この2社に限らず、窯業界は家族経営や小規模の事業所がほとんどです。商品注文以外の相談などは、メールやファックスを利用するようにするマナーを守りましょう。

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2008年07月22日

個展まであと2週間


毎日暑いですね。

福岡は毎日猛暑日です。わたしは午後から夜中にかけて仕事をしますが、午後ははっきりいって仕事になりません。・・・などと言える時期でもなくなってきました。

個展開催まであと2週間です。本焼をあと1,2回したいと思っていますが、どうでしょうか。

今日、幼友達が仕事の途中によってくれました。彼は自営業ですが、なにか手伝うことはないか、といって来てくれたのです。遠慮しましたが、とても嬉しかったです。

また、先日は「アニキ」と慕う先輩から焼酎3本送っていただきましたし、自転車トライアル関係の友人も、自分は飲まない人なのに、選んで焼酎をわざわざ持ってきてくれました。メールをいただいたり、電話をもらったり、たくさんの人から応援していただいているのをひしひしと感じています。本当にありがとうございます。

もう少しです。あと2週間、身体を壊さないようにがんばります。
みなさんも暑い毎日、どうかご自愛ください。

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