わたしが陶芸の世界に本当に身をおいてから、10年以上たちます。
その間に、たくさんの知識や経験から、自分勝手な常識のようなものを身につけているようです。
独立してから、数年になりますが、毎年毎年少しずつ、それらを剥がしていくように努力していますが、それでもたくさんの思い込み、刷り込みがわたしの頭の中にあって、ときにはそれに苦しめられることがあります。
陶芸を続けている方々、とくに、プロと呼ばれている方はどうなんでしょうか。
伝統工芸の世界にいる方と、わたしのように個人作家として活動している人では、まったく考え方が違うでしょうし、ある意味敵対関係なのかもしれませんね。
たとえば、ロクロにかんする呪縛。
電動ロクロよりも、手ロクロ、蹴ロクロのほうがいい、というもの。もしくは、いいものは、電動ロクロではできない、というような言い方。
聞いたことありませんか?
こちら側代表として、ここに断言しますが、そんなのまったくウソです。
電動ロクロを使用すれば、手ロクロでは絶対に回せない硬さの土を回せます。ありえないぐらいのスピードで作れます。電気のパワーとスピードもだせるし、手ロクロのようなゆっくりとした回転も作り出せます。
しかしなぜ、こうしたことを手ロクロの人にたいして言えないのでしょうか。なんだかちょっと雰囲気負け、みたいな気持ちにされるのはなぜでしょうね。
このあたりが伝統工芸の長年の勝利ということでしょうか。
誤解のないように言っておきますが、わたしは伝統工芸の陶芸、好きです。買いますし、使います。
ただ、それと、自分がしている仕事をごちゃごちゃに誤解していたように思います。また、今も混沌としている部分はあります。
雅楽とロックぐらい本当は違うと思うのですが、そのエレキギターのやつ、こっちの能楽堂にこい、と言われることがたまにありますよね。
土俵がぜんぜん違います。
このお話、書いてるわたしも考えながらで、とても楽しいので、また書きます。
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posted by inoueseiji at 17:51
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イノウエセイジの頭の中