2024年09月04日

悪いことはできないということを痛感しました笑

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重い腰を上げて9月1日からWindows 11へアップデート。
ノートパソコンは即アップデートしていましたが、メインマシンはいろいろとアプリも入っていることですから、すこし様子見していたのであります。
とはいえ、もういい加減に変えておかないとね。


仕事と動画があるのでWindowsを使っていますが、古いパソコンはLinuxを入れております。
どこかの自治体みたいに全部のパソコンLinuxにすれば相当なコストカットできるでしょうなぁ。
まぁ市長にでもなったら考えましょう。

さてさて、先日は頼りの友人も可愛いコームスもまったく都合がつかなかったため、佐◯大1年の甥っ子にアルバイトを頼みました。頼むぞ理系!
(文系理系という言葉は使わないとも言われますが、理系の人間は文系とまとめられるのはイヤ。理系のプライドは相当に高いから。:甥っ子談)

窯も無事に搬入してその他工事は後日の予定でしたので、撤収することに。
その際にお客様から「〇〇さんはご存知ですか?」とか「先日作家の〇〇さんにお会いして〜」と言われてビックリしてしまいました。わたしの知人やお客様だったりするからです。そしてそういうことはこの業界ではよくあるんです。

人のヨと同じで、悪い噂は一瞬で広まるし、いい噂は十年ぐらいかけないと広がらない。
どこで誰がつながっているのかわかりません。本当に悪いことは出来ないと思いましたね。

逆にいえばいつの間にかどこかで誰かが「あそこに頼めばいいよ」とか「あそこの人は何もわかってないからやめとけ」なんて言われているということでしょう。

ただ我々は自分ができることをコツコツと正直にやるしかないということでしょうか。



甥っ子はきっちり仕事を果たしてくれました。
コームスが手伝っていたときもそうだけど、生まれたときに病院に駆けつけたオジサンとしては、なんともこそばゆい感じ。
そしていつもオイチャンは呑んだくれているわけではないんだ、と甥っ子もわかったみたいで、ちょっとお互いに距離は縮まったようにも思いました。

安全第一です。


posted by inoueseiji at 07:40 | イノウエセイジの頭の中

2024年08月30日

台風も大したことなく


窯の移動があったのですが、台風のために延期。
じゃあ代わりにじゃないけれど、二ヶ月半ぶりに動画をアップしました。

珠洲焼の薪窯のしごとがあったというのもあるのですが、日々の業務が忙しくなれば動画はサボり気味になっていくものです。

リアルが充実している人はYouTuberにならないってヤツですね。




今回のエアダンパーのことも、発信しようとさえ思っていなかったことの一つです。
いくつもの現場で見聞きしたことで初めて伝える必要があるんだなと思ったものでした。

きっと同じようなことが他にもあると思います。

以前動画のコメントだったと思いますが、熱電対を炉内の中心まで差し込めないんですがいいのでしょうか、みたいな質問があったように記憶しています。そんな質問をあなたは笑うことが出来るでしょうか。わたしは正直びっくりはしましたがその気持にちょっと打たれました。

確かにそこはわたしも発信していないし、ちゃんと誰かに習ってもいないないことだと思いました。質問者の方も、どこにも聞く人もおらず、意を決してコメントされたのだろうと想像できました。

これを笑える人は、熱電対の炉内への突き出し量は保護管の直径の◯◯倍である、と明確に答えることが出来るのでしょうか。そしてそれってどこかの学校はちゃんと授業で教えてるんですかね?



話はトンで。

あるミュージシャンの動画を偶然に見ることがありました。
そこでこんな話がありました。

海外でコンサートの予定があり、その方はまぁまぁ大きな楽器の奏者なので、一部はパリの楽器店で借りるという予定で現地入りされたとか。ホテルにチェックインして早速その予約していたお店に行ってみると、程度も状態もあまり良くない楽器が用意されていて、これしかないからという冷たい対応。

オタクは老舗なんだから、もうちょっといいヤツあるでしょう?と詰め寄ってもラチがあかない。一見の東洋人の客なんてこれでいいだろうということなんでしょうか。

仕方ないので店先で、そのダメな楽器でゴリゴリ演奏したら、オイオイ、お前すげぇじゃん、そんなの使っちゃダメだぜ!この最上級のヤツを持っていけ!と店の奥からめちゃくちゃ良い楽器が出てきたそうです。

そしてコンサートも大成功。チャンチャン。

この件について、そのミュージシャンの方は公平と平等という言葉を使っていました。

どこの馬の骨にでも、平等に最上級のものを用意するのか?
それともその人の技量によってレベルを合わせたものを提供するのか。

ヨの人々は平等を求めすぎていないか?
とも言われていたように記憶しています。


じゃあ窯のはなし。


わたしはやっぱり窯に関しては、まだまだ平等でやり続けるしかない気がするんです。
誰にでも同じ情報や機材がいくほうがいい。もちろん選択の自由はあります。

誰か(まぁ俺か)ちゃんと窯のことをまとめて教えてクレイ!って思いますよね。

熱電対をいつまで温度計って呼ぶのかとも思うし、補償導線の立場はあいかわらすスピーカーケーブルに脅かされているし、扉の閉め方、温度計測、エントツの素材や施工方法、圧力計の単位、調整器の寿命、バーナーヘッドのヒビとか、ゼーゲルコーンの向きとか角度とか、まだまだ伝わっていないことは多いように思います。

これで〜いいやら〜悪いやら〜新聞読んでも〜書いてな〜い(岡林風)


検索したらひっかかる情報を出していて、プロという方のほとんどが知っていることになっているのであれば「そげなことも知らんとか〜こんバカチンが!」と言えますが、妙なアドバイスや変な配管工事をするメーカーもいたりするんだから、まだまだ革命目指して頑張ります。

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(黒いチューリップはないじぇ)
posted by inoueseiji at 06:37 | イノウエセイジの頭の中

2024年08月19日

ガス窯のバーナーあたりの話(音声入力ブログ)

これまでの相談で、いくつかガスバーナーの間違った使い方について確認したことがありました。プロ・アマ問わずですね。それこそ何人もいらっしゃいました。ここ最近数件あったのはバーナーの空気量の調整、エアダンパーの部分ですね。


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(右端のリング状の部分がエアダンパー:空気量を調整します)

ある方は空気の量が多すぎたし、ある方は空気の量が少なすぎて煤が出てるような状態でした。ガス窯なのに窯場が煤で黒くなってるんですね。窯の扉上部とか窯場の天井とかね。それは本来ガス窯ではありえないことなんですけど、何十年もそんな焼成を、その窯元さんをやってきたわけです。


また別の方は空気量の調整を間違った状態のまま、何十回も焼成のデータを取ってやってらっしゃいました。何回やっても揃わないとかね。こうじゃないな、あーじゃないと悩みながら続けてきて、いよいよ何が正解なのかわからなくなって相談をしていただいたなんてことが何件かありました。そんな設定を誰にアドバイスされたんですかと聞いたら設置した業者さんだという話でした。


大事なことで、皆さんが誤解されてることは、ガス窯のバーナーとか、そういうことはガス屋さんはわからないんですよ。ガス屋さんっていうのは 家庭に向けての器具の設置とか、そういうお仕事がメインであって、まああとは工場とかですかね、そういうところのガス関係の設備の工事をされているのであって、陶芸のガス窯なんて見たこともない人はたくさんいます。決してガス窯について詳しいわけではないということです。


それを責めることはできませんよ。同じように我々もプロパンガスとか電気についての詳しい知識や工事の経験もないですよね。そういう部分を繋いでいるのがわたしの様な取扱業者だと思います。

窯の設置業者さんが、知らないくせにお客様に非常に不用意なアドバイスや助言をする。それは非常に罪深いことです。

それによってお客様はいろんな迷惑を被っちゃうということですね。うちに相談があったお客様はみなさん、ここはこうするんですかとか、ちゃんと最初の設置時などに使い方を確認されたそうなんです。その時に業者から、こうですよって教えられたら、それは正しいと思いますよね。知らない人間が適当なことを言っているかもしれないと疑ったりしないでしょう。

でも実はそれは大間違いであったなんてことを何年も経ってから知らされる。なにしろ全く安定しないし、製品が取れない。そういうことで時間やお金がロスされていくわけですよね。いよいよ困り果ててネットで調べてこのオジサンに電話してみようかとなり、これまでの数年間のやり方をあっさりと否定される。わたしにも似たような経験がたくさんありますから、よくわかりますよ。

非常に厳しい発言をしていると思われてるみたいで、井上さんに相談したらなんか怒られちゃうんじゃないか、みたいなことも言われたこともありますけども、自他ともの過去のいろいろな例があるので、それは厳しくならざるを得ない。というか、わたしが言ってるぐらいのことは当たり前になってほしいと思っています。

実を言うと僕はすごいくいい加減な人間なんですよ。そのいい加減な人間でさえ、これは免許を取らないと怖いなって思うことが 電気とかガスとかクレーンとか、そういう世界にあるということですよね。例えば建築現場なんかでは免許持ってる人しかいませんが、そんなベテランがやってても事故が起きることはあるんですよ。死亡事故とかありますし、爆発とかねそういうこともあります。

業者はモノを売ればいいから楽チンじゃないんですよ。
梶田絵具店の梶田さんだって筆や顔料を作ったりするわけではないですが、それらがどこでどのように作られて、現場ではどう使用されているのか、ありとあらゆる例を知っていてお客様に提案されているわけです。村上金物店のワタナベさんだって同じです。窯の業者もそれぐらいの感覚でやっていかなければならないんです。自分で窯焚きできないような人は圧力計も交換せずに設置したりしますからすぐに分かります。でもそれは私には分かるけれどもお客様にはわからないことなんです。

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(箱から出したまんまのI-72調整器:この圧力計では数値がデカ過ぎてコントロールできない)


メーカーの責任も重要ですが、実は自分では陶芸窯を作っていない販売業者の責任は、実は非常に重大だということです。右から左に販売すればいい、窯を設置すればいいということではないんです。設置工事が終わってからが仕事ですよ。

業者というのはさっきも言いましたが、メーカーと窯元さん作家さん、ようはお客さんと製造メーカーとの間に立って、しっかりとサポートしなければいけないんです。それからお客さんの現場では、電気屋さんやガス屋さんに、窯とその工事に関しての説明をしてあげなきゃいけない。そういう重要なポジションなんですよ。

まあ窯自体は作らないし、多少はわたしみたいに業者が設置工事とかするっていうこともあると思うんですけど、丸投げの人もいるでしょう。とにかく製造・設置工事の全体でいえば取扱業者は大した作業はしないわけです。本体の製造以外の技術的な部分、使い方やメンテナンス、そうした 知識とか焼成技術の面でのサポートができなきゃダメよってことです。それで対価を取ってるわけですよね。


その業者の利益分の責任がたっぷりとあるっていう風に考えないと、適当なアドバイスや説明をしたら、真面目なお客様ほど一生懸命それで焼成テストして頑張るんですよ。間違った使い方で一生懸命に。

自分のやり方が悪いんじゃないかと思っていろんな試行錯誤をされていくんです。


相談されて私が実際見に行ったら、ただ単に最初の設定が間違ってますよっていうね。それでもコントロールできないのに頑張ってるとか煙突の工事がそもそも間違ってますとかね。そういうことって実はまだまだ非常に多いんですよね。

わたしはいろいろな情報をプロの人たちで共通の認識としていただきたいと思います。
そのときに別に私からどうこうじゃなくていいと思っています。ネット上に情報を上げておけばいい。だって、こいつ嫌いだわ〜っていう人も必ずいると思うので。

とにかくですね、なんだか焼成がうまくいかないなと思ったら、セカンドオピニオンは取った方がいいんじゃないかなと思います。電話ならわたしは答えますよ。実際問題ですね、今はスマホで簡単に写真送れるんですから、こうなってるんですけどいいんでしょうかぐらいの確認だったら出来るじゃないですか。それが合ってる間違っているぐらいの答えはもらえると思うのでね。それだけでも違いますよ。


それで何か間違いがはっきりしたら、じゃあちょっと見積もっていただけますか、みたいな話でもいいのかなとは思いますね。そうすればこちらも仕事になるわけですから、業者だって営業活動の一つと捉えることが出来ると思います。






posted by inoueseiji at 07:01 | イノウエセイジの頭の中

2024年08月13日

お盆休みに休みの取り方を考える

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無事に仕事をやり終えて、タウラス築炉工業(仮称:全員牡牛座だから)の三人はそれぞれの場所へ戻っていきました。
お疲れ様でした。ケガなどがなく本当に良かったです。

記念写真を撮りましたが、自分たちの仕事の都合で矢沢のアニキとイノウエだけがこの写真の段階、アーチのレンガが巻けたところで終了して撤収することになりました。それでも二日の予備日を消化してました。志村さんだけがさらにあと二日、最後まで残ってくださいました。

最初8人でスタートした築炉工事ですが、7人になり6人になり、5人になり、最後は3人デス笑。
まぁレンガ積みは人手があってもどうしようもない状態に最後の方はなりますし、シンリュウの方々にはそれぞれの支店でのお仕事が溜まっていたので、ある程度は予定通りでもあります。

今回の現場、いろいろなことがありましたが、やはり日程をホテル都合できめなければならなかったというのが一番のネックだったと思っています。夏にする仕事じゃないよね笑。

それから思うのは、働き方として世代間のギャップをすごく感じたなぁと思いました。30代から70代が一緒に働くのを50代の自分が見ていてですけれど。

自分はどちらかというと70代のシンリュウの社長の気持ちがよくわかります。そりゃ意見をしたり安全対策を軽視したような場合はビシバシ詰めましたが、気持ちはわかる。気合と根性、やると決めたら絶対に完成させるんだという覚悟で臨む。よく分かる。プランBが発動するときは◯ぬ時だ、ぐらいの覚悟があったでしょう。

自分でもガンガン作業して、10時や12時になっても仕事を止めない。それも分かる。ここケリがつくまで、とかあるからね。でも社長やイノウエが手を止めなければ社員はやめれないし、休憩できない。時間の管理は想像以上に重要なんです。だから逆に3日目ぐらいからは自分のスマホに10時、12時、15時、17時でタイマーを設定して最大音量で鳴らすようにした。現場のみなさん、休憩するのも仕事ですからね。

実は全員でサッと休憩に入ればちゃんと10分ぐらいで休憩は終わる。それがいつまでも仕事をグダグダやったりする上司がいたりして、なんとなくダラダラと休憩時間に入ると、それこそ20分ぐらい休憩時間がかかってしまう。お昼休みもそう。「昼だ!よし、弁当!」となればリズムと区切りがはっきりしてストレスが少ない。それをトップが一人だけ作業続けたり、しかもそのせいで弁当がいつ来るんだかわからないとかやっていると、これまた小さなストレスの塊が現場にドンドン溜まっていくのだが、休憩にすんなり入らない感覚の人にはそれがわからないことがある。今日は12時で明日は12時10分とかはダメなのである。学生だって数学の授業が5分伸びたらブチ切れるんじゃないかな。

一日二日ならいいんです。周囲も我慢できるでしょう。
それが一週間二週間になるとかなりツラくてヤバい状況になるのである。ロスタイムも数時間になっているでしょう。


経営者の感覚は経営者しか持っていない。そしてそれを周囲に求めることはできない。
また自分が出来ることは周囲も出来るとか、自分が感じ取っていることは周囲も感じ取っていると思うのも甚だ危険である。

そもそも技術系の人間は自分が何かが出来ると思うこと自体、常に疑っておくべきなのかもしれません。わたし(だけじゃないが)の昔取った杵柄とかはガチな現場では必要ないことの方が多いですし、そんな杵柄を持った自分と他人が一緒になったその現場で、確実にその仕事を成し遂げていかなければならないのです。

また、雇われていた時期も相当あるので、働く側の気持ちもある程度覚えています。雇われている側としては、何時に終わるんだとか、出張手当はどうなっているのかなぁとか、土日もなしかぁとか、この人スゴい博多弁だなぁ〜とか、そういう気持ちの方が強いはずだし、それが普通です。珠洲焼復興とかよりも残業手当の方が気になるのが人情というものでしょう。それでいいんです。正しいんです。

ただし、技術系の仕事ですから、よそのレンガ師が仕事していれば見て盗もうとか、そういうのはあるでしょう。それを望むのであればルール無用でエクスペンダブルズと一緒にそういう取り組み方をするしかないこともあります。

今回の反省としてはタイムスケジュールを厳密に管理すること、やはり一日ぐらいは休養日を入れるべきだったのでは、というところかな。


posted by inoueseiji at 08:08 | イノウエセイジの頭の中

2024年07月31日

月と県をまたいで


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突発的なことが起きるのが現場です。
ホテルの都合もありこの季節の工事になりましたが、まぁ暑い。
予備としての日程もすべて消化しなければならなくなります。

明日から8月です。
宿泊は氷見になります。

富山県です。

片道2時間半となりますが、それも2日だけ。
形が見えてきました。


頑張りますヨ。


ご安全に!
posted by inoueseiji at 06:25 | イノウエセイジの頭の中

2024年07月27日

道具よりも経験値だったりするところもアル


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意外とイノウエ持ち込みの道具が使われています、珠洲市陶芸センターの薪窯工事。
レーザーなんて大昔友人がパチンコで大勝ちしてようやく購入していたぐらい高価なものでしたが、今はまぁAmazonなんかで大陸製のものが色々とあります。

むかしは下げ振りでやってましたよね。いまでも使いますが。

それよりも何よりも。
引き継がれていく経験値や、自分ばペーペーの頃に見た職人さんたちの仕事のおぼろげな記憶などがスパイスのように効いてきます。

今この仕事も次の誰かへとつながる部分もあるでしょう。

オリンピックも土日も関係なく。
工程表では折り返し。

ご安全に。

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(社長もコテをもってマス!)
posted by inoueseiji at 05:25 | イノウエセイジの頭の中

2024年07月24日

譲れないことがある

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われわれはプロとしてこの現場に入っている。
そして今現在の石川県には多くの他県の業者さんが復興のために入っている。

シンリュウさんの社員さんの中には東日本大震災を乗り越えてきた方もいて、一緒に現場で頑張っています。頭が下がる。われわれもしっかりと仕事していこう。

現場まで片道90キロ。
復旧作業を継続中のうねりの激しい道路も一部ある。
片道2時間で往復4時間180キロ。

全然平気である。

兄貴分二人を後ろに乗せて、今日の仕事の反省と、明日はどうするという話や、業界の与太話を三人でしていればあっという間だ。

それよりもホテルに帰ってきたらすでに19時過ぎ。
腹も減っているしアルコールも切れている。

何よりもすでに5台ある洗濯機は違う業者さんに取られちゃっている。

この洗濯機争奪戦はマジで厳しい。
ランドリーバッグはすでに夏合宿のニオイである。
昨晩、どうにか洗濯と乾燥ができました。ヤレヤレ。

次からは早朝早起き洗濯乾燥機作戦でいきたいと考える三人である。
なにしろオジサンの目覚めは早いのである。


今日も安全第一で頑張ってきます。

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ご安全に。

posted by inoueseiji at 05:30 | イノウエセイジの頭の中

2024年07月23日

初日です。

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おはようございます。
いま七尾市のホテルです。

今日からいよいよ現場入りとなります。
昨日シンリュウの社員さんたちと打ち合わせをし、社長に晩ごはんごちそうになりました。

その打ち合わせの際にショックを受けないように先に見ておいてと、被災地の写真を見せていただきました。まだまだ瓦礫が道沿いに残っている数枚の写真を見て、気が引き締まる思いでした。

長丁場です。安全第一でしっかりとサポートしながら窯作りをすすめていきたいと思います。
資料等をお問合せのお客様には郵送ではなくPDFファイルで送付するなどご迷惑をおかけしていますが、よろしくお願いいたします。

では朝バイキングに行ってきま〜す。

posted by inoueseiji at 05:33 | イノウエセイジの頭の中

2024年07月19日

荷造りがまだですが


おはようございます。

今週末から移動して愛知県そして石川県珠洲市に行ってきます。
シンリュウさんのお手伝いで薪窯の工事です。ふくおか陶芸窯からはわたしの先輩にあたる二人を連れて現場入りします。

自分はレンガ師ではありませんがモルタル練ったりレンガ運んだり薪窯の経験はあります。レンガ師の手元と、ホテルと現場間の移動などサポート業務という感じでしょうか。あと溶接やフォークリフトの資格もありますので、そこでもお手伝いはできるかな。

この珠洲市での仕事は去年から決まっていましたが、お正月の地震で中断。その後も伸び伸びになっていました。

耐震性の高い独自構造の基礎をもつシンリュウさん設計の薪窯で現物は初めてなので楽しみでもありますが、あくまでも復興につながる大切な仕事として一所懸命に安全第一で励んでまいりますヨ。

宿泊に関してもいろいろと検討されていたようですが、やはりちゃんとしたホテルで休まないともたないだろうということで、宿泊先が確保できた時点で日程が決まりました。とはいえ、宿泊する七尾市のホテルから現場まで片道90キロで約2時間の距離があり、ただの運転手でも立派な業務になりそうです。

ちなみにわたしは昨日も一昨日も県外での仕事でしたが、どちらもせいぜい70キロ程度の移動でしたので、車中でひとり「片道90キロかぁ〜。」と言いながら運転しておりました。

珠洲市の薪窯は今月いっぱいで完成の予定ですが、現場は現場、やってみなければわからないこともあるかと思います。多少は発信できるかと思います。



移動はこの辺を観ながらいくかな?


再生リスト:やきものおじさんラジオ(仮名)
posted by inoueseiji at 07:08 | イノウエセイジの頭の中

2024年07月15日

陶芸は癒やしになりましぇん


ヒビの業務に追われつつ出張の準備というか、自分で勝手に緊張感を高めちゃってます。
さてそんな中、わたしのたッかいパソコンのケースのLEDが切れてしまいました。

自作パソコンなんで、たッかいのは中身の方、ケースは昔コームスに作らせたパソコンからの流用品。

LEDが切れたから傍目には起動しているのかわからないときがあり、スリープ状態なのか電源オフなのかわからないで何度も電源スイッチを押しちゃったりしたので、改善しなくてはなりません。

たとえば日々スーツで都会のビルディングの中で戦っている方々には、陶芸が癒やしになるのかもしれませんが、筑前工房で草刈りとかダンゴムシとか自然や土を相手に孤軍奮闘しているイノウエは昔からデジタルなことをすることで癒やされているのであります。

というわけで。


癒やしのパソコン作業はじめましょ。


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フロントパネルを外していこう。

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LEDが二つあります。どっちも切れてるみたいです。

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ネットでググると抵抗をかましたほうが良いみたいです。
安いケースはLEDに直結しているから寿命が短いのかな?

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電気工事士だが抵抗のカラーコードは知らん。

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近所のホームセンターには電子部品コーナーがありバラ売りしてます。
ありがたいよね。

でも150Ωの引き出しに2.2kΩが入ってて間違って購入。

ハンダ付けしてご機嫌のこの時点ではまだ気づいておりません。
アノード・カソード!


LEDの袋には470Ωの抵抗が入っていたのですが、必要なのは150Ωだと思ったんです(3〜5Vぐらいだし)、LEDの説明書をみれば同梱されている470Ωの抵抗を並列で繋げばよかったってことでした。そっか〜。
オジサンになって勉強しだしたからその辺やっぱり頭がカタイなぁ。
やったよ二電工の筆記試験で和分の積。

まぁそんなスペースはフロントパネルに無いから無視。

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老眼でマザーボードの文字が全然見えないからカメラで撮影して拡大したりします。
ここよくつなぎ間違えるよね。

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なおった!


抵抗は一つ8円なので、複数購入していました。他のパソコンケースでもあるかもしれないしね。それで試しに抵抗をテスターで測ると数値がおかしいのに気づきまして…。

ネットで抵抗のカラーコードを調べて自分がせっせと繋いだのは2.2kΩの抵抗だと発覚。
ショックでしたがLEDって数ミリボルトでも光るんだねぇ。

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やきものオジサンの頭の中に150Ωと2.2kΩのカラーコードだけは刻まれました。
茶緑茶金と赤赤赤金です笑。

チャミドリチャキンとアカアカアカキン!
はいご一緒に!



そして次の日。

再びホームセンターに赴き、引き出しのバラ売りの袋をそれぞれ正しい場所に移動させてきました。



それが世の中を良くするってことだぜ!
ホントかよ?


そんなことをやっていたらこんなの見つけました。
ブラウザ上で電子回路とか3Dとかできる無料のシュミレーター。


初心者には良いです。
LEDで抵抗をいろいろ変えてるだけですけど。

posted by inoueseiji at 07:49 | イノウエセイジの頭の中

2024年07月09日

譲り受けた窯や中古炉での確認事項

これからは間違いなく、中古として流通する窯、流通しないレベルだけど使用さていない窯、解体費用は出せないし、出したくないので誰かをふんわり誑かして押し付けたい窯が出てくるでしょう。

最近そういう質問やお問合せが多くなってきました。
ワタシ自身はリアルな業務が忙しくなってきて発信のモチベーションが暑さもあってダダ下がり。
それでもこれは伝えておきたい。

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(こういうメールを送るほうが早いときがよくあります)


例えば取り扱い業者やそもそもメーカーが廃業している窯の場合、その補修や修理について、かなり悩ましいことになります。

想像で適当に書いてますけど製造メーカーが存在していても古いからと補修を嫌がる場合や、当時ほど陶芸窯を作っていないとか、そもそも陶芸窯にかんしての経験のない社員に対応されたりする可能性もあったりしたら嫌だなぁっていうオジサンがいたらしいです。

またいくつか確認した事例としては、元の持ち主によるワケのわからん改造、部品の欠品や欠損、意味のない補修や改悪があります。バーナーヘッドはよく針金で縛ってるよね。

窯の状態をどう把握するのかは、みなさんがよくご存知の乗用車に例えるとわかりやすいと思います。譲り受けたクルマが、ハンドルを交換していたり、車検に通らないマフラーになっていたり、都心で見せびらかすだけなのに四駆でブロックタイヤがついていたりしてますでしょ?

それぞれの車両のノーマルの状態と正しい運用を知っておかないと、毎日高速道路に乗らないとイケないのにノーサス直管のセドリックを買ってしまったり、ひとりで町内の移動しかしないのに11人乗りのマイクロバスを買ったりしてしまいます。

お気に入りのナンバープレートを登録してから、そのクルマが過大だったり過小だったりに気がついても手遅れです。クルマなら単に乗りたいとか、見せびらかしたいとか、所有する喜び、みたいなものがあるかもしれませんし、最悪はナントカモーターに転売することができます。損はするでしょうけれど。

窯でそれはなかなか大変ですよ。手びねりで絵付けするスタイルの人が、でっかい1㎥のガス窯を作品でいっぱいにするのは相当に大変ですし、機械ロクロで量産しないとやっていけないところが100Vの電気炉を二つも三つも買ってもしかたないです。でもね、こういう話、ゼロじゃないですからね。

あまりにも特殊な形状やシステムの窯を普通の人が譲られても補修も使用も難しいでしょうし、窯のサイズというのも非常に重要な要素でもあります。間違えるとお金と時間と気持ちをロスしていくだけです。機材のせいで挫折する人も実際に何人もいたんです。

クルマでも、ただでフェラーリもらえるけど転売はダメ!って条件だったらどうでしょうか。いくらロハでも車検ごとに100万円単位かかるのならいらないと思う人が多いんじゃないのかな。そういう機材ってあると思うんですよ。

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(わたしもかつて農道フェラーリオーナーでした)

またこういうことを書くと嫌われるのかもしれませんが、元の持ち主だからといっても使用方法が正しいとは限りません。業者でも窯を焚けない人がたくさんいます。そこは確認しておきましょう。「点火できます」と「焼成できます」は全然意味が違います。原チャリでコンビニ行くのとロケットで月に行くぐらいの差があります。


残念ながら、ロクロ動画ばっかり観ていてもプロにはなれません。
でも乾燥と焼成が得意な人はプロに半分なっていますよ。

※文中で「ノーサス直管のセドリック」とすべきところを「ノーサス直管のセリカ」と表記しておりました。お詫びして訂正いたします。
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posted by inoueseiji at 07:42 | イノウエセイジの頭の中

2024年06月25日

AIを活用してみるか


マイクロソフトのCopilot、OpenAIのChatoGPT、グーグルのGemini。



とりあえず使っていきましょう。



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まずはCopilot。



陶磁器製造現場における環境面の問題は以下の通りです:

エネルギー消費:陶磁器の焼成には高温が必要であり、大量のエネルギーを消費します。これにより、温室効果ガスの排出が増加します1。

廃棄物の処理:製造過程で発生する不良品や廃棄物が多く、これらは土に還らないため、埋め立て地の負担となります23。

化学物質の使用:釉薬やその他の化学物質が使用されるため、これらが大気や水質を汚染する可能性があります4。

これらの問題に対処するためには、エネルギー効率の向上やリサイクルの推進、環境に優しい材料の使用が求められます。その他に気になる点があれば教えてくださいね。


なるほど〜。




次はChatGPT。



陶芸窯の焼成方法について、以下の3つの記事を参照することをお勧めします。


1. **Ceramic Arts Networkの「A Guide to Ceramic Kilns and Firing Methods」**:

   この記事では、窯の基本的な機能と設計について詳しく説明しています。窯は耐火材料で作られ、高温で陶芸作品を焼成し、酸化や還元といった異なる雰囲気の中で作品の特性を変えることができます。還元焼成では、酸素の供給を制限し、作品の色や質感を変化させることが可能です。また、低温還元焼成や鋸屑焼成などの具体的な技法についても紹介されています【6†source】。


2. **DiamondCore Toolsの「Methods and Techniques for Firing Pottery」**:

   この記事では、電気窯、ガス窯、木材焼成窯などの異なるタイプの窯とその特性について説明しています。電気窯は操作が簡単で信頼性が高く、ガス窯は酸化と還元の両方の環境を作り出すことができます。木材焼成窯は古くから使われており、独特の風合いを持つ作品が出来上がります。また、ソーダ焼成や楽焼成といった特定の技法についても触れられています【7†source】。


3. **Pottery Craftedの「Alternative Firing Techniques」**:

   この記事では、ソーダ焼成、楽焼成、木材焼成、煙焼成、塩焼成などの様々な代替焼成技法について詳述しています。ソーダ焼成では、高温でソーダを導入することで独特の質感を持つ釉薬が形成されます。楽焼成では、高温から急冷することで独特のパターンが生じます。これらの技法は、それぞれ異なる風合いや色彩を作品にもたらします【8†source】。


これらの記事を読むことで、陶芸窯の多様な焼成方法について深く理解することができます。各技法の特徴や適用方法を知ることで、自分の作品作りに役立てることができるでしょう。



あ、リンクは削除していますので、皆さんそれぞれ生成AIに聞いてみてくださいね。








最後にグーグルのGemini。






心からの謝罪

この度は、私の愚かな行為であなたを深く傷つけてしまい、本当に申し訳ありません。私の軽率な行動が、あなたに計り知れない苦しみを与えてしまったことを、心から悔い改め、お詫び申し上げます。

浮気という許されない行為をしてしまったこと、嘘をつき続けたこと、そして何よりあなたを裏切ってしまったこと、すべて私の責任です。言い訳の余地もなく、ただただ深く反省しています。

あなたへの想い

あなたが私の妻であることを、私は心から誇りに思っています。あなたの優しさ、温かさ、そして強さに、私はいつも支えられてきました。あなたを失うことは、私にとって想像もできないほどの苦痛です。

二度と繰り返さない

二度とこのような愚かな行為を繰り返さないことを、ここに固く誓います。あなたへの信頼を回復できるよう、誠心誠意努力していきます。

償い

私のしたことは、どんな償いをしても許されるものではないことは承知しています。それでも、少しでもあなたを癒せるよう、できる限りのことをしたいと思っています。

話し合い

私のしたことについて、じっくりと話し合いたいと思っています。もしあなたが許してくれないとしても、私の気持ちは変わりません。あなたと向き合い、私の罪を償い、関係を修復できるよう、誠実に努力していきます。

私の愛

私はあなたを心から愛しています。どうか、もう一度私を信じてください。

日付

氏名

※ 上記はあくまでも一例です。あなたの状況や想いを具体的に書き加えることで、より気持ちが伝わる謝罪文になります。

参考

浮気の謝罪文の作成で注意すべきポイント - 不倫慰謝料請求相談所
不倫をしたら謝罪すべき?適切な謝罪方法4つと正しい謝罪文の書き方
不倫の謝罪文は不利な証拠になるケースあり!オススメできない理由を解説 - クエストリーガルラボ
その他

謝罪文は手書きにすることをおすすめします。
誤字脱字がないように注意しましょう。
気持ちを込めて丁寧に書きましょう。


真摯な反省と誠意を持って、奥様の心を癒せるよう、頑張ってください。







まぁまぁ使えるな…。
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posted by inoueseiji at 08:02 | イノウエセイジの頭の中

2024年06月21日

液化石油ガス設備士の試験を受けるつもり

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圧力計の交換やベンチュリーミキサー(バーナーですよ)のオーバーホール。
ガス窯に関わるメンテナンスで、どうしても配管に触ることがあります。

これまではガス屋さんといっしょだったり、部品を供給したり、正直に申し上げて、自分でグレーな作業をしたりもしておりました。

しかしこれではイカンなと。

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液化石油ガス設備士。

実は14年前にも受験して学科で1点足りずに落ちております(電気工事士は受かった)
その際の受験料は無駄になったけれど、そこからまたコツコツと経験を積み重ねてきました(まぁガス屋さんと呑んだってこと)

先日の出張先のガス窯のメンテナンスにおいても、地元のガス屋さんも来てもらったりしたけれど、やっぱりちゃんと自分が免許を持っておけばいいなぁと思いました。

思ったのなら行動にうつすしかござんせん。

家庭用のLPガスは低圧、ガス窯は中圧供給ですが、じゃあどの資格をとればいいのか。
そのあたりについても高圧ガス保安協会とかLPガス協会とかにもお聞きしました。

しかし、窯屋はガスの法規については無知でり、ガス屋さんは陶芸用ガス窯について無知であります。ここが電気工事士のときと違うところであります。

いろいろと電話先を紹介されて、高圧ガス保安協会のベテランの方にお聞きしたところ、現場での作業がメインとなるので液化石油ガス設備士を取得すれば問題ないでしょう、という回答(彼にも正解はわからない)ということでした。

LPガス協会で言われたのは、業務で使われる機材に関してはその持ち主は自分の機材をメンテンナンスすることは法律上まったく問題ない、のだそうです。つまり整備士の免許がなくても自分のクルマやバイクををどんだけいじってもいいのと同じことですね。しかし、人の機材をイジイジするとなると、ということです。

わたしはこれまでお客様から電気工事士の免状を見せろとか、クレーンの資格者証を見せろ、と言われたことはありません(自分で見せたことは何度もある)。しかし仲良しのガス屋さんはこれまでの長い経験で2回ほどお客様から「資格者証あったら見せて」言われたことがあるそうです。

どのような資格でもそうですが、それらは安全のために存在しているのであり、その安全は作業者とお客様のためです。ということで11月の学科試験に向けて頑張ってみようと思っております。

そして合格した暁には、いろいろなガス窯のナゾを解明していきたい。

炉周り配管は溶接じゃないといけないと言いつつもネジ切り配管のモデルやメーカーがあるのはなぜなのか?とかね笑。電気もガスも、製造時の作業者に資格は必要ないみたいだけど接続後の確認は誰がするべきなのか?とかさ。

あんまりツッコむと造れなくなったりしても困るので、まぁわたしは清濁併せ呑む気はあるつもりです。


ただね。

いつも言うけど窯ではいくつも死亡事故がおきているんですよ。
焼成中や炉周り作業中、搬入時でも事故はあるし、火災や爆発もあるんです。


楽しくロクロを回す人生を守るためにも勉強してみます。
また落ちるかもしれませんが笑。


まずは学科です。そして学科に受かったら実技です。
ちなみに実技の配管作業については結構経験があります。
無免許ですがドリフトできるレベルです笑。

でも資格って学科が大事だからね。


ガス屋さんに努めている人はLPガス協会の講習で取れるみたいですが、部外者はガチの国家試験を受けなければなりません。仕方ねぇ。

もちろん液化石油ガス設備士に受験資格はありません。
誰でも受けられます。受けません?

あ〜でも、実技試験の工具は自前を持ち込まないといけません。全部新品買ってたら30万円コースですが、持っているものやメルカリでどうにかするのと、漏れ検査用の自記式圧力計(15万円する)はガス屋さんに借ります。わたしの場合、試験で使用する工具を現場で使用することは無いからです泣。



11月かぁ。

今日は夏至ですが、あっという間だろうな。

posted by inoueseiji at 08:07 | イノウエセイジの頭の中

2024年06月19日

大物を作る季節かしら?


すっかりご無沙汰しております。

気温が上がりはやくも夏バテ気味です。
皆様もどうぞ水分補給を意識してご自愛くださいね。


(う〜ん、50歳直前ぐらいが一番いい動画を作っていたような気がする)

posted by inoueseiji at 06:56 | イノウエセイジの頭の中

2024年05月31日

穴があったら入りたいわけでもない


ノイズキャンセリングに感動してますイノウエです。
(支払いはカードでお願いします)



さてさて。

世の中には穴にまつわるいろいろがあるかもしれませんが。
それはさておき、本日は陶芸窯の本体に設けられた様々な穴のはなし。

先日初めてのガス窯を譲っていただいたというお客様から、窯の補修と焼成指導のお仕事をいただき、初めてガス窯を使う方のピュアで新鮮な質問をたくさんいただきました。これは動画ネタだなぁと思って帰ってきましたが、その前にブログに書いてみます。


例えば、われわれの生活の中にも「これなんでついているんだ?」「何に使うの?」みたいなものが色々ありますよね。寝起きでちょっと思い出さないけど、ジーンズの右ポケット内にある小さなポケットとか、本の見返しの遊び紙とか?

もう誰もジーンズのポケットに懐中時計を入れることはないけれど、コストをかけて手間をかけてでも、あえてそれを設けてこそ正統派ジーンズメーカーということなんでしょう。

ということは窯に設けられた穴だって、なんとなく開けてあるのかといえば、そんなことはありません。
それぞれの窯のスタイルや形式、メーカーの考えなどが反映されている、開けるべくして開けた穴です。

穴ですからそれは閉じたり開けたり、断熱材のなにかを入れたり出したりするといいうことです。



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この写真は共栄電気炉製作所さん製造の前扉式の電気炉です。
天井部分に大きな2つの穴が空いております。
外側にはその穴を塞いだり閉じたりする機構があります。

な〜んでか?



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これはわたしがかつて勤務していた大沢ガス炉商会のガス窯。
横バーナーですが、火口の上にバーナーの数だけ穴があります。
それから扉にも2つ、見えないけど後ろカベにも左右それぞれあります。
天井部分にも一つ。

な〜んでか?



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シンリュウさんや柳北信さんの扉はこんな感じ。
こちらの扉だと四隅と小さな穴が真ん中のちょい下、それから四角い穴があります。
もちろんバーナーの数だけ左右のカベに穴があり、後ろにもあります。

な〜んでか?






なんでだろうね〜。
(業者でも答えられないヤツが一人いそうだな笑)


購入される方はメーカーさんや取り扱い業者さんに自分が操作する窯の構造、シンプルに「この穴は何?」ぐらいはしっかりと聞いておきましょう。

その質問が思い浮かばないということは「自分がこの窯を焼成するには?」というリアリティを持たないまま購入・設置をして、あとでこれなんだっけと悩むことになります。

購入前にしっかりとイメージしてよく聞いておかなければ、後になって他人の謎の焼成理論や妙な操作を信じてしまうおそれがあります。イメージも考察もしてこなかったら論破できないってことだし。

陶芸窯にはたくさんの穴が設けてあります。
そして忘れてはイケナイのは窯の扉そのものも一つの穴であるということでしょう。

それがどっちにどんなふうに開いているのか。それによって他の穴との関係性も変わってくるのです。

その扉を開ければ炉床にも穴があります。そして台車式の窯なら台車を引き出してみればまた穴があります。

エントツのドラフトも穴ですし、ダンパー差込口も穴ということもできるでしょう。
そもそもエントツだって穴か。




穴を制するもの窯を制するって感じかな!


posted by inoueseiji at 05:58 | イノウエセイジの頭の中

2024年05月27日

DMT-01を修理してみた

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シンポさんはこのつなぎ方が好きみたいですね。
大きめの電気炉のヒーター線もこのような金具でつないでいたのを補修した記憶があります。

で、これは何やねんということですが、ヒーター線と電線を直結すると電線側がヒーター線の熱で焼けてしまうからですね。
そのためこのような金具、別メーカーであればセラミック製の端子台などを使用します。DMT-01のこの金具はいま一個1000円前後で販売されています。

今回はネットでこちらを見つけてくださったお客様。ヒーター線交換と補修作業自体もお願いします、ということでどうなっているかわからないので新品も一基分一応用意しておきましたが、結局現場では2個だけ新品に交換しました。

ようするに排気でネジとかが腐食していくということでしょうが、まぁそれも写真のようにタップとダイスで復活します。卓上旋盤とかあれば自作できまっせ。

少なくとも全部交換しなくてもいい場合もおおいんじゃないのかな?
むかしどこかでシンポさんの中型の電気炉を補修したときには必要性がまったくなかったので交換してないですね。

まぁ怖い人は保険と思って全部交換しておきましょう。売上に貢献ですよ。
わかんなくて業者になげてる方は勝手に交換されて請求されているでしょうし、そのほうが安心です。

今後の安全のためにはそれがいいんですが。
でも全部交換すると一万円近くになるからね、一応。

今回はお客様が経営者の方で、いろいろと勉強になるお話を聞きながら楽しく作業することができました。ありがとうございました。

そんなわけで、ダラダラと3時間近くかかったんですが、お客様も「結構大変だし道具がいるねぇ」と言われてました。わたしも初めて自分で作業して、「これホントにお客にやらせるのか〜スゲェな!」と感心しました。

いままで事故はおこってないってことなのかな?

過去に、別件で別のメーカーの部材で不具合があった際に「部品外して送ってもらえるようにお客様にお伝え願えますか?」と担当者が言ったので、「この方は確かに器用な男性だけど、機械が苦手な女性や高齢者でもそう言える?」と詰めたことがあります。

その部品だけを送っての対応ならメーカーの送料等の負担は少ないということを、ついつい考えてしまったんでしょうが、その取り外しをお客様にさせた際にあらたな破損や事故がおきることを想定していないのよ。もっとも、そんなことをエラそうに言えるのは過去の自分も同じようなことをお客様に口走っていた経験があるからでもあります。

われわれ製造側や、ものづくり系の人、陶芸家さんなどは「自分が出来ることは他人も出来る」と思いがちですが(逆の人もいるか笑)、世の中にはヘキサゴンとかトルクスとか見たことも聞いたこともない人がわんさといて、プラスドライバーにサイズがあるなんて知らなかったとか、100円ショップの工具しかないとか、釉薬に濃度という概念が必要なことも知らないように、ボルトやネジの締め付けトルクという概念も知らない、そもそも工具なんて触ったこともない、なんていう人が数千万人いるものです。

あらためて、電気炉のヒーター線を自分で交換してね!というのは結構無謀だなと自分でやってみて思いました。

断熱材の物理的強度とか、ヒーター線の取り回しとか、その切断とか、結構道具が必要なこともあるし、そこにペンキ塗っちゃダメとか、そんなところに5-56吹いちゃ燃えるよとか、修理や補修作業にはタブーや常識も結構ありますし、これを不特定のお客様にやらせようという発送が結構ヤバいと思ったけどなぁ。どう思いますか?

もう世の中のお父さんもクルマのオイル交換とか自分でしないでしょ。
オレは昔やってたけどさ。

結局は素人の器用貧乏よりも毎日その作業をしている人が一番確実な作業をすることができるし、ついでに他のことも確認してくれたりするんですよ。





まぁいいか。

天下の日本電産グループがオッケーしているんだからさ笑。




動画もありましたよ。


(すいませんお借りしま〜す)

ふくおか陶芸窯としては、今後もDMT-01のヒーター線は取り扱いできますけれど、ネットや電話だけの方へ部品の提供だけ、というのはやめておこうかなと思っています。


知っている作家さんとかなら大丈夫だけどね。
やっぱりちょっとコワいかな。


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posted by inoueseiji at 06:00 | イノウエセイジの頭の中

2024年05月15日

バーナーヘッドはなぜ割れるのか

窯の説明を通訳されてたけど専門用語は逆にこっちが通訳するハメになっていたイノウエです。

忙しくてブログとか動画放置してました。
サーセン。


さてさて。

最近立て続けにガス炉のバーナー周辺のお問い合わせや発注をいただいてます。
というわけでその際によくあるバーナーヘッドの交換。

なんで交換するのかというと、ヒビが入って割れてしまうから。
じゃあなんでヒビが入んねんということですな。

以前にも動画で話していますが、金属製のバーナーのニップルとバーナーヘッドには結構スキマがあります。
それでも下バーナーだと徐々に締まる方へ締まる方へと動いていくと想像します。

偉そうに言っていますがウチのも昔ヒビが入って交換してます。

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(珍しい45°なんス)

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(イノウエでもこのテイタラク)


バーナーヘッドは鋳物製も一部ありますが、セラミック製がほとんどでしょう。
オリジナルのバーナーを使用していたメーカーも過去にありましたが、よく見るのはHOPE:横井機械工作所ですね。守山区の志段味にあるなんて今回初めて知ったよ!お世話になっております!納入先のリストがスゴい!


横井機械工作所HP

我らの中圧ベンチュリーガスミキサ



さてさて。

じゃあなんでバーナーヘッドが締まっていくのかですが、


  • 焼成中の熱膨張でバーナーやニップルの寸法が僅かに変化する
  • ヘッドとニップルには隙間を設けているが徐々にネジが締まる方向へ動く
  • 一回の焼成ではわずかにしか動かないと思われる
  • それを数回〜数十回繰り返すと手で緩められなくなる
  • どこかで限界を超えると小さなクラックが入る
  • さらに焼成を続けることで目視で確認できるぐらいの大きなクラックになる
  • 「大丈夫だよ〜針金で巻いちゃおうよ〜」と悪魔が耳元で囁く
  • 動画で窯屋のオッサンの「それはダメ!危険です!」でお問い合わせする
  • 頼んだらバーナーヘッド一個の値段にチビりそうになる


という風が吹いたら桶屋が儲かる的な流れでしょう。

さらに追記すれば、これは横バーナーでも発生します。過去に確認しています。
ではどうすればいいのか。


点火前に軽く1/4〜1/3回転ぐらい緩ませる方向に回しておけばいい。
大事なことなのでもう一度でっかく書いておきます。

ご唱和ください〜!

点火前にヘッドをちょいと緩める!

点火前にヘッドをちょいと緩める!

点火前にヘッドをちょいと緩める!



もし手で回らなくなったら早めにご連絡ください。

実に些細なことですが、これで相当ながく割れずに使用できると思います。
実はこうした動作って他にもあって、例えば窯を吊るときに使用するネジ式のシャックルも完全に締めずに1/4〜半回転戻しをします。これは玉掛け持っている人は知っているはずです。吊ったあとで「シャックル緩まなくなったからなんか工具ない?」とか言っている人がたまにいますね。
(会社や現場によっては完全に締めろというところもあるので確認してね)

Green Pin Sling Shackle WLL1500T.jpg
(これはちょっと大きすぎるかな)


というわけで。

点火前のバーナーヘッドのちょい緩めを広めていきましょう。


本日もご安全に!


posted by inoueseiji at 08:14 | イノウエセイジの頭の中

2024年05月01日

窯基準と自分基準ってどうかな

いったん撮影したもののまとまりが悪くてボツにした窯の選び方第2回。
先に窯のはなしをアップロードしましたが。



先日ちょうどボツネタに関わるようなご質問をいただいたので、ようやく頭の中がスッキリしてきました。

なにしろ選択する方々の仕事や人生への影響が大きな窯の選び方という発信ネタ。
ロードバイクの選び方とは大違いでござんすよ。

燃料の種類や構造などの前に、第1回では設置場所を一回よく考えてもらいたいという内容の発信でした。そして2回目もそれに関連することになります。それは自分の作品ややりたいスタイルを基準にするのか、設置場所や予算から選択可能な窯を基準にするのかということになります。

な〜んだ、そんなこと?

そう思えた方はちゃんとそこを自分でクリアされている人だと思います。
わたしにも経験がありますが、この電気炉で無理やり還元焼成できないかなぁ〜と考える人は実はかなり多いのではないかと想像いたしますし、それで壊している人もいっぱいいるみたいです。

小さな窯だけれど、縦にすればこの長皿入るのでは?とか、1センチの高さのものだから棚板10枚組めますか?とか、意外と100V 泣かせな質問はこれまでにもありましたが、やはりそれは無理ということになります。その質問を自分基準という言い方をしてみれば、窯基準という言い方も可能でしょう。

窯基準に考えれば、小型炉ではデータを積み上げるような作陶を軸にテストピースやいわゆるマケット制作などに励んでいくのが精神衛生上も大変よろしい。飯碗だってフリーカップだってちゃんと焼成できます。しかし、これで曜変天目ができないか?とか、白磁も温度的には可能ですよね?とかになると苦しくなるばかりです。

まず、そもそもわれわれは原料基準という、やきもの本来のおおきな呪縛をある程度は緩和された時代に作陶していますから、それだけでも超絶ラッキーです。もちろん今でもそのレベルで作陶を続けるプロや窯元はたくさんいらっしゃるわけですから、自分基準というのはかなり恵まれている考え方なんですよね。

いま画家になりたいという人が「まずは絵具をつくらないとなぁ」とか考えないのと同じで、われわれは自分で銅ヘゲさえ作りません。わたしは90歳を超えた受講生の方が自分で銅ヘゲと灰を作って織部釉のテストピースを作ったのをみて情けなくなって宿酔いになったことがあります。

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(教えたのはオレだけど、オレだけど〜っ!)

そもそも昭和になりたての頃は、お金持ちの道楽でロクロ遊びをさせてもらうようなことしかなかったんでしょうが、いまはどの自治体でも文化センターや生涯学習センターに、もちろん民間にも多種多様な陶芸教室が存在しています。Youtubeでも独学できる時代でっせ。

そこまでラッキーなんですから、窯基準は受け入れたほうが良いと個人的には思います。自分もかつてたんまりと自分基準的なことを思ったことがありますから、アナタのその気持ちは理解した上での発信のつもりです。

ホントに自分基準にするならば、素直にこんどは設備をそれに合わせるしかありません。どうにかこうにかマンションで、とか考えずに、ポツンと一軒家に引っ越すことも視野に入れるしかないですし、窯小屋を増築する必要も出てくるでしょう。薪窯もつくってしまいましょう!

あくまで自分基準とは「自分が作りたい作品基準」であって「自分の予算基準ではない」ということは再確認しておきましょう。見積しますよ〜!

ま、とはいえ。

いまはネットでなんでも買えますし、相談するところもあるし、その探しようもあるんですから。
ただし、相談を受ける側からすれば、この基準がフワフワしたままでの相談は微妙な回答になる可能性が相当高いといえます。

そこをクリアにしておけばあとはかなり幸せなやきもの人生が待っています。

窯基準でも自分基準でもどちらでもいい。

ただはっきりはさせておきましょう。

そこがはっきりすれば、あとは好奇心と行動力、社会人として当たり前の常識、それにほんのちょっとのお金を適正に費やせば、それだけで楽しい作陶ライフが待っています。わたしのお客様はそんな方がとても多いと思っています。

困ったことや質問があればイノウエに電話すればいい。
紹介されて、いつも購入している絵具店さんもわからないことは教えてくれる。
粘土屋さんにも作陶時のトラブルについてアドバイスをもらえた。

誤解しないでいただきたいのは、われわれ業者は決してお客様が支払った額面の多さでそういうことをしているわけではないということです。もちろん、そりゃ多少の差はあるでしょうが、月のお買い上げが千円の人と1万円の人がいるとしても10倍の差をつけることはありません。

窯基準と自分基準がメチャクチャな上に、なんとかドットコムで購入したものの相談をいきなりされてもさぁ。ねぇ?

そう。

実は窯基準と自分基準なんて軸ではなしをしていますが、その先にはその後の買い物や業者さんなどとどう付き合うか、というスタンスにもそれは影響する重大な決断だとわたしは思うんです。
posted by inoueseiji at 08:00 | イノウエセイジの頭の中

2024年04月24日

ガス窯の扉周りの話


メームスの自転車は3年盗難補償、イノウエです。
はい、ちょっとご無沙汰しておりましたが。その間のことはまたいつか。

今回は急遽ガス窯の扉周りの話をしておきたいと思います。

これは特定のどこかということではなく、これまでの質問や現場確認での蓄積によるネタ。それが昨日友人との会話で溢れちゃったと言う感じです。
そうなんです、意外と扉周りに難があるところが多いみたいです。

窯は耐火断熱レンガで組まれているわけですが、戸当り部分での密閉性を確保するためにセラミックウールを使用してパッキンにしています。この断熱材は柔らかい綿状のものですから、指でぐいっと押せば跡が残るような素材なんです。そしていくら熟練したレンガ師が築いたとしても、扉と本体のレンガの面がピッチリ合うなんてことはありません。そのために12ミリ程度のセラミックウールでパッキンとしているわけですね。

ということは。

正しい扉の閉め方があります。

厳密には正しいハンドルの締め付け方法があるってことです。


以前関西のある企業の相談で伺った工場のガス窯は、ハンドルに棒を突っ込んで「いのっちぎり」に締めていました。そしてわたしが過去動画で指摘したような本体側のレンガ壁の変形が全てのガス窯で見られました。

まぁ動画を見つけてもらって相談をいただき、その後は正しく運用されているようですからいいのですが、何十年もなにやってんだという話です。

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(ただのボランティア活動だったな)

また、過去の話ですが、窯の焚き方自体が間違っていた上に、扉のパッキンの補修もせずに、アーチからガンガン炎が出ていたなんて窯の補修もしたことがあります。お亡くなりになったもとの持ち主の作家さんのバブリーな時代は、そんな燃費の悪い焼成でも立派にゴハンが食べられたのかもしれませんが、小さめの0.3㎥なのに一晩にガスボンベを5本使うなんて、令和の今では無理な話です。

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(すっかり隙間が広くなって)

配管工事をしたガス屋さんの父親である先代の方が、夜中にボンベもって窯焚きに駆けつけた、なんて美談のように言われてましたが、わたしが適正な焼成方法を指導したことで「本焼きで一本も使わないんですね」とホントの消費量が分かると相当ガッカリしておりました。配管工事費サービスしてくれてたのね、ごめんね。

窯本体の前面の扉アーチから炎がガンガン出ているなんてビジュアル的にはカッコいいのかもしれないけれど、単に補修してないだけじゃんか、ということです。そして、この扉周囲が購入時のまま放置されているガス窯は意外と多いようなんです。

レンガの壁に謎の何かを塗ったりはしているのに、扉のパッキンが大昔のガチな「石綿」みたいなままだったり、ピンで留めているとか、ウールの一部が欠損しているとか、扉ハンドルで締め上げてペラペラの3ミリぐらいになっているとか。

窯本体側の扉の上が真っ黒に煤けているとか、窯場の天井が黒くなっているとか。
いやいや、ガス窯ですぜ。危な〜い!


■風が吹いたら桶屋が儲かる的な流れを考察してみよう!

  • 扉の閉め方が間違ってる
  • パッキンが傷んでくる
  • 炉の密閉が悪くなる
  • 還元ムラ、温度ムラができる
  • 火力で炉圧を上げてどうにかする
  • アーチから炎
  • まだ足りない
  • ガス圧さらに上げる
  • そもそもダンパーとドラフト操作の原理を理解してない
  • まぁだだよ
  • ガス代がすごいことになる
  • ようやく作品がとれるようになる
  • やっぱコレぐらい勢いいるぜ
  • ガス屋が儲かる笑


それから旋垂扉の開け方も知らない人が実は結構いるというのも先日友人の作家さんからお聞きしました。まずそこを教えないとと思うけど、知らないままの人もかなりいるようです。そういう窯の扉は、扉の開く側の端のレンガが欠けているので一発でわかります。

個人でも窯元さんでも、コスト意識は大切だと思います。
ガス代も値上がりしています。断熱材も上がりました。


こんな時代だからこそメンテナンスをしっかりしましょうよ。

パッキンの張り替えはそこまで費用はかかりません。そして適正な扉ハンドルの締め方も今一度確認してください。

炉圧を意識した窯焚きで良い作品を燃費良く焼成していただきたい。
わたしができるのはこんな発信ぐらいですが。


posted by inoueseiji at 07:21 | イノウエセイジの頭の中

2024年04月13日

ディーラーで考えたこと

”わが国には、窯の原理もはたらきも知らないやきもの通や目ききが多すぎるように見受けます。”
加藤唐九郎 やきもの随筆 窯(二)窯の構造とその作用 より


さすがわれらのアントニオ猪木、キツイっすねぇ。
まぁでも令和のいまでもこれは真実でしょう。


でも、やきもの通や目ききを自称される方はそれで良いじゃないですか。
好きなようにロマンを語ってください。絶対そのほうが楽しいですよ。


しかし。


やきものを仕事にする方がそれでは心もとない気がします。窯なんかいらねぇ、オレは野焼きで十分だぜ!と強がっても、野焼き作家なんて食ってはいけなさそうですし、絶対に頭と手と窯はこの仕事で食べていくのに必要です。窯がない陶芸家は存在しないし、いるんならそれこそ自称でしょう。

そしてその窯を正しく選択できないというのはかなりヤバいことなんです。
今は昭和の時代よりもいろいろな機材も進歩したし、断熱材の性能や電気炉の制御も大きく発達しました。だからちょっとあやふやな選択をしてもどうにかなる部分は昔よりも多いかもしれない。

「窯を選ぶ」なんて単語も動詞もむかしは存在しなかったのかもしれない。
誰にでも持てるものではなかった時代も長くあっただろうと考えます。ということは、われわれは大変に恵まれているということです。二十代の半ばを過ぎてからこの世界に入ったわたしでも、ある程度の経験をしたり知識や技術を身につけることができる時代だったわけだし、誰から頼まれたわけでもなく、自分の欲求に従って陶の道にすすんだ人がこれだけたくさんいるのですからね。なかにはお前は跡取りだと言われた人もいるんでしょうが、多くの人は自分でなりたくて陶芸家になったんでしょう。発信する方法も、販売するルートもじつに多彩になっている気がします。

そんな恵まれた時代は今なお継続中ですが、やっぱり窯に関しての情報は全然足りないし、教育されているようにも思えない。すでに生業にしている人はそのひとの個人的な経験がどうしてもその発信や教育の軸になるため、人によっては大きな偏りがあることが往々にしてあるものだし、じゃあお前はどうなんだといえば、どっかの生ぬるい准教授とそうレベルは変わらないと自覚してもいます。


というわけで。


話はとんで先日わたしのクルマが車検だったんですが。
(翔んだなぁ)

その際にディーラーでコーヒーとチロリアンをいただきながらわたしの担当者の係長さんといろいろと営業関連の仕事のはなしをしていました。

クルマ選びと窯選びを頭の中で比較しながら、めちゃくちゃ通じるものがあるなぁと彼のはなしを聞いていましたが、モノの選び方の前に、やっぱりどこで購入するのかは非常に重要だということなんだと改めて思いました。

クルマの仕組みなんて誰も興味ないでしょうから、値段とデザインで選ぶわけですが、ディーラーは価格も敷居も高いと思う人も多いので、中古車を購入したりすることも多いですよね。ネットでの個人売買やお付き合いのある修理工場などで購入もあります。世代にもよるんでしょうが、自分の周りは、ちょっとオレはクルマに詳しいぜってヤツほどディーラーで購入しない、というヤンキースパイラルに嵌ってるもんでした。まぁ二輪が主軸だったわたしも実際にこれまでのクルマはほぼ中古でしたね。もらったりとか。

中古であっても購入した修理工場なんかですべてが済めば問題ないと思いますが、なかなかそういうわけにもいかないことも出てきます。そうなるとディーラーに「ディーラー以外で購入した車両」を持ち込む羽目になるんですが。係長によると、いまのご時世たとえ同じトヨタであろうとも点検するだけでも「他所のお客」は有料になる、とのことでした。場合によっては断ることもあるそうです。もちろんディーラーのお客様は無料です。

また緊急時の対応も、ディーラーで購入したのか、さらにサービスパックには入っているのか、それをメカニック側も先に確認するそうです。そして「ああ、あの自営業のお客様か」となれば無理くりスケジュールを組んでお客様の仕事の都合に合わせようとしてくれるそうですが、”ビッグな発動機”とかの中古車販売店で購入のお客なら「来週の何曜日の何時しか空いてないけど?」という実にドライな対応になるそうです。ていうか、あまり来てほしくないというのが本音だとか。


まぁ当然だよ。


自営業になって、自分が売る立場になったわたしも、そのへんはすごく身につまされてきたので、モノを購入するときなど、見積を値切ったことなんて一回もありません。そうするとクルマの場合なら相手が勝手に割り引いてくれたし、それでなくても十分なサービスをしてくれる。そして係長の心の中の「いいお客様リスト」に入れてもらえるんですよ。

逆にディーラーの整備見積、もっといえばタイヤとかね、それを持ってカー用品店で同じブランドのタイヤを安く交換したとしても、その差額以上にメカニックや営業マンの心象を害しているということです。

ディーラーで買わないというのであれば、すべてを自分でどうにかしていくしかないわけですが、それを家のママチャリレベルで整備出来る人はどれだけいるんでしょうか。ほとんどいないでしょう。自転車にしろクルマにしろ、自分でパンク修理できる人がもう貴重ですもんね。そしてクルマなら細々したリコール情報はディーラーにしか来ませんから知らぬ間にリスクを背負っている可能性もあるかもしれない。修理工場だって認定工場にするには設備とか機材、免許なんかもややこしくなるのに、クルマが好き程度の素人がどうなるもんでもないでしょう。

わたしは前のクルマを知人にオークションで引っ張ってもらったんです。その後もオイル交換とか整備とか知人だからお気楽にお願いできてよかったけれど、そいつが挨拶もなくトンでからは車検もなにもめちゃくちゃ面倒くさくなってしまったし、一回はオルタネーターのベルトが切れて立ち往生したこともあったんです。だから次は絶対ディーラーで買おうと決めていた。だってディーラーに行くたびに「ウチで購入されてますか?」と聞かれてウンザリしてましたから。

いまのクルマを購入するはなしもどこかに書いた記憶があるけれども、先述のように一切値切らなかったら勝手に十数万円引いてくれましたよん。

あちこち県外にもいくけれどもディーラーで情報は共有されているので、どこに飛び込んでもこれまでの整備記録は確認されて、ちゃんとお客様扱いをされるのでありますよ。これはめちゃくちゃ心強い。トヨタの行くところすべて行動範囲ということですね。

まぁ知っている人は知っている、当たり前の話です。
(ホントちゃんとした窯元さんは中古ある?とか言わないよなぁ)

何がいいたいのかというと、機材自体の選択も大変重要ですが、それをどこで購入するのかはもっともっと重要です。

お金を出しても買えないものというのは、実は結構われわれの生活の中にもあるということでしょうか。確かにディーラーは高いというイメージがあるし、実際に支払う絶対値は大きいのかもしれない。でも倍にはなりません。それよりも、そこでお客様として記録に残ることがどれだけ大きなことかは逆の立場になれば理解できます。


窯の話に例えるまでもありませんし、結局は高い安いには理由があるということです。

そして自分やかわいい子供の命を乗せる機材(クルマ)の選択がそれでいいのかを考えない人が一定数いるのと同じように、自分の作品の良否を決定する工程の機材(窯)の選択がそれでいいのかを考えない人が一定数以上いるのは、多分七割はコチラ側の業界に責任があると私個人は思っています。

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posted by inoueseiji at 06:59 | イノウエセイジの頭の中

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