2022年03月23日

陶芸教室と教育の限界

毎週木曜日の生涯学習センターの講座、本年度も最後の講座発表会を終えました。

昨年は中止でしたので、今年もあまり人が来なかったように感じました。
また、せっかく発表の場を得ているのに、受講生自身も会場に来ない方が多く、すこし残念に思います。
わたしは普段口だけで偉そうにしているので毎年この発表会では会場になるべくいるようにしています。

多くの鑑賞者がいるわけではありませんが、それでもその反応や会話からヒントを得ることがあります。


IMG20220319100130.jpg


以前の受講生だった方が見に来てくれることもあります。老人会なんかでまだ続けている人が多いようですが、気になるのは、釉薬や粘土の製品名を知りたいと質問されることです。

そこではないのです。まだそのレベルにいるのかとガックリすることもあります。
自分で釉薬を作ったらと勧めても、それは尻込みする。まずは粉を2、3種類混ぜるだけなのに。


IMG20220319100214.jpg


わたしは陶芸窯を取り扱っていますが、いきなり窯を買えとはいいません。陶芸教室や生涯学習センターなどであっても焼成を意識して作陶はできるはずです。そのための考え方やカリキュラムを考えることが重要だと考えています。

そのうえで窯を持つことを決心されれば、サポートは責任を持って行います。


よく指導で口にすることですが、釉薬は絵の具ではありません。相手の粘土との相性、施釉された厚み、焼成条件で製品となったときの雰囲気はかなり変わります。

人の作品ではそれを見るべきであって、この釉薬どこで買ったの?はあまりにも幼い質問です。

またコチラは当然知っているだろうと、製品名や赤土◯号とか言いながら質問の電話をいただいたりしますが、知るわけありません。粘土屋さんや釉薬屋さんが勝手に製品名をつけているだけですし、どこで購入したかというとネットショップだったり、製造元が不明だったりする。

これもちょっと違うというか。

特定の素材が大きな影響を与えることもありますが、それはどちらかというと例外的です。
そもそも自分で調合していない人にそれを説明しても意味はないですから。


何かを買えば道が開けると考えるのは非常に危険です(笑)。


電動ロクロでも何度やってもうまくいかないが、この土が電動ロクロ向きではないのではないでしょうか?などと言われたこともありますが、自分で掘った土じゃないなら、それは粘土ではなくアナタのほうが電動ロクロに向いていないということです。

というわけで。




これまで生涯学習センターで15年ほど週イチの一年講座を行ってきましたが、辞めます。
来年度は月二回の半年講座を年に二回に変更し、短く要素を絞って陶芸教室の限界を突破しようと考えます。

これは生涯学習センター側と話し合ってきたことで、コロナがなければ二年前に変革していたはずのことです。これにより、新たな利用者の増加を期待します。ダラダラと同じ人が生涯学習センターで陶芸を続けるのは、コチラは楽ですが本来の目的からは外れていることです。

そして長くつづけると必ずモンスター化する人が出てきます。
そういう人や気持ちが育つ要因を排除する、というのもわたしの目的でもあります。焼成を通じて理解していない人ほどモンスター化する傾向があるように感じています。

少なく短いカリキュラムで要素をあぶり出し、嫌でも陶磁器製造の要素を把握してもらいたいと切に願っております。
ダラダラと続けるものではありません。基礎と入り口を教えてもらえば、自分やグループで続けていくことをサポートするのが生涯学習センターというもの、生涯学習というものです。あくまで理想ですが、目指さないのなら意味はありませんから、わたしはいつもそれを目指しています。




16年目を迎えるというのに、忸怩たる思いです。
陶芸教育というものを自分の場所でさえあまり変えることが出来なかったようです。
またPDCAで頑張ります。






続きを読む
posted by inoueseiji at 05:58 | イノウエセイジの頭の中

2022年02月21日

そもそもロクロの前に

まぁまぁハードな週の後半でしたので週末のロクロ動画アップはお休みにしましが(毎週アップだったのか?)、次はちょっとまたホワイトボードでのお話動画にしようかと考えています。

いろいろと指導してきた方々を思い出していた中で、そもそもロクロの前に手びねりというか、ロクロだけではなく、粘土という柔らかい素材に対して、指や手のセンサーがどの程度その人(もしくは自分)にあるのかを確認する必要がある、あった、のではないかと最近考えています。

特に男性の場合、手びねりでそっと摘んだ粘土が伸びるのを感じ取れていない方が結構多かったように思います。「作業としての手の動き」ではなく、「粘土の状態を感じ取りながら手を動かす」は大違いです。

この感覚、はじめから出来ている人には「?」という話です。
でも指導の現場でそういう方に多く接した経験のある方は思い当たる節があるのではないでしょうか。

もちろん、そんな方々をどうこう言っているわけではありません。
このワタシも訓練校に入ったときには前者、出来ないし、感じ取れない側でした(片思いにも気付いてあげれなかった)

焼成の経験もなく、作業としての手の動きさえうまく出来ない。
そしてそれのどこがダメなのかわからない。

こう書くとどうしようもない人間のようにも聞こえますが(笑)、実際にはそういうアマチュア作陶家の方、多いと思いますよ。

いまこれをお読みになって「いるよね〜。まぁ俺は大丈夫だよ!」と思っている方は危ないです(笑)

ワタシがそうだったから間違いない(笑)





作業を覚えるということが様々な仕事であります。
でもその目的や原因、理論や原理を教えてもらえることは案外と少ない。

そんな中で職業人としてのキャリアを積み上げていくと、出来るけれども見えていない人になる恐れがあります。職場ではそれで問題ありません。そこには事故や過ちをおこさないようなルールや規定があるからです。

例えて言えば、クルマの免許をもっているけれどもハイブリッドの仕組みどころか、2ストローク・4ストロークの意味も、ディーゼルエンジンの原理も知らないということです。それでも運転免許と道交法、道路インフラが発達しているから問題ありません。

これを陶芸の世界に置き換えて考えれば、電動ロクロを回してものを作るのは、自分で(乗用車本体とは言わないまでも)サスペンションを一から開発して製造するようなことなんです。

陶磁器はこれまでの人生で散々使ってきたし買ってきた。なにを今さらという部分もあるでしょうが、それを乗用車に置き換えるとこういう感じだと思うんです。

乗用車の話をつづければ、そもそもサスペンションとはなんぞやとなれば、まずはバネということらしいのですが、なんとなくダンパーと絡めて、いきなりサスペンションを作り出してしまうことが多いとか。本来クルマごとのバネレートが決まらなければ減衰力もはじき出せないわけで、これは順番の話ですね(男子ついてこい!)

さて、体落としのようにロクロの話につなげれば、粘土が変形するという工程とその原理を確認しておかないと、永遠にゼロなロクロ技術になる恐れがあります。そしてそれを商売なんかにしてしまうともう取り返しがつかないかもしれません。

初めての長期アルバイトでもそうですが「仕事わかってきた、今の俺イケてる!」と思っている時が実は一番仕事が中途半端なものです。

先日動画のコメントにも書いていただきましたが、言語化できるということは大切です。
言語化できるということは書けるし話せるということでもありますから、今一度粘土のことを勉強するのも大切だと思います。

そして、自分の経験からも言えることですが、粘土やロクロに触れなくても、上達のために出来ることはたくさんあります。

筆を持つ、落書きする、指のストレッチ、スポーツをする、楽器を弾く、ペン習字などなど。
たとえばアナタはフリーハンドで30センチ程度のきれいなまん丸の円を紙に描けますか?

器用かどうかは脳ミソの問題です。
脳ミソは身体を使ってしか変化しないものだと思います。

ロクロはロクロと考えず、全てがリンクしていると考えるようにしてみましょう。
そう思うだけで家事も仕事も趣味もつながっていくし、全てに面白さを感じ取れるようになります。それは無理というのであれば、せめて電動ロクロと手びねりぐらいは繋げてほしいといつも願っております。






posted by inoueseiji at 06:06 | イノウエセイジの頭の中

2022年02月12日

ロクロは上手くないとダメなのか?

昨日の記事でイノウエをブラックリストのトップに入れてくださった方もいることでしょう。

本日はまったく逆のネタで揺さぶりをかけていきます。

先日ようやく福岡市美術館で会期終了直前のゴッホ展を鑑賞してまいりました。
子供のころから名前も絵も知っている画家ゴッホ。

IMG20220209112432.jpg

今回は「黄色い家」のモノホンも見れて大変感激いたしました。

ゴッホといえば日本人はほとんどの方が教科書などで名前は知っている画家でしょう。
オランダのゴッホとスペインのピカソとドイツのポルシェ(車だろ!)はそこらのおばさんでも知っているヨーロッパの文化の代表格ではないでしょうか。

このゴッホさん、絵描きとしてはマジで下手くそです。
わたしの大学でも絶対に先生に褒められることはありません。

特に遠近感とかデッサンがダメです。これはテクニック的なことですが。
ですから現代の食えない画家に「ゴッホってどう?」とか聞くと微妙な感じになりますので気をつけましょう。

特に種まく人は片足地面についていないし、お前の骨盤どうなっているんだよ〜とツッコミたくなります。
だいたい大人が画面中央に太陽をドカーーンと描いちゃダメです。普通は。

だから言ったろ、ビンセントよ〜。

でもゴッホいいんです。

ご存知のように。



では何故こんなにも人気があって、人の心を揺り動かすのでしょうか。
どうして彼の”ひまわり”に何十億円もの価値があるのでしょうか。

だんだんと解明されてきた彼の人生や死亡状況を知らなくても、どうしてそのキャンバスの上の絵そのもので勝負できているんでしょうか。

乱暴な比較だとは思いますが、このブログであえて言えば、作品の価値とそこで駆使されたテクニックのレベルはまったくイコールではない、ということです。



ということで、ロクロの話。



わたしはこれまでいろいろな場所で、最後のロクロ職人とか、名人とか、有名無名の凄いロクロテクニックをこの目で見てきました。

そして確実にわかったことが一つだけあります。

それは、テクニックがある人が必ずしも素晴らしい作品を作るわけではないということです。

芸大、美大を出た方々、思い出してください。
同期であいつスゲェと言われていた人は生き残っていますか?
専業で食べていますか?(講師や先生業は含めず)
そもそもまだ描いたり作ったりしていますか?

なによりも作り続けること、描き続けることが重要だと思います。

わたしはゴッホ展を見てこれだけの数の作品を自分はくじけずに作り続けることが出来なかったという敗北感もほんのりと感じました。

誰に何を言われようとも好きなことを続けることが大切です。


怒られそうな言い方をすれば、日々コツコツと量産し続けた100枚の一枚に起きた奇跡。
その奇跡のリーチがかかったゴッホの代表作は必然として大傑作になっているだ、と実物を目の前にして思いました。それらの代表作には、学校で習うような遠近感もデッサンも人体の骨格も無視で結構なんです。


ロクロの基礎がデッサンだとすればイメージできるでしょうか。
ロクロがうまいだけでは素晴らしい作品にはなりません。加飾と焼成を経て初めて作品となります。

全行程のわずか10〜20%の工程がロクロであって、それだけで作品が決まるわけではないということだと思います。

もちろんだからといって最初から基礎とテクニックを無視してはいけないですし、自分がゴッホと同類と思うのも大変みっともない発想でしょう。

知識の浅い記事になったようですが、みんさんはどうお考えになるでしょうか。





(とても素晴らしいチャンネル!これ見て行くとさらにグッときます)



日本大好きだったゴッホ。
次は2月23日から名古屋市美術館で見ることができます。




posted by inoueseiji at 08:02 | イノウエセイジの頭の中

2022年02月11日

ロクロが上手い人とは?



ロクロの動画に質問をいただきましたので、動画でお答えしております。

わたしは基本的なことしかできませんが、プロの友人・知人にも「まぁいいんじゃない?」と評価いただきましたので、ガンガン発信していきましょう。

質問やリクエストお待ちしております。




はい、では動画では怒られそうなことを書いてみますよ。



ロクロが上手い人の条件


・独学ではないこと

・仕事としてロクロ成形をした経歴

・ユーチューバー以外


はいはい。
怒らないで〜。



まず独学ではないことは重要です。

どの世界でも独学には危険性があります。覚える側にも教える側にもその危険性があるのです。
これについてはこれまでも記事にした記憶があります。

ロクロであれば、独学の方には無意味な工程や、やってはいけない省略、説明できない理論などが入る人が多いようです。

プロになる多くの方は製陶所、窯元、訓練校、大学や専門校などがスタートとなることが多いと思います。
そこではやりたくもない作業、罵声と怒号、嫌味に意地悪、同期や先輩後輩との張り合い、怪我や睡眠不足がお待ちしております。人生一度はそんな中で揉まれてみるのも悪くはありません。

安心してください。
令和の今はそこまではないでしょう。

ただ、独学でそんなプレッシャーを味わうことは絶対にありません。
いきなり作家デビューというのも同じです。わたしのような失敗をして撃沈ですヨ。



でも、それが悪いということではありません。


独学で良い仕事をしている方もいることはいるでしょう。ただ独学のみやいきなりデビューだと、この世には自分の想像を遥かに超えた次元で仕事している人、そこで修行して独立した人間がいるということを知らないまま大人になってしまうというだけです。自分で自分をプロとか職人とか言って失笑をかわないようにしましょう(笑)。

また独学だと産地を知らないまま活動を始めることがあるかと思います。これもあまり良いこととは思えません。せめてシェフが築地に行く程度には知っておくべきだろうとも思えます。ネットで完結させることも可能なのかもしれませんが、それは窯選びや道具・機材・絵具や溶剤の認知不足につながるようにも個人的には感じています。


教育の場のように思われるけれど、習う人にいくらやる気がいくらあっても伸びようがないのは陶芸教室です。そもそも上記の条件を満たしている講師はほぼ皆無な世界です。またプロを育てるという目的を持つ場所でもありません。生徒がプロになると損するシステムしかありませんでしょ?

もしプロの作家になりたいと思っている方がいらっしゃったら陶芸教室にいくのはデメリットしかありません。わたしのお客様にも教室の方がいますが、これは事実ですから書いておきます。


また仕事としてロクロを回したことがあるかないかは非常に重要です。仕事というのは賃金を稼いだということです。ロクロを見るのも嫌になるまで、です。

例えば、うちの嫁がいくら料理上手でもプロの料理人にかなわないのは明々白々です。それは生活と仕事とのレベルの差です。

その仕事で賃金をもらう、きつくてもヤらなければならない、うんざりするほどの量産、その人がこれらを通り抜けているのかどうかはそのロクロ作業を見ればわかります。

ワタシにもほんの短期間ですが雨でも路面凍結でもカブで製陶所に通勤して指の感覚がおかしくなるまで何万回も印花を押したり、動力ロクロに延々と粘土を打ち込んでいた経験はあります。もう二度とイヤで〜す。もっとも窯作りの方はもっとエグい経験がいっぱいありますけど(笑)。

でもそれらがささやかな経験として自分を支えているのも事実です。
そして自分が経験していないと人の作品や仕事を評価できなくなってしまいます。

ふと周りを見回しても、正しく成功している同期、知人は、ガッツリと量産の現場や窯元で働いた経歴をもっています。それはやっぱり必要なことだと思います。スティーブ・ジョブズだって雇われの時代があったそうです。まぁ、あなたがホリエモンになりたいのなら止めませんが東大には行った方がいいでしょうね。


ユーチューバーではない、というのは特定の誰かという意味ではありません(ワタシも含め)。本当にロクロが上手い人は、不特定多数へ発信するモチベーションにならない、だから発信なんてしていない、ということです。

わたしも仕事でレベルの高い場所にいくほど「ロクロの動画なんてあるんですか?」と聞かれますし「イノウエさんもされているんですか?」とびっくりされています。これだけ動画を出していても観られてもいないんです。

正しく上達した方々は「ロクロのコツ」なんてキーワードでネットを検索する必要もないですし、オススメのサムネイルをクリックすることもありません。そして前述のように発信する理由も持っていないのです。

逆側の極論をいえば、自分の仕事、自分の作品以外には興味を持っていない方々とも言えます。ゆるぎのない技術や目標がある上達しきった人は他人や外界を見る必要はないのです。

これはいつも言っていることですが、仕事と人生が適正に進んでいる方は"YouTuber"にはなりません。ワタシだってそうですから。

もちろん営業活動の一環での発信はあるでしょうし、わたしの動画も焼成と窯へ興味を持たせ、窯の発注へつなげたいというのが目的です。

その目的が不明瞭なままの人も多いでしょうし、そんなものがなくても動画を編集して発信するのは面白い作業です。それで「いいね」とか広告収入があればそれは立派なモチベーションになりますからね。




さて。


電動ロクロにおける成形の技術、もしアナタが本当に上達したいなら、やりたくもないこと、ツマラナイ基礎をありえない量と時間で行うだけです(いま想像された数字の10倍ぐらいやってください)




ロクロ成形技術の上達は、ピアノが上手くなることやクルマの運転免許を取ることと同じです。
それでもピアニストやプロドライバーになれるということではありません。





コツ?




近道?






残念ながらありません。

そう思えるものがあったらそれは罠です





だからまずは一緒に基礎を固めていきましょう!


今後の動画にご期待ください。






posted by inoueseiji at 08:51 | イノウエセイジの頭の中

2022年01月31日

指と手首のストレッチよろ!








いよいよ一月最終日ですね。
「いく・にげる・さる」で年明けはあっという間とよく死んだばあちゃんが言っておりました。
普通ならもう二月だヤバい〜とか言っていたのかもしれませんが、2022年は電子部品の供給不安定がとうとう電気炉製造現場にも影響を及ぼし、値上げ直後に納期大幅延長という事態になって、わたしもその対応にバタバタした一月でした。

そんな中で。

数ヶ月前に出した見積よりも値上がりしていて、納期も延びているのに、楽しみに待っていますと発注してくださった数名のお客様、本当にありがとうございました。責任持って製造・サポートしてまいりますので、いましばらくお待ち下さい。

やるべき対応が落ち着いてきたので、とりあえずロクロ動画シリーズです。

これまで窯と焼成を優先的に発信してきましたが、やれば絶対に伸びるのがわかっているロクロ動画ですから、そろそろ商売っ気を出してもいいかなと思った次第。

土殺しの回数少ないのスゲエだろとか、基礎編と言いながら5キロぐらいの粘土をターンテーブルに載せてたり、完全独学の人や窯元さんなんかのなかなか独特なロクロなんかも参考に勉強をしてきましたので、ロクロ動画も窯の動画同様に100本ぐらいいってみましょうか。

そして意外とふわふわしている陶芸教室系の発信や指導を知るにつけ、まず安全衛生の観点からも基礎をコツコツと発信してみます。手首や腰に注意してお楽しみください。

まぁ下手クソですが一応陶磁器科職業訓練指導員国家資格を嫁ともどもゲッツしておりますけん。


20101127153513217.jpg
(そうそう、とってもイイよ〜)

撮影はメチャ楽なんですが、パソコンがもう限界です。
大幅に改造する予定です。
posted by inoueseiji at 07:21 | イノウエセイジの頭の中

2022年01月25日

2022年版の電動ロクロ講座スタートしましょうか



もうあと2本分ぐらいのデータがあります。
ネタのアイディアは5本分ぐらいありますぜ。


ロクロ動画を作るのが一番ラクです。

マジで。


とはいえ、ロクロよりも溶接の方が上手なわたしは、電動ロクロの基本的な部分しか発信できませんが、視聴者の方々が上達して「ロクロもかなりイケてきたし、ひとつ窯でも購入しようか」なんてなることを目指して頑張ります。



ロクロの基本技術の習得。

それについては訓練校の方式はほんとうによく考えられていると思います。
そもそもどの産地に行っても(理想としては)ある程度は仕事ができるように訓練するわけですから、ロクロの指導も磁器の産地や窯元も想定されているわけなんです。

厳密にはわたしの発信は陶器、土ものの作り方でしかないと思います。ガチの磁器では通用しないかもしれませんが、成形する基本の技術と考え方は共通です。

当時毎日まいにち同じことの繰り返し、何か違う方法論があるのでは、と当時も先生に聞いたことがありますが、いつも答えは「上手くなりたきゃ切立を挽け」でした。

あの訓練校でのロクロの実習は本当にわたしの人生の財産であったと思います。
いまあんな時間を持つことはできないでしょう。
(その意味でも学校などオンライン以外の学びには大きな意味がありますね)

この円筒形が基本というのは他の学校などでもそうであったと確認しております。
まぁ同じ道具ですから当然か。

これからも拙い電動ロクロ講座を出していきます。
みなさま今後ともご指導ご鞭撻お願いいたします。




ロックンロール!


(意外とお気に入り)
posted by inoueseiji at 06:50 | イノウエセイジの頭の中

2022年01月22日

ロクロ動画への準備




一番人気のロクロ動画はコレです。
今からもう4年半も前なんですね。

思えば当時のほうがまだロクロは回せたようにも思えますが、今のほうが伝える言葉とチャンネルが増えたように感じています。わたしの場合はレベルが低い話ですが、50代から60代にピークを迎える作家さんやクリエイターが多いのも自分が50代になって実感しますね。

SnapShot(42).jpg
(死ぬかと思った)

いまはマスクが鬱陶しいのでチャリでの長距離ツーリングやランニングはすっかりご無沙汰になっておりますが、その分スイミングの頻度があがりました。今では毎回ノンストップで750〜1000メートル泳ぎ、トータルで1500メートル以上泳いでいます。15〜20分間ノンストップでクロールできるようになったのですが、そうなるために通り抜けてきた道程において、誰かに物事を伝えるために必要なスキルやエッセンスをたくさん得ることができました。

たしか6年ほど前、20メートル泳げなかったワタシですが、独学で水泳をやってみようと思いました。自分も動画やブログで情報発信をしていこうとしていたので、動画でどこまで技術が身につけられるのか、自分の肉体で確認したかったからです。

そしてYouTubeでとある泳法のメソッドに出会い、週に何度か市民プールへ通うようになると、またたく間に半年で500メートル以上泳げるようになりました。なにがしかの技術を動画を通じて独学出来ると証明できたのです。さらに調子にのってアクアスロンにも2回出場しましたが、逆に独学の脆弱性や不安定さも身にしみて感じるようになりました。

ワタシが覚えたのは2ビートクロールだけで、いわゆる4泳法と言われるもの全てが泳げるわけではありません。特に背泳ぎは未だに出来ませんし、バタフライなんてユメのまた夢です。平泳ぎはなんとなく出来ているようですが、自分ではよく判断できません。4泳法もクロール同様にやればできるのでしょうが、自分の中にそのモチベーションがないことに気がついています。

”プールでしか通用しない泳法はイランよ”

”海でクイックターンが必要だとでも?”

”そんな泳ぎ方で2キロ泳げるのか?”

”かわいい監視員さんが見ている〜”

”こっちはアクアスロン完走してんだよ(ほぼビリだが)


そんな自意識過剰な厨ニオジサン全開なのです。


これって独学オジサンの陶芸にも潜んでいる危険性と同じように感じています。そこをどうするのかは今後の発信で見ていただくとして、もう一つ想像しやすい例えを示して考察のヒントとしていただきましょう。

たとえば書道、書による表現があります。
でっかい筆でアクションペインティングのような躍動感のある書のパフォーマンス。
アレって自分にも出来そうと思う人種も一定人数いるのではないでしょうか。

しかし。

書家というものはすべての文字(と言ってもいいと思う)の楷書・行書・草書・隷書・篆書を書き順も含めすべて長い年月をかけて何百回と書いてきているのです。中には複数の書き順がある文字もあります。それを何年も何年も書き続けて生まれる線があるのです。

パッと出の芸能人や陶芸オジサンがやっても出ない線があるのだとわたしは思います。

そして恐ろしいのは「受け取り側にもその素養がないと見分けられない」ということです。
なぜなら数値で表現される世界ではないからです。

素養を身につけるといっても、別に高いものを所有したり使用したりということではありません。ちょっとした経験とそれを支えている文化や社会、それによって行われる教育があればいいのではないでしょうか。美術や書道、音楽が選択制なのに反対する理由はそこにあります。

とはいえ、同時にそこには正直さと謙虚さがなければならないでしょう。わたし自身がそのケがあるタイプなのでわかりますが、数値で表されることのない陶芸にはそれが欠落しがちな条件が揃っているように感じています。これは講師業を15年やってみた実感です。

トラブルが起きるたびに、誰かがモンスター化するたびに、いろいろな試行錯誤をしてきました。陶芸教室なのに筆記試験をしたり、粘土の量を数値管理して手びねりやロクロ挽きのサイズを意識させたりしてみたのです。

数値化はとても有効だと現在は考えています。


電動ロクロの習得も陶芸家になるのも、実際は運動選手になったりピアニストになることと変わりません。そこを履き違えている方が(個人的な見解ですが)ある一定数いるような気がします。安心してください、ワタシもそうでしたから(笑)。

だれにでもどこにでも器が作れるように、陶芸作品が焼成できるようになったのは素晴らしいことです。そして誰でも発信することができるようになったのも同様に素晴らしいことでしょう。


ではアナタはどれぐらいの修練を積めばピアノ・ユーチューバーになれると考えるでしょうか。

またピアノを弾く知識と技術があるということと同様に、”ピアノ本体”を作る知識と技術もあるのです。ピアノを作るにはピアノの調律も知っておく必要もあるはずですし、そもそもピアノを少しは弾けなければならないでしょう。

とはいえ所詮はピアノ本体の製作者、その演奏はピアニストとして修行してきた人には到底かなわないものなのです。








あれ?


そうでもないかしら?








posted by inoueseiji at 07:58 | イノウエセイジの頭の中

2022年01月20日

今年はカンタンに


電子部品の世界的な供給不安定のために、自動車だけでなく電気炉の製造も滞っております。
ふくおか陶芸窯においても次の納期は下手すると3月初旬にまでズレ込む恐れがあります。

収入源は複数確保しておりますので、とりあえず他のことをしましょう。

mamezara.jpg
(めんどくさいから肩書は「陶芸家」でと係長に言われた)


これまでお客様をはじめ視聴者の方には焼成と窯に意識を向けてほしいと考えて発信を続けてきました。
もうそろそろ自分のためだけに発信してもいいかもね、と思っております。

カンタンに制作できるロクロ動画を軸に、その作品を小型電気炉でこんなふうに焼成できますよ、と見せれば、また電気炉や窯へのお問い合わせや発注が増えるでしょう。これまでそれをしなかったのはあまりにもビジネスライクな動画になりそうだと考えていたからです。気づいていなかったわけではありませんヨ。

コロナにも困ったものですが、逆にそれによって独立のきっかけを得た人も、電気炉購入に踏み切った人もたくさんでてきたのも事実です。また器への興味もステイホーム下に深まったのもあるでしょうし、それをネットで購入することへのハードルも下がったのも間違いありません。

だったらさらに六歩か七歩進んで自分のため、家族のため、誰かのための器を自宅で焼成するというライフスタイルを提唱してみようと思います。実際にそのように作陶されているお客様もいてインスタグラムなどで確認させていただいています。

たとえばこんなお客様です。


コロナで陶芸教室が閉鎖したのを機に、都心のマンションで100Vの電気炉を設置して日々焼成を楽しんでいる。先日はじめて職場の友人からぐい呑みを受注したばかり。いくつものデザインを考え、釉薬には先日郊外でトレッキングを楽しんだ際に採取した一つまみの赤土を調合する。試行錯誤の末、なかなか渋いぐい呑みが完成した。職場の昼休みにコッソリと納入すると友人にも大好評。オンライン飲み会で使用するそうだ。

仕事と陶芸それぞれの満足感を胸に帰路につきながら、まさかスーツ姿のわたしが家に窯を持っているとは誰も思うまい、と一人ほくそ笑む。
(90年代ブルータス風)




そんな人を増やしていきたいと思いますね(笑)。



これについてはホームページにも過去のブログ記事をリンクしております。



2020年10月14日

「一家に一台、陶芸窯」というキャチコピー












posted by inoueseiji at 08:41 | イノウエセイジの頭の中

2022年01月19日

都合の良いオトコ

IMG20210121152152.jpg



むかし福岡へ引っ越すまでの一ヶ月ほどのことですが、瀬戸の外構屋さんでバイトをしていたことがあります。その時に入っていたマンションの新築現場で、自分よりも若いぐらいの、段取りが下手な、どうしようもない若い現場監督がおりました。

いつも社長や職人さんたちも彼をバカ呼ばわりしておりましたが、とうとうある決定的な失敗がおきてしまいました。当時今よりも血気盛んなイノウエは「ちょっとこれはガツンと言ってやりましょう!」と周囲に訴えました(オマエは短期のバイトだろ)。しかし社長の一声でみんなでその失敗を残業してでもカバーすることになり、結果として工事は無事に納期通りにおさまりました。

そして、わたしよりもちょっと歳上の社長がポツリと語った言葉が今も忘れられません。


「こういう仕事をしていると、またどこかの現場で必ず一緒になる。
仕事で喧嘩するときは本気でするが、失敗した相手は追い込むなよ。
ちゃんと助けてやるんだ。いつか助けてもらうときがくるから。」

一字一句同じではないですが、このようなニュアンスの言葉でした。

大切なのは仕事の喧嘩は本気でする、ということです。失敗を見逃すということではない。
喧嘩になるとしても怒られるとしても悲しませるとしても、ちゃんとディスカッションして現場と納期は死守するということでしょう。



とはいえ。
相変わらずイノウエは安く見られるようで困ったものです。
優しすぎてフラレてしまう都合の良いオトコです。


ビジネスとして陶芸に関わっているみなさんならば費用や経費に厳しくなるのは当然です。
そうした厳しい判断のもと、わたしから買ってくれるのかなぁ〜と思っていたら見積も出せずに他所の窯を購入されていた、なんてのはよくあります(修理だけたのまれても知らんヨ)

まぁそれに乗用車だったら、いつもホンダ車を買っていたのに、まさかジムニーが再び販売されるなんて、ということもあるでしょう。

黙って乗り換えてもいいでしょう。
不義理をしても車屋さんなんていくらでもありますからね。


陶芸窯の世界もそうだったらいいですね。


個人的に独立の応援などでその人のために無償で動くことはよくありますが、それで決まらなくても仕方ありません。

というか決まらない方が多い。

無駄足であっても、その出会いでいろいろな学びがわたしにもありますし経験値にもなります。200Vの電気炉に24Vの部品突っ込むような奇特な方や、安いプライドに一万円も払えないボンビーな准教授にも出会えます。

ときにフェイスブックやブログに感謝の言葉とともに載せていただく人がいたりすると、恥ずかしいやら嬉しいやらです。





数年前でしょうか、何度が補修の仕事をもらっていた陶芸教室の講師が自分個人のガス窯を購入したいとのことで対応したことがあります。当時心当たりもあり、その窯を案内しに行ったりしましたね。その後それっきり。

後で知りましたが結局その人は別のところから中古のガス窯を購入されていたようでした。安かったからなのかタイミングだったのかはわかりません。

だったらメール一通送ってくれればそれでいいのですが、ご丁寧にわたしのコメントと写真だけ削除して、新しい業者さんの工事の様子をアップしてあり、それ以降お仕事をいただくこともなくなりました。

そんなことをされれば普通カナシイよね。

プロになりたいのならば、営業活動とはいえ無償で半日潰した相手に、すいません、予算の関係でコチラの窯に決めることになりました、とか、その節はお世話になりましたがあの窯は大きすぎたので申し訳ない、とか、断りの連絡はしたほうがいいと思います。またいつかそちらに話をもっていくことも有り得るわけですから。

それでホントに数年するとその設置業者が廃業。
本人の窯も教室の窯も、対応する業者が突然いなくなったわけです。

先日、仕方なくなんでしょうが、かつてわたしへの不義理はなかったかのように連絡をしてきました。ネットというのは恐ろしいものですべての証拠が残っています。先ほどの窯や業者の件も、この連絡の後に調べてみて初めて知りました。そしてもちろん心情的にこの方の対応することはできないとお伝えしました。

そもそも設置業者が廃業したとしても、「世界に誇る」京都の製造メーカーは存在していますので代理店と修理業者を紹介してもらえばいいだけでしょう。高くつくでしょうが。





そもそも設置業者である福◯釉薬の福岡営業所が一年ほど前に突然のように閉鎖されたあと、多くの困った顧客の方々から連絡をいただいていました(広島本社は残っている)

中には「ふくおか陶芸窯さんが修理してくれると思いますよ」と言われたから、という方もいましたがに◯島釉薬からワタシに何か連絡がきたことはありませんでしたし、それを聞いた時にはちょっと虫のいい話のようにも思えました。

廃業はお客様には関係のないことですから修理対応は誠意をもって行いましたが、せめて福岡の営業所は閉じることになったので申し訳ないがお客様のことでお願いすることもあるかもしれない、といくつか存在する地元業者に連絡を入れておけば、対応するコチラの気持ちももっと違ったでしょう。それがお客様のメリットになることなのではないでしょうか。

もっともそういうことが出来ない、やらないという業種だったのかもしれませんが、これって大事です。状が回る業界はいくつかありますが、築炉業界もそうなったらいいですね。お客様視点で考えれば取り扱い業者が廃業しようが拡張しようが関係ないのですから。


で、この記事は何が言いたいのかというと、相見積もりをするならば断りもきちんと入れることが大切だよ、ということです。

プロの作家として独立したり陶芸教室を運営したりするならば、義理と人情と筋目は一応通しておくといいですよ、というお話なんです。仕事をやりとりするという意味ではありません。

わたしの同期の仲の良い人でも一切窯の仕事のつながりがない人もいますし、他メーカーさんの窯でもずっとワタシが対応している方もいます。正しい人間関係を構築しておくということがいつか必ずお互いのプラスになるのです。みんなビジネスだけどそれだけではない。

窯でつながっていないけれど仕事で協力することもあるし、廃業した他メーカーの修理を対応して新規の話につながることもありますし、知人を紹介されることもあります。

極端なたとえをいえば、明日ワタシが人間失格もとい廃業するかもしれませんし、10年後には西日本ではイノウエ以外の業者がすべて廃業しているかもしれません。


その可能性をアナタもワタシも想定しておかなければならないのです。




プロならばね(笑)。





posted by inoueseiji at 09:44 | イノウエセイジの頭の中

2022年01月16日

ちょっとしたお知らせ


正月気分も抜け成人式に共通テストも終わり、みなさまも忙しくされていることと思います。

さて突然この年明けから、このブログに某アジアの国の方々から毎日まいにち夥しい数のコメントをいただくようになってしまいました(笑)。

このブログにコメント入れるのは結構面倒くさいはずなのですが、いちいち手入力しているのでしょうかねぇ?


管理画面にて禁止設定などを強化して対策を講じておりますが、それで余計にアクセスがふえていっているような状況です。これではアクセス解析もまったく役に立ちませんので、しばらくコメント自体を受け付けないようにすることにしました。

ブログサービス自体を変更しようかなとは以前から考えていましたので、いい機会かもしれませんね。

まぁコメントをくださるのは知人の方がほとんどで、そもそもコメントを入れるような方自体あまりいらっしゃらないブログですので、特段問題もないかと思います。

どうしてもなにか言ってやりたい!という方は電話でもメールでも直接どうぞ。
骨董にかんする動画発信のせいで知識の浅いアマチュア骨董ファンの方などから直接お電話いただくことがありますがウザいよ〜。


IMG20211130163942.jpg


まぁ暴言吐いているところにコメントを入れて同類と思われないように今後ともお気をつけください(笑)。
posted by inoueseiji at 15:07 | イノウエセイジの頭の中

2022年01月06日

電気炉の納期がのびます


すっかり仕事モードですイノウエです。

年末に2022年よりKCシリーズが値上がりしますとアナウンスしておりました。
まっとうな電気炉の素材は特殊で高価なものばかりですので、企業努力だけでは価格の維持は難しい部分があります。
どうかご理解いただき、ご検討の材料としてください…などとメールを送ったりしておりました。


実はさらに年末に、共栄電気炉製作所さんから電気炉の制御部分に使用するリレーにおいて、工場だけでなく、供給メーカーの在庫さえも底をついてしまったため納期が大幅に伸びると連絡をいただいておりました。

つまり本体が完成しても、肝心の制御部分が完成しないということですので、大型小型関係なく全ての電気炉の納期が延長するということになります。

これも販売する側には寝耳に水でしたが、誰の責任でもありません。まぁ極論をいえばコロナのせいですよ。

今の製造業はジャストインタイム生産システムがほとんどでしょうし、電気炉自体も受注生産が基本でした。別にリレーなんてどんな産業機器にも使用するものですから、特定の業種の問題ではありません。いま自動車メーカーさえ部品が来ないといっている世界情勢です。たった一つの機器が納められずに工事が完了しないということも頻発しているようです。

コンテナの流通もまだまだ安定しないようですし、2月には中国などが旧正月を迎えてさらに停滞するのかもしれません。
いまこのときは情報発信や電気炉の選定に時間をかける時期と割り切ってロクロなどを頑張ってみることにしましょう。
寒くて粘土に触りたくない方には釉薬についての書籍を読んだり、調合実験などをオススメしますよ。

さて、KCシリーズですが、ネットでは他所でも販売されています。
ふくおか陶芸窯仕様へのリスペクトをいただき、同じような制御装置変更モデルもあるようですよ(その質問だけウチにするのやめてほしいわ)

価格も納期も表記が変わっていないようですから、そこで発注してもいいかもしれませんね。

その際には発注画面の画像保存をお忘れなく。Windowsキー+プリントスクリーンキーです。
あとで価格と納期を変更すると言われても証拠が残ります(笑)。


まぁまぁそれは冗談としても、世の中まだまだ予断を許さない状況が続いているようですので、笑顔でやきものを楽しめるようにみなさまご自愛くださいませ。

本年も窯と焼成を軸に仕事と情報発信を継続して参ります。

どうかよろしくお願いいたします。






厳しい状況がつづいても共栄電気炉製作所さんのクオリティは守られています。
受注生産が基本なのはよりよい品質を守るためでもあります。
断熱材とヒーター線に妥協するようなことはありません。
それが電気炉でもっとも重要なパーツだからです。


コンテナ流通が不安定になったいま、あそこの土練機とか電気炉は大丈夫なのかしら?
posted by inoueseiji at 08:48 | TrackBack(0) | イノウエセイジの頭の中

2022年01月05日

2022年

IMG20220103092522.jpg



あけましておめでとうございます。
どうか本年もよろしくお願いいたします。

初ライド初詣は坂本八幡宮と大宰府政庁跡でした。

一月もいろいろと予定が埋まっておりますが、発信も意欲的に行って参りたいと考えております。




令和も4年目ですかぁ。

それにしても2022年って。
年代が子供の時のSFだよ(笑)。
posted by inoueseiji at 11:15 | TrackBack(0) | イノウエセイジの頭の中

2021年12月31日

みなさまどうか良いお年をお迎えください

IMG20211230101744 (2).jpg
(みかんじゃないぞ)


本年も大変お世話になりました。
いつもこのブログをご訪問くださるみなさま、ありがとうございます。

来年もコツコツと窯と焼成に関わる発信を続けて参ります。
どうか応援よろしくお願いいたします。

今年は結構忙しくさせていただきました。
四国にも何度も伺いましたし、やっと瀬戸や多治見にも行けました。
諸先輩や大切な方々にも直にお会いすることができました。

来年もこの業界が少しでもさらに良くなるように頑張っていきます。


みなさまもどうか良いお年をお迎えください。



IMG20211230101720 (2).jpg
(ギタリストのような鏡餅飾りですね(笑))


IMG20211230101700 (2).jpg
(アトリエにはアラジンのストーブ)



posted by inoueseiji at 09:21 | TrackBack(0) | イノウエセイジの頭の中

2021年12月24日

京都のお土産美味しかったです。



え〜ご意見や感想は受け付けません(笑)。

そうそう、京都のお土産とても美味しかったです。
ありがとうございました。

みなさまよい週末を。
posted by inoueseiji at 17:56 | TrackBack(0) | イノウエセイジの頭の中

2021年12月15日

KCシリーズ価格改定のお知らせ

K-240C.jpg


今回は残念なお知らせですが、以下ご確認ください。

★KCシリーズの価格改定のお知らせ


昨今の原材料価格などの高騰が続いている中、製造メーカーの共栄電気炉製作所さんも様々な価格維持に努めてくださいましたが、それもいよいよ限界となってきました。
炉内に使用する部材価格の大幅な値上げなどもあり、電気炉本体も従来の価格を維持できない状況となってしまいました。


誠に不本意ではございますが、来年より製品の価格改定を実施させていただきたくご案内申し上げます。



1.対象:上蓋式電気炉K-Cシリーズ

               前扉式小型電気炉YKシリーズ


2.値上げ幅:15%前後(一部除き)


3.実施日:2022年1月1日御注文分より


※ これにより240Cと2430Cの価格差が小さくなりました。また3540Cはそのサイズのため大幅に価格が上がります。4045Cは据え置きです。

まずはホームページ等ご確認ください。資料・見積は無料で発送いたします。




posted by inoueseiji at 17:55 | TrackBack(0) | イノウエセイジの頭の中

2021年12月14日

ガス窯の搬入の様子です





ようやく香川県での搬入の様子をアップいたしました。

やっぱり窯に関する動画ということで伸びが悪いですが、今後の記録として残せて良かったと思っております。

正直かなり難しい搬入工事で、撮影するゆとりはなかったのですが、固定した三脚のカメラとお客様自身に撮影をお願いしたりして、良い記念、記録になりました。

このガス窯は0.5㎥の台車付、重さは2.5トン以上あります。
煙突は建物の条件から中間が曲がりとなり、その取り出しも厳密な寸法が要求されていました。当然ながら製造前に現地にて寸法取りを行いましたし、工務店さんともやりとりがあって本体や煙突の製造に入りました。

動画ではカメラの広角が効いているのであまり感じませんが、実際にはかなりスペースも厳しく、狭さは危険につながりますので非常に神経を使いました。

お気づきの方もいたでしょうが、クレーンも場所をその都度変えながら、庇や電線に気をつけながら重量的にもギリギリの作業でした。突発的な訳のわからない「陶芸の窯の搬入?」なんて現場には、ベテランのオペレーターさんが来ることが多く、このときも手伝いまでしてくれようとする経験豊富なオペレーターさんに恵まれて、現場もピリピリすることなく動画の最後のシーンのようにいい雰囲気で仕事を終えることができました。ありがとうございました。

そうそう、また嫌なことを書いておきます(笑)。以前自分で窯を移動させたいから必要な道具を教えてほしいとか、あ〜だこ〜だコメントが来たことがありましたが、自分でできるのはせめて300kg以下ぐらいまでだと書いておきます(それでも器用な力持ち限定です)

陶芸窯など重量物の移動にはユニック車やラフテレーンクレーンなどの様々な車両、このときにしか使用しないような特殊な道具が必要で、それぞれに免許や資格、ある程度の期間の経験が必要です。作陶の経験はなんの役にも立ちません。プロに頼んだほうが安く安全に間違いなく施工できます。ガス窯の移動や設置工事は薪窯を自作するのとは次元が全く違います。そこだけはお間違いないよう。

こうして動画で観るとあっさりと終わったようにみえますが、実際には一日半かかっています。写っていない作業もかなりあります(マキタの18Vが大活躍)
次の日は福岡県まで戻る気力もなく、オガワさんを見送って砥部まで移動してバタンキューでした(笑)。


またこちらには配管工事終了後に焼成指導など何度も伺うことになるでしょう。



次の朝うどんは小玉にしようと思います。

posted by inoueseiji at 07:29 | TrackBack(0) | イノウエセイジの頭の中

2021年12月02日

四国大好き・香川県編

kagawa_p01 (2).jpg


お仕事のついでに四国移住も考えてますイノウエです。

先週は香川県にてガス窯の搬入を行ってきました。
その様子はまた許可を頂いておりますので動画にしてみたいと思います。


ということで今回は香川県での朝ごはんの話。


現場近くに宿泊し、朝食はぜひ朝うどんに行かれてください、と言われていました。

香川県に数多くあるうどん屋さんの何割かは朝の6時ぐらいからオープンしています。朝ごはんにうどん、製麺所やうどん店でツルっといくなんていいですね。

ということで。

朝起きてから調べてみると、以前お昼に赴いたら車が多すぎて入れなかった現場近くのうどん屋さんも6時オープンなのを確認。

搬入の手伝いにきてくれていたオガワさんと朝食へ。

さすがに朝6時過ぎたばかりですので、人気店でもお客さんはまばらです。

引き戸をガラッと開ければすぐに注文口。
元気なお兄さんの「どれにしましょう!」という問いにマゴマゴしてしまう他県民二人。

讃岐うどんの発注にまだまだ慣れず、注文口でオタオタしてしまいます。
温かいうどん、というところを見ると「小玉・中玉・大玉」とあり、ようはまずうどんの量を注文しないといけないようです。

振り向いたオガワさんが「中玉二つでいいかな?」と言って、「ですね。」とわたし。
お兄さんがうどんを巨大な釜で温めてくれる間、カウンター周りを見ると、全部具が違うおむすびと卵焼きのお皿がたくさん。

「オムたまセットげな!」

「セイさん、僕もそれとって」

「じゃあ俺昆布でいく」

注文カウンター周囲の罠にもきっちりとはまり。

カウンターをレジまで移動する間には美味しそうな揚げたてトッピングがズラリ。

「ゲソ天うまそう」

「あ、玉子の天ぷら」

「ちくわの磯辺揚げ!」

「鶏天!」

なんて好き放題にネタを取って、レジまで到着すると二人で1500円という金額に。

IMG20211128064536.jpg
(イノウエの朝ごはん)


五十路を過ぎても男とは哀しい生き物。


お前は



小か?


中か?

大か?




と聞かれれば小とは言えず。
かと言って大と叫ぶ若さもなく。

実は「中」はうどん二玉ということ。
そう、きっちりと二玉分の麺。

しかも腰のない博多うどんとは違い、麺一本づつ全部つないだら梶田さんが縄跳びできるぐらいバシッと腰の入った美しい讃岐うどん。全国展開している丸亀製麺のもっと気合の入ったようなヤツだと想像してください。

また香川県は海の幸にも当然恵まれています。
ゲソ天も捕まえた宇宙人から取ったのか?というぐらい太くて弾力がありました。

本当に美味しかったです。
次もまた朝うどん行きたいですが、このときは朝食後1時間ぐらい何もできませんでした(笑)。

あとでお客様にも「二人で1500円ですか〜!」と笑われる始末。



そこは小のかけうどんなら170円のお店。
確かに朝からそんなにたくさん頼む人はいないでしょう。


香川県は降水量が少なく晴れの日が多いとも聞きました。
やきもの屋だけではなく、バイカーやチャリダーにもお勧めです。





一緒に移住しません?









posted by inoueseiji at 06:03 | TrackBack(0) | イノウエセイジの頭の中

2021年11月26日

ドキがムネムネ




先日100Vの電気炉から始まった福岡県のお客様のところへ10kwの電気炉を納めてきました。
段差がかなりあるのですが、動画であるように足場を作って搬入します。

(念の為に記載しておきますが、この電気炉のサイズだからこの足場です。1トンを超えるガス窯であればブロックは使用しません。)


工房の名前の由来をお聞きしましたが、いろいろな楽しい「オノマトペ」がこの場で生まれるようにとのことでした。

いいネーミングだと思います!




★オノマトペファクトリー

これから宗像市にて本格始動です! みなさん応援よろしくお願いいたしますね。


posted by inoueseiji at 06:58 | TrackBack(0) | イノウエセイジの頭の中

2021年11月19日

気持ちは痛いほどわかるけれども


先日質問のメールをいただいた件で、いろいろと考えておりました。

場所や個人・団体などは伏せますが、みなさんのご考察の一つになればと思います。

ガス窯において、焼成初期段階において一酸化炭素警報器が発報したという事例です。


【設置状況と設備】

  • 公共の施設である
  • メーカーの型番から推察すると0.3㎥前後のガス窯
  • 施設としては数基目で設置後10年程度
  • 窯小屋は施設本館とは独立したブロック組の広さ20uほどの建物
  • 最近一酸化炭素警報器を設置
  • 焼成時には換気扇を使用し扉なども開放
  • 高齢者を中心とした複数のグループのべ数十人がグループごとに窯焚きを行う
  • 知識のある焼成の指導者はいない



【警報発報】

  • 還元焼成に移行する前段階の低い温度で警報器が作動
  • 施設の管理側やガス供給会社なども駆けつける事態になった
  • ガス供給会社の担当が焼成中のガス窯付近で一酸化炭素を確認した
  • 施設側は今後還元焼成は一切禁止と判断
  • 電気炉へ交換する計画がある

IMG20210806203547.jpg

還元焼成が出来ないのは残念だということで、ネットの発信から存在を知っていたわたしに質問者の方がメールを送ってこられました。施設側の判断はなにを根拠としているのか、メンテナンスは可能かというのが主なメールの内容です。

また複数いる使用者の中には、警報器の電源を落として使用すればバレない、そもそもこの警報器がおかしいのでは、という発言もあったそうです。また質問者の方もこれは本当に異常な事態なのか、セカンドオピニオンがほしいということでした。

メールの返信ですが、わたし個人としては遠すぎてメンテナンスすることは不可能とお伝えし、何度かのメールのやり取りの後、意見をまとめたメモを送付しました。

もしかしたら使用者として質問者の方にも、ガス供給会社の人間はどこまでわかっているのかという気持ちもあったのかもしれませんが、陶芸愛好家の100倍ガスとその事故事例に詳しいのは間違いないのです。

わたしはメールのやり取りの中で、どこか警報器を発報させてしまった事態を軽視しているその集団のノリが非常に恐ろしいと思いました。と同時に、その気持も痛いほどわかるとも思いました。その集団に自分がいれば同じ言動をとっているかもしれません。

とはいえ、まず通常の還元焼成で警報が鳴ることはありません。
鳴らすぐらいモーレツ強還元の作家さんもいるそうですが、それはあくまでも例外中の例外です。

まず警報器が鳴るということは有りえないということを強くお伝えしておきたいと思います。他の警報器でも集団なら無視しますか?

そして助成金や税金によって運営されている場所において、管理側の決定に背くこともありえません。

もちろん、こうした今回の事故未遂のような事案は、全ての学習館や生涯学習センターなど、公設や半官半民の施設で行われている作陶活動に内包されている大きな問題だと考えられます。


わたしも地元の生涯学習センターに講師として、十数年の長きにわたって関わってきました。その中で陶芸窯、野焼き、危険な溶剤などを受講生とともに取り扱ってきましたし、さまざまなトラブルにも遭遇したからです。

きっとその公共施設の運営体制も、自治体の正規職員は全職員の半数以下もしくは数名で、あとは委託された管理会社の社員、どちらかといえば不安定な雇用形態の方が働かれている例が多いと想像します。のんきに見えますが実際は大変な職場ではないでしょうか。

さて、前述のようにわたしの講座でもいろいろとトラブルは過去に起きましたが、利用者側にそういうトラブルの元になってしまう考え方があると思います。それはこの施設だけではなく、公共施設でのサークル活動や生涯学習講座全般が抱えている問題の根幹になっている考え方かもしれません。的外れかもしれませんが、たくさんの高齢者の受講生と関わってきたわたし自身の経験をもとに書いておきます。

利用者によくみられる傾向として、公共の施設を安価や無料で使わせてもらっているという感覚の欠如、陶芸以外にもさまざまな講座やイベントなど煩雑な業務がその施設や事務局の人間にあることへの無理解、そして一番は自分にはその施設を利用する権利はあるが守るべき義務はないという甘えです。

わたしの講座でもツクや棚板の状態は放っておくとあっという間に悪化します。自分でお金を払っていない設備や道具を、人は本当に適当に取り扱います。過去には講座内容とはまったく無関係の自分の作品を焼成していた人もいました。ある程度なら眼をつぶることもありますし、テストピースなら大歓迎ですが、基礎をおろそかにして家で作ってきたロクロの大物を焼成する義理はないのです。


もちろんこの公共施設の管理側にも責任があります。

一酸化炭素用の警報器を設置したのは良かったですが、おそらくはそのガス窯の設置業者もしくはメーカー、施設の管理側も、ガス窯使用時のマニュアルやチェックシートは作成していなかったと思われます。

とりあえずは安全マニュアルで十分でしょう。点火や消火の手順、ダンパーとドラフト、換気扇の確認、そうした手順を毎回守らせることは非常に重要なことです。

わたしも小さな会社や職人の世界にいたことが多かったですから、いちいち書類とか面倒くさ〜い、と結構最近まで思っていましたが、その記録が事故を防ぎ、人を守ることになります。
そうした安全対策も考えていきたいと思います。

とはいえ、管理側の方々は仕事をはじめた時にはすでに陶芸の教室なりサークルなりが存在して、その管理方法もわからないまま日々の仕事に追われてきたのに、事故が起これば管理責任を問われかねない。かなり際どい事態が発生して電気炉へ移行しようとすれば利用者からは「還元焼成が出来なくなる!これまでずっとやってきたのに」と反対意見が出る。それではあんまりでしょう。


利用者の気持ちはすごくわかります。
みんなでワイワイ還元焼成したいですよね!



しかしです。何の指導もなしで不特定多数の、それも高齢者中心の複数のサークルがガス窯を運用するのは無理があるのかもしれません。プロだって30年デタラメな焼成をしてきた人がいたりするのですから。

せめて講習会をひらく、安全管理を行う、今後はそれが必須だと思われます。

わたしが確認しているだけですが、この数年の一酸化炭素中毒の事故は民間の陶芸教室と公共施設ばかりで起きているようです。


わたしはガス窯メーカーで鍛えられましたから、ガス窯が電気炉になると聞くとその寂しさみたいな気持ちは理解できます。しかし電気炉にしか出来ないこともあり、燃料で窯の優劣が決まるわけでもありません。

逆に還元焼成できないという条件でどれだけの作品を作れるのかを競いあっていこうじゃありませんか。


それに。






















 誰かが亡くなってからでは遅いと思いませんか。


posted by inoueseiji at 16:09 | TrackBack(0) | イノウエセイジの頭の中

2021年11月18日

日の名残り

IMG20211117082822.jpg


自分が窯造りを仕事として選んだ理由はある一人の在野の研究家に会ったからですが、大きなもう一つの理由は単純にガス窯の設置費用を貯金するぐらいなら造れるようになる方が早かろう、と考えたからでした。まぁ馬鹿ですからね。

わたしはいくつかの遠回りをして瀬戸の訓練校に入校したので、悠長に貯金をすることは考えられず、そもそも手仕事の修行中に貯金をするような賃金をもらうこともないことを知っていたのもあります。

他の仕事や変なトコロに遠回りをして良かったこととして、やきものには窯が必要だというシンプルな事実にすぐに気がついていましたし、それに気が付きながらもふんわり無視するということもありませんでした。

そんなわけで雑誌「陶磁郎」に載った芳村俊一さんの記事にも敏感に反応しました。関東方面から来た同期に伊豆なんてすぐだ、と距離感のわからない九州人のわたしに変わって一泊での伊豆行きの段取りをしてもらい、入校したその4月の終わりに同期数人と初めて芳村俊一さんにお会いすることになったのです。

わずか数時間のことでしたがその印象は強烈で「やきものをやるなら、まず窯をつくれ!」と直接言われたことは忘れられません。そしてわたしは在校中に結構あっさりと大沢ガス炉商会に就職することを決めました。また学校外でも薪窯の手伝いをする機会を得るように動き、また在学中には同期の有志十名ほどで穴窯を借りて自分たちの手で焚くこともできました。

これまでの動画やブログなどでもこの話はしていますが、わたしの発信なんて大した影響力もありません。もちろんそれでも動画で紹介されていた本を買いました、読みましたと言われることも何度かありましたが、最近若いお客さんから芳村俊一さんの名前を聞くことが何度か続き、それもまったく別ルートで知ったという方ばかりだったのには嬉しい驚きでした。そしてもう亡くなってしまったとはいえ、人生を変えて頂いたものの一人として、氏の発信がじんわりと広がっていることを嬉しく思います。

またそんなお客さんたちが羨ましくもあります。

二十代前半で芳村俊一さんの本を知り、100Vの電気炉を手に入れ、わたしや梶田絵具店さんのサポートを受けられるなんていいなぁ。別に二十代前半に限らず、三十代でも四十代でも何歳でもいいですが、そうした発信に支えられているという羨ましさを感じずにはいられないと言えば、どっかの穴の小さいヤツと言われるでしょうか(笑)。

あの資料館がもう見れないというのは大変残念ですが、バトンはずっと次へ次へと渡されているようですし、わたしもその中に参加していると自覚しています。

自分で掘った土を釉薬や胎土として小さな電気炉で焼成する。
窯も自分でというのは理想ですが、そんな本来のやきものの仕事をマンションの18階で行っているなんて考えると、いつかあの世で芳村さんにお会いすることが出来たら、ちょっとは報告するネタを作れたのかなぁと現時点でも思います。

まだまだ発信しなければならないことがありますが、焦らずにコツコツやるだけでしょう。実は工事や出張があり、合間に自宅での仕事や家事をさせていただいておりますので、動画はもう少し後かもしれません。

写真はウチにあるシブがき隊じゃなくて渋柿を窯場に干した様子です。ウチではこれを行うとああもうすぐ冬になるなぁと思ってしまいます。

皆様もご自愛くださいませ。







posted by inoueseiji at 10:28 | TrackBack(0) | イノウエセイジの頭の中