毎週木曜日の生涯学習センターの講座、本年度も最後の講座発表会を終えました。
昨年は中止でしたので、今年もあまり人が来なかったように感じました。
また、せっかく発表の場を得ているのに、受講生自身も会場に来ない方が多く、すこし残念に思います。
わたしは普段口だけで偉そうにしているので毎年この発表会では会場になるべくいるようにしています。
多くの鑑賞者がいるわけではありませんが、それでもその反応や会話からヒントを得ることがあります。

以前の受講生だった方が見に来てくれることもあります。老人会なんかでまだ続けている人が多いようですが、気になるのは、釉薬や粘土の製品名を知りたいと質問されることです。
そこではないのです。まだそのレベルにいるのかとガックリすることもあります。
自分で釉薬を作ったらと勧めても、それは尻込みする。まずは粉を2、3種類混ぜるだけなのに。

わたしは陶芸窯を取り扱っていますが、いきなり窯を買えとはいいません。陶芸教室や生涯学習センターなどであっても焼成を意識して作陶はできるはずです。そのための考え方やカリキュラムを考えることが重要だと考えています。
そのうえで窯を持つことを決心されれば、サポートは責任を持って行います。
よく指導で口にすることですが、釉薬は絵の具ではありません。相手の粘土との相性、施釉された厚み、焼成条件で製品となったときの雰囲気はかなり変わります。
人の作品ではそれを見るべきであって、この釉薬どこで買ったの?はあまりにも幼い質問です。
またコチラは当然知っているだろうと、製品名や赤土◯号とか言いながら質問の電話をいただいたりしますが、知るわけありません。粘土屋さんや釉薬屋さんが勝手に製品名をつけているだけですし、どこで購入したかというとネットショップだったり、製造元が不明だったりする。
これもちょっと違うというか。
特定の素材が大きな影響を与えることもありますが、それはどちらかというと例外的です。
そもそも自分で調合していない人にそれを説明しても意味はないですから。
何かを買えば道が開けると考えるのは非常に危険です(笑)。
電動ロクロでも何度やってもうまくいかないが、この土が電動ロクロ向きではないのではないでしょうか?などと言われたこともありますが、自分で掘った土じゃないなら、それは粘土ではなくアナタのほうが電動ロクロに向いていないということです。
というわけで。
これまで生涯学習センターで15年ほど週イチの一年講座を行ってきましたが、辞めます。
来年度は月二回の半年講座を年に二回に変更し、短く要素を絞って陶芸教室の限界を突破しようと考えます。
これは生涯学習センター側と話し合ってきたことで、コロナがなければ二年前に変革していたはずのことです。これにより、新たな利用者の増加を期待します。ダラダラと同じ人が生涯学習センターで陶芸を続けるのは、コチラは楽ですが本来の目的からは外れていることです。
そして長くつづけると必ずモンスター化する人が出てきます。
そういう人や気持ちが育つ要因を排除する、というのもわたしの目的でもあります。焼成を通じて理解していない人ほどモンスター化する傾向があるように感じています。
少なく短いカリキュラムで要素をあぶり出し、嫌でも陶磁器製造の要素を把握してもらいたいと切に願っております。
ダラダラと続けるものではありません。基礎と入り口を教えてもらえば、自分やグループで続けていくことをサポートするのが生涯学習センターというもの、生涯学習というものです。あくまで理想ですが、目指さないのなら意味はありませんから、わたしはいつもそれを目指しています。
16年目を迎えるというのに、忸怩たる思いです。
陶芸教育というものを自分の場所でさえあまり変えることが出来なかったようです。
またPDCAで頑張ります。