2021年04月15日

自転車とカメラと目玉焼き



ロクロの正統?な技法を訓練校で叩き込まれたイノウエです。

技術系の世界、いわゆる職人の世界の入り口で、人とスピードと技術を競い合い、磨きあっていた時期があります。

どうにかこうにかトップ集団に食いつき、ロクロ場でふと気がつけば菊練りした土を担いだ◯ライさんが、殺しを決意した眼でわたしのロクロをギラギラと観ていたことも懐かしい思い出です。視線が合うとスッと自分のロクロへ。

半人前同士のプライドと技術がぶつかり合うところで磨かれたわれわれのロクロ技術、そうそう自称プロ職人さんに追いつかれることはないでしょう(職人はプロしかありえないからこの言葉にいつも失笑(笑))

みんな今はプロの作家として活躍しているようです。

とはいえ、このころは窯焚きの経験もなく、ただ単にロクロだけでした。
そして量とスピードに意味を見出していた危ういお年頃でもあったのです。

わたしのフリーカップのこの作り方は瀬戸の友人であり大先輩でもある小川さんに直接教わった方法です。もちろん、昔からある作り方ですが、わたしが知ったのは彼の指導のおかげでした。

そのころに作ったものもどこかに残っていますが、いや、ヒドイものですよ(笑)。

このフリーカップは窯詰めに向けての最終段階で量産することが多いですね。
切りっぱなしですし、わたしは織部なので歪みはアリという姑息なスタイルですから、ガンガン作って窯詰めです。削らなくていいというのはラクですよ。削っていくスタイルにしてもいいし、動画内でお話しているように二つくっつけてもいいのです。

これまでこのフリーカップで稼いだ金額は今の自転車とカメラの代金以上なのは間違いありません(やったぜベイビー)

また自分が使用しない器は本当にどうしようもないですが、酒飲みが作るフリーカップは酒飲みが反応して評価も高いようです。フリーカップで始まったご縁もいくつもあります。


この一個挽き、底の厚みはロクロの天板を基準に眼と手ではかります。最初は穴が開くぐらい攻め込んでほしいものです。そして意外と重要なのは円筒の土の下二割ほどの土の厚みです。これをコテを用いて均一に伸ばせれば驚くほど背が高くなります。

初挑戦の人は、潔く半分に切って厚みを確認してみてください。そうして感覚を修正していけば通常の方法でのロクロも徐々に上達していくと思います。


まぁ何でも薄く軽く作れというわけではありません。それぞれのスタイルがありますからね。

ただし、

薄く軽く作れない人が、分厚くてもカッコいいものは出来ない

ので要注意です。

味がある、とか雰囲気とか、世界に一つだけ、とかに逃げないようにしましょう。
必ずこの重量でYouTubeのオッサンは12センチだったなぁと確認してください。

わたし自身は、意外と分厚くでゴツいのに使いやすい、なんて作品を焼ける人を尊敬しますが、それは本当に難しいことだと思いますね。

上手くなる方法はいくつもあるでしょう。
ただし、プロの作品は買わない、数値化して現実を直視しない、そんなロクロマスターベーションなら、最低でも20年ぐらいの遠回りを覚悟しておいてください。


プロは納得してくれるでしょうが、このフリーカップづくりを目玉焼き調理に置き換えれば、ロクロ工程は卵を割るところです。


卵割り名人?

まぁいるでしょうね。
フライパンは持ってなさそうですが(笑)。














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2021年04月13日

ネットでの購入熱が冷めつつあるのかも


ご無沙汰しておりますイノウエです。

ピアノの発表会もなんとかやりこなし、メームスは無事に高校生になり、家が少し落ち着いてきたと思ったらもう中旬です。

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動画撮影するのも久しぶりでしたが、モチベーションは続いているようでコツコツと撮り続けています。

さてわたしはこれまで様々なものをネットで購入してきました。
20年ほど前に計算尺を2000円で購入したのを皮切りに、パソコン本体に子供の自転車、ビデオカメラから専門書に至るまで、実に様々なものをクリックしてきました。

そんな中、意外と近所の家電量販店でも買い物をしています。

いやらしい話ですが、ネットで購入を検討しているものの実物を確認しにいって、そこでそのまま購入に至ったものが案外とあるのです。カメラやビデオなんかはそうでした。

当然どこの家電量販店でもネットの販売価格は確認しているわけですから、ある程度価格を合わせていこうという努力はしているようですし、価格ではかなわないが、カメラケースや小さな三脚、アクションカメラならホルダーなどをサービスとしてつけてくれたりします。


まともに購入すれば一万円近くかかる備品をサービスとしてつけてくれるのならば、ネットより10%程度高くてもお得です。

単純に値段にこだわり、しつこく交渉するのは損でしかありません。
販売価格を下げるのはある程度の裁量権が必要でしょうが、おまけをつける裁量権はそれよりもゆるいでしょう。

さて、仕事クルマの買い替えは結局次の車検までに伸ばしましたが、見積をもらってこの金額でお願いすると思うけどと、伝えたときには値引き交渉しないことに少し驚かれて、ディーラーの営業マンとお互いに商売のことを少し話しました。やはりその若い営業マンでもスッと決めてくださったお客様には自らサービスをしよう、もっと喜んでもらおうと自然と思ってしまうそうです(結局買わなかったので整備費落としてきましたゴメン)

かなり前に建築関係の知人に聞いた話ですが、かるくボッタクリ気味で儲かった現場のお客様は泣いて喜んでくれるのに、値段や仕様についてグダグダをやりあった人に限ってほとんど儲けもないし、住み始めてからのクレームも多くてロクなことがない、とこぼしていたことを思い出します。


今こんな仕事をしていて、実感としてそれを感じます。

「ネットのなんとか.comで売っているのとアナタのとどっちがお得なんだ?」というメールをいただくこともありますが(笑)、買い物だけならどこでも可能でしょう。

ネットショップがふくおか陶芸窯仕様をパクってくれているのも微笑ましく思っております。多くの人が本当のやきもののスタートをきること、KCシリーズや各窯が普及してくことが重要なことですから、それについてはなんとも思ってはいません。コイツからだけは絶対に買わないという人だっているはずですからね。

何を得と思うのかは人それぞれです。少なくとも誰かが窯を購入しようという気持ちになってくれたということを業界としては喜ぶのみです。これが重要なのです。

ぶっちゃければどんな窯でもいいんですよ。
だってロクロだけじゃなくて窯に意識が向いたのですから。
ただワタシは、その買い物で痛い目に会わないほうがいいのでは?と発信しているだけです。


窯は家にちょっと似ているかもしれません。
(本来作家にとっては家よりも重要なのだとか)

価格だけで◯◯ホームとかでマイホームを購入するとロクなことがないように、窯についての知識があまりないのならばアフターケアやサポートを考えておくべきです。どこの誰だか分かっているというのも大事なことですね。

ワタシはこのアトリエを建ててくれた人の名前を知っています。

それはとても大切なことだと考えています。









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2021年03月31日

三月にいつも思うこと


本日で三月も終わり、今年度も終わりですね。

この数日は黄砂が凄いことになっています。せっかく桜が咲いているのに、数百メートル先が霞んでいるような福岡です。

さてさて、何年目かの電子申告をしましたが、終わってみればう〜んという感じです(笑)。
ギリ水平飛行という感じでしょうか。


さて、わたしのようなものがモノを申すのもと思い控えましたが、今年は東日本大震災から10年目の年ですね。
あの時わたしは瀬戸にいて、ガス窯を積み込んでいました。

そのあと梶田絵具店でお父さんと話しているときに、ぶら下げてあるテストピースがやたらと揺れているなぁと思ったのをよく覚えています。そしてお店の時計を見て、もう3時前だ長居してるなぁと思ったことも。

次の日に高速に乗って福岡へ戻るまでの間、対向車線はほとんど自衛隊車両でした。
あの異常さは忘れられません。

そして相馬焼の里のことを思い出していました。
瀬戸の大沢ガス炉商会で勤務した約6年間、ほぼ毎年相馬焼に赴いていました。

先日NHKのBSの番組で窯元の10年を追跡した番組がありましたが、知っている方の顔や風景、自分が仕事をした場所、登窯などがたくさん映りました。帰還困難区域に指定されても別の場所で再スタートした窯元がたくさんあり、これからも新たな伝統として継承していかれる方々を知り、福岡からエールを送りたいと思います。


やきものとは地域に根ざした産業であるべきでしょう。
ではその地を追われ、原料の採取もかなわなくなった時、それでも残る伝統とはなんでしょうか。

勝手にやきものの世界に入り込んだわたしには、受け継ぐ伝統があるわけではないと思いかけたところで、いやいや、けっこう受け継いでいるのかぁとも思いました。

変な例えですが、われわれ一般の人間が受け継いでいるのは食文化のようなもの、窯元が受け継いでいるのは店舗そのもののようなものなのかもしれません。この例えに反感を持つかたもいるかもしれませんが、そう考えることでわたしはたくましい窯元の未来を想像できるのです。

原料も店の場所も変わったけれど、あの味を超えるメニューを提供します!っていうのはカッコいいと思いませんか。


(偉そうにラーメンば語っとったくせに、フランチャイズ展開やらしてから、カップ麺まで出しようごたぁ、有名ラーメン屋とは大違いばい)


土地が変わろうとも、窯が変わろうとも、燃料や原料が変わろうとも、われわれは土を窯で焼くという揺るぎない工程とそれを支える技術と知識があるのです。

自分にできること、できそうなことをコツコツとやっていくしかないですね。

どうか明日からの来年度もよろしくお願いします。


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2021年03月30日

窯の焚き方に秘密はない


(やっぱり全然伸びません〜)


おはようございますイノウエです。

わたしが何が許せないって窯で適当なことをする奴が一番許せません(もう怒ってる)

隙間があいている雨仕舞工事で工事費を請求するエ◯業者とか、窯ひとつ焚けないくせに陶芸教室の講師とマージンを分け合うようなク◯業者とか、自分も裏では結構使っているくせに小型炉をディスってる自称プ◯職人とか。頑張っている若人に窯のサイズでマウンティングする三流作家崩れとか、薪じゃないとダメだとかいう薪割りしない◯代目とか、一人ぼっちでは何もやったことがないご立派な准◯授とか。

このような方々には、おととい来やがれどころか、ぜひ余生はどこかの時空の歪みでひっそりと過ごしていただきたいと切にお願い申し上げます。

窯と焼成を伝えずにきたことがどれほど陶芸教育や窯業界の足を引っ張ってきたことでしょう。わたしの講座にいた方でも、窯と焼成にかんしては知りたくないような、あえて向き合わないようにしているような人もいました。ただ下手なロクロを回したいだけ。

でも、この世の中で窯が一人で焚けることぐらい凄いことはないのです。

自分ひとりで窯焚きができるようになれば、いざとなったら造れるぐらいになれば、もうこの世界で怖いものはありません。

この地球(ホシと読んでくれ)を自分で好きなように調理できる感覚を持った人は、変な都市伝説にもヒアルロン酸配合とかの怪しげな化粧品にも騙されることはなくなります(笑)。それどころか窯業を通じてこの世界を作った人類の健気さと文明の積み重ねに畏怖と尊敬と誇りも持てるようになります。

自分で焼成を噛み砕いて理解した人は、この世界がまったく違うものに見えるようになるものなのです。その人の使用する窯がどんなに小さかろうと構いません。そういう問題ではないこともわかるでしょう。

身をもって焼成を経験していくことで、知っていることを知っていると言える揺るぎない自信と、知らないことを知らないと言える正直さを身につけることができるのです。



わたしは窯に関する質問にはいくらでもお答えします。

その代わりにそれは次の方のために公開する形での返答となります。

以下、ご質問していただく際にお伝えしてほしいことです。

・窯のメーカーと容積、台車の有無など
・焼成時の設定温度と焼成時間
・還元焼成と酸化焼成のどちらか
・もとめる焼き上がりや釉薬の種類
・質問者のこれまでの焼成経験回数
・用語の統一もしくは補足説明
・これまでの窯焚きについての動画を確認しているか否か


理想的にはこれまでの動画を確認していただき、あの動画のアレはどういうことですか、とかコレを観てこうしたけれども上手くいかない、こうするためにダンパーとドラフトをこの考えで操作しているがどうか、などと具体的に言っていただければたすかります。


窯の焚き方なんて秘密でもなんでもありません。


すくなくとも普通の酸化・還元焼成はしっかりと伝える必要があります。
電動ロクロで死亡事故がおきたことはないと思いますが、窯と焼成では様々な事故が起きてきました。ですからわたしは自分が知っている程度のことであればなんでもオープンです。








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2021年03月28日

そうそう裏ワザはないのよね



本当に小忙しく過ごしていて、しかも家族のことなどで時間も取られてすっかり動画を作れておりませんでした。決算時期で梶田絵具店さんの動画も止まっていることだし、久しぶりにアップしました。

こうした発信ネタのほとんどは、100V電気炉のお客様とのやり取りから生まれたものですが、実は別に裏ワザでもなくきちんとした釉薬の本には記載があるごくごく普通の知識です。冷却時に釉調は決まります。だから瀬戸黒みたいに窯から引き出して水にぶち込んだり、染め付けの仕事をするひとが窯焚きの直後にいきなり扉を開けて急冷したりすることがあるのです。

モノが冷めていくスピードを意識する。
これは例えばガス窯などでの炉壁の厚みをどうするかという話にも繋がります。

耐火断熱レンガ180ミリの炉壁が標準のメーカーさんに、作家や運用側が「こういうのを狙うから150ミリにしてくれ」とか「230ミリで扉はこんな感じにしてくれ」「耐火レンガで組んでくれ」などと指示をすることもあるし、本来はそうあるべきなのです。

自分の作品や、その産地の仕事として、徐冷気味がいいのか急冷気味がいいのか、それぞれでどう釉調が変化するのかを理解しておくのはとても重要でしょう。

産地に赴いても、こういうのを作っているからこのメーカーの窯が多いのか、なんて思うこともあったりしたものです。同様に窯跡と陶片から稼働していた窯の姿を想像することもあるとも聞いたことがあります。

小型炉では重量などの関係から耐火断熱レンガを使用しません。その代わりに高品質の特殊な形状の専用に製造してもらっている断熱材を使用します。炉内は丸いので適当にボードを切った貼ったで作れないわけですね(他所は知らんヨ)


断熱材は実はあまり蓄熱しません。

耐火断熱レンガと耐火レンガでも大きな違いがありますが、より断熱効果を求めると全然蓄熱しないのです。つまり断熱と蓄熱は相反するものともいえるかもしれません。

むかし建材の試験炉を福岡の企業の依頼で製造したことがありますが、その時の防火壁の試験炉に使用した断熱材のみで造った試験炉は、バーナーで30分もかからずに900℃に達し、バーナーの火を止めると、あっというまに50℃程度まで下がってしまいました。つまりまったく蓄熱しない、ということですね(こういう建材の壁が商業施設に使用されていますので火事では慌てずに逃げましょう)。

話が長くなりましたが、今回の動画は100V電気炉のお客様への一つのヒントとして、また窯だけではなく釉薬、釉調への意識を持っていただきたいと思って発信しました。再焼成や冷却スピードについては複数の書籍に記載があります。

やきもの作りのレベルが上がれば、作り方や最高温度だけではなく、こうした部分にも目を向けられるといいですね。


アルミ鍋と鋳物鍋みたいな話でした(笑)。

なにかのヒントとして楽しんでいただければと思っております。



posted by inoueseiji at 07:22 | TrackBack(0) | イノウエセイジの頭の中

2021年03月20日

コロナですったもんだしたけれど講座発表会開催


おはようございます、イノウエです。

今年度はコロナにより7月スタートで、年末年始も非常事態宣言で欠席も多く、まったく思うような講座はできませんでした。

また毎年のように思い知らされる生涯学習センターの諸問題、講師の指導は無視・スルーする受講生をどうするのか、理念にこだわり厳密にルール化すれば各講座とも受講生の大半は消えてしまうという切実な問題などなど。

15年も関わっているからついつい見えてくるスタッフ側の苦労。
チョコレートでも差し入れしたくなるってもんです。

とはいえ、いつの間にか三月の年度末、昨年は中止された講座発表会を今年度は開催されます。
小さな講座、一地方都市の生涯学習センター数十の講座の共同発表という小規模なものですが、毎年うれしく思っています。

ある意味、ここでの15年間に起こったことしか陶芸教育の現場は知らないともいえるのですが、それをYou Tubeで発信して全国の人が反応したり笑ってくれたりしたのですから、どこも似たようなものだろうと思います。

最近は講師のやる気が停滞しているからか(笑)、受講生のレベルも頭打ち気味かも。

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「大野城まどかぴあ」でやってマス。



posted by inoueseiji at 08:12 | TrackBack(0) | イノウエセイジの頭の中

2021年03月19日

焼成中のガス炉本体の表面温度



【焼成中のガス炉本体の表面温度】

先日お問い合わせがあったので、過去データを引っ張り出して確認しました。
ガス炉をご使用の方の参考になれば幸いです。

測定は赤外線温度計によるものです。

◆本焼き還元焼成時 1160℃の時のデータ

大沢ガス炉商会製 0.2㎥ 壁厚180ミリ 台車なし

扉表面 53℃
本体横中央部 70℃
横バーナー式のバーナー付近 92℃
煙道後部 57℃

エントツ部(窯本体から約1m上で)93℃

※ エントツは自社製造 Φ170 厚み1.6ミリ+アルミニウムメッキ
※ 1mでこの温度ですからさらに先の温度は下がるはずです


エントツが赤くなっている、壁や屋根のエントツ取り出し口が変色している、焦げている、は明らかな焼成方法の誤りです。 特に酸化焼成においてエントツに熱を逃しすぎていると異常な高温になる恐れがあります。
また、それだけ熱が逃げていればガス代もロスしていることになります。

適正な焼成方法は各メーカーが指導しているはずです。

またわたしの拙いガス窯の発信でもご理解いただけると思います。

安全第一で焼成していきましょう。

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2021年03月09日

道具を自作する必要性についての考察


いつかこの話を書いたほうがいいのかなぁと思っていましたが、とうとう知人同士のネタが交錯したのを見て書いておこうと思います。

(また呑むばい!)

今日の記事はあくまで一つの考察と捉えていただければと考えています。

イノウエは所詮この程度までしか考えていないのか、と読んで笑っていただき、アナタの深い考察と作陶の参考にしていただきたいと思います。そしてそれがワタシの発信の基本ポリシーです。


「道具は自作するものだ」などと言われたことがある方も多いと思いますし、自作した経験がある方も多いでしょう。訓練校ではヘラやコテ、トンボなど自作させられます。カンナも帯鉄から作らされます。


これはプロになること前提の訓練カリキュラムですから、器形に合わせて自作するためでしょう。また他の教育の現場においても先に道具作りがあることもよく見られます。


わたしの週イチの講師業も14年目?ぐらいになりますが、アマチュアの男性は本当に細々した道具が好きす。よく作っているし、買っています。

講座中はウロウロしてくっちゃべって全然作陶しないのに、デカイ道具箱に道具を満載して講座に来る方が多かったものです。いまでも受講生もそういうタイプが多いように感じますし、講師も道具好き男子ではあります。


まぁ道具を最小限にするべき敵地潜入においても空挺部隊は一人60キロぐらい持ってパラシュート降下するので、日の本のオノコの道具好きはイタシカタナシなのやもしれませぬ。


しかしこの動画のような発信に孕む問題はというと、受け取り手のレベルを選べないということになるのではないでしょうか。削りへの意識や自作の意味を取り違える可能性は非常に高いと思います。

また本人が本家本元の動画を観ていないのがよくわかります。
「よくわからないけど」と本人も言っていますから。


だから尚の事この発信の目的がボケまくっている気がこのオジサンにはするのです。

もちろん視聴者さんからのコメントに応えてのことですし、本人も新しいチャレンジが出来て楽しんでいるようですので全然アリです。彼が相変わらずのナイスガイなのはかわりません(ハイボール!)

ただ本来の道具がそれじゃないといけないのよ、という意義は完全に薄まってしまい、元が何味だったのかもわからなくなっている気がするのはワタシだけでしょうか。

キツい言い方を学籍番号90AAの先輩がするとすれば、安いクロスバイクに一点だけレースパーツを付けているような、丸善に檸檬じゃなくてブックオフにオレンジを置いてくるような、規定外のリングでダンクシュートしたと言っているような、なんとも言えない中途半端な愛好家を量産しそうな危うさ感じています。

先に道具ありきか、ゴールを設定しているのか。


強えぇからと44マグナムを購入しても護身用にならないし、枕の下に置いたら寝れたもんじゃないということダス。

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「うっかりSK6aだかSK7だか忘れちまってなぁ」


むかしゴローさん(雑誌じゃないヨ)が、陶磁郎のDVDかなにかで、ハマグリの貝殻をロクロのコテに用いているのを紹介されたことがありました。なるほどねとわたしは思っていましたが(このなるほどを説明するとこの記事の倍になる)、翌週のわたしの講座でもうハマグリを持ってきている人がいたのには、苦笑を通り越して発信の恐ろしさをマジマジと思い知らされました。


丁稚奉公からスタートして初めてロクロに触って、職人として周囲と張り合い、やがては頂点を極め、なんやかんや、すったもんだあってハマグリに行き着いたゴリゴリの作家と、DVDで観ただけの受講生ではハマグリの意味が違いすぎるということです(蛤御門の変1864年)


土練機など使わないあの土で、電動ではないあのロクロで、手作りの竹のカンナで、あの窯で焼成する、ということがシッカリとつながっていないと本来は意味がないと思うのです。


五十路のオヤジは相変わらずの嫌味な物言いですが、やるな、自作するな、という意味ではないですよ。やると面白いのは間違いないでしょうし。

別に格好から入っていいと思いますし、そうあるべきでもあります。


言っておきますが、わたしだって同じようなことをしてきました。


牛ヘラ買ってみたのもそうだし、未だに手付かずの絵具があったり原料が積読状態になっていたりします。それでも自分が行う発信の基準は基本的なこと、視聴者がなるべく上達するようにと願っていて、根本や根幹を伝えたいと考えています。


発信の受け取り手が自己満になってはいけないということです。

趣味だから自己マンでいいのだけれども、厳密にはちょっと違う。


太い粘土の紐を作務衣の肩に担いで紐作りする、なんて写真でも見たのでしょう、やっぱりその真似をする受講生もいましたね。穴窯の作家が1300℃の窯の中から鉄の棒で真っ赤な花器を引き出し、夜空のもとで逆さまに掲げて花器の中に溜まった真っ赤な熾を撒き散らす(やっぱり作務衣)。それをテレビで観ていきなり穴窯を造ったひともいました(中部地方)

それはそれでいい。

本人も周囲も幸せでした。


で、その先は?ということです。



われわれ男子は、芸術だと言われたり自分で言ったりするけれども、ちょっとフシダラな心でヌードを見てしまうものです。だからマネとルノワールとサンタフェは少し大人になってからのほうがいいのです(なんのこっちゃ)。ヌードの向こうにあるモノに気が付かないからです。


そして道具を自作する意味はどこまであるのか。


スタイルによるとは思いますが、電動ロクロで粘土は購入なんて方が多いわけですし、わたしは普通に手に入る道具を、チマチマと自作する意味はあまり無いようにも思います。トンボとコテ、ヘラはどうしても自作になることが多いでしょう。暇つぶしというのはわかるけど。


コテやヘラなどどうしようもないものを除いて、なるべくプロの作家はプロの道具を使ってほしいとわたし個人は考えています。一般の方もガンガン買い物して陶芸関連の経済を回していかないと、めぐりめぐっていつか自分たちが困る気がするのです。また「オレは道具を作れるぜ自慢」だとすればそれこそ意味はなく、仮にプロなら、イケてる男子なら、作れて当たり前です。


本来のやきもの屋というのは窯から全部自作することが出来なければなりません。
自作までいかなくても古い方は、窯の設計が出来たり築炉屋に細かい注文をつけることが出来たものです。わたしも過去メーカー時代にそういうお客様の窯を造ったことがあります。何故そのような仕様にするのか、直接お話を聞かせてもらったこともあります。

そういう方が講師や技術指導にあたったよき時代もあったでしょう。

今はどうでしょうか。
窯の設計図よこせというセンパイならいるみたいですけど(笑)。



小道具よりも本気で自作すべきは土練り台という気もしますね。



電動ロクロは新品買うけど窯は中古を探し回るのだけはいただけない(笑)。





さぁ買い物しよう。






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2021年03月07日

ロクロって楽しいな!


先日仕事で有田のお客様の所へ伺い、初めて磁器土の土練りとロクロを体験させていただきました。
Aさん本当にありがとうございました。

いやぁ〜全然違うし、出来ない(笑)。


でも出来ないってこんなに楽しいんですね。



土練り。

これ絶対おぼえるのに時間がかかるヤツ。

お客様の「磁器の土の正しい土練りを動画で観たことはほとんど無い」というオフレコ発言も刺さりました。実際菊練りでもそれに近い状態でしたしね昔は。

この練り方は菊練りとも全然ちがいますし、多分習得にこれこそ三年ぐらいかかるのかもしれませんね。全行程を説明して実際に発信しているのはホント、この動画と以前の吉田さんの程度ではないでしょうか。

まぁ土練りについてはその人が土を練っている台とか見ると如実にレベルが現れていますね。

あ、わたしは200回も土を練ったことはないとハッキリと申しておきます。
記憶にございません!(笑)


どちらかというとやりたくない仕事です。



そしてロクロ挽きと牛ヘラ。

牛ヘラは種類がいっぱいあるって言われても「形はぜんぜん変わんねぇじゃん!」(暴言)なんて思っておりましたが使えばわかる大違いでした。

逆に友人吉田さんが道具の数を絞るのもよく理解できましたし、こうした道具にこだわる轆轤師さんたちの気持ちもよくわかりました。

こうした仕事や蹴ロクロを体験してからの道具の自作とかはありかとも思いますが、見様見真似で自作するのは百害あって一利なしですし、われわれプロ筋の人間はガンガンいろいろなものを買い物して業界を回していくべきでしょう。

実際に自作すると購入価格以上のコストがかかっている(断言できる)し、クオリティは本モノに絶対に負けるものです。

ちなみにこのロクロを造りたいという方がいらっしゃったら、ご連絡ください。
その筋を紹介できると思います。

本当に今回は勉強にもなり、初心を思い出す良い経験でした。



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2021年02月20日

独立を目指す人におきるササヤカな奇跡


昨夜テレビ東京系列で「たけしのニッポンのミカタ」の放送がありました。
そこでわたしが大変お世話になっている先輩の志村正之さんが紹介されました。

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この一年ぐらいでしょうか?
やたらとテレビに出ているイメージがある志村さん。

なぎら健壱さんの旅番組とか所ジョージさんのやつとか、今度はたけしさんに国分太一さん。
しかも一回見たら忘れない作品とキャラクターですから、さらに大化けする恐れがある志村さんです。

この番組中の窯焚きに参加する予定でしたが非常事態宣言下で遠慮してしまいましたが、行けばよかった(泣)。

しかしこの番組で改造された窯の中も映りましたし、ヤザワの兄貴の後頭部も映ったのでよしとしましょう。

わたしが志村さんに初めてお会いしたのは築炉メーカーを退職した次の週。
いきなり小川さんに連れられて窯焚きに参加させてもらったのです。

あれからいろいろな窯焚きや電話でもいつも(今でも)相談にのっていただき、大変お世話になっております。

もしあのとき退職してボ〜っとしていたら挫けていたかもしれないワタシの弱腰は、志村さんの窯と松田山で昇華されたと思っています。

実は昨日は別のお客様(これからお客様になる方かな)から嬉しいご連絡やご訪問を受けました。

一人の方は設備投資のための資金の目処がついたという連絡、そしてもう一方は仕事場が決まって窯の相談に来られたという、どちらもプロの方です。

詳細はそれぞれのお仕事にかかわることですので伏せますが、恥ずかしながらイノウエを例に、独立や事業拡張などでアナタにおきるであろう、ちょっとしたミラクルのことをお話しましょう。

ワタシの瀬戸10年間で人脈が爆発的に広がったのは9年目頃です。
もし3年で辞めていればなにも起きなかったでしょう。
梶田絵具店で働く機会をいただくこともなかったはずです。

作品上の師匠にも窯の修理で出会いました。
即呑みに連れて行かれました(笑)。

わたしの家のガス窯はその方を経由して譲っていただいたものです。
謝礼金は気持ちをお支払いしましたが、まぁタダです。
「お前ならきちんとこの窯を直して使いこなすだろう」と紹介してくださったのです。

次に窯を愛知県から福岡県まで運搬しなければなりませんでした。
当時まだ福岡県に戻ったばかり、いくら地元とはいえトラックのレンタル業者はまったく知らず、トラックメーカー勤務の友人に聞こうと思って電話すると、「ウチにあるから使いぃよ」と、新車の代車の4tユニック車を正規の手続きをとって貸してくれました。

無料です。


このトラックで窯を運びました。
高速料金とガソリン代、先輩二人で窯の搬入ができました。
持つべきものは幼馴染と先輩です。

その後も、志村さんたちと関わる窯焚きの仕事先が偶然知らずに師匠の修行先だったり、電気工事士の免許を取得しようとあがいていた際に生涯学習センターの課長に来れれた方が工業高校電気科定年退職したばかりの電気の先生だったり。本当にいろいろと不思議なことが起こりました。

別に特定の信仰をもっているわけではありませんが、こんなことが起きるとき、わたしは自分が正しい方向を向いているんだなと知ることができます(向いているだけで進んでいるとは思わないのがポイント)


やきものの神さまありがとうございます。




家賃がタダの家を紹介された

伝言ゲームのように人が繋がりだす


突然ご懐妊


軽トラをもらう


思いもかけない人から焼酎が6本届く


馬鹿(わたし)がフェリーに乗ってやってくる


使っていない電気炉をもらう


牧野組合が土地使用を許可してくれる…





そんなことがアナタの身に起こりだしたら。











きっとアナタは正しい方向を向いている。




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2021年02月19日

道具に頼る年齢になったと思うこの頃


これまで散々ディスったお詫びではないけれど、先日、日本電産シンポの卓上スラブローラーTSR型を購入しました。

う〜ん名前がズズキのオフ車っぽい。
(TSもDRも乗ってたよ)

購入したのはねんどやさん.comこと山内陶料さんから。

(ホームページにないものでも相談すると取り扱いされていますよ。)

とりあえず組み立てて軽く使用してみただけですが、うん、いいです。

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市の生涯学習センターの講座には丸いハンドルを回すタイプのテーブル型のものがあり、それをよく使用される受講生もいます。

わたしの講座では家庭での作陶のための基礎講座なので、授業としてそのタタラマシーンの使用方法を説明することはありません。そんな大型で高価な道具を購入する人はごくごく一部であり、しっぴき一本でタタラを作れなければ機械を導入するのは時期尚早というものでしょう。

わたしにはバンダイ公認を取るほどのガンプラモデラーの友人がいます。
3Dデータでキットモデルの金型の設計なども行っていたこともあるのですが、彼の名言。

「実物モデルを作れないヤツに3Dデータは作れない」

とのことです。

これはまさに!であって、絵がかけるからマックやアイパッドが便利なのであり、アイパッドを購入したからといって絵がかけるわけではありませんよね。Corei9のパソコンを購入しても頭が良くならないのと同じです(笑)。

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というわけで脱線が大きくなりましたが、この卓上型スラブローラーのレビュー動画を近々撮影しようかと画策しておりますが、小忙しい中最近のこと、はたしていつできることでしょう。

ただ先に言えることとしては、これは買いかなと思います。

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もっと様々なことをしていかなければ厳密なレビューは出来ないとは思いますが、開封してすぐに思ったダメポイントは「ハンドル取り付けのためのアーレンキーが付属していない」ということですね。

写真はわたしの工具ですが、アーレンキーが必ず各家庭にあるはずもなく、コンセプトとしてアマチュアや家庭での使用、個人作家、小規模作業所向けである商品でしょうから、一度組み立てて終わりの人ばかりではないはずです。

これは付属しておくべきではないでしょうか。
(たまたまこのロットがそうだった可能性も否定できませんが)

卓上型で必要なときにだけ組み立てるということでしょうから、しっかりとした付属の工具は必須でしょう。

ただタタラマシーンとしては後発のモデルでもあり、構造や価格は納得できるものだと思いました。使用についてのコツはあると思いますし、すぐに改善した点もありました。このあたりについては頑張ってい動画にしてみたいと思います。


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2021年02月15日

当たり前を教える難しさを忘れるのは当たり前?


※地震被害に遭われた方々へお見舞いを申し上げます。連絡をくださったお客様方ありがとうございました。


自分にとって当たり前のことをよく分かっていない人へ教えるというのはホントに難しいものです。

叔父がまだまだ現役で、自分の会社は円満に閉じたものの、その経験を活かして関連会社で見積をしたり打ち合わせをしたり仕事は結構しているらしい。

近所に住んでいて、先日パソコンがおかしいと連絡があり、一通り手入れしたりしてあげていたが、ブルースクリーンエラーが出て今度こそイカれてしまったようだ。

バイオス等に異常はないが起動がおかしい。そもそも8年前のメーカー製デスクトップで会社のお下がり、今回の症状も調べるとそのメーカーパソコンでちょくちょく報告されているトラブルでもあるらしい。

次はノートパソコンにしようと一緒に買い物にいき、お前が決めてくれと頼まれたので国産メーカーのノートパソコンにした。保証とサポートが大切だろうと考えてのことと、値段もこなれていたことが理由。

そこそこの性能さえあればエクセルを使うだけだからなんでもいいんだけれど、本人が知っている国産メーカーが安心だろうと思ったのと、今後のことも考えて家中のどこでも作業できるようにノートパソコンを勧めたのです。

ウィンドウズ10にアカウント等を設定してログインとか、アップデートとか指紋認証とか、いきなりの70代がわかるわけもない。叔父はわたしが一緒じゃなかったらとても出来ないと言っていたし、ルーターだのLANだの言われてもわからないのは当然だろうとも思いました。

見積書と文章を少し作成するだけでネットはしないという叔父だが、せっかくパソコンが新しくなったし、いとこの家はWi-Fiがあるのだからネットも利用してほしいと思う。

ちょっとしたことを覚えるだけで劇的に見積作成も楽になって喜んでいるのを見ると、おせっかいもやきたくなったのです。

それにしても自分が毎日歩くことぐらい当たり前に行っているパソコン操作を、もう一度イチから教えるというのは難しくて久しぶりの良い経験でした。


その道のプロが教える危なさについては以前にも記事にしていたような覚えがありますが、あまりにも当たり前と思い込んでいることは「教え忘れたり」「言語化できない」ことになったりしがちです。

そうなると「なんとなく教わる」という状況が生まれ、ちょっぴりズレた上陸地点に到達したりする。同じ大陸だからいいんじゃない?と歩きつづけて行方不明になることもあるだろうと想像します。

実際にわたしは電気工事の世界では逆の立場です。電気工事の世界の常識を知っている人間が絶対にやらないことをやったりする恐れが高いのです。

ずっと「やきもの」を教えることを続けていると、そういう風に習ったんだろうな、とか、そういう人の発信で独学したんだろうな、という人や動画がわかったりすることもままあります。そしてそんなネタがさらに発信したり拡散していくのを見ると複雑な気持ちになることもあります(ワタシの発信もその一つだけれど)

とはいえ、すべてのことには必然があるはずで、その必然が薄ければやがては消えていくだろうと考えて楽観もしています。

パソコンで最初の設定がぐちゃぐちゃと素人にわからないのは安全や保護のためだし、パスタをひねって山形に盛るのは冷めにくくなるからからだし、土練りをしなければならないのは粒子の状態が不均一だからですよね。窯詰めで目土をつけるのにも必要な条件があり、温度計があるのにゼーゲルコーンを併用するのにも明確な理由があるのです。

パソコン作業には明確な正解と答えがある。
検索するファイル名を一文字間違えても出てこないし、「これのこと?」なんてこちらを忖度してくれることもない。

書類や3DCGを作成するのに素人がプロにまぐれ勝ちすることは絶対にない世界でしょ?


陶芸ってそこをフワッとしたままでいける世界。
決してみなさんはワタシのような確信犯になってはいけないのです。

陶芸のプロになるってことはピアニストになるようなものです。
感性でフワッとしててもいいけど曲はプロレベルで弾けんといかんばい(笑)。


人間というのは、自分に甘いと永遠に上達しない危険がアブナイのでアル。

だから自分でプロとか職人とか言う人を絶対に信用してはいけない(笑)。

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(天山から有明海と雲仙を望む)











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2021年02月08日

371+179=?



【祝】本焼き焼成回数の新記録樹立です。

関東の会社員のお客様ですがなんと本焼き371回・素焼き179回を終えてようやくドック入り。

1200℃を超えてから少し遅延が出始めたのと焼成回数からヒーター線等の交換と補修をすることになりました。

計算すれば年に120回超の本焼きです。
高い頻度での使用がこの長寿命につながったのでしょう。

もちろん全ての方の240Cがこの回数をこなせるわけではないでしょう。
さまざまな焼成方法や使用状況があるわけです。

それでも共栄電気炉製作所の技術の勝利!

私はこのお客様からいただいた「毎日が楽しくなった」という言葉が忘れられません。


ふくおか陶芸窯




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2021年02月01日

新チャレンジ第一弾は頓挫のモヨウ。


年毎年、何某かの新チャレンジをするようにしております。
とはいえ、やってみてすぐ辞めたり諦めたりもありますが、ようはチャレンジ精神を持っていこうということと、受講する人、初心者の方の気持ちを忘れないということです。

今年はひょんなことからロープワークをやろうとなりましたが、十種類以上覚えたらもうネタが尽き気味です。

そもそも田舎暮らしや山仕事の経験もあり、トラック絡みのロープワークはできていたので、ネタが尽きるのは仕方ない部分もあります。ラペリングするには高所恐怖症だし、これからの人生で海賊になる可能性も低そうです。

ープワークに関しての書籍だけではなく、意外と動画もあることもわかりましたし、息子も興味を持ったようですので良しとしましょう。


昨年の1月から先生に習いはじめてピアノは1年経ちました。

そもそも家に古いピアノがあり、子供たちが習っていました。以前に指の怪我のリハビリで一年弱は独学で勝手にやっておりましたが、だんだんと調子に乗り、このままでは「独学の落とし穴」に嵌るというのがわかってきたので、ピアノを続けるなら先生につこうということにしたのです。

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これは本当に良い選択でした。
音楽を楽しむという素晴らしい趣味ができました。

際にピアノの上達だけではなく、人に技術を教える技術もたくさん先生にいただいたように思います。

たとえば「ゆっくりと行う」ということもその一つです。
ナゼならば人は「ゆっくり出来ないことを早くは出来ない」からです。

勢いでロクロを回したり、ギグでトランス状態を演じてムズカシイ曲のギターソロをごちゃっとした感じでごまかしたりした経験のあるイノウエとしては、耳の痛いことでした。

しかし先生に「もっとゆっくりやってみて」と言われた時に邪魔をする自分の中の「男のプライドの大きさ」もよくわかりました。

オートバイでも自転車でも最終的にはトライアルテクニックに行き着くように、ロックンローラーがブルースに行き着くように、太極拳がガチの武術であるように、やはりスローなブギで行うのは重要です。

ノウエは自転車トライアルの経験があります。スタンディングスティルが永遠に出来るから、この歳でも楽しく自転車旅ができて無事故でいられるのではないでしょうか。
ゆっくりを極端にまで行えば「止まっている」ということですね。ゆっくりと正しいフォームでウォーキングできるようになればフルマラソン完走まではもうすぐということです。

また「間違えない」ということも重要です。
ゆっくりでいいから間違えないように弾く練習ということでしょうか。

いつもいつも同じ所で間違えるのはアナタの脳がその間違いを「正しいプロセスとして覚えている」からかもしれません。間違った動作や処理を脳に刻んでしまうと修正が非常に大変です。


さて、先日ご紹介した動画ですが、マンガを購入したというコメントや映画を観ましたという連絡をいただいております。

こうした作品で一度立ち止まり、ゆっくりと技術を確認してみるのも悪くはありませんね。






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2021年01月24日

日曜日の朝からションボリする話を書いてみる


9時から5時までをデフォルトとして仕事している方々は、深夜に仕事している人や、3交代で働く人、水商売の方々などを心の奥底では見下しているのか?と思うことが多いイノウエです。

駅前のスナックで働いています、ゲームセンターの店長です、そう聞いて勝手なイメージを抱きがちなのが我々人間でしょう。実際には地域おこしの役員をされていて表彰されたり、Eスポーツの普及に尽力されていたり、イメージとは大違いだったりすることのほうが多いんじゃないかな。


じゃあ陶芸家とか陶芸ユーチューバーと聞いた国家中枢の方々は、どんなイメージを我々にお持ちになるのでしょうか?

まぁどう思われようとそんなに税金納めてないからいいけどさ(笑)。


鳥屋のカウンターで愚痴るような話は置いておいといて。

昨年のコロナ禍の中あらたな展開を成功させて高い収益を上げたような製陶所さんもあると聞きます。

個人の作家さんでも、コロナになんの影響も受けていない方、逆に海外への販路が伸びて可能性が広がった方もいるそうです。

その反面、フェアやイベントの中止に大きな影響を受けた方、廃業を考えた方も多かったでしょう。


わたし個人の予想と考えですが。


下手すれば5月の連休、もしくはお盆ぐらいまで、いまのこの状況は続くと思っています。
当然オリンピックはないし、007の新作はスクリーンで観れない可能性もあると覚悟しています。


個人事業主としてはそれぐらいのネガティブ予想をしておきながら、


「まぁ、どげんかなるくさ。」


と焼酎のお湯割りを呑むしかありません。



わたし個人の感覚ですが、コロナ禍である程度年配の方もネットでなにかを購入することへの抵抗感や不安は大幅に減少したのではないかと感じています。


くおか陶芸窯の1月現時点でのお客様からのお問い合わせは、前回の記事にも書いたように、明らかに例年と違います。

仮に弊社の2021年の売り上げが超絶上がるとします。
そうなると3年後や5年後はどうなるのか。

需要の早弁状態になっているのではないか?
(そんな経済用語はない)

なんてことを考えるのですが、数学は常に2でしたので考えるだけ無駄。


渋いイノウエの取る対策は

お湯割りを呑むだけ

だったりします。


まぁこれまでの人生を振り返れば、予想した通りにも、思い描いたようにもなりませんでしたから、「馬鹿の考え休むに似たり」だと思っています。

それよりもシンプルに目の前のお客様や関わる人々に正直に生きていくしかありません。
そして決してぶれないことです。生まれてきたからにはアナタのお役に立つしかないということでしょう。

はやきもの、陶芸の世界に育ててもらっただけではなく、今の仕事もたくさんの方々の役に立つ発信を、観たり読んだりして作陶に自信をつけた方々からお問い合わせをいただいているのです。ありがたいことです。

ちょっぴりションボリすることも書きましたが、わたしはブレずに仕事を続けていきたいと思います。

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(いらぬテストをして自分が勉強しなおす羽目になった)















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2021年01月21日

陶芸のテスト問題2

いつも1月は思わず転職を考えるほど暇だったりします。
それでこの冬の時期を制作にあてて展示会を開催していましたが、本年度は中止。

これは困ったと思っていましたが、意外と忙しくブログを書くゆとりもないほどでした。
非常事態宣言下、電子ピアノや安いギターなんかもバカ売れらしいですが、多少は小型炉も動くのでしょうか。

わたしとしては常に最悪の事態を想定していましたが、それ以上の事態にもなりそうな気もいたします。前向きに考えればこれまでのルーティンが壊れて、あらたな技術習得や楽しみを見つける人が増えていくことでしょう。

それでも恐らくは3月の福岡のフェアも中止になるという気がしますし、5月の連休前後のイベントも怪しいと思っているイノウエです。

そこへ向けての対策も考えていきましょう。


講座では正月気分を吹っ飛ばすテストを開催しましたよ。
よかったらやってみてください。






 やきもの講座 確認テスト 2


氏名:       




1:陶土を1250℃で焼成すると焼成前よりも収縮する。その理由を答えなさい。







2:成形後の粘土の乾燥による収縮の理由を答えなさい。







3:焼成後の釉表面に発生する細かいヒビをなんと呼ぶか答えなさい。







4:前の問いで答えたヒビがが発生するメカニズムと、発生しない場合の例をあげなさい。






5:焼成温度を決定する根拠は何か。素焼き・本焼きともに答えなさい。 









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2021年01月11日

非常事態宣言の影響は陶芸界にもあるらしい



成人式ですが非常事態宣言が出ていないコチラでは対策をして開催するようです。

この非常事態宣言ですが、窯業界にも多少影響はあるようです。
もちろん陶芸界にも多大な影響があり、様々なイベントが中止になったりしてきましたし、個展をキャンセルした方も多かったでしょう。いよいよ窯の方にもなにがしかの影響が出てきそうな気配です。

一部機材の材料などに関わるメーカーさんの工場が関東地方にあるようで、この非常事態宣言で材料の供給や稼働率が下がるために今後の納期が伸びる恐れがあるとかないとか。

まぁ当然といえば当然ですね。


わたしもなるべくお客様に影響しないように対策をこうじてはいますが、この先は全く予測不可能だと考えています。

ただ一つ言えるのは、自宅で積極的に作陶する方は確実に増えていくということ。

ですからYou Tubeで作陶方法を発信している方々や、わたしのような仕事のあり方、ネットで販売するだけでなくノウハウも伝えている専門店(ねんどやさん以外のナントカ.comは含まず)の役割は大きいと考えます。

作陶方法はそもそも陶芸教室などで経験のある方が多いでしょう。さらにYou Tubeで他の方の作り方からヒントを得るのも有益です。またたくさんの人が発信しているわけですから、疑問点を発信者以外に尋ねてもいいわけです。

つまりわたしの動画で疑問に思ったことを、別のAさんに質問してみると解決したり、Aさんの動画で疑問に思ったことを別のBさんに聞くことで間違いに気づいたり、自分の勘違いを修正したり出来る。そもそも動画で観たことをリアルの先生や准教授に聞いてもいい。

これはすごいことですよね。

窯については、やはり昨年は小型炉の動きが平年よりもあったような気がいたします。またこれを機に自宅に窯を設置しようと決心した方も多かったですね。

それを後押ししたのはたくさんの方の発信です。
作陶のバリエーションを知り、細かな技術をいくつも比較でき、ネットでも窯や材料が購入できるようになり、サポートを受けることもできるようになったのですから。

今年は自宅陶芸を軸に発信することが増えるかと思います。
10年以上前にマンションの6畳とバルコニーが使えるというモデルを設定して、様々な発信をしてきてよかったと思います。

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先日もとある大学院生から動画の使用許可を求めるご連絡をいただきました。どんどん使ってほしいと思います。また問い合わせについても、いくらなの?というザックリしたものから、こういう場所に設置したいけれど、というような具体的な質問が増えてきたように感じています。

動画で紹介している100Vの電気炉はKCシリーズで、実は200Vのモデルもあります。当然サイズは大きくなりますし、電源が安定するので昇温への不安もなくなります。

そしてそもそもKCシリーズは家庭での使用を想定しています。よければコチラの動画を参照にしてみてください。








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posted by inoueseiji at 08:08 | TrackBack(0) | イノウエセイジの頭の中

2021年01月09日

偉そうに水簸の話をしてみる

え〜九州は南国ではありません。
西国です。

今日の福岡県。

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たまにはこれぐらい積もったりもするのです。
スキー場も熊本とかあちこちにありますよ。
駅前にソテツとか植えるから誤解があるのよね。

昨日今日で九州自動車道はじめあちこち通行止めです。
雪に弱いが台風に強いのが九州人ですね。


さて。

相変わらず窯跡や窯の話は不人気ですが年末案内していただいた小代焼の窯跡にはロクロピットも水簸場も残されていました。


多くの方は水簸という言葉に馴染みが薄いかと思いますので、今日はかんたんに水簸のお話を書いておきます。

水簸は「すいひ」と読みます。
水のフルイということです。

まずゴタゴタ言わずに誰にでも理解できる例え話をしてみましょう。

学校のグラウンドに水溜りができていたら、そこは雨上がりにぬかるみになりますよね。
別にお庭でも舗装されていない駐車場でも、忍び込んだ採掘場でもいいです。

晴れた日のグランドの地表は乾いて同じような状態でした。
なぜその同じ場所が水溜りの所だけぬかるんでしまうのでしょうか。

それは水溜りと雨のせいで自然に水簸と同じ状態ができて、一番細かい粒子が一番上になってしまい、そこを不用意に踏んでズルっとなってしまったから、です。

よく乾いた土を水の中にブチこんで撹拌すると、粒子レベルでバラバラになります。
そうなると、粒の大きな重いものから先に沈んでいきます。つまり砂利や石が先に沈み、細かな土がいつまでも水中を浮遊している状態になり、その泥水の中の土も、粒の大きなものから順に沈んで行きます。

水簸はそれを利用した方法です。

窯元や採土しているような作家さんの仕事場、たとえば九州では小鹿田焼の里にそうした水簸のための水槽などをみることができます。


唐臼で細かく粉砕した原土を水槽に入れて撹拌し、それを次の水槽へ移していくことで徐々に粒子は細かくなります。
これは沈殿していない泥水だけを次の槽に移すことで、沈殿していない細かな土だけを得ることができるわけですね。
移す時にもフルイを通しておけば不要にゴミや大きな粒子が混ざることを防げます。

学校なんかではストークスの法則なんてものを習ったりもしますが、そんな計算をしている人に出会ったことはありません(笑)。
それよりも水溜りを思い出していただければよいと思います。

とことん細かな粒子を得ることも可能ですし、ある程度の石とゴミ(ゴミは浮きます)を取れればいいということであれば、ポリバケツ一つでも可能です。

粘土生産の現場、製土工場などはそれをもっと大規模に効率よく行っていて、もっと様々な工夫や機材を使用しているわけですし、脱鉄も行う必要もあるでしょう。

水簸の工程は土に対して水の量が過剰なまでに多いとも言えます。求める大きさの粒子が揃ったら、次にその水を抜かなければなりません。沈殿させて上水を除去し、さらにフィルタープレスなどを使用して脱水し土練機を通して含水率20〜23%程度の陶土にしていかなければなりません。

どの工程であっても土と水のコントロールがついてまわるのが陶芸、やきものの仕事です。

さて、動画で紹介させて頂いた窯跡に水簸場はやっぱり川のそばにありました。
やきものの仕事、いや昔からモノ作りの現場は川の近くというのが多いのかもしれませんね。

そんな視点で窯跡や陶産地を訪れれば、これまでと違う発見や視点を持てるのではないでしょうか。


(川の側にありますよ〜)










posted by inoueseiji at 10:36 | TrackBack(0) | イノウエセイジの頭の中

2021年01月07日

講座もスタート

今日から生涯学習センターの講座もスタートです。
まだ松の内ですが、正月気分は終了ですね。

先日もYouTubeの投稿でお知らせしましたが、人によってお問い合わせのメールが届かない場合があるようです。
直接お電話を頂いたお客様より判明し、ホームページ制作会社の方にも問い合わせました。

それによって判明したのは、メールのトラブルは様々なOSやスマホ、携帯が混在し、それぞれのアプリやシステムの新旧やバージョンの相違で常にどの業界でも起こっているそうです。

ネットが便利なのは間違いないのですが、未だに古いウィンドウズのオペレーティングシステムを使用している人もいるでしょうし、アドレスがいろいろなところを経由していたり、リナックスのアップグレードをしていないとか、様々な方がいるでしょう。
そうなると意外とアナログの確実性というのも重要で、電話やファックスも併用していくことも必要ですね。

ご迷惑をおかけしたお客様にはすぐに資料を発送しました。
またホームページにも注意書きを追記しております。

ヘッポコなのは相変わらずですが、どうか本年もよろしくお願いいたします。

雪が降ったら大喜びの九州人です。

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posted by inoueseiji at 09:57 | TrackBack(0) | イノウエセイジの頭の中

2021年01月02日

明けましておめでとうございます。


今年初の宿酔いと戦いつつ、ご挨拶を。
どうか皆様本年もよろしくお願いいたします。

親類の集まりもなく、年末年始も陶芸三昧という方からのご連絡もいくつかいただきました。
今年も楽しくさらに進んだ作陶を続けてくださいませ。応援しております。

さて。

ちょっと正月っぽいネタを。

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これは恥ずかしながらウチのお雑煮です。
博多雑煮ですから具沢山なんですよ。

絶対入っているのはブリ。これがうまい。
なんで入っているかというと、「良か嫁ぶり」という意味があるそうです(母親説)。
実際に結婚すると嫁の実家にブリを送る風習があったりもします。

でも多分それは母親説で、ブリが出世魚だからというのが本当のところでしょう。

出汁はアゴ出汁。
アゴとはトビウオのことです。
焼アゴの出汁は高級なのです。

それから鶏肉(カシワ)、しいたけ、かつお菜、かまぼこ、里芋、ごぼう、薄く切った大根(器の底に敷き餅がくっつなないように)、あとは各家庭でいろいろです。

餅は丸餅です。

そうそう、むかし初めて愛知県だか多治見だったかで餅つきに参加した際、丸めずに包丁で切り出しているのを見てびっくりした覚えがあります。
さらに雑煮を頂いた時にも「え、具こんだけ?」と言ってしまい顰蹙を買った記憶があります(笑)。

あれからもう何十年も経つわけで、いろいろな地域文化があるんだなぁ、と訪ねた土地を思い出します。やきものもたくさんの産地があり、それぞれに文化や技術の継承がありますよね。本年も多少はその世界の役に立てるように頑張っていく所存です。

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それからコチラはとあるお客様から数年前に頂いた器文様の帯。
お正月にすることが多いです。というかすっかり正月以外にキモノを着る機会はないですねぇ。



とりあえずは家でノンビリと過ごしております。


今年はどんな一年になることでしょう。

もう少し寒い時期がつづきます。
どうか皆様ご自愛ください。


本年もよろしくお願いいたします。




posted by inoueseiji at 15:00 | TrackBack(0) | イノウエセイジの頭の中