2023年08月17日

夏の怪談話【電気炉〜】

チェレンコフ光も怖いがアーク光も怖いよ〜のイノウエです。
窯の怖い話。

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(クリックで拡大)

無資格工事、自分で修理、ちゃちゃっと改造。
カッコいいですね。

まぁせめて自分の窯でやってください。
業界が迷惑するので死なないように。


電気工事士の免許もってんの?


な〜んて昨日のネタ元にも偉そうに言ってみたいもんですが、

実はそんな方が免許取っても何にも出来ません。


みなさんも普通自動車の免許など何某かの免許をお持ちかと思いますが、免許を取得しても運転や業務がすぐ上手に出来るわけではない、というのはわかりますよね。ユンボとかそうだけどさ。

普通自動車免許はわたしの世代なら、いきなり積載重量4トンのトラックまで乗れましたが、実際の4トンロングのトラックなんて恐ろしくてたまりませんでした(運転したけど)。乗用車だとしても初心者マークをつけてビクビクして運転した方も多いでしょう。

写真の電気炉の制御ですが、資格保有者が常識として持っている「非常に些細なこと」を知らないまま、三相200Vの制御とかを勝手に改造するなんて、わたしは絶対にやろうとは思えません。


昔はそんな資格や免許無しでみんなやっとったわ!

というオイサンもいるでしょうが、そんなアパッチ野球軍みたいな方々が山のように事故や死亡に至ったからこうなったんでしょうが。

いつも参考資料にして申し訳ございませんが、写真の窯は頂いたときにはすでにイロイロ改造されていたんらしいんです。制御盤の中なんて確認することは普通はないですよね(私はたまにするけど)。だから電気屋さんの配線工事が終わって通電したらアーク放電でとんでもないことになったのです。

それでふくおか陶芸窯にお話をいただいて、確認見積などを経て、共栄電気炉製作所さんの制御部門の方々に制御盤を作り直していただいて付け替えました。

わたしが電気工事士だとしても制御盤の改造や製造は無理です。出来るのは繋いだり外したりだけですよ。もちろんそれだけでも資格が必要です。

無資格で行えば、機材を破壊したり、感電死亡事故を起こす可能性もあります。
これまでに死亡事故はたくさん起きています。

事故が起きていたらどうするの、というか、そもそも事故の可能性を考えたことってあるのかね?

行政は事故が起きてからガッツリ処罰するので、そうなったらせっかく起業だか継承だかしたその仕事はもう出来なくなります(下手すれば県だけじゃなく経済産業省もくるよ)。それは業界の損失でしょう。

無資格工事をやるということはそれだけ恐ろしいことなんです。

電気炉の補修やメンテをしたいのならば資格をいくつか取るだけではなく、ちゃんと経験を積むための修行もしないと無理でしょう。そもそも測定器や工具もかなり必要です。

芸術学部卒の40歳でも電気工事士は取れますし、ウチの息子が中2で取ったように、年齢制限も国籍も関係ない基本中の基本、原付免許みたいな資格ですから。



ったく、最近こういう話が多いなぁ。


電気は見えないから本当に恐ろしいんです。
窯の仕事をする、したい、のならば、陶芸窯に真剣に向き合っていくしかないと思います。その時に無資格工事という選択は無いと思うんですがどうでしょうか。あると思います?

わたしも。

いつか自分の記事がブーメランにならないかと思って、いつも安全第一でビクビク仕事してますよ。もうオッサンだしね。




 無〜資〜か〜くぅ〜




て聞くと背筋がゾクゾクするぐらい怖いよぉ〜。



posted by inoueseiji at 11:07 | イノウエセイジの頭の中

2023年08月16日

やっぱりこんなネタから


盆踊りってしてないなぁイノウエです。

お盆の真っ最中の朝っぱらから相談のお電話がありました。
その詳細はここに記載しませんが、無資格作業で電気炉が壊れたというような内容でした。

ざっくりとですが、その窯を中古で販売した業者と所有者が一緒に作業したとのことですが、当然ながらというか無資格作業。ショートしたとか火花が散ったとか、面白いネタっぽくお話ししていただきましたが、今その電気炉に起きている症状などからすれば、かなりのダメージを制御システムは受けているのは間違いないはずです。

製造メーカーも販売業者も関わりのないところでしたし、どちらもしっかりと存続しているので、こちらとしてはお受けできない、費用がかかっても製造メーカーに対応をお願いするようにと、アドバイスをして電話を切りました。


その程度のアドバイスは無料です笑。

新品を設置する費用と変わらないことになっていくんじゃないかと思います。
アマチュアの方なんだと思いますがもったいない。


これがプロの世界だとしたら、窯の不具合はかなりの後退になってしまいます。
レギュレーションが無い世界で作家活動していくのがプロですから、みんなが新車に乗っているところに中古で登場してさらに壊してしまったということになってます。いつも言っていますが中古が悪いわけではありません。保証のついた認定中古車とかもあります。ビッグモーターが悪いってことです(ナンノコッチャ)

そしてプロの世界では、スタートする場所も、スタート時間も人それぞれ違うということも忘れてはいけません。実家に窯がある人もいれば、マンションの人もいます。だから窯選びや設備は大切なんです。

もっとも重要な設備である窯選びで、多くの人が納得できる選択ができるように、今後もコツコツと発信を続けていこうと気を引き締めました(腹は出ている)

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(友人がチャレンジするようですが私はもうコリゴリ?)

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posted by inoueseiji at 09:41 | イノウエセイジの頭の中

2023年08月12日

あいつの名前はたしか…


カネゴンの隣のヤツって?

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たしか日伊親善大使で本名がルイージだったか?
(wikiったヨ)


お盆休みをいただきますが、ふわ〜とイロイロやっていると思いますので、ご連絡・お問い合わせはいつでもどうぞ。


posted by inoueseiji at 11:40 | イノウエセイジの頭の中

2023年08月10日

リョウビはキョウセラになってた


メール内容等の詳細は聞いておりませんが、代理の方に「有罪、死刑、だまってろ」というご意見はいただきましたので笑、真摯に受け止めて今後も気をつけて発信を続けてまいります。ご指摘ありがとうございました。

このブログでは、(本人にわからないように)特定の誰かに向けて書くことも多いのですが、その際に主語を変えたり場所を特定しないように一般論っぽく書くことがかなりあります。ところが今回、わたしの国語力不足や認識の偏りなどで、そうした書き方をしたある記事が、そのウラ事情を知らない専門家の方々の逆鱗に触れてしまいました。該当記事を非公開とし、ここに改めてお詫び申し上げます。

言い訳ですが、とてもここには書けない色々なことに対処してきたこの数ヶ月、肉体にも精神にも様々な影響が出ていたのは認めます。そしてそれはなかなか元には戻らないでしょう。そんな中唯一愚痴ってるのがこのブログですし、ブログのタイトル通り、ここはわたしの頭の中です。とりあえずその業界のイロイロは解決の方向に動いていますので「推定無罪、生きてこそ、まずは与太話」で頑張っていきますヨ。



さてさて。


ビッグモーターの報道がとまりませんが、どの業界にも多かれ少なかれ、そして規模の違いもあるでしょうが、似たようなことは起こり得るといえるでしょう。気持ちを引き締めて仕事に取り組んでいきたいと思います。

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(春日店に貸してあげればよかった)

やっぱり、お客様を大切に、お客様の利益になることを優先に、です。

「お客様は神様だろう」というクレーマーに「神は死んだ」と返すコンビニ店員さんのマンガがあったそうですが、いやまぁ商売人にとってお客様は神様でしょう。少なくとも一人自営業のお客様はそうだと言えます。わたしを信じて窯を購入された方々を大切にしていきます。

秘密基地なんて言ってますが、要するにネット上ではないリアル店舗を目指して整備を続けています。窯や材料などの実物、実機を見ることができる、用品や原料などを購入できる、作業や操作を体験できる場所としてなんとか年内には形にしたいと考えています。

別にわたしはマキタ派というわけではなく、100ボルトのチェーンソーを検討していたらリョウビがいいんじゃない?となったのですが、今はキョウセラになっていました(2018年から)

チェーンソーにセラミックは使われていないよなぁ?






posted by inoueseiji at 07:43 | イノウエセイジの頭の中

2023年08月03日

八月は秘密基地月間


暑い日が続きますが、まぁ夏ですから。
なんだかんだ言ってお盆休みをすぎれば日も短く感じるようになりますよね。

6,7月のいろいろは大体落ち着いたので、予定は未定の秘密基地の補修を続けています。
コンクリートの床は防塵のために床用塗料をようやく塗りました。

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(しまった脱出できん)

春先に井戸のジェットと配管の補修をしていただきました。

(釣り行ってますか?)

行けばかならず各蛇口から水を出すようにしておりました。
そもそもとてもキレイな水と思っていましたが、簡易試験を行いました。

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pHは中性、亜硝酸は検出されず、一安心です。
まぁ水割り可能ということですね。


そうそう、熱中症対策に新兵器導入です。

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(ビール専用マシーン)


仕事の合間に少しづつ。
シン・ふくおか陶芸窯に向けて頑張っておりますヨ。
posted by inoueseiji at 07:03 | イノウエセイジの頭の中

2023年07月31日

国宝と重文を舐め回せ!


なんてお下品なタイトルですが、いま九州国立博物館の展示は「憧れの東洋陶磁」
国宝や重文もたくさん来ております。以前万博の際にも愛知県にいろいろと来ましたが、九州国立博物館でこれだけのものが見れるというのは貴重ですね。

いやぁ〜よう関門海峡ば渡ってきんしゃったもんたい。

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「あ〜ピンホールあるねぇ〜」

陶磁器ということもあってか、ほとんどの場所で撮影可能でした。
アチコチでパシャパシャいっていますから、もう単眼鏡ごときで色めき立つ警備の方はおりません。
いい時代になったもんです。

単眼鏡で覗くと、ホントに手に持って虫眼鏡で見ているぐらいマチエールもわかります。
照明で反射しているところ、ピンホールや釉ハゲ、貫入やキレのあるところを見るといろいろとわかったりします。

陶磁器が好きな方、プロの方なんかには、マジで単眼鏡オススメです。
かならず美術鑑賞用のものを手に入れてくださいね。

過去に動画にもしております。
わたしのはかなりボロになりましたが、まだまだ現役です。




ご購入はコチラとか?


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九州国立博物館に行くということは、自動的に太宰府天満宮にもお参りするということになります。
いま本殿は大改修工事をしているみたいで、仮殿が設けられていますが、これはこれでカッチョいい。
この辺のお金の使い方、天満宮はわかっとんしゃあね。

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九州国立博物館で開催の「憧れの東洋陶磁」は9月3日まで。
夏休みでもあり、お盆休みもありますので、この機会に是非単眼鏡持ってきんしゃれんですか。

そうそう、博多弁では、「行く」ことを「来る」と言いますばい。







Lesson 8 キーセンテンス:来るけん

天満宮で友人二人を待っているマイケルですが、ちっとも友人たちが現れません。
電話してみることにしました。

「アンタもう14時ばい、なんしようと?」

「わかっとおって、今から来るけん!

「いっつも遅れてからくさ、なんばしよったとね」

「いやぁ〜コイツがヤワ麺ば頼むけん、えらい時間のかかってからくさ」

「バリカタにせんけんたい!こんバカチンがっ!」




注:福岡県内のラーメン店では九割の方の発注がカタ麺以上です。ヤワ麺を発注する場合は飛行機や新幹線の時間に気をつけましょう。



posted by inoueseiji at 07:26 | イノウエセイジの頭の中

2023年07月29日

情報弱者を減らす仕事




窯のことを説明する際に、車に例えることがよくあります。

たとえばこの電気炉は何回本焼きできるんですか?というようなご質問には、車と同じで使用方法でかなり変わりますよ、なんてね。

実際に、同じようなサイズの電気炉を使っていて10年以上トラブルを起こさない方もいれば、一二年でヒーター線をどこかしら断線させる方もいるんです。もっともそういう方はこちらを信用しなくなって、アチコチの業者に修理を依頼していく傾向があり、今のふくおか陶芸窯のお客様でそのような方はいらっしゃいません。

車の整備でいえば、オイル交換がなんのためなのかわからない人も世の中にはいるでしょうから、そこへ向かって情報発信をしていかなければなりません。窯だってガス窯と灯油窯と電気炉ではいろいろと違いがあり、気をつけることや傷む部分も変わります。しかし、車業界ほど陶芸業界からは窯についての情報は出ておりません。製造にかかわっていなかった人の適当なものはあるのかもしれませんが、雑誌もほとんどないし、支えている人口も違い過ぎてどうしようもありませんよね。本体価格は車といい勝負していますが。

窯は機械ではありません。それが最近強く思った自分の感覚です。
名前をつけたり、御神酒をあげたりしてきたものです。

男性ならわかるかもしれませんが、ちょっとバイクとか車っぽいもの?のような気がします。

今はスーパーカブもインジェクションになってしまいましたが、若い頃はお金がなくてもキャブレターのオーバーホールなんかはできるので、サービスマニュアルをみながら一生懸命に自分のバイクをいじっていました。散々失敗もしましたし、だからこそ愛着も湧いていたように思います。

窯のこと、なかなかわからないこともあるかと思います。こちらの業界の底辺にいる人間として、多少なりとも発信を続けていくつもりです。

炉内をいつもきれいにして、たまにフレームなどのサビを落としてシルバーペイントをしてあげてください。
電気炉の方はヒーター線に気をつけて。

窯とその周辺をきれいにするだけでも、気持ちがいいものですし、トラブルを防げます。




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posted by inoueseiji at 06:55 | イノウエセイジの頭の中

2023年07月25日

第三者目線は大事です

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先週のはなし。

秘密基地は同級生の部長もいたく気に入ってしまい、単身赴任先から泊まりで草刈りに来る始末(2回目)

とくに彼が気になっていたのは、この入り口のゲートが目の前の道路のどちらから車で近づいても見えるようになっていないこと。カーブの途中でもあり、一方からだと通り過ぎるぐらいでようやく見えるという感じ。
お客様に来ていただく場所としてはそれはダメだろうということで、ひたすら鎌と鋸で開拓されておりました。


自分としては建物そのものの補修、中の作業などがあり、また外観については見慣れてしまって少し麻痺していたのも事実。
そこを第三者の視点で指摘してもらい、さらに率先して作業してくれるなんてとても有り難いことでした。

彼の作業でゲート周りは見違えるようになりました。
ありがとうございました。

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まぁ普段スーツで頑張っている友人は草刈りとかが逆に楽しいらしく、こちらの想像の八倍ぐらい働いてくれました。
夕方は早めに近くの温泉施設に行き(初めて行った)、なかなか良い湯に癒やされてから肉とビールの買い出し、七輪バーベキューとなってのであります。

彼が勤務するのはとあるトラックメーカーの販売会社。
製造メーカーの数値偽装とか、いろいろなことがこの数年彼にもあったのですが、そんなこんなをお互いに相談してウサを晴らしつつ、夜は更けていったのであります。

そもそも自分としては夏には開業、その前に瀬戸多治見にご挨拶、みたいな予定だったけれど、いろいろなことがあり過ぎて予定はガタガタに狂ってしまいました。トホホ。

しかしまぁ慌てず騒がず、一歩一歩進んでいけばいいかと。
コツコツと制作活動を続けているお客様の発信やそのレベルアップの様子を見ていると、自分も少しづつだけど前進はしているわい、と思い直して草刈りに励むのであります。


梅雨明けで蝉の声が朝からすごい。

みなさま熱中症対策を万全に〜。





posted by inoueseiji at 07:10 | イノウエセイジの頭の中

2023年06月22日

灯油窯がキテるぜ

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忙しくなると途端に発信がとまります。

半導体関連の納期の遅延などで多くのお客様にご迷惑をおかけしましたが、ようやく搬入がはじまりました。
今月はそれが集中しており、さらに引取や焼成指導などもあって気がつけばこのブログも一ヶ月近くとまってますね笑。

しかも今年はこれまでにないほど灯油窯に関わることが増えてきて、自分も秘密基地に残された灯油窯のオーナーになりましたし、灯油バーナーをバラして補修方法と構造を確認したり、初めてシンリュウ製バーナーを操作したりと急激に経験値を上げています。

これまで灯油窯に関しては製造にかかわったのも2基か3基で、経験も装備も、RPGに例えれば旅人の服と棍棒・薬草程度しか持っていませんでしたが、いまは勇者の鎧とエクスカリバー・魔法の呪文を三つおぼえた、という程度にはなってきたようです。

機会がなかったというのもありますが、実際に操作してみて誤解していた部分もあり、灯油窯たちには謝っておきたいと思いました。ごめんね。


やきものおじさん三人もそれぞれ忙しい時期ですが、またZoomは予定しております。


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posted by inoueseiji at 07:39 | イノウエセイジの頭の中

2023年05月29日

クセがすごいのは周知の事実


先日操作説明をお客様にさせていただきました。
どのお客様でもそうなんですが、一通り説明をさせていただいたあとに、窯と焼成以外のやきもの話や雑談をすることもよくあります。

先日のお客様からは動画についていろいろと温かい意見をいただきました。そして、

「三人のオジサンが喋っているやつ〜アレは癖になります!」

と、今でも涙なしにはタイピングできない有り難いお言葉をいただきました。

初見ではなんてクセのある人達なんだと思われたそうですが、まぁ三回見たら最後、ユーキャンストップ!とのことでした。

そのお客様の中毒をなおすことは残念ながら不可能ですが、今後ともよろしくお願いいたします。


(決めるところは決めるヨシダさんが良いとのこと)


そして、さらに雑談からフクダさんとの遠距離恋愛のきっかけとなった小学校で授業を行ったときの動画のお話しもして、恥ずかしながらリンクをご案内させていただきました。

自分でも久しぶりに見直してみてやっぱり子供向けには及第点の説明かなと思います。


(いまうちにはPS5があるじぇ)

posted by inoueseiji at 07:25 | イノウエセイジの頭の中

2023年05月27日

久しぶりに音声入力してみた

動画発信のコメントで自分で電気炉を修理したいというような問い合わせがあります。
自分で窯のメンテナンスをするにはどうすればいいかという質問ですね。


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(燃やさないようにしましょう)


例えば、ヒーターの補修とか窯の中の亀裂をどうするかとか、そこに何を詰めたらいいですかとか。プロに頼まずに、できれば自分でやりたいということなんでしょうけども、なかなかそれは難しいことかと思います。


そもそもネットで中古を買ってしまってるんだから、そこはある程度諦めというか覚悟が必要じゃないかなと考えるわけですね。


例えばネット購入の中古のものを、ウチとかメーカーに修理に出されたり問い合わせをいただいたとしても、全く状況がわからないわけですよ 。直せるかもしれないけれど責任は持てないという感覚とでもいったらいいのでしょうか。


以前も私が販売した窯が転売されたものの修理に関しての問い合わせがあって、なかなか対応が難しかったということがありました。


その人はネットで購入する時に、この窯の使用頻度は低い、あまり使っていない、ということが書いてあったので購入されたそうですが、購入後わずか数回の使用で機材にトラブルが発生したんだと。そしてネームプレートにあったふくおか陶芸窯に連絡してきたわけです。


ところが、そのトラブルはですね、これまで私の仕事の中では起きなかったことなんですよ。それでこちらに保証期間とかではないのか、みたいなことを言われたんですがそれは販売した相手に対してはあるかと思うんですけども、それを転売されて購入した人へ 保証する理由はないですね。


最初に購入した人が どんな使い方をしたのかもわからないですし、どのような発送方法を用いたのかもわかりません。こちらでは何も分からないわけですよ。つまり、
そのトラブルの原因は特定できないんです。一つだけはっきりと言えることは、その機材トラブルはメーカーと私のせいではないということですよ。 


ネットで中古を購入するリスクを選んだその人の責任です。


 確かに現行の機種であれば修理は可能です。メーカーも対応します。ただ一度中古市場に出たものは全く把握できていないわけですから、それなりの点検と補修費用がかかるということですよね。

そうやって修理してみたら合計金額が新品を超えてしまった、最初から新品を買えばよかった、なんて後悔してももう遅い。そのリスクを自分が選んだんです。そういう風に考えないと、知りませんでしたでは済まないことです。


こういう話はですね、今まで何回も ブログとか動画でしてるんです。調べれば中古購入はあぶないよという情報はあるんですよ。わたしは知らなかったとは言えないんです。それが個人売買というものです。


ましては 陶芸の窯なんて簡単に処分したり転売したりするのも難しいものだと思うんですね。100Vの家庭用の電気炉ならばまだ個人であったり、宅急便業者が運搬したりすることもできると思うんですが、これがまあ 数百キロから1 トン 2 トン というような重さの大きな窯になってくると、間違って選択をした人がその間違いを取り返すには相当苦労します。


ネットで中古を探すなら、そういうことを自分で理解して買うしかないんです。本当にそれはお得な買い物なのか、家電や パソコンや車やギターを中古で買うのとはあまりにも違いすぎる。情報がなさすぎる、それを理解しておかないといけないですね。はっきり言って個人売買や築炉経験の無い業者の中古窯は全くおすすめしないです。

例えば私だったらですね、ネットの中古の窯を見ても、これなら大丈夫かなとか、このメーカーならここを変えれば問題ないな、とかわかるわけですが、それでもかなりリスクがあると考えています。


 時々引き取りの仕事とか、委託販売とかですね、そういう話もありますけれども、相手の状況や、その人がプロだったのかアマチュアだったのか、現場の様子を見てあこんな使い方をしていたんだな、とかわかっていないと無理ですね。


ただ単にネットで写真だけでっていうのはかなり危ないなと思いますね。実際問題ロクロ とかそういうものを購入したことは 過去にありますが、陶芸窯で自分が目利きをして、これは大丈夫そうだなと思ったものがいくつかありましたが、手を出したことはないですね。


 例えばどんな 窯でも初めて使用する際には空焚きや、ガス窯であれば炙りですね、窯の中の水分を飛ばすためにそういった炙りをする必要があるわけですけれども、中古であればその窯がそれをちゃんと行っているのかどうか分かりませんよね。販売業者から想像できる場合もあるでしょうけれど。


 電気炉であればヒーター線の酸化被膜をつけるために、これも一番初めに空焚きを行う必要があります。しかしそれをやったかどうかは中古のヒーター 線を見てもわからないんですよ。やったかどうか やったかどうかわからないのに、本焼きは何回しかしていませんって書いてあってもですね。本当に残りの寿命が適正にカウントできるかどうか分かりませんよ。


 そしてそれでもいいと思えるような金額であればいいですが、そうじゃないことが多いんじゃないでしょうか。そもそもその窯の新品の価格や中古の相場、補修内容とその材料費や部品代などの目安が見た時にパッと浮かんでこないんだったらやめた方がいいです。ただのくじ引きになってしまいます。ほぼ外ればかりです。ヤフオクやメルカリはいらないものを出品する場所じゃないんですかね。処分費用がかかるから出しているとかね。


それからこれも何度も 記事にしたり、動画でも話してるんですが七宝焼きの電気炉は陶芸では使えません。改造もできません。数万円で購入した七宝焼きの電気炉にいくらかけたとしても、陶芸窯にはなりませんから。いやワタシは焼けましたという人がたまにいるんですけども、だったら好きにやっていただいてこちらに問い合わせや 質問してくれないようにして欲しいです。


それにしても音声入力の精度がやっぱり上がってますね。これからもたまにやっていきます。


posted by inoueseiji at 06:11 | イノウエセイジの頭の中

2023年05月19日

100Vの電気炉の選び方と使い方


この世界には、いろいろなところにラインがあるように思います。

サボテンブラザーズ(Three Amigos)での最後の方のシーン、マーティン・ショート演じるネッドが実弾を込めながら、

「ここにラインを引く。ホンモノの男かネズミ野郎(Men or mice?)をわけるラインだ。」

というシーンは今見るとけっこうグッとくる。

あのラインのどっちに自分はいるのかな?


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(砂漠での水筒のシーンが一番好き)

一線を越えるといえば。

初めて楽器店で自分のエレキギターを手にしたときとか、生まれて初めてバイトの面接に行ったときとか。子供の時に一人で初めてインスタントラーメンつくったときは、コンロの火が熱かったのを覚えています。

箱根の峠をこえて芳村さんにお会いしたとき、村上金物店とか梶田絵具店に初めて入店したときも、なんとなく覚えている気がします。


では我々のやきもの人生でもっとも重要なラインはなんでしょうか。

初めての電動ロクロも強烈な思い出ですが、やっぱり初めて自分の窯を持ったとき、一人で窯を焚いたときなど、窯にかかわることではないかと思うのですが、いかがでしょうか。


先日、ガス窯の搬入設置の仕事では友人に工事応援に来てもらいましたが、そういうときに私が必ず伝えることがあります。それは「安全第一で。ゆっくりやりましょう。」という言葉です。

お客様にとっては一生忘れないような日になるのです。その際に事故やケガがあってはいけません。たとえばガス窯などは重量物でもあり、高所作業もありますから油断大敵です。それでも何時までに終わらせようなんて段取りを考えがちですので、自分への戒めでもあります。

その感覚でわたしは小型炉の販売も考えています。たしかに自分が造っていませんし、搬入するわけでもありません。しかし感覚は同じなんです。現金を持ってきた人に無理に購入しないようにアドバイスをしたことも、発注される方にサイズダウンを勧めたことも一度二度ではありません。売ればいい、儲ければいい、それがビジネスとして正しいと考えれば、わたしのやっていることはアホ丸出しです。

ネットでアチコチに売りっぱなし、と思われている方もいるかもしれませんが、わたしなりにサポートを続けていますし、続けていく覚悟を持っています。もし自分になにかあったらこのお客様のサポートや補修などはどうするのかも、窯のサイズや設置場所によっては考えることもあります。




いろいろと便利になって、簡単に電気炉も購入できるようになりました。半導体関連の遅延も徐々に落ち着いてきています。
それでもやっぱり情報が少ないし、単純にブランドや炉内寸法、価格で選んでいる方が多いようです。

わたしの感覚からすれば、なんでそれを選んでしまったのとガッカリするようなこともあります。本当にあるんです。
この人にちゃんとした窯があったらなぁと思ったことは何度もあります。特にその人がプロだった場合なおさらです。なぜ一言相談してくれなかったのかとか、なぜもう少し情報を集めなかったのか、とか。

雰囲気楽しんで安く済めばいい、という方ならいいのですが、プロやそれを目指す人が限りある予算から選択した窯が本当にそれでいいの?ということがあるんですよ。

そんなときの答えは簡単で、じゃあお前が言えよってことです。

情報に出会うのも運かもしれませんが、運とかラッキーなんて言葉は、もうちょっとやれることをやってから口にするようにしようと思います。応援なんて言ってますが、この程度しか出来ませんし。


さらに動画はアップしていこうと思います。


posted by inoueseiji at 06:12 | イノウエセイジの頭の中

2023年05月18日

何かを突き詰めれば応用がきくじぇ



おはようございます。

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フクダさんから時限爆弾が送られてきて。
解除しようと躍起になっておりましたら。

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(タコ糸の正しい使用方法)

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ギブソン家の方が一人亡くなっているのを発見して通報。

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取り急ぎアマゾン警部らが2750円で現場に到着。

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覚醒開頭手術は無事に終了。




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覚醒。
オービルバイギブソン改め、オービルバイAmazon。

まぁとりあえず遊べるので。
ハムバッカーとかピックアップという単語に敏感になっているイノウエです。

HARD OFFとかに行っても窯選びのようにギターを見ております。
自分が窯を造ったり売ったりする感覚で見れば、若かりし頃とはまた違う見方でギターも見れるということでしょうか。ナンノコッチャ。
(アマゾン野郎が言うなというのはナシ)
posted by inoueseiji at 07:37 | イノウエセイジの頭の中

2023年05月15日

ショックが大きい話はブログだけにする?【100V電気炉】


日本のやきもの業界を良くしたい!
こんにちは!議員候補(ウソ)のイノウエです(他国のやきものは知らんけど)

多分木筒区じゃないや、傷付く方もいるかと思いますので、動画からではなくてブログからにしておきます。

ガス窯や電気炉について、特に100Vの電気炉についての誤った発信をされる方が現在・過去・未来にいらっしゃるので、相変わらずこの国には、しなくてもいい質問を発信者以外にする方がたくさんいて、関係ないメーカーや自営業のオジサンがうんざりしながら答える状況がまだまだ続いております。どげんかせんとイカンとです。

先日は「ホントは◯◯ポのアレがいいけどなぁ」とか「今100Vの電気炉がキテマスよ。イノウエさんとこは取り扱いされてますか?」とかも言われてしまい、いよいよなんとか袋の尾がほつれてきたので、いままで理性のある大人として黙っていたことを小出しに言っていこうかな、まずはブログで、というところです。



嗚呼また誰かに怒られるなぁ。


…まぁいいか、いきましょう。


ハイ注目〜、電気炉はスイッチ一つで焼成できるなんて誤解している方がたくさんいま〜す。

共栄電気炉製作所のKCシリーズのカタログでも「お部屋で待つだけで」というかなりギリギリの表現を思わず書いてしまっているぐらい、一般の電気炉のイメージはお手軽方向に振り切れているようです。

それでも日本が誇る共栄電気炉製作所さんは「どこにも行かないで。この部屋で待っててね」というニュアンスをキープしているところが素晴らしいとイノウエは思うのであります。このあたりのキャッチフレーズをどうするのかはかなり社内で検討されたのではないかと想像しますね。


他の窯にあって、電気炉に無いもの。

いろいろありますが、ナント言ってもエントツがありません。
言うたら排気機構ですやんか。いるんちゃいます?

アナタの大切な作品を焼成するときに、窯が100Vの電気炉だろうが100メートルの登り窯だろうが炉内の大切な作品に加熱中に起きている現象は基本的に同じです。

ところが、薪窯やガス窯にあるエントツが電気炉にはありません。

そのために現在の電気炉には大きめの排気栓が設けてあります。昔いまのような大きな排気栓の断熱材ができる前は、上蓋式の扉を少し開けて積極的に排気を促していたのです(いつまで開けるのかは習ったでしょ)

では前扉式で排気孔が無い電気炉なんてあるのかといえば、100Vの電気炉に関しては共栄電気炉製作所のKCシリーズ以外はまともな排気システムが無いものが多いようです(個人の感想ではない)。なかにはまったく無いというモデルもあります。


え?ファン?
炉内の排気用じゃないってば。
(窯の中に穴空いてないでしょ)

では炉内の排気をまったく考えていない電気炉において、素焼き・本焼き中に炉内で発生した水分やガスはどこへいくのでしょうか?


マジでどこに行くのかなぁ。


そして電気炉の肝であるヒーター線。
その水分やガスの影響は大丈夫なのかなぁって?

大丈夫のわけないじゃん。


ふくおか陶芸窯のお客様には、電気炉が届いたら、わたしがプログラムの操作説明を兼ねて30分程度そのあたりを説明させていただいております。
ようするにいきなり使い始めたら寿命に影響するということですね。

でも◯ン◯の100Vをネットで購入した人はそんな説明はだ〜れもしてくれないでしょうから、さらに寿命は縮みます。

そもそも丸と四角の炉内の差、ヒーター線の取り回しの差、設計思想の差、作っている国と人間の差、売っている人の差が、ド〜ンと静寂の向こうの山二つ分ぐらいあるわけですよ。



でもね。


これは良い窯・悪い窯という話ではありません。
それはそれで理解した上で活用していけばいいだけです。

様々な理由で横扉が絶対にいいという方もあるでしょう。わたしだって9Vの乾電池なんて100円ショップのでいいわと思ってますし、それで支障がありません(エフェクターとかさ)

問題は、こうした情報や感覚がやきものを趣味とする人たちのなかで、水漏れ防止に米の研ぎ汁を入れるらしいというウソやデマほどにも知られていないということです。

そこにつけこまれてそんな電気炉を設計されちゃっているということです。
(設計した企業もわかっていないという可能性も否定できない恐ろしさ)

排気栓なんて設けたら、締め忘れるヤツが絶対いるしだろう、火事になったら責任とれないしなぁ、途中で蓋開けるヤツが絶対にいるだろうから扉にはロック機構をつけておこう、ヤケドした上に火事を起こすヤツいるだろうしなぁ、って感じだったのかはわかりませんが。

でもヒーター線の交換工事の対応なんて超絶面倒くさいから、熱効率を無視して側面配置にしてしまえば、部品供給だけで持ち主に交換させられるよね!それイイっすねとなったかどうかもわかりませんけども。

炉内の断熱材を交換してまで使い続けるプロは注文してこないだろうし、そこまで使ったアマチュアがいたら、もう寿命ですよといつものパターンで買い替えさせましょう!ということではないとは思いますけれどねぇ。


たしかに特殊な事例を除いて、プロはアソコのアレをメインの一号機にすることはありません。

あくまでテストやサブ機、3つ目の窯ぐらいの位置づけで、ガンガン毎日使うことはないでしょう。そうであればまったく問題ありません。アマチュアでもそんなガンガン回すことはないでしょう。それなら本当に便利ですし、どこでもネットで購入できますからね。

補修だって業者に頼んだら8〜10万とか取られるみたいですけど、まぁ全然乗ってないクルマも保険代とか毎年かかるしね。


でもね。

こうした情報と感覚があろうとなかろうと、ハイアマチュアの方や経営が中途半端な陶芸教室なんかはあれをメインにしてガンガン使ってしまうようになるでしょう。そして、嗚呼やっぱり持たいないな、そろそろ大きめの窯にしなければな、とはならないで、ギュウギュウに詰めて20回ぐらいしか本焼きできない!ダメだ!って言ってしまうんです。

その割にはサヤ鉢に木炭詰めて還元焼成可能とか言ってしまうしやってしまう。

自分で寿命縮めてりゃ世話ないッス。

一回こっきりだったら何でも可能ですよ。





そういう世界を変えようとしているんです、アタクシは。
窯業機材だって適材適所がある。

アナタがあるレベルまで来たら機材のレベルも上げないと。

それだけ作品のクオリティと、つくる才能がアナタにはあるんですよ。


スズキの軽自動車とトヨタの高級車は価格は違うが、開発にかかるの時間や労力は変わらないという話を聞いたことがあります。窯だってそれと同じことで、別にディスっているわけではありません。マルキョウにしか行かない奥様にレクサスはいらないし、みんなで頑張って上場したのに社長車がアルトだったら社員は微妙な気分になるってことじゃないんですかね。


それぞれの窯に得意不得意があるし、ポジションがあるんですよ。
それを見てわからない人しか未だにいないってどうなってるの?この国のヤキモノは?


え?

コーンを挟んで曲がったら自動で電源オフする電気炉があるって?


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ヘルマン・ゼーゲルさんに土下座して謝れ。




posted by inoueseiji at 08:42 | イノウエセイジの頭の中

2023年05月08日

タダで教えてあげます


ネガティブなネタはいつも怒られますが、ブログは好きに書かせてもらう場所なんで笑。


タダで教えるから手伝えとか、場所を提供するから手伝えとか、見て盗めとか、相手の都合の良い言葉に騙されないようにしてください、という話。

自分も若いときにそれで失敗したし、また現在のふくおか陶芸窯の仕事においても、稀に似たような話の連絡があることがあり、一応ここで注意喚起しておきたい。

以前あった連絡は、身体が弱った主人の仕事場を誰かに使ってもらいたい、という隣の県の奥様からのもの。時期とどっち隣かは伏せておきます。

そこは山の中で、立派な作業場もあるし、薪窯もある、ログハウスだし、主人はすごい作家なのよ、という。それを使わせてくれるらしい。

しかし、世の中にそんなウマい話はないわけで。

じゃあタダで好きなようにさせてもらってもいいんですか?と聞くと、窯詰めや窯焚きを手伝ってくれる人なら、ちょっぴり好きなことをやらせてあげる、みたいなニュアンスに変化。でも窯の焚き方も教えることができるから、とも言われた。

へぇこのわたくしに教えてくださるんですかねぇ。

さらに突っ込んで聞いていけば、できればこの物件買ってくれる人いないかな、みたいなことにもなってきた。

住所からすればそんな山の中になんの不動産価値もないし、事実そこをツッコんで聞けば不動産屋からはロクな対応をされなかったということだった。

ほぼ価値がない山中だから若いときに買えたんだということを想像しましょうね。
窯付き別荘売りますも同じようなモノが多いと思うよ。



じゃあ仮に私が買ってもいいとして、

壁をピンクに塗ってもいいですか?

ハーレー軍団のアジトにしてもいいですか?

と聞くと(ホントに聞いた)奥様は絶句。



そういう想定は一切せずに、ただ自分の思うような使い方をしてくれる人に、奥様の言い値で購入してほしい、ということだったのだろう。こんな話をふくおか陶芸窯の大切なお客様や友人知人にできるはずもないので、やんわりと説教してお断りした。


こんな話はいくらでもある。


弟子にしてください、と自分が頭を下げたとしても多少の金額をいただけることもあるものだと思う(払うというシステムもある)
それを相手から教えてやるから手伝えというのは、急に電話してきてネットワークビジネスを勧誘するヤンキーパイセンぐらい虫が良すぎるというものだ。

薪窯の手伝いだって、経験値を上げたいから手伝わせてください、ということであり、それでも食事や交通費程度は出すのが普通だ。中には「昼飯どうするの?」なんて聞いてくる、弟子を警備員とうどん屋にしただけのボンビー准◯授とかもいるが、普通はアゴアシは持つ。

タダで教えてあげるとか、場所を使っていいとか、そういう話に騙された大昔の自分は甘えていたということだ。相手に甘えていた。相手の言葉に甘えていた。だから利用されたということだ。その条件で来る人間はすでに見透かされているということを知っておいてほしい。その相手に悪気が全く無くても(それがほとんど)、すでにその条件が危険すぎるということです。



どんなことでも、本当に良い話はむこうからは来ないと思う。
自分がこの世界のアチコチをつついた結果、棚からぼた餅が落ちてくることはある。
でもそれは決して楽なことではない。やっぱり多少の血と汗は流す必要があるし、落ちたぼた餅のホコリは払う必要がある。



窯や道具だって同じはずだが、某SNSの陶芸関連のところを見ると、ください・頂戴・あげます・コレないですか、ばっかりだ。こうすれば直せるとか、代用できるとかも怪しい情報が多い。

そもそも使い物にならないから使ってくれ、買ってくれとなっているものも一定数あることを想像しましょう。

特に窯に関しては、出している人も、問い合わせている人も、そのモノの状態がわかっていないで転売をしようとしていることが散見される。
中には業者でもわかっていない人がいる。


なぜなら理由は単純でそういう方々は窯を造ってないからだ。
窯造りで血と汗を流していないからだ。


妙な発信に不安にさせられて質問をいただくことが多いですが、

窯ひとつ造ったことない人を信じてるのかな?



陶器市で稼いだ方も多いかと思いますが、その大切なお金を変な中古にツッコまないようにしていただきたいと願うばかりだ。余計なお世話なのは重々承知ですが、ああこの人にちゃんとした窯があればという作家さんを複数知っているオジサンは、世話を焼きたいものなのです。

というわけで今日から通常営業です。


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posted by inoueseiji at 07:31 | イノウエセイジの頭の中

2023年05月02日

陶芸家におすすめの楽器は

イケてる陶芸家といえばギターというイメージがあるような気がするが…

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(イケてるグループの百貨店のっとりライブ)

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(指名手配中)


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(組長以下全員弾けます)

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(ナベさんもサイトで歌ってます https://ceramictools.shop/?category_id=600ec458aaf0431105fd9dda

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(兄貴も実はイケます)


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(オジサンも飾っているだけじゃない)




しか〜し!



オジサン的におすすめはやっぱり


ピアノだ!


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(殴り込みより緊張)

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(めっちゃオモロイですよ)


右手は薬指と小指は強めにメロディを弾きながら、人差し指と親指は弱めに伴奏を入れる。
それとは別に左手はこのベースラインを柔らかく弾きましょう。


…できねぇ!


楽譜はおぼえたし、一応通しで弾けるようになったけど、ただ音が出ているだけ。
これじゃあ乙女心をキュンキュンいわせるようなピアニストにはなれねぇ!


とはいえ。

右手・左手でそんなことが出来るようになれば。
各指の強弱が自由自在にコントロールできるようになれば。

絶対粘土捌きも上手くなるはず!

ロクロも超絶技巧になるはず!
(ゴーストコース受付中)

ギターの右手はピッキングするけど各指の強弱とか関係ないし。
まぁアルペジオがいいとこ。


左手はまぁいいかもしれないがピアノほどの強弱はつけない。
ハマリングとかもそこまでじゃない。




つまり。

陶芸家におすすめの楽器は
ピアノなのである。




もう5月。

来月発表会です。

ヤバい。




あ、あなたもピアノ弾きませんか?


posted by inoueseiji at 07:29 | イノウエセイジの頭の中

2023年05月01日

連休の陶器市はいかがですか?



今日から5月。

世の中のカタギの皆さんはゴールデンウィーク。
ヤのつく自由業(やきもの屋)の我々はあんまり関係なくお仕事もしているし、遊んでもいるという感じです。

陶器市が各地でようやく通常通りの形態で行われているようです。
お客様や知人の方々はどうしているのかとちょっと心配ですが今日からはお天気が良いようです。


やきものおじさんラジオの「器に宿るもの」はただいま絶賛配信中です。





posted by inoueseiji at 08:15 | イノウエセイジの頭の中

2023年04月27日

新入りのメダカ


ポッドキャストかなにかで偶然聴いた話なんですが。

水槽に透明な仕切りを作ってしばらくメダカを飼っていると、その仕切りの場所をメダカはおぼえてしまい、仕切りをとってもその先に移動しなくなるそうです。

ここには見えない壁があると思いこんでいるということでしょうか。

ところが、そこへ新しいメダカを入れれば、彼には(彼女かも)見えていない仕切りなんて、それこそ見えてないわけで。
自由闊達に、縦横無尽に、水槽の中をあちこち動き回るんです。そうするとだんだんと前からいたメダカたちもこれまで移動しなかった方へも泳いでいくようになる。

フクダさんが言っていた「フュージョンがおこる」とかもそれに近いのかもしれない。
一人でなんでも出来ると思っていても、人と人が集って学んだり仕事したりする、ということにも意味があるのもそれでしょう。

連休前です。

職場では、まだまだ先輩たちからそっちに行くな〜と言われている時期かもしれません。
でも新入りのメダカのまま、自由闊達に縦横無尽に動き回っていい。

新入りメダカも、そのうちオジサン(お姉さまも)になって凝り固まってきます。
そしたらまたシン・新入りメダカがやってきます。

そうして仕事は続いていけばいい。

自分が新入りメダカだったことを忘れなければなおいい。


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posted by inoueseiji at 06:50 | イノウエセイジの頭の中

2023年04月18日

まだまだですが記念植樹


もうバレてる人にはバレてると思いますが、新拠点。
オジサンの秘密基地です。

こっそりといろいろと作業を進めておりますが、窯の設置工事も複数進行しており停滞気味。

秘密基地はいろいろなオジサンたちの男心をくすぐるのか、いろいろな応援や励まし、エクスカリバーなんかをいただいております。

親類のオジサンはミカンの木を植えると仰ったので有り難く植えていただきました。

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(グッと堪えて三年待てばミカンが取り放題)

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(オイサンのバッドモービル)

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(オイサンの掛矢・ツルハシ・エクスカリバー)

徐々にではありますが、取引先にもこんな場所があるんでぇ〜なんて話をしだしております。
あんなこといいな、出来たらいいな、とタケコプターを足りない頭にくっつけたような状態でお金の入っていない不思議なポッケで頑張っております。

動画データもあるのでまた今度!
posted by inoueseiji at 08:16 | イノウエセイジの頭の中

2023年04月14日

”シン・”って使ってみたかっただけ


知的なおしゃべり(と本人たちは思っている)が唯一の癒やしの三匹の自営業。

軽い雑談からすでにディープな話となっております。
ゼーゲルコーンやオルトンコーンは使用する人しない人あるかと思いますが、大切なのは自分なりに再現可能な方法で温度なりカロリーなりを把握するということですね。

それにしてもなんでもかんでも値上げがすごいことになっております。
イノウエの新拠点(準備中)はちょっと田舎にあるのですが、そこにむかう途中の県道沿いに卵の自販機があります。少し離れた養鶏場の規格外の卵が20個400円程度で販売されています。もちろん産みたてでとても新鮮。

わたしも何度が購入しましたが、急激にその存在が知られてしまったのか今では自販機前に毎日行列ができるようになってしまいました。狭い駐車スペースもギュウギュウです。

たまごの補充の時間を張り紙しているのか、いつも決まった時間帯に行列して、それが終われば売り切れています。

並ぶ時間で明日のための仕事をしたほうがいいと思う自営業のわたしは、もうそこに停まることはなくなりましたが、不安定な収入は相変わらずで、並ぶ人を笑うこともできません。

それだけ切迫している世の中になんとも複雑な気持ちになります。



やきものおじさんラジオでも聴いて笑ってください。




posted by inoueseiji at 07:40 | イノウエセイジの頭の中

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