2023年04月11日

おじさんラジオ収録開始

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おじさん達はそれぞれ、年度が変わって暇になったり、納品が終わったりしたようです。

イノウエも現場確認や窯の引き上げなどでのクレーン作業、秘密基地でのアーク溶接などで日焼けして変な顔色になっております。

というわけで昨夜久しぶりにZoom収録。


また編集してアップします。

そうそう、前回のおじさんラジオで「やきものおじさんラジオをどう捉えているかでその人のレベルが判る」的な発言をイノウエがしてしまったため、来るメール来るメールに

  「おじさんラジオ最高です!」

  「大変たのしく勉強になっております!」

  「お陰で合格いたしました!」

  「おじさんラジオ大好きです!」

  「ジーク・ジオン!」


というようなコメントがやたらと書かれるようになってしまいました。

妙なプレッシャーを受けてしまった皆様、大変申し訳ございませんでした。
ここであらためて謝罪させていただきます。

おじさん達がくだらない話をしているだけですので、どうか気になさらずに。




では次回のアップロードまで一番人気のコチラをどうぞ!


posted by inoueseiji at 07:48 | イノウエセイジの頭の中

2023年04月06日

窯を吊るなら小型移動式クレーン!


クレーンは古河もいいがタダノかなぁ。

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(古河の竿が赤いのはいいけどさ)



車体は断然日野がいい。
(幼馴染が部長だからってのもある)

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(部長権限でパーキング〜)




う〜ん、ちょっと疲れてるな。
posted by inoueseiji at 16:26 | イノウエセイジの頭の中

2023年03月03日

やきものおじさんラジオ(仮題)は教養番組


自己評価として前回のヤ〜ツはこれまでのベスト回だったのでは?と思っております。

特に窯詰め時が自作の最高潮とノタマウおじさん二人が、吉田さんの失笑をかう辺りがたまりませんネ。





そうそう、福田さんオススメの溝口健二監督の映画「雨月物語」ですが、アマゾンプライムビデオで視聴できますよ。

映画として面白い作品でした。


posted by inoueseiji at 05:46 | イノウエセイジの頭の中

2023年02月28日

48.6Φのポンスを自作 


電気工事も延々と続いております(だからどこの?)
今回は半日しか時間が取れないということで、ずっと気になっていたアース工事をすることに。

アース工事にはいくつか種類があり、普通はD種接地工事をおこないます。
ロクロも電気炉もこれでオッケー。300V以下の機器ってやつね。

アース棒は地表から75センチ以上の深さに打ち込むことが決まっておりますが、75センチを掘るのは想像通り大変でございます。イノウエもこれまで大変な思いをしてまいりました。

そこで。

今回は陶磁器科職業訓練指導員の資格と窯作りの経験を活かして(まったく無関係)、ポンスを自作することにしました。

それがコレ。


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よくお庭に転がっている単管パイプの切れっ端、その先端をグラインダーで加工してみました。
ポンスの口先もいろいろな形がありますが、表千家としてはこちらの形状がお約束(ウソ)


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美しいカーブに仕上げます。
パイプの側面に四角い穴を開けておきます。これは先端につまった土を掻き落とすため。
そしてこれを地面に突き立ててグリグリするための取手もクランプで取り付けます。


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15分程度で求める深さになりました。
取手を持って、体重をかけながらグリグリするとどんどん掘れます。
少し掘れたら抜き出して詰まった土を取り除くようにすること。


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配線をしたアース棒を入れて、さらに棒などを当ててハンマーでしっかりと打ち込みます。
これで規定の75センチ以上の十分な深さに施工できました。

一度測定器を使ってD種接地工事の100Ω以下になっているか確認しますが、そうは問屋が卸さないのがアース工事。

ある条件を満たした漏電遮断器を用いれば500Ω以下でも良いのですが、もう少し良い数値にしたい。



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2本目を打ちます。
これも施工条件があり、すぐ隣には打てません。


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測定は打ち込んだアース、そこから5〜10メートルに接地極を打ち、さらにそこから5〜10メートルに次の接地極を打ちます。そして測定ボタンをポチッと押して印加すると測定できます。


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う〜ん。まだかぁ。
あと少しだが漏電遮断器併用での500Ω以下は完全にクリア。

今回はいいってことにする?



まぁ一番いけないのは全くアースをしないことです。

これも昔ベテランの電工さんに聞いたことがありますが、何もしないよりはアース棒の頭が見えているような状態でも何かアースをしておくほうがよっぽどマシ、ということです。

ビリっとなったら手を離せばいいって?あ〜ガチで感電すると手を離すこともできなくなります
(跳び蹴りで助けましょう)

普通は接地抵抗計なんて持っていないでしょうから、なるべく深くに打ち込んでおく、ということを覚えておきましょう。


そうそう、この単管ポンスはマジで便利ですので、単管パイプでなにか工作する方はオススメ!


村上金物店には売ってないぞ〜。
https://ceramictools.shop/

posted by inoueseiji at 07:55 | イノウエセイジの頭の中

2023年02月25日

プロと話すのは楽しい

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草刈りの終わりは見えませんが、次は水の問題です。
ここは井戸水です。ポンプは深井戸用なのでけっこう深いのか。

メンテナンスにはいったばかりの2月初旬、草刈りの途中で井戸ポンプが動きっぱなしなのに気がついて一度電源を落とす。
再び電源を投入すると水がでなくなってしまいました。
呼び水を入れても延々と入り続けるという症状。

井戸のパイプの先端にある、ジェットという部品の不良のときに現れる典型的な症状だとか。

以前使用していた方の一人に確認すると男性陣が自分たちでやったとか。

そんなことまでやったのかと驚くとともに、電源の工事などはたしかに素人工事。


家のアトリエに井戸水を引いているとはいえ、自分で井戸工事をする勇気はありません笑
地元の人に聞いて業者さんを紹介してもらいました。


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ガス屋さんとか水道屋さんとか配管系の設備屋さんっていい人が多い印象。
ガス屋さんとはよく呑みにいくイノウエです。
(来てくれたKさん、かなりのベテランと思ったら歳下でした)



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工事をしてくれたKさんといろいろな話をして半日を過ごす。
もうお孫さんがいるとか、YouTubeでDIYしていたお客さんが、にっちもさっちもいかなくなって呼ばれた話など、ベテランはネタが豊富。

イノウエもVP管とVU管の違いぐらいは若かりし頃のアルバイト経験で知っているので質問を挟みながらたくさんの勉強をさせてもらいました。



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Kさんの予想では、いくら自分たちでおこなったといっても地上のポンプの入れ替えをした程度ではないかとのことでしたが、予想に反して管を引き抜いてみれば、なんと配管も素人工事なのが判明。よくやったと思います。

しかし。
わたしにもわかる接着不良。途中で外れるし。

水回りの配管工事では、接着剤の種類もあるし、その塗り方、ソケットやエルボに入れる際の加圧と時間など、大切な基本がありますが、残念ながらそれが守られていない。ちょっと調べればわかると思うんだけどもったいない。

そりゃあいままで、エアを噛んだり、水が途切れたり、ポンプ動きっぱなしで電気代が上がったりしたことでしょう。水が出ないときは近くの公共施設に水を汲みにいっていたとか。

そうしたロスやストレスを考えると最初からプロに頼むべきだったのかも。

配管もジェットも新品になって無事に施工完了です。20メートルほどの長さが入りました。

素人工事アルアルのポンプ本体のアース工事は無視されてましたので、改めて施工しておきました。

べつにこんなの要らないよね、とアマチュアが思う部分が一番重要なのはどの世界でも同じということでしょう。作陶よりも乾燥や土練りが重要みたいな部分。

自分もついつい自分でやっちゃおうと思うタイプなので肝に銘じておきます。




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三週間ぶりに水がでました!

Kさんは、最初は少し濁るから一晩出しっぱなしにしておくようにとのこと。
そんなことはプロに聞かなきゃわからないよね。

もし自分でやって、ここまでうまくいったとしても「あ〜濁ってるぅ〜」となったんでしょう。
一晩も出しておくのは一度止まった井戸は、再稼働の際に周囲の水と一緒に入った細かい土などを含んでしまうからだそうです。



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これは2時間後。まだすこし濁りがあります。

翌朝来てみると勢いよく出る水はすっかり透明に。
以前伺ったときも水が綺麗だなーと思ってはいたので、ある程度の期間使用したら水質検査に出してみようと思います。


Kさんからはポンプの周囲はもっと草刈りをして日当たりと風通しをよくしておくようにとアドバイスをいただきました。虫とか生物を寄せてしまうトラブルがあるそうです。

またKさんからは、これまでの経験から自然と井戸は神聖なものと思い知らされた、なんていうお話もきいて、確かにそれはあるなぁと思ったりもしました。うちもアトリエなどの棟上げの際に、井戸もお祓いしていただいたことを思い出しました。

たとえ豊かであっても水は大切なものです。




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あと勝手に人の井戸の水を飲むと撃たれたりします。
(イノウエの好きな映画:アラビアのロレンス)

posted by inoueseiji at 08:27 | イノウエセイジの頭の中

2023年02月15日

おすすめカスタムパーツ!

草刈り第一段階が終わりました。


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マキタ買って本当に良かった。

初めての草刈機での作業で、初日はけっこう腕が疲れました。
これではピアニストとしての自分の人生に悪影響があると思い、いろいろと調べてみるとナイスなアイテムを発見。
千円もしないので即購入。



ノーマルはこう。

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で、逆ネジのボルトを外して。

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カスタムパーツを装着。

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(空力特性がアップするわけではない)



★北村製作所  http://www.kitamura-ss.com/


色もいくつか種類があります。マキタグリーンとのバランスを考えてオレンジを選択するあたり、さすが芸術学部出身だと自分の才能がコワい。

このジズライザーを取り付けるとブレードを腕の力で浮かせるのではなく、地面にあずけて左右に滑らせるように草を刈るわけです。多少のデコボコには追従しますし、草を刈る高さも揃いやすいという部分もありますね。

オススメです。

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ん?

なんのブログだっけ?

posted by inoueseiji at 08:14 | イノウエセイジの頭の中

2023年02月11日

晴耕雨電?


そういえば電気工事士でしたイノウエです。

雨が降ったら草刈はお休みで建物の電気をチェックします。
初めて訪れた時から素人工事が気になっていたので、しっかと確認していきましょう。


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あ〜やっちゃってます。

輪になって踊ってるね。

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こうなります。


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これは絶対にダメなやつ。
よく事故がおきなかったもんです。

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さっきの差し込みコネクターでもいいけれど圧着したほうがより安心。

もちろんどちらもこれで終わりではありません。さらに作業はつづきます。



みなさん、電気の無資格工事は本当にキケンです。

必ず資格を持ったプロにお願いしましょう。
もしくは自分で取るのもオススメです。電気工事の資格は生活にも仕事にも役立ちますヨ。

上の例はまだマシなほうで、写真を写すことを忘れてしまうようなヤバい部分も2つ3つありました。コンセントやスイッチは基本交換で、いくつかの経路は完全に殺したりしました。





天気になれば外の作業も続行。

中も外も作業の終わりが見えない…。






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posted by inoueseiji at 17:07 | イノウエセイジの頭の中

2023年02月07日

こういうことがある時は


日々黙々とマキタの草刈機で草刈りをしております。
なかなか中の方に手が回りません。

やるべきことはいろいろあって、屋根やカベにも手をいれる部分があります。
水道の配管の一部と電気のスイッチやコンセントは素人工事の部分がなかりあります。

昨日ふと借りた敷地のすぐ横の林の入り口に、小さな看板が立っているのが見えました。
そこは公共の施設の敷地ですが、まず人が来ないような場所。

気になるので帰宅前に行ってみると。

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須恵器の窯跡。
しかも国指定史跡。

詳細はまた今度(またかい)




こういうことがある時は、


自分はきっと正しい判断をしている


と信じるようにしております。

posted by inoueseiji at 08:54 | イノウエセイジの頭の中

2023年02月05日

今年は何かはじまります

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昨年末にふとしたことで知ったとある街のとある場所。

自分の独立・帰福のときにもあった「やきものの神様の粋な計らい」で正式に借りることになりました。窯もあったりします。

ここで何かをする予定ですが、詳細はまた今度。


建物は直前まで使用されていましたが、いろいろと手入れをしなければならないところも多く、電気の素人工事もいっぱいあり(笑)、それなりにコストもかかるし、いつになるやらという感じです。



そうそう。

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草刈機買いました!

マキタの18V!

改築閉店セールで展示品2割引で!


バッテリー2個付きで〜!!!


財布に2千円しかなかったからカードで!




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posted by inoueseiji at 09:00 | イノウエセイジの頭の中

2023年01月25日

何かは細部に宿るかもね



ふと思いついてしっぴきの作り方をアップしてみました。
GoProの撮影のテストも兼ねてです。

続編も8割ほど完成しておりますが、いかんせん視聴回数が伸びないのでアップするかどうかって感じ笑

成形も道具の自作も、自己流でも独学でもなんでもまったく構わないとわたしは思います。

コメントいただいた方の”仕事場の裏の海で拾った流木の取手”なんて超絶おしゃれなエピソードじゃありませんか。

ただ、こういうちょっとした道具や仕事場の整え方なんかでその人のことを推し量るなんてことは、どの世界のプロも無意識にしているようです。わたしの知人は、粘土を袋から取り出す所作で相手のレベルがわかるとかわからないとか。


また、こうしたしっぴきはクレイカッターとして税込300円でいくつか販売されています。

陶芸道具むらかみ https://ceramictools.shop/

検索結果 クレイカッター

https://stores.jp/search?q=%E3%82%AF%E3%83%AC%E3%82%A4%E3%82%AB%E3%83%83%E3%82%BF%E3%83%BC&store=soynabe

でも細い単線や撚った太いものは自作するしかありません。
それでこのネタに関しては発信してもいいかなと思った次第です。



アマチュアの男性は道具の自作が好きですが、わたしはあまりオススメしていません。上達途中での道具の自作は、技術向上の弊害になる例も多々あるからです。

道具類の自作は、それはそれで良いことなんですが、買えるものは購入するほうが陶芸界の経済を回すことになりますのでご一考ください。


それに、なんでも自作でいいんだと言い出すと「器も自作するからプロの器はいらねー」ってなりそうじゃん?


ただ、矛盾する話だけど、窯は自作できる環境の方は自作してみてほしいと考えています。

窯も成形の小道具みたいに「こんなもん自分で造ったほうがいいって!」という人が、しっぴきを自作する人ぐらいたくさん出てくれば、日本のやきものの未来は相当明るくなっていると判断できるのかもしれない。


じゃん?






posted by inoueseiji at 11:49 | イノウエセイジの頭の中

2023年01月16日

なんでも試してみると


YouTubeの方はリアルなビジネスが充実してくるとスッカリご無沙汰です。
とはいえ、ショート動画というものを試しにアップしてみました。

↓ ショート動画のリンクです

わかったことは今のところ3つ。



1.結局ロクロ動画が伸びる。

とはいえ、陶芸動画を作るとなるとロクロ動画をアップする人が多いからか、広告収入はほんとに少ない。”再生回数が一割以下の動画”の広告収入の一割よりも、さらに少ない。つまり今から陶芸YouTuberになろうとして、ロクロ動画をアップしたとしても、大きな収入を求めてはいけないということでしょう。



2.明らかに観ている世代が違う。10〜20代が中心になる。


このオジサンをはじめ、窯業界の未来を見据えている人たちは若者たちを応援している。
いつでも相談に乗るぜ!



3.過去データを利用すればいくらでも作れるし、ある意味自分の得意分野。

むかしあそびの動画を一年50本以上作ったことがある。それもガチガチの編集をしていた。
それから過去のふくおか陶芸窯の動画の製造にかかわるもの。そうした動画に比べれば”一分以内”なんて条件ならいくらでも作れます。



まぁなんだかんだ言っても、何かアップすれば多少は登録者も増えます。
ということで、また色々と試してみますね!


posted by inoueseiji at 11:54 | イノウエセイジの頭の中

2023年01月05日

本年もよろしくお願いいたします。


今年も良い一年になるように日々楽しみながらちょっぴり頑張りましょう。

わたしの勝手な予言ですが、ネット環境や様々な技術がさらに進んでいき、その反動で手仕事への再評価の時代が来ると思います。

わたしも焼成と窯炉についての発信やお客様へのサポートを続けていきます。 
未来は明るい!と思いましょう。



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写真は同期のお父様の丹波立杭焼と深川製磁の干支皿。


※100Vの電気炉の一部機種のみですが、先行製作がすすみ2月頃には通常通りに発送できると思います(数量はかぎられます)。



ふくおか陶芸窯

井上誠司




posted by inoueseiji at 15:40 | イノウエセイジの頭の中

2022年12月30日

どうか良いお年をお迎えください


今年もいよいよ終わりですね。
様々なことがあった一年でした。

また新たなお客様にも出会えましたし、値上げや納期の延長などもありましたが振り返れば良い一年だったと思っています。

最後におじさんたちでまたZOOMで雑談をしましたので、本年の締めくくりにアップロードしておきます。

みなさま本当にありがとうございました。
どうか良いお年をお迎えください。


ふくおか陶芸窯

井上誠司


posted by inoueseiji at 17:00 | イノウエセイジの頭の中

2022年11月30日

山口工具店と有田で考えたこと


超硬カンナを製造し、そのメンテナンスとして研ぎ直しをされている山口さん。

残念ながらすでに引退宣言をされているそうですが、肥前地区、波佐見・有田だけではなく全国各地に、山口さんを頼りにしている製陶所や個人作家さんたちがたくさんいて、彼の引退後のカンナや道具のメンテナンスをどうすればいいんだろうかと将来に一抹の不安を持っているようです。

そんな顧客のひとりでもあるお客様から、ぜひ井上さんを山口工具店に連れていきたいとお誘いいただき、「秋の有田陶磁器祭り」最終日にお邪魔してきました。

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山口さんには撮影にも質問等にも快く対応していただきました。ありがとうございました。

ある程度本格的に陶芸を習われた方や、製造業や機械工作に詳しい方は、これがそこそこ大きい両頭グラインダーだということがわかるかと思います。そして2台の両頭グラインダーは超硬カンナのあの鋭い刃をたてるために、様々な工夫をこらしてあるそうです。

普通の電動工具や両頭グラインダーには振動やわずかなブレがあります。そんな状態では超硬カンナのような薄く鋭い刃を研ぎ直すことはできません。そのためにグラインダーの固定やその砥石の回転部分には振れ取りのための調整を行ってあります。実際に近くで拝見していましたが、まったく砥石にブレはありませんでした。

そしてそもそもの砥石がそれぞれ角度を指定した特注のダイヤモンド砥石。一つが十数万円はするものだそうです。それが4つ。
やきものの仕事では棚板の掃除などでダイヤモンドカッターをサンダーにつけている方も多いかと思いますが、あのサイズの刃とは比べ物にならない大きさ素材、そして角度も指定して特注しているのですから当然の価格でしょう。

また砥石の部分にかかるように流れ出ているのは水ではなく、水溶性の特殊な切削油を使用しています。それを循環させながら砥石とカンナにかけながら研いでいくのです。普通こうしたことを山口さんのような技術者が話してくれることはありませんが、たまたまオイルのことを調べていた井上の質問から説明していただくことが出来ました。

また山口さんは20年以上牛ヘラを作っていらっしゃいます。その際にどんな木材をどのように乾燥させて加工するのかをずっと試行錯誤されてきたという貴重なお話も聞くことができました。

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そしてわたしとしては当然の感覚だと思うのですが、山口さんは牛ヘラを作るに当たり、ロクロを学ぶようになったそうです。どうしてそんなことをするのか、ものづくりの人間には明確な理由があります。自分が作るもののレベルを上げるためです。アマチュアの人にわたしが道具の自作をあまり勧めないのは、自分の技術レベルの道具しか作れないからです。自作する前にプロレベルの道具を使うべきだと思うからです。

山口工具店さんについては以下リンク参照。

https://hasamilife.com/blogs/people/yamaguchi-kouguten


ちょっと脱線しますが、わたしの幼友達はトラックメーカーに営業マンとして就職が決まった際に、アルバイトで貯めたお金で春休みに大型免許を取りにいきました。同期入社で大型免許を取った営業マンは彼ひとり。彼はいまでもその会社にいて、部長職になっています。自分の販売するトラックはすべて自分が運転できるわけです。

瀬戸の梶田絵具店さんや山内陶料さんも同様です。製造現場を把握し、自分たちの販売する原料や絵具がどう使われているか常にアンテナを張っている。時には自分で焼成して確認もする。自分が作るもの、自分が販売するもの、その使用現場や製造現場を知っておく。こういう当たり前の感覚を持つ人が増えてほしい。つくづく自分は口だけで生きているなぁと反省した次第です。


絵具も筆も道具も土も、いまはもう手に入らないがドンドン増えています。そして山口工具店さんのような工場や職人さんも引退していくばかり。そもそも山口さんが牛ヘラを作るようになったのは金属の仕事が減ったからなんだと思います。

それにしても本当に勉強になりました。山口工具店を出て泉山磁石場、チャイナオンザパーク、忠次舘と見て回りました。忠次舘で1900年のパリ万博に出品された大花瓶を見てふと思いました。

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俺たちって退化してないか?








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posted by inoueseiji at 12:49 | イノウエセイジの頭の中

2022年11月15日

マラソンも仕事へつながることが多い

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(マラソンのきっかけをつくってくれたmiccoしゃんと完走)

いろいろな方の応援を受けてどうにか3回目の福岡マラソンを終えました。

一応自己ベストでの完走ですが、内容はいままでで一番ひどかったと思います。
脚がつったりして結構歩いてしまったし…。

4時間59分48秒をめざしていましたが、5時間21分15秒でした(笑)。

コロナ禍で2年連続で中止となり、その間わたしは自転車よりもランニングよりも、ひたすらプールで泳いでばかりでした。

そのおかげで?肩周りと胸板に筋肉がかなりついてしまいましたし、年齢相応にお腹周りにもいろいろなものが付着しております。Lだと小さいけどXLだとデカいみたいな上半身になってしまいました。
2019年の最後のフルマラソンから体重は3キロぐらい増えていると思います。

全身筋肉痛ですが、いちばん酷いのは二の腕です。腕の肉が重たいってことですね。

さて、今回もいろいろなことを考えて練習したり、あえて休んだりウォーキングをしたりしてきました。
たとえばカカト着地かミッドフット着地か、そもそもそれは5時間台のオッサンに影響するのか、とか。他に大事なことはないのか、など。

仕事でやきものを作るのと趣味の頻度で作る場合、プロのカメラマンと子供を撮りたいお母さん、それぞれに必要なスキルや知識の違いがあるんじゃないのか。また、それらの発信に偏りや、ウソ・大げさ・紛らわしい、はどの程度あるのか?など。そして講師業としては、どこを重点的に伝えるべきか、お客様をサポートする際にヒントになることはないか、などを走ることで考えつづけた良い練習期間でした。


わたしの頭の中をつらつらと書いても仕方ありませんが、今回痛感したのは、自分の身体と対話できるようになることの重要性、自分の身体のセンサーを育てて信じること、そしてなにより大切なのは、
















ダイエットすること





でした(笑)。

同じパワーがあるのならば体重が軽いほうが良いというシンプルな事実。
だから体重増で自己ベストは、惜しいっちゃ惜しい。

もし歩かなければ、ペースを最後まで守れれば目標に近づけたかもしれない、ということですね。

言い訳はせずに、来週ぐらいからまたスロージョギングをはじめます!





posted by inoueseiji at 07:12 | イノウエセイジの頭の中

2022年10月27日

オジサンたちのおすすめ「やきもの映画」!


やきもの映画って微妙なものが多いですが、おすすめをいくつか。

イノウエのおすすめは「HAZAN」


福田さんのおすすめは「初恋のきた道」


みんな知っている「ゴースト/ニューヨークの幻」


はしゃいでるオジサン二人









アホな二人にかかわらずにお仕事中の吉田さん

posted by inoueseiji at 10:18 | イノウエセイジの頭の中

2022年10月17日

困っとぉ人ばア〜タほっとけんでしょうが!

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(経済産業省と厚生労働省の陰謀)

低圧電気取扱特別教育を受講して電気がらみの資格や修了証が4つに。
ほぼこれで現状の仕事をカバーするものはコンプリートではないかと思います。
(電気ブラン一気飲みは受講済)

電気には電験や第二種の上に第一種がありますが、わたしの仕事でそれらの資格が必要になることはありませんし、受験資格も得ることができないものもあります。

将来ヤシマ作戦(エヴァです)に駆り出されても、ケーブル捌きあたりをやらされる程度じゃないかなと思いますので問題ないでしょう。

資格者証も増えたので確認してみるとちょうど10種類です。

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(福岡の住所に書き換えたやつは同じ写真)

中にはボ〜っと座っていれば貰えるものもありますが、意外と勉強が必要なものもあります。
お金と時間はそれなりにかかっているかなぁ。

これに陶磁器系の資格が2つありますので、1ダースってことですね。
もうなにか取ることはないかと思いますが、どうかなぁ。
(可能性があるのは高所作業車・危険物・毒劇物取扱とか?)



資格は大切ですが、実際に窯を造った経験や補修した数が重要です。
どっちもないけど仕事で窯を扱っている人、たいした度胸ばい、ほんなこつ。




さて、先日来シンポ製の窯の修理問い合わせが続いております。
実際に補修にも出掛けております。

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シンポ製の電気炉、ふくおか陶芸窯で修理可能です。またヒーター線も用意できます。
100Vの電気炉、有名なあのDMT-01も対応できます。



ただし、部品のみの供給はしておりません。

なんともグレーゾーンにありますが、高温になる機材のヒーター線の接続、仮に電気工事士免許がいらないとしても、なにがしかの資格は必要だとわたしは強く思います。一応「電熱器のニクロム線の張替え」は軽微な工事として無資格で可能ですが、陶芸用電気炉のヒーター線はニクロム線ではありません。電気工事士とまではいかなくても低圧電気取扱か何かは必要じゃないでしょうか。

電気保安協会に確認する機会がありましたので、このあたりを色々と質問させていただきました。内容はあまりにも専門的過ぎてここに記載するのは今回はやめておきます。よりグレーが濃くなったとだけ言っておきましょう。

ただ、保安協会側の意見としては、仮に無資格で可能だとしても、やはり製造メーカーに補修してもらうようにオススメするとのことでした。もちろんそれが不可能な状況にあることもあり得るとは知った上です。高温になる機材です。さらに電気には感電や漏電の危険性が常にあります。

また築炉屋目線でいえば「ここがこうなっているのは意味があるけど、普通の人わかるのかぁ?」とかはよくあります。それをするかしないかで安全性が大きく変わるようなことが電気は以外とあります。




DMT-01の説明書には、ヒーター線の交換方法が載っていて、資格が必要かどうか、そうした記載はいっさいありません。しかし、安全のためにもなるべく製造メーカーや経験豊富な資格のある業者にたのんでください。

資格なしで工事できる、ということがわかればそれにこしたことはありませんが、そうなると「起こった事故は全て使用者の責任」となりますけどね。






ご安全に。



posted by inoueseiji at 15:44 | イノウエセイジの頭の中

2022年10月10日

「好きな動画・嫌いな動画」はヤバいかな(笑)





世の中は好き嫌いで動いている、とはフクダさんの迷言もとい名言。
まぁ組織の人事とかあるかもしれないねぇ。

そんな世界で絶対に選ばれないオジサンたちが好き嫌いで話しているんですから、まぁ編集でカットカット。

最終的にはミ○○リ○トの部分にもピー入れてくださいとの要望がでて、ピーじゃなくてマシンガン音にしておきました。
まぁ○ニマ○ス○の人たちは余計な情報も排除されているでしょうから、この動画やブログに到達することはないでしょう。

実は次のネタが編集まちですが、結構大ネタなので重い腰が上がりません。
連休も関係なく仕事の自営業ですので、まったく連休の感覚ナシ。メームスが家にいるから気づいたような感じです。

みなさまも良い一日を。
posted by inoueseiji at 06:57 | イノウエセイジの頭の中

2022年10月06日

ポッドキャストではなく”ポット”キャストげな〜


そんなオヤジギャグを言ったのは誰でしょうか(笑)。

特殊な業界で一人自衛業もとい自営業をやっていると、自分の世界のネタで雑談できる人は世界にホンのひと握りしかいないことに悲しくなってしまいますが、ネットのお陰で同志発見みたいな感じになっております。とりあえず放送できないテスト回などで、みんなの溜まりに溜まった宿○を吐き出しておりました。

絵面とはうらはらに、結構編集が大変で、産地が特定されたり、個人名につながるような部分をこまかくカットしたり、全員が暴言を吐いているところを泣く泣くバッサリカットしたりしてアップしております。

それからオジサン特有の「え〜っと」とか「そうですね〜。う〜ん」なんて間をつなぐ部分をカットするので、なんだか全員よどみなく喋っているような仕上がりとなっております。自分でこうした編集をやってみると意外と生放送じゃないラジオ番組もこんな感じで編集しているんだろうなぁと感じました。


次回はすでにデータは上がっているので、週末あたりにアップします!

お楽しみに〜。



番組へのお問い合わせ・リクエストは
私書箱893号、FKB「やきものおじさんラジオ:リクエスト係」まで。
(たぶん Fukuoka Kiln Broadcast やないかいな)


posted by inoueseiji at 06:42 | イノウエセイジの頭の中

2022年09月30日

ライターを買おう


ちょっとサボっていたらもう9月も終わりです。
今月は納入が結構あったのですが、年内はこれで終了であとはコツコツと営業活動をするのみ。

時間はあるので質問やお問い合わせも大歓迎で対応しております。

これまで焼成指導(この言葉ちょっとエラそうだよね)や質問をいただいてきた方々で気になっていることがあります。
ガス窯のみのことになるかと思いますが、倒炎式の窯であれば本体側面にある色見穴、バーナーと同じ線上の本体壁にバーナーの数だけ開いている小さな穴です。

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ここで炉圧をみて窯を操作していくんですが、相談や指導などの対応をさせていただいた方々の多くは、この穴にライターの炎をかざす、という確認方法を「知らない」か「行っていない」という方ばかりでした。

先日対応した方はなんとなく知ってはいたけれど手をかざしていただけ。

吹いたら消えるようなライターの炎のゆらめき程度の炉圧の変化を果たして人は手のひらで感じ取れるものでしょうか。まず無理でしょう。

だからお電話があったわけですから。

もしかして窯の方になにか問題があるのかとエントツの長さを疑ったり、設計を疑ったりする気持ちも本当によくわかります。しかしガス窯の場合、薪窯と違って安定したバーナーの燃焼により炉圧は一定の状態をキープできるわけですから、エントツへの「引き」とバーナーの炎の「押し」のバランスをいつも絶妙にとっていかなければなりません。

一度理解して解脱できればこんな簡単な理屈もないんですが、それが腑に落ちるまで、独学ではそれなりに時間が必要かもしれません。その際にハードを疑いだしたらもう沼にハマっていくだけです。

そのメーカーが何十年も続いているのなら、その窯をつかっているプロがいるのなら、ハードに問題はありません。


それよりもライターを買ってエントツの引きをコントロールしてみてください。
目視で確認できることや数値化できることは積極的に利用していくことです。経験が長いとかは関係ありません。理屈を理解していかないと「自分の窯さえ焚けない人」になってしまいます。





posted by inoueseiji at 07:23 | イノウエセイジの頭の中

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