2020年10月01日

一年間毎日発信できるのか?


川瀬さんのところに先日吉田崇昭さんとお邪魔してきました。

その際に9月いっぱいで毎日発信はとりあえず終え、10月からは週に2,3回程度の発信ペースになると伺っておりました。

今日から10月。
昨夜の動画であらためてお疲れ様でした、とお伝えしたいと思ったところです。




そもそも毎日なにかを一年間できる?
この酒飲みだって、年に二日ぐらいは強烈な二日酔いで呑めない日もあるというのに(笑)。

それこそが川瀬さんをプロたらしめているのでしょう。
古民家の改装と引っ越しも控えた中での発信、本当にお疲れ様でした。

またこれからの発信も楽しみにしております。フカウミさんも頑張ってください!






さてさて。

一年間は休まないとか、新規オープンの個人のお店などでもたまに見かけますが、まぁそういう覚悟のところが潰れたのを見たことがないですね。

毎日店を開けておく。
機会の損失を最小にするという当たり前のことです。

いくらロクロが上手くなっても販売先、アクセス方法、それが閉ざされている、そもそも自分で努力していない、なんてことではプロになれるわけもないのかもしれません。

また暴言気味の個人的な意見ですが、ネットとかスマホはちょっとねぇ〜とか仰っている方は、一人自営業には向いていないのかもしれません。

あのゴルゴ13だって、それこそ複数のアクセス方法があります。一般人でも会うことができるのです(依頼であれば)。マニアしか知らないことですが、ゴルゴ13にはアマチュア無線のチャンネルも持っていて、自由に出歩けない無線ファンもアクセスも可能です(そういう回がある)

そしてそれを世界各地や帆船にしつらえた隠れ家で、日々ちゃんとチェックしているゴルゴ13って、健気です。


一年間なにかを毎日やってみるチャレンジ。
アナタもやってみませんか?

最悪ツイッターに「暑い〜」の一言でもいいから毎日ツイートとか。
手でグッと握っただけの箸置きの日があってもいいから、最低一つは何か作るとか。
梶田さんみたいに毎日釉薬の調合するとか。


川瀬さんのところでの様子は今度また紹介しますね。

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(お盆で集まった従兄状態)

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2020年09月27日

そこですか〜!


トキちゃんにお洋服買ってあげたのでしょうか、気になります。

さてさて、外角低めを待っていたら、内角高めの速球に芋引いてバット振っちゃた感じ(野球知らんけど)

そこか〜。

クロムスズピンクか〜。

マンガンピンクじゃなくて(これは別ネタ)

20年前に引き上げの仕事の際に頂いた酸化クロムが2ポンドほどあるけど、なくならないんです…。

クロムスズピンクの釉薬も、クロムの添加量はわずか0.1%。

まぁクロムとかコバルトとか、少人数でガッツリ仕事しますからねぇ。

梶田絵具店のYouTubeチャンネル、恐るべし。




(全画面表示で見ることをオススメします。)
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2020年09月26日

何もできなくても本は読めるはず!


サウナで整って夏バテを解消し、久しぶりに動画をアップいたしました。



「陶芸窯 基礎知識と築窯記録」 寺田康雄著 里文出版 ISBN978-4-89806-491-7

★本の購入先はコチラ https://www.yodobashi.com/product/100000009003262789/
★美山陶房 https://www.teradabizan.com/
★寺田鉄平さんの紹介動画 ツクリテチャンネル瀬戸 https://youtu.be/YqFW2XbAAqM



コロナの影響で教室が休講になったり、縮小されて受講できなくなっている方もかなりいる、とお客様に聞いております。

作陶できないのはツラいでしょうが、今はレベルアップのための充電期間だと思えばいいのではないでしょうか。きっといつかは元に戻ります。

とはいえ、アチコチでフェアなども再開しているようで、ある程度ピークは過ぎたようですが、まだまだ作家さんや教室講師の方々にとってはいろいろと大変な時期が続いていると思います。

もうしばらくは知識の再確認とレベルアップの期間と捉えて苦しい今を乗り切っていきましょう。



さて、陶芸本のはなし。

陶芸家を目指している方で、いまは違う仕事などをされている方だって、一日に10分程度の読書は出来るはずです。

わたしも築炉メーカーにいたころ、夜な夜なこうした書籍を読んでいました。
それは確実に今に繋がっています。

また、わたしにしろ、誰にしろ、人の発信には原典があります。
それを読んでおくことが重要です。
(映画だってハリウッドリメイクで感動したらオリジナルを観てみましょう。)



例えば仮に、わたしの発信で何かの書籍について聞いたとしても、それはヘラヘラ笑っているオッサンのフィルターを通したものに変化しているものなのです。

学校や職場で習った作陶の技法などが、いつの間にかその人なりのやり方に変化しているのと同様です。

コピーのコピーのコピーに感動したりしないように情報には気をつける必要が、ネット以前の時代よりもあるということでしょう。個人の発信にはなんの検閲もないということです。


作陶についての話に戻れば、人間は自分が一人で習得した技術や考えに固執するものです。

たとえばいつも歪んでいたサンマ皿が上手く作れるようになったとしましょう。
その時に、実はなんの根拠もないある工程が成功のカギだったと「自分で自分を誤解してしまう」ことがあるのです。

実はサンマ皿の成功の理由は、ただ単に冬になったからとか、気にもしていない工程で使用する器具や道具が変わっただけ、だったりするんです。

失敗だけでなく、そうした成功の原因も、理詰めで把握していくことが大切です。書籍などを通じて考える基礎の知識を持っていないと裏ワザ的なことを王道の技術と誤解することがあります。

失敗だけではなく、成功の原因も理詰めで理解する、これは作家としてひとり立ちする方も、講師業をする方にも必要な考え方だと思います。

意外と「その人の環境でしか通用しないこと」を書いている本や発信は多いものなんです。




まぁ、このブログもそうですけどね(笑)。








◆陶芸本のはなし2




◆陶芸本のはなし3






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2020年09月17日

教え方もあるが習い方もある


良い教師とは常に

自分も誰かの生徒でなければならない

という言葉があります。
それを信じて、これまで些細なことばかりですが初めての世界に挑戦するように心がけてきました(挫折したけどジャグリングとか)。自分の受講生の気持ちを知るため、忘れないためです。

貧乏ですから独学が多かったですが、色々とチャレンジして得たものは大きいと言えます。技術と知識の身に付け方や伝え方について、深く深く考察するようになりました。

今年の1月からは子供がお世話になっている先生のところでピアノを正式に習っています。
月に1,2回程度ですが、生徒としての心構えをシッカリと持って臨んでいます。一例をあげれば猛暑だからといって短パンTシャツでレッスンに伺ったことはありません。先生に習うんですから。

何しろマンツーマン指導です。
大人ですから、それなりの受講料を払います。

楽しいですが真剣です。


いま現在わたしは

「ピアノ > 陶芸」

という状態です(笑)。



さて、陶芸教育の話に戻りましょう。

学校や教室の在り方や運営理念は様々でしょうし、受講する方々の動機も様々でしょう。

先日も記事にしましたが、陶芸を習う教室という認識の人と、機材と作業場のレンタルスペース程度に思っている人との上達度合いの差は、まさに月とスッポン、景徳鎮とダ〇ソー、でございます、ええ。

もちろん「先生」のレベルもさまざまでしょうが、教室の在り方としては後者のような「場所と機材の提供+プチアドバイス付き」の方が楽チンです。

ガッツリは教えていないけれど、それで回っていくのがビジネス的には正解だからです。ビジネスの目的は利益の追求であって生徒の成長ではありません。ましてや関わるスタッフの成長では絶対にありません。英会話教室から同時通訳者が生まれないのと同じ理屈ですね。


P・スウェイジ・イノウエ先生はこっちです。

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(ハ〜イ、ちょっと芯がブレてますね〜)


しかし、学校や専門校、学習センターでは明確に相手の知識と技術のレベルを上げるための授業や実習を行う必要があります。民間よりも安いかもしれませんがお金取ってますからね。

井上セイジしぇんしぇーはコチラで戦っております。

そこにレンタルスペース感覚で来られると、先生も生徒も何のレベルアップも望めないことになってしまいます。

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(おかげで還元焼成できました!)



動画観てれば何か出来るとか、理解した、なんて思うのは非常に危険です。
窯焚きも釉調合も自分でやってみるしかないんです。さらに申し上げれば、何のも実践せずに質問だけするのも無意味です。これについては動画を参照のこと。

ピアノも陶芸も同じだと首肯するばかりでした。



(きっとこの方もYouTuberにならざるを得ないやんごとなき事情がおありなんでしょうなぁ)


こんな言葉もあります。




失敗を恐れて

挑戦しない人生こそ失敗


posted by inoueseiji at 10:21 | TrackBack(0) | イノウエセイジの頭の中

2020年09月15日

あなたが電動ロクロの指導をするなら




今年の仕事で、とある教育機関に電気炉やロクロを納入させていただきました。
そこで全く初めての大人や子供の方々に指導する機会もありました。

そこには陶芸家になりたいという人は一人もいません。
そこは陶芸教室のように、陶芸をするだけの場所でもありません。
あくまで様々な教育の一つのチャンネルとしての陶芸。

アナタならどのような指導を行いますか?

多分20年前のワタシなら、まず菊練りは…と考えてガチガチの指導をしたのかもしれません。

全くの初心者や力のない子供にロクロの楽しさを伝えるにはどうすればいいでしょうか。

訓練校や陶芸教室とはまったく違う考え方で指導を行う必要がありますよね。
たとえば無理のない粘土の量やロクロの回転速度、指導方法が必要です。

それを通じて、自分の指導方法や技術への考え方も少しづつ変化していきます。
新たな視点を持つことで柔軟な指導方法を考えることができました。

この動画で紹介している一個挽き。
底の厚みも把握しやすく、オススメです。

欧米の方はよくこのような挽き方をしますし、日本でも産地によっては小さなものでもこのような挽き方をしています。

柔軟に作業を行うことができれば、指導も柔軟になっていくのだと思います。
それは過去に様々にお世話になった先輩方の指導方法を思い起こして思い知らされています。


続きを読む
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2020年09月11日

粉を混ぜるだけだけど



相変わらず仕事が早くて確実な梶田絵具店の梶田さんとトキちゃん。
今回は天然灰と合成灰の違いについての動画です。

これは自分ですこしやったことがありますが、ここまでシッカリとした比較のデータを見れるのはこの動画ぐらいでしょう。

天然灰の方がいいと思う、思いこんでいる、信じている、ウワサで聞いている、という方も多いでしょう。
動画にもあるように、それぞれに一長一短があるものでもあります。

合成灰の良さは、いつでも安定している、ということにつきます。
またすでに様々な原料を合わせているため、比較的簡単な調合で様々な釉調を得られるということもあります(動画参照)
天然灰の良さは、含まれている計測できない不純物の働き、また有機物であることと言えるでしょうか。わたしは経験がありませせんが、黄瀬戸や御深井のあの色は本来灰の成分の発色です。

だからそういう仕事をされている方は灰に拘るのです。そして灰を作るというのは実はかなり難しいことです(危険でもあります)。焼けばいいというものでもなく、ある程度の経験も必要でしょう。

それを製品として扱うために、梶田さんが長い期間をかけていたことをワタシは知っています。天然とはいえ、ある程度安定した質、量の供給が可能な所を探すのは時間がかかることです。自分の店で売るものの生産現場や使用現場を把握するという、実に当たり前のことを続けている梶田さん。そしてその知識量には本当に頭が下がります。

最近、知人から得た情報によりますと、トキちゃんの知識量と経験値が動画制作のせいで爆上がりらしく、いつもなら電話の途中でお父さんとか梶田さんに替わりますと言われることが多かったのに、トキちゃんが全部説明して電話を切られることが増えたとのこと。



「○○とxxだったら、こっちの方がアルミナ分が多いけどいい?じゃあ送っておきま〜す!」ガチャン!
(想像です)



う〜ん。

恐ろしい。


わたしは窯と焼成についての発信からスタートしました。
そして焼成には釉薬も大きくかかわってきます。みなさんも2,3種類の粉を混ぜるだけのことです。是非一度やってみてください。

やった人にしか見えない世界があります。

混ぜるだけ。
楽しいですよ。




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2020年09月09日

基礎から一歩づつは無意味かもしれない【営業記事だね】


※また営業記事です(笑)。

夏バテ気味です。
ようやく台風も過ぎてエアコンつけなくてもいいぐらいになってきました。

しかしなんだかだるくて身体を動かすのが億劫。
動画や読書やパソコン仕事を重点的にしております。

そんな中読んでいたとある本の中の一文。

「基礎から一歩一歩ではなく、とにかく高いところまで登ってしまおう」

頂上から俯瞰で見ればその分野のことがよくわかるだろう、そこから逆算して必要な知識を得て、技術を磨いていこう、という指摘です。


ではやきものでの高い所とはどこでしょう?


ロクロでデッカイ壺を挽く?

じゃなくて。

急須が挽けるようになる!


それも違います。





菊練りもロクロも出来ないウチに窯焚きしちゃえ!

ということです。

ワタシの初めての窯焚きはグループで行った穴窯でした。
当然いろいろな認識は変わりましたが、所詮は借りた窯でした。
勤務した大沢ガス炉商会にもレンタルの窯があり、それも数回焚きましたが、そのような環境がみなさんの周りに必ずあるわけもないでしょう。

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最近、海外の陶芸動画を一日に2,3本観ているのですが、

まぁ基礎が全然ダメ!

…と日本の職人やプロならツッコミたくなるものが多い。

ところが。

作品はちっとも悪くない。
むしろ面白いし、スゴイのも結構ある。

中には「このヒトこの程度の技術でそんなに儲かってるの?」なんて人もいたりして、思わず自分の人生を振り返って5分ほどボーゼンとしたりもしています。

彼や彼女らに共通しているのは当然ながら焼成を経た作品への強いイメージとモチベーションがある、ということでしょうか。そして何よりも楽しそう。

わたしは瀬戸の訓練校という、ある意味「やきもの業界の闇組織」で特殊訓練を受けたあと、泣く子も黙る築炉部隊に配属されて全国の最前線で戦い、最後は傭兵として梶田絵具店などにも籍を置いた人間です(ただの酔っ払い説アリ)

だから、様々な技術や知識へのこだわり、品質へのこだわりが、そこそこあるのです(作品の質は置いといて)

そんなワタシの人生を思い起こしてみても、初めて自分たちで窯を焚くまでにやきものを志して一年弱の時間がかかり、さらに自分の窯、旧型の100V電気炉を購入するまではさらに三年近くの時間がかかりました。26歳で訓練校に入隊(?)してから4年近くの時間が経っていたのです。

若人をビビらすために「オッサンには四半世紀のキャリアがあるんだぜ!」と言っているわりには、初めての自分の窯を手に入れてからは20年程度なのです。100V電気炉の焼成経験なんてもう数人のお客様に抜かれています(200回以上の方がいる)


もし26歳の自分が先に窯を手に入れていたら?
訓練校在籍時に100Vの電気炉を持っていたら?



窯を手に入れ、あとの武器は戦いながら集めていく。
それも大いにアリだと最近は思います。
海外の動画を観ているとちょっとギチギチになっていた自分を反省します。

それでも、焼成後のイメージを持っている人と持っていない人の上達は大違いで、ロクロ挽きの際に焼成後を考えられる「陶芸脳」を手っ取り早く身につけるには自分の窯を持つのが最短です。




とういうわけで、この営業ブログ記事(笑)

読書の時間を久しぶりに取れてアイデアも出ました。
たまには夏バテもするもんですね。





無料の資料を郵送しています。

mail@inoueseiji.com

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2020年09月04日

100Vの電気炉はやっぱり便利


先日、梶田絵具店の梶田さんとお電話した際、「100Vの電気炉は便利だともっと発信したほうが良い」と言われましたので、すこし商売っ気を出して書いておきましょう。



わたしの受講生の最年長Kさんは今年96歳。

91歳で自作された8kwの電気炉をお持ちなのですが、先日ウチにあった100Vの電気炉も持っていかれました(泣)。

ご自身で灰を作り釉薬のテストを盛んにされているのですが、8kwで一気に焼くよりも、新たに作った調合をその都度結果を確認しながら煮詰めていくためには、やっぱり小型炉が必要だということになったそうです。

イノウエはまた自分用に一基発注して、いま手元には100Vの電気炉がない状態。
たしかに不便です(笑)。




女流作家が活躍する某陶芸マンガでも、通常の陶芸窯の焼成時間では、すぐに結果が出ないのがマンガ的にいただけないのか、数時間で焼けちゃう謎の「ジェット窯」というものが登場していましたしね(笑)。

まぁ現実の作陶においても今日窯に入れたものが明後日には確認できる100Vの電気炉は本当に便利で有難いものだと思います。

梶田さん曰く、「給付金で中古車買うぐらいなら100Vの電気炉で2年頑張れ!」ということでした。
そうすれば作品のレベルが大幅にアップしてもっといい中古車が買えるぜ(結局中古かい!)、ということだろうと思います。

そもそも昔の旧型の100Vの電気炉でわたしは基礎を固めたわけですし、そういうプロは案外と多いものです。

フルサイズのプロ用一眼レフを買うのも大事ですが、カメラマンになるにはなんでもいいからカメラを手に入れて撮り始めないとはじまりません。

パソコンだって中古でいいから手に入れてドンドン発信したり動画編集とか写真加工とかをやってみることが大切です。

どうせ様々な操作や方法を覚えた頃には、また新型が出ているわけですから、その時に新品を購入すればいいと思います。

ホリエ〇ンもよく言っていますが、レベルが低くても人より先にはじめることに意義があるわけですね。

やきものは当然ながら窯がないとはじまりません。
そして人生の時間は有限です。


陶芸教室の役目の一つは、窯とロクロと作業場所の提供ですが、現在のコロナ禍の影響で縮小や休止によって作陶環境が持てなくなっている方も多いようです。そのような方にも100Vの電気炉はオススメできます。

なによりも、好きな先生や友人のいる陶芸教室があって、さらに家に電気炉があるというのは理想的です。先生ともより深い話ができ、高い次元のアドバイスをもらえるようにもなるでしょう。

そうなれば教室も活気づき、新たに入る人のレベルアップのスピードも上がります(実体験)

バカみたいな昔話ですが、むかしは電動ロクロを全然教えない、みたいな教室もあったりしたものです。なぜって?上手くなって独立されたら嫌だからだそうです。いまとなっては考えられない有り様ですが(笑)。


ちょっと脱線。


電気炉にしてもガス窯にしても、自分の窯というものを手に入れると劇的に作陶レベルは上がります。

これは間違いのないことです。

なぜならロクロで挽いて絵付けして釉薬掛けた記憶が新鮮なまま、焼成したその作品を手にするからです。

あの工程がまずかったんだなぁとか、これは上手くできたゾ、なんて数日のうちに繰り返し焼成して確認できるわけですから、自然と脳内に陶芸回路(?)が形成されていくわけですね。

というわけで。

是非とも100Vの電気炉をご検討ください。


ふくおか陶芸窯では、無料の資料を郵送しております。
資料その他の質問にもお答えいたします。

またご購入の方には誠心誠意サポートを行っています。


コチラのリンクから是非お問い合わせください。







★梶田絵具店のチャンネル登録もよろしく!


(トキちゃんファンクラブ会員募集中!)
posted by inoueseiji at 08:22 | TrackBack(0) | イノウエセイジの頭の中

2020年09月03日

都合のいい世界の捉え方


FBに書き込みましたがブログ記事にもしておきます。

今朝Googleドライブの整理をしていましたら、過去に書籍から抜粋したメモを発見。
すっかり忘れていた内容だったので紹介します。

楽焼きの釉薬などについての発信のための調べものでした。
鉛、鉛とうるさいですからね。

水道管には鉛が使われていることを知って調べたときのものだと思います。
参照元わからず。

”現在水道水から鉛が検出することはほとんどない。

仮に基準ギリギリ、1リットルあたり0.1ミリグラム以下で2リットル飲んだとしても、一日に摂取する鉛は0.2ミリグラム。
しかし、これだけで健康被害がおこることはない。

毎日口にする食品にはその10〜20倍の鉛が含まれているし、空気の中をただよう目に見えない粒子のなかにも鉛は存在し、呼吸によって水の3倍程度の鉛が体に入っている。

ほとんど全ての食品に鉛は含まれ、普通に暮らしていると飲食物と呼吸によって0.3ミリグラムの鉛を体内にいれるが、そのほとんどすべてを排泄している。


わたしは別に鉛問題を軽視しているわけではありません。
ただイメージ先行が過ぎてフリットも上絵具も完全に有鉛は駆逐されてしまいました。あぁ〜あ。

釣りの錘とかも規制されないように気をつけてくださいね(笑)。

さて、0.1ミリグラムがイメージできないワタシのお仲間に簡単な比較でお伝えすると、0.1ミリグラムというのは1円玉の10000分の1の重さです。

ちなみに昭和53年以前に建てられた家には鉛を含む給水管が使用されている可能性があります。
うちなんかまさにそうです(笑)。

もちろん使用に問題ないから使われていたんです。
そもそも鉛には利点もたくさんあるから人類は長い期間使用してきたのです。

けっして昭和のお役人が極悪非道だったわけではありません。
いまでも各自治体は順次水道管の取り換えや水質調整を進めています。


何がいいたいかと言うとですね(笑)。

なんとかウィルスとか。
楽焼の釉薬とか。

捉え方だと思うんですよ、個人的に。


(コメント欄荒れまくって2人ほど消えてます)

消えてますけど、めちゃくちゃに書かれましたからね(笑)。
自分が理解できない、怖いからといって、イノウエと鉛のせいにされてもねぇ。



本家樂さんに誰か質問してみてください(笑)。

鉛を使った茶碗を売るなんて!

って誰か言ってみてよ。
(あきまへんえ!)



みなさんは環境破壊を起こしたいとか、地球なんてどうでもいいや、とは考えていないと思いますが、電気とネットとスマホを使用している段階で、捉え方によっては閻魔様に言い逃れできないほどの極悪人だとも言えるのです。

ネットで自然保護を訴えること自体がシュールです。
無意味だともわたし個人は考えます。

現場の専門家がいろいろやってくれていると思います。


ですから我々は、

好きな陶芸をガンガンやっていきましょう。

自分の手の中で地球を調理する感覚を味わってください。





鉛の飛行船に乗って。




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2020年09月02日

数値じゃなくて感覚じゃん?


9月ですねぇ。まだまだ残暑が厳しいです。

さて、そもそもわたしがネットで発信をしようとしたのは、景気の悪かった世紀末頃の務め先をなんとかできないだろうかという気持ちからでした。

ホームページを作った経験もなく、そもそもパソコンもない中(使用経験はあった)、社長に掛け合い、勝手に作ってもいいでしょうか、ということで夜な夜な作った築炉メーカーのホームページが最初です。

小規模な会社だからできたことかもしれません。
さらにわたしは自分のボーナスをかけて「つくる陶磁郎」に広告を出してもらいました。
知ってもらわなければいい仕事は埋もれるだけだと考えたからです(結果HPで売れました)

そもそもパソコンも自腹でローンで購入してますし、これで窯が売れなければボーナスもなくなってしまう状況。小さな会社だからこそ、自分の給料がどこから出てくるのかリアルに感じ取れるわけですから、「あ、17時になりました、あとは知りません、お疲れ様〜!」とは出来なかった部分もありました。そういう人の方が少数派らしいですけど。

その時に感じていたのは、たった一つ。

使い方のわからないものを誰が買うの?

ってことです。
窯は高価な買い物で使用方法もねぇ。


やきものに窯が必要なことはわかっていることだけれども、誰もその使用方法を懇切丁寧に教えることはなかったし、ましてやその製造方法や市販されている窯それぞれの違いや価格差がどこに現れるのかなんて、誰も知りませんでした。景気がよければ勢いで購入した人もいたんでしょうが、本当に不景気でした。


そりゃ売れないわ。


そもそも無名な各築炉メーカー。
某ロクロメーカーにどれだけ窯のお客を取られたことでしょう。

のちのちお客様を取り返したこともありましたが、最初の窯が最悪だとお客様自体が取り返しのつかないことになったりもしていました。そんな陶芸窯のイヤなお話もある年齢以上の方は聞いたことがあるのではないでしょうか。



多くのプロ予備軍が窯の選び方を知らなかった。

おそらく今でもそうでしょう。どの学校や大学に行ったとしても、まだまだ窯の情報を得ることは難しいと思われます。だから、わたしの発信を教材にしたいというオファーが来たりするわけなのでしょう。有難いことでしたが無償でお応えした分、あえてキツイこと言わせていただければ、美大の先生が人の動画に頼るなんて情けないと、忸怩たる思いで授業していただきたいのです。





さて、築炉メーカー時代の話にもどりますが、お客様の多くは、先生がこのメーカーだったからとか、教室で紹介されたからとか(抜かれてるゾ)、あの作家さんが使っているからとか、どちらかというと弱い理由で選ぶ人が多かったように記憶しています。

あの人が使ってますで言えば、大沢ガス炉商会の顧客には誰もが名前を知る有名な作家さんがたくさんいました。けれども初代社長は絶対それを営業で口にすることはありませんでしたし、わたしがホームページに記載したい旨を伝えると、そんなことは書かなくていいと不機嫌にこたえたものでした。おそらくは前述のような弱い理由で選んでほしくなかったというのもあったのでしょう。


窯選びについて我々は自転車選びほどの経験さえありません。



自慢でもなんでもなくて、わたしはパッと見ていい窯か悪い窯か感じ取ることができます。それはガス窯だろうと薪窯だろうとわかります。それがプロとして当然持つ感覚です。

似たようなことはみなさんも経験があるのではないでしょうか。自分が仕事にしてきた業界、陶芸以外の趣味、専攻してきた教科の書籍などについて、このような感覚を持つことは多いと思います。ヤンチャな男の子だった方ならば、同じノーサス直管やハの字のシャコタンでも微妙な良し悪しがあることを感じ取ることができたことでしょう。


ではそうした感覚は、どうすれば身につけることができるのでしょうか。
経験と言ってしまえば、先に始めた人に勝つことは理論的に出来ないことになります。

それは明らかにオカシイ。
1年生でもレギュラーとか有り得ることでしょう。

では3年生でも補欠と1年生でもレギュラーの差は何でしょうか。
野球ならば打率などの数値、バスケなどではゲームセンスみたいなものでしょうか。それも数値化できそうです。


技術と知識にもかならず数値はあるとわたしは思っています。
ではその数値化はなんのためにあるのか、といえば「アナタの感覚を研ぎ澄ます」ためです。

たとえば同じ工作機械を使用しても、人が変われば完成品の精度がまったく違うことはよくあることです。また、突撃お料理番組(あるのかな)プロがわたしの台所にあるもので調理したのに味が全然違う!みたいなことですね。

とにかく全力で、アナタの感覚を研ぎ澄ますことに意識を向けていただきたいと思います。
そのための数値化や計測、記録であって、ここまである程度わたくしの発信をご覧になってくださった方には、その先を感じ取っていただける能力があると思っております。


たとえばアナタが感覚的に英語を喋れるようになりたければ、まずしっかりと文法を押さえ、映画などで発音や用法を身につけ、YouTubeで生の言語に触れて、さらに引き出しを増やしていけばいいと思います。

やきものも同じです。
無視できない文法みたいな部分があります。
かっこいいけど思いっきりスラングもあります。
そしてそもそも「何のため?」も必要です。

例えば英語なら、友だち作りなのか、海外に販路を広げたいのか。
自己満なのか、ビジネスなのか、ですね。
そうなると自分で覚えるのかプロに外注するのかも視野に入れて考えなくてはなりません。

そこを考えずに後で編集できないところに前衛詩人みたいな文章を残さないように気をつけましょう(笑)。





★本日のまとめ

アナタが求めるものは本やネットにはありません。
そこには手掛かりがあるだけで答えを探すのは無意味です。
答えはすべて自分の中にしかありません。

感覚を研ぎ澄ます!







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2020年08月28日

釉掛けへの質問

釉掛けのことを聞かれたのでまとめてみました。









過去動画の古いもので音声が悪いですが。











オマケ。

刷毛塗りは自宅で作陶されている方に特にオススメします。
最初はムラができるかと思いますが、慣れれば便利ですよ。










タグ:陶芸
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窯焚きでの炉内の温度差



川瀬さんの動画で窯が登場してビックリしております。

お邪魔した際に快く見せてくださいましたが、大切な作品の焼成にかかわる部分ですからあえて「窯見せてもらいました〜。」とかは言わずにいた大人のイノウエです。

この川瀬さんの動画の内容は非常に興味深い。
わたしもこの動画に刺激を受けましたので、今までどこにも書かなかったことを今回は書いておきたいと思います。

以前なにかの動画で「最初の4時間、最後の2時間」ということをお伝えしたことがあるかと思います。この言葉は亡くなった初代大沢社長から、わたしが独立後に直に教わったことです。

まずはこのことをもう一度書いておきましょう。

大沢社長は当然ガス窯の焚き方について言われていますが、灯油窯などにも通じることであると思いますので参考にしてみてください。

まず最初の4時間というのは、点火してから最初の4時間ぐらいで炉内の状態を安定させることが重要だ、ということですね。
あぶりというのは実は非常に重要な部分で、倒焔式(倒炎式)の窯は、点火から扉を閉めてバーナーの炎の流れを煙道までしっかりとつくる必要があります。扉を開けたままはいけませんよというお話は過去動画でしていますのでここでは割愛します。

最初の4時間でもし温度ムラを作ってしまうと、なかなかそれが解消しないままで焼成が続いていくということです。厳密に4時間ということではなく、焼成初期段階をおろそかにするなよ、ということでしょう。

窯焚きの経験が少ない頃は最高温度ばかりに気が取られてしまうものですが、そこへ至るには初期段階の状態がとても大切です。ロクロでいえば土練りと土殺しが重要なのと同じことですね。

ここまでのこともいくつか発信しています。




ここからが初めて書くことです。

わたしは焼成指導などで、初めて焚く窯をその持ち主のお客様よりも確実に操作することを求められるわけですが、以前熱電対が2本刺さった大きめのガス窯の焼成指導を行ったことがあります。

熱電対が複数あれば嫌でも上下の温度差を数値で表示されるわけですから、なるべく差が小さくなるように、揃うように奮闘しなければなりません。ガス窯のような倒焔式の窯の場合、当然天井の方が温度が高く表示されるものですが、下との温度差が大きければお客様の目もありますので改善しなければなりません。

煙道への引きが強ければ上下の温度差は大きくなります。これは窯詰めの密度などで焼成ごとに変動します。自分の窯であれば何度かの焼成を経てそのクセをつかんでいくわけですが、一発で結果を求められる焼成指導の場合は裏ワザも使用します。

500〜600℃まで上手く上下の温度差が解消しなければ、わたしは敢えてエントツの引きを押さえ、炉圧もかなりプラスになるように(還元かける勢いで)、炉内を引っ掻き回すイメージでダンパーとドラフトを操作します。必要ならばバーナーのガス圧も操作します。こうすることでショック療法的に炉内の炎の流れが変わり、上下の熱電対からの数値に動きがあります。
注:必ず行うことではなく、あくまで裏ワザ的なことです。


こうすることで上下の温度差が改善することがありますが、そもそも完全に同じ温度にはなりません。それを求めることもナンセンスだと考えています。温度差が50〜100℃以下であれば良しとします。とにかく最初の4時間から6時間ぐらい、温度でいえばやはり600〜900℃の間に上下の温度差を落ち着かせなければ、川瀬さんの発信のように最後まで何をやっても上下の温度差が解消しないまま焼成終了になることが多いようです。

もちろん窯詰めの状態や、そもそもその窯の設計が問題ないのか、エントツに適正な長さがあるか、ということも影響しますが、点火からの数時間はエントツのあるガス窯や灯油窯で一番重要な段階と言えるでしょう。

薪窯であればこの段階は1〜数日になるかと思いますし、薪を投入した直後から次の薪を投入する直前の間で、炉内の雰囲気や炉圧は目まぐるしく変動していますし、そもそも炉内の温度差はありますから、薪窯の作家さんなどは意外と意識はしていないかもしれません。それでも薪窯のあぶり自体は、経験者でなければできない大切な工程であるのは周知のことだと思います。

現場仕事は段取り七分ともよく言いますが、窯焚きにおいて焼成初期段階の意識をどう持つかは非常に重要です。それでも、熱電対が複数あると悩みが増えるだけですよ、といつもわたしは言っています。特に小さめの窯ではシビアですからオススメしませんが、あえてそこを計測して様々なことを試すのは自分自身の成長に大きく役に立つことだとも言えるでしょう。

大きな窯の方がいいものが出来る、という嫌なオッサン作家の言葉の根拠はここにあり、大鍋でカレー作れば腕はそこそこでも美味しいくなる、ということでしょうか(また暴言)

一番簡単な電気炉の制御は最高温度とキープ時間しか設定できませんが、4時間400℃は固定で触れないようになっています。もちろんいろいろなメーカーの様々な制御がありますが、ここでも4時間という数値が出てくるのは偶然ではないでしょう。

ちなみにこれは個人的な意見と経験からの発言ですが、点火から800〜900℃ぐらいまでの間にいろいろと操作して温度や雰囲気が変動しても、焼き上がりに妙な影響を及ぼすことはほとんどないと思います。例えば還元状態になったとしても短時間であれば釉調や素地はそう簡単に変化しません(窯焚きは時間です)。ですから、いろいろなことを試してみて窯焚きマスターへの道を模索してみてください。

さて、最後の2時間ですが、これはいつ火を落とすかを判断する段階ということです。これはこれで悩み多き段階ですが、これについてはまたいつか書きたいと思います。









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2020年08月27日

窯よりもロクロでしょ?


学生のうちに勉強しておけと言われても、ついつい他のことに現を抜かして大人になってしまい、あらためて英語の勉強したり、ゼーゲル式の計算方法を独学したりするのが人間というものです(うちも英語?の字幕つけるか)

先日多くの方がロクロに憧れてやきものをはじめたということを紹介しました。

ロクロに対する憧れ、実際に触ったときの楽しさ、人を夢中にさせる道具と作業工程であるのは世界共通みたいです。

海外の陶芸本では有名なコチラ。
著者のトニー・バークス先生もオッサンと同じようなことを書いていらっしゃいます。

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(技法書のレベルは海外のほうが高い気がします)

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(陶芸愛好家は世界共通ですな)


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(一番肝心なんですなぁ)


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(250年前も25年前も同じだよね。やきものだからさ)


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(後悔するから進歩することもありますな)



ロクロが入り口なのは間違いありません。
15年も講師業をしていますから実感として理解しています。

焼成と窯について、わたしが目の前で伝えても聞かない人は聞きません。
こっちの話は聞かないでオデコに「早くロクロさせろ」と表示されている人もいました。

じゃあロクロにはしっかりとこだわってくれるのかというと、全くそうでもない。
ロクロの前段階の準備、土練りや土殺しをないがしろにしたまま、とにかくロクロを回したい。
ようするにクルクル回すことが楽しいわけでしょう。


そして基本と地味練はイヤ。
上手くなりたいとか思わないのかな?


観光地の体験工房みたいなところならそれもいいでしょう。
もしかしたら、そういう方々に迎合する陶芸教室もあるのかもしれない。

ただ生涯学習という理念を持つ施設で講座をもっているワタシにはそれは出来ません。

わたしは受講生にはロクロをはじめ、作陶技術全般に上達していただきたい。
そのために指導をするわけですが、前述のようにそれがイヤなオジサマも過去にはかなりいて揉めたこともありました。おかげさまで「ロクロ・マスターベーション」という嫌な言葉が生まれたりしたのです。

逆にいえば自分勝手にロクロができる教室(もう教室じゃないか)なんかを運営すると儲かるかもしれませんね。

  • 好きなようにロクロやってくださいね!
  • 指定されたように焼成もしておきます!
  • ショバ代と焼成代はかなり高めです!
  • いやぁ〜世界で一つの作品ですよぉ〜!



設備があれば出来そうです。
教えないからコチラも楽。
たいして講師のレベル(講師じゃないか)も必要ないからバイトでいい。
(アルバイトで回せるということはフランチャイズの可能性があるわけだ)




いいね。
窯と電動ロクロ見積しますよ!



イノウエも昔ですが口臭や身体のケアと身だしなみをしっかりとして、陶芸教室をプロのサービス業としてやるなら、すぐにポルシェに乗れるようになるよと花の都大東京の方から言われたことがあります。もちろん絶対嫌だと断りました(酒席の冗談だったけど)。ポルシェの代わりに軽トラサンバー(同じRRだぜ)手に入れたからこの人生で満足です。



でもそれ、ビジネスとしては正解なのかもしれません。



例:

♡白薔薇ポタリ―スタジオ会員様募集です♡

太陽と情熱のロクロ・コース
指導:スウェイジ・イノウエ先生 

前から指導 5000円/30分〜
後ろからゴーストコース 8000円/10分〜

ティータイムあり。

※アフターディナーについては先生とご相談ください。

(偏見でしかない)




今ならやるかもしれん(笑)








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2020年08月26日

陶芸に必要な電気の知識




各YouTuberの発信のおかげと、コロナ禍の影響で、小型電気炉は例年より売れているようです。
うちも問合せと発注は少し増えてきています。ありがとうございます。

またそうしたお客様の気持ちを後押ししてくださっている各YouTuberの方にもこの場を借りてお礼申し上げたいと思います。製作方法の公開や情報の発信がたくさんの方の人生を素晴らしい”やきもの”の世界へと導いているようです。

それでも100Vの電気炉の運用というのは200Vの電気炉よりも少しだけ使用に工夫が必要なことがあります。

家庭用電源を使用するわけですから、ほかの家電との電気の奪い合いが避けられません(笑)。

そこで電気について、この動画程度のご理解をしていただければ、温度が上がらないなどのトラブルがおきにくくなります。もし温度が上がらないということであれば購入したメーカーや業者にご確認ください。

そもそも各メーカーが販売している100Vの電気炉は家庭での使用を考慮して設計製造されています。後述するように使用する側も電気についての簡単な理解をして、工夫した運用をすることも時には必要です。

弊社で納入した全ての100Vの電気炉は問題なく1230〜1250℃の温度で日々運用されていて、お客様からのお礼のメールや、焼きあがった作品の写真をいただく時、しみじみと喜びを噛みしめているイノウエです。


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では電気の簡単なお話。
雑学程度ですので、どうかお気楽に読み飛ばしてください。

電気は発電所や変電所から数十万ボルトで送られてきます。

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(碍子の数で大まかな送電圧がわかる)

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(撮影はイノウエ@チャリ。鉄塔好きなんです)

さらに変電所を経て、街の電柱に張り巡らされた電線では6600Vになっています。

その6600Vが電柱から家庭に引き込まれる際に200Vになり、洗面所とか廊下にある分電盤に届いているわけですね。そこから各部屋のコンセントまで100Vの電圧で繋がっています。


このイメージをわかりやすくお伝えすると、


源泉のお湯を直径5メートルのパイプで街まで送り

各地域に66センチのパイプで供給します

家庭には2センチのパイプで引き込み

さらに1センチのパイプで各部屋の蛇口へ送る


ということです。




では…。





どこでお湯は冷めていくでしょうか?




もうご理解いただけましたね!


家から電柱までの距離、家の敷地面積も全て影響します。

1センチの部分が長くなってしまうからです。

これで延長コードがダメだという理由がわかってくるかと思います。

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(こうなります)





動画と合わせてもう一度ご確認いただけると嬉しいです。






ふくおか陶芸窯はコチラ!


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2020年08月25日

白菊の花言葉は「真実」【菊練り動画の比較】


今日は福岡36℃越えでした!

先日の記事でいろいろな方の土殺しを比較して、その大切さが少しは伝わったようで好反応でした。

そもそも陶芸動画を複数比較できる日がくるとは想像だにしなかったこと、大変嬉しく思っております。

では今回は、「土殺し」のさらにその前段階の「土練り」はどうよ?ってことですわ。

菊練りって意外と発信している人は少ないのかな?


(このシリーズで初めて実技を披露したよね)



(すべてはここから始まるらしい)





(ようするにタニシ練りですよね)



(木山くんもタニシ練りを丁寧に解説)





(二人とも、これがタニシだぜ〜あなどるなよ!)








土練りの座学的な発信はほぼ皆無でした。
拙いわたくしと…。



(説明する難しさがありますね)


川瀬さん!


(菊練りは出来ているけどさらに深く!という方は是非この動画を)




わたしの発信の根本を成しているのは瀬戸の訓練校での授業や友人・先輩からのものですが、これからは様々な動画やネット発信によって高い技術を身につける人が出てくるのでしょうか?

楽しみでもあり、なんだか不安でもあり。

それぞれの人たちの発信を糧としてみなさん頑張ってみてくださいね。

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2020年08月24日

疑わしきは殺せ【土殺し動画まとめ】


ハイ、というわけで、土殺しの動画をまとめてみました。


(3回の上げ下げでいいそうです)



(粘土の量と解説はアマチュアにも参考になる)



(土の量がプロ盛りです)



(下げる部分を大袈裟に解説)



(英語の字幕がしっかりと編集段階で入ってます)



(かたい粘土ということで特殊な例なのでしょうか)




よく「芯だし」と「土殺し」という言葉が混在しているように感じます。

言語を明確にするのは、ある程度意味があると思うのですが、芯だしは単に中心軸にあってブレていない状態のようなイメージでしょうか。わたし個人は素焼きの器の絵付けや、削りの際に使う単語のように思っています。

「土殺し」は粘土の粒子の配列が完全に人間の力で征服された状態かと思います。今から作るぜ!って感じのイメージでしょうか。わたしの過去動画でも少し触れていますが、ようするに

粘土とは何ぞや

可塑性とは何ぞや

という問いを発して初めて、作陶の技術やロクロの技術は上がっていくのではないでしょうか。

同じように川瀬さんも発信されていて、こちらの方がよりわかりやすいです。
流石に「焼き物実践ガイド」を2冊も持っているだけある川瀬さんです(イノウエは1冊だけだぁ)



(貧乏なのでトランプを犠牲にすることができませんでした)



(みなさんのためにトランプが二組も犠牲になってます)



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2020年08月23日

ロクロ動画を観る前に【注意喚起】

え〜今日の記事は長いです(笑)。


わたしの講座で受講生のみなさんに、どうして「陶芸」をしようと思ったのですか?と聞いたことがあります。すると9割以上の方がロクロに憧れて、という回答でした。

この答は意外でしたが、納得でもありました。たしかに「陶芸」という言葉を耳にして、多くの方がイメージするのはロクロ成形のシーンでしょう。

わたし自身も訓練校に入校した際には、生徒間で電動ロクロの腕を競い合ったものですし、トップグループにいることで得意にもなりました。全ては懐かしい思い出です。

今回は安全についてのお話をしたいのです。

25年近く前の春、わたしは愛知県の窯業高等技術専門校に入校していました。夏を過ぎ、ロクロの授業も進み、すっかり秋も深まった頃だっと思います。わたしの左手首にぷっくりとしたパチンコ玉のような膨らみが認められるようになりました。親指の付け根あたりで、触ると痛いのです。訓練校のK先生に相談すると、ガングリオンだろう、もう無理するなと言われました。相当凹みました。

毎日ロクロを回して、周囲と競い合い、お互いに高めあって、本当に毎日が充実していました。しかしこの手首のせいで、ロクロどころか、今後は手を使う仕事自体が無理なのではないかと危惧し、ガッカリしていました。

その年の暮、グループで穴窯を借りて焚くことになっており、その窯焚きに向けて薪の準備などで忙しくしていましたので、気持ちをそちらにシフトして、薪の準備や手びねりでの作陶などをしていました。

そんなある週末、外での薪の仕分けなどにも飽きて、数人で山の斜面に向かって竹の棒で棒高跳びのマネごとをして遊んでいたら、わたしは見事にバランスを崩し、身体と腕の間に竹の棒を挟み込んだまま、激しく地面に叩きつけられました。

「いってぇ〜!」と言って起き上がってみると、手首に激痛を感じました。見てみるとあのパチンコ玉のようなガングリオンが消えていました。ウソのような本当の話ですが、ガングリオンは、はみ出してきた元の場所へ竹の棒で押し込まれたみたいでした。

後日説明したら、K先生はウソだろ?って顔をしていましたが(実話です)、それから再発することもなく、毎日ロクロや課題に精を出して、わたしは無事に訓練校を修了しました。

陶芸の世界では、いくら才能やセンスがあり、恵まれた環境が整っていても、身体を壊して辞めていく人が毎年必ずいます。わたしも瀬戸時代に、そんな人を何人も見送ってきました。前述のように訓練校時代のわたしにもその可能性が大いにあったのです。

ですから作陶される方は、プロ・アマ、年齢に関係なく、腰や手首などには十分に注意して、身体のケアも怠らないようにしなければなりません。

わたしは数年前に、右、左、右と順番にテニス肘になったことがあります。おそらくはパソコン仕事と自転車のせいですが、いま思えばあれにも予兆があり、気をつけるべきだったと反省しています。


あなたが楽しみとして始めた「陶芸」で身体を壊してはなんの意味もありません。

しかし。

間違った認識での独学や、経験の浅い講師の指導で、身体にダメージを受けている人が複数いることを、最近になって知りました。わたしはいまは陶芸窯取扱業者ですが、陶磁器科職業訓練指導員免許を持つ陶芸講師でもありますので、そこら辺について厳しめに発信していこうと考えています。




まず、動画で言うと怒られそうなことから書いておきます。








YouTubeでロクロを晒している人の96.8パーセントは下手クソです。









ロクロ名人はYouTubeなんてしませんから(笑)。

まともな人や仕事が順調な人はYouTubeなんてしない、というのがわたしの持論です。だってわたしがそうですから。

もちろん、第三者が撮影してアップ、というのもあるでしょうが、それこそ稀な例でしょう。


当然わたしも下手クソです。


ただし、わたしは基本を伝えたいと考えてきました。
アナタに上手になってほしいと考えています。

やきものに興味をもっている方の、出来ない、知らない、を解消することで、窯の販売や修理に繋がると考えていて、実際にロクロが上手くなった人の窯を購入する確率は爆上がりだからです。


ここが唯一、他の方の発信の動機と大きく異なるところです。


自分の仕事紹介とか

人の発信に触発されてとか

作品などの販売促進用とか

教えたがりの勘違いボーイとか

不安をYouTubeにぶつけているとか


まぁいろいろな動機がロクロ動画にはあるかと思います。


繰り返しになりますが、わたしの発信の目的は、こうした方々と同じではありません。


このロクロ動画の発信の目的を大袈裟に言えば、やきもの作りを楽しむ人の安全と健康に繋がるからです。
陶芸は安全衛生の観点から見れば、実はけっこう危ない世界です。作業だけではなく、機材、材料、溶剤など書道の840倍ぐらい危険な世界です(ウソ)

窯一つ造ったことがない人の窯についての発信とか、第2種電気工事士免許さえない人の窯の修理とか、いろいろありますよね。

「ネットで調べれば自分でなんでも出来るぜ」と考えるのも自由だし、発信そのものも自由です。ネット環境が無ければわたしもとっくに埋もれていました。

発信する自由って最高!

でも、その自由には「リスク」というものがセットですから覚悟の上でどうぞ。


例えば窯。

無茶苦茶やって、ケガするのも死ぬのも勝手ですが業界が迷惑します。
わたしは迷惑を被りたくありませんので対処させていただきますね(笑)。



免許も経験もあるワタシだって築炉屋の世界では最底辺のカーストにいるということを知っておいてください。

おそらくどんな世界でもネットにはその程度の情報しか上がっていません。論文などは検索して見ることが出来ますが、読んでもワタシは理解できません(笑)。実体験があるからやれている部分もあります。動画を観る暇さえないゴリゴリのプロがこの世の中にはたくさんいるということです。


今回のロクロ動画ですが、安全に留意して身体の状態を第一に考えてほしいと思っての発信です。関節とか傷めると、数年かかることが多いですし、下手をすれば残りの人生ずっと、その痛みとだましだまし付き合っていくことになるかもしれません。そんなのイヤでしょ?



世界で一番大事なのはアナタ自身のはずです。
そのアナタの身体をどうか大事にしてください。

YouTubeやネットに惑わされないでほしいし、無茶な指導内容も無視していいんです。
発信する側も「世界で一番自分がカワイイ」と思っているということを忘れずに。



絶対に身体的な無理をしないで、やきものを楽しんでくださいね。











posted by inoueseiji at 17:56 | TrackBack(0) | イノウエセイジの頭の中

2020年08月21日

ラスター!


もう誰にも止められない梶田絵具店の動画ですが(笑)。

今回はなんとラスター!

いきなりレベル高いですね。
シンシア・ラスターさんとお酒吞んだことあるイノウエです)


(働いている時こんなに詳しく教えてもらってないゾ)


ようするに上絵付けの一種になるわけですが、電気炉のもっとも得意とする分野です。


動画の内容をおこがましくも補足してみます。

なによりも大事なのは、器具や筆、絵付けする器をキレイにすることです。

筆や刷毛の毛は動物の体毛です。とくに新品の刷毛や筆は毛をととのえるための灰などの残りが付着していますので、必ず筆おろしのときにしっかりと洗いましょう。

動画中のビール瓶の中身はラッカーシンナーだと思われます。
それをふき取るのは「キムタオル」という毛羽がつきにくい研究室などの定番商品を使用していますね。

ウェスやティッシュは素材によって毛羽がついてしまう場合があります。気をつけましょう。ささいなゴミやホコリのせいで均一な面にピンホールなどができてしまうと、作品は台無しですから、くどいようですが、しっかりと事前のお掃除は行いましょう。

当然のことながら筆は専用のものを決めて仕事することが大前提です。
ずばりラスター刷毛というものがありますし、同様にリス刷毛、花刷毛もあります。



★梶田絵具店


★筆と刷毛

(これを動画の概要欄に書かないと!)



電気炉をお持ちのみなさん、是非美しいラスターの世界を堪能してください!




【追記】


個人的にはこの動画は感動しました。

こうした陶磁器絵具の世界では、こちらから問い合わせて初めて、

「実はこういうものがある…」

とお店の奥から出されるブツがあります。

どこかの誰かさんじゃありませんが(笑)、

「あるならちゃんとカタログに書いてよ〜!」

と子供じみたことを言ったことが、イノウエにも何度もあります。




今回の発信で梶田さんは、ラスターについて、ガラスの上絵のことまで実に事細かに発信されていて、正直驚きました。


「梶田さん本気なんだ!」
     (本気と書いてマジと読む)


発信の順番も勝手なこちらの想像ですが…。

どこにもないネタから優先順位をつけてアップロードしているようです。

梶田さんは本当にデジタルアーカイブを作り上げるつもりなんだと思います。愛だけはトキちゃんに負けてないつもりのイノウエ、全力でそれを応援していきたいと思います。



さぁ!チャンネル登録どころか、今週中に5人以上に紹介しないとアナタの釉薬にピンホールが発生しますよ!(懐かしいな)




posted by inoueseiji at 09:16 | TrackBack(0) | イノウエセイジの頭の中

2020年08月19日

暑いから急須でも作りましょ。


急須の作り方。
プロとアマ。
人生一つ目と百個目。

実に様々な発信が出てきました。
こうした比較ができるのは本当にいいことですね。


(上級編かどうかは置いておいて)


(仕事内容と動画のクオリティ!)


(4本で解説されているのはありがたいですね)


(大分の作家さんでフェアでカップを購入させていただきました!)


アマチュアの方もスゴイですよ。

(初めてというのは大人のウソ?)



(ロクロを回さぬ口だけ男1号)


もちろんこれ以外にも急須で有名な各産地の窯元や作家さんの動画や発信があります。

わたしとしては、それもいいけれど個人レベルで様々な発信があって、それを観たり実践したりして意見しあえる世界をどこかで望んでいました。

「俺は知っとうばってん、
  お前は知らんちゃろう(笑)!」

それもアリ。
ばってんが俺の中では、それはつまらんとよ。
小さい男にはなりたくないじぇ。

人の方法を見て、みんなであ〜でもないこ〜でもないと言ったり、アイツは上手いとか、こんな道具あるのかとか、知らない世界や技法を知ることこそ、大きな意味と意義があると考えます。


それこそが業界を応援することに繋がる。




暑いですが、冬本番に向けていまからチャレンジしておきましょう!




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2020年08月16日

やるかやられるか


お盆も過ぎて各地とも残暑が厳しいですね。
そんな中あいかわらず良い発信は続いているようです。

先日はYouTubeの広告に村上金物店さんのバナーが表示されて驚きました。
着実にネット販売に移行していこうとされているんですね。

イノウエも今後とも微力ながら宣伝と応援を続けてまいります!

さて、われらが梶田さんとトキちゃんもお盆期間中も休まず、動画アップされていました。




今回は練りこみの話。

テストピースに一定の比率で顔料や原料を混錬して、施釉、無釉で焼成したものの紹介と解説です。

実際に自分でこれを行うとすれば大変な手間ですから、こうしたデータやテストピースの公開は本当に有難いことだと思います。

これがいいな、というものがあれば梶田絵具店さんのテストピースをもとに、さらに細かい数値で混錬具合を変化させていけばいいわけですね。

動画中の解説で時折梶田さんが話されていますが、そもそも顔料の元になっている物質や含まれている成分などがわかることで、また一段と理解が進むのではないかと思います。

もうここまできたら、見ているだけではだめですから100Vの電気炉など、自分の窯をお持ちの方は是非実践してみてください。

わたしは顔料の土への練り込みは経験がありません。そのため今回勉強になったこととしては、

  • 無釉と施釉での違いが意外と大きい
  • 焼結による発色の変化は目からウロコ
  • 意外にも還元いけるライラック(陶試紅のお仲間とは)
  • 黒茶っていたっけ?
  • トキちゃんの髪型ナイス
  • もらいもののクロムが孫の代まで残りそう


やるかやられるか(笑)、なんて記事のタイトルにしましたが、自分で手を動かす、「やる」ことでしか理解できないことがあります。梶田絵具店さんのホームページや動画のテストピースをスタートにして、自分なりのものを追求していくのも面白いものです。

そんな勉強の時期、テストするのが楽しいからテストする、なんてこともよくあります。テストピースをいっぱい作って幸せみたいな(笑)。

わたし個人は「行為の目的化」は嫌いではありませんが、やっぱり実践の先に形としての作品があるとよりいいのではないかと思います(磁器土のガンダム作るとかさ)


窯のことでいえば、還元焼成とか炭化焼成について、お問い合わせや質問がよくあります。ですが、何のためにそうした焼成方法を取るのか明確にされている方は少ないようにも感じています。自分の環境ではできない、漠然とやってみたい、還元の方がいいものできそう、というようなこともあるでしょう。



前述したとおり、わたしも「行為の目的化」はアリだと思っているほうですので、やったことがないことには、失敗を恐れずどんどんとチャレンジするべきだと思います。それでも、ないものねだりでの思考停止だけには気をつけてください。環境や機材、設備のせいにすればキリがありませんし、ストレスを増やしていくだけです。

実は技術や技法は、ある種の制約や条件があったほうが大きく進化します。小型の電気炉しかなくても、実に表情豊かな作品を作る方がアマチュアにもたくさんいらっしゃいます。

電動ロクロならば、これを作れ!と厳しい課題を出したほうが受講生の上達は目に見えてすすみます。好きにやればよい、なんでも自由だよ、というのは教える方は楽チンなんですが、実は無責任で相手の進歩も遅いことが多いようです。




(7:16からのお話がわたしも納得です)



posted by inoueseiji at 07:38 | TrackBack(0) | イノウエセイジの頭の中